ナナ
6 件の小説蝶
夜の蝶 色んな人に媚を売る だが幸せだ 帰ると子供の笑顔 目一杯子供との時間をとりたくて 私は夜の蝶になった 嘘と疑似恋愛 綺麗な洋服 綺麗な職場 だが癒されない いつも笑顔 いつもお酒 いつも虚しい 子供の事も隠さなければならない 私は蝶と言う仮面を被る シャンパンと言う蜜を飲み ひらひらとドレスをなびかせ ひらひらと 花粉を飛ばして沼らせる 今日も小さな彼のために 夜は私の唯一の居場所 蝶も家に帰れば羽を休める 羽で大切な人を守りながら 夜は私を強くし そして切なくする シングルマザーは美しい なぜなら弱さも隠し持った刃も 密かに持ち合わせているから そぅ蝶のように そして蜂のように…
さようなら
穏やかな日々の春 笑った夏 ゆっくり過ごした秋 別れようと思った冬 大好きで大切でした それでも別れを選んだ私 それが一番の愛だから 違う道を選んだのは自分の気持ち 一緒にいたかったあなた あなたの自由まではあの時は許せなかった とても愛されていたから 何度もやり直す事も考え泣いた 涙が枯れるまで泣いた 一緒に旅行した場所がテレビで特集されているとチャンネルさえ変えて 思い出さえ嫌いになろうとした 風の噂で聞いた結婚したと良かったと思う気持ちと悔しくて悲しくて 一度だけLINEをした 幸せになってね 君もねと返信が来た時には心臓が飛び出そうだった ずっと落ち着くまで俺は君を待ってるよと言っていた一年前 ずっと自信過剰だった私 もぅいい加減 さようならをしないと現実を見なきゃと自分に言い聞かせる 声が聞きたい 会いたい と思ってもすれ違う事さえない 縁がないんだなと思い もぅ一度あなたと別れようと決意した日々を思い出す 楽しかったと同時に日々辛かったと交差している私の心 そんな時 ランダムで流れてきた音楽は一緒に聞いたあの曲 都合が良いな あ 私この感じが嫌だったんだって思った そぅ都合が良い あなたの機嫌をとるだけの自分が嫌いだった 今日からは思い出さずゆっくり歩いてみよう 今まで避けて通った思い出の道も避けず現実を受け止めよう 2年もかかってしまったけど さようなら そして ありがとう 愛するあなたへ もぅ自分に嘘を付いて生きていかないで幸せにね 私は心の中であなたに恋しています 決して伝えられないけれど さようならと自分に言える時まで 好きでいさせて さようならはもぅ少し待ってね
キラキラ女子
背が高くスタイルいいね… 綺麗だね 笑うと可愛いね ウンザリ キラキラ女子? CHANELが良く似合うね… ウンザリ 朝はパンをかじり お昼は糖質ゼロ お夕飯は好きな物を食べ 休日? ジム 努力をして今があります とは建前 食事までは一緒 休日? 干物の様にお布団から出ません お夕飯? その辺に転がっている物 食事ケチってCHANEL投資 もちろんフリマアプリなんです 綺麗なお化粧? もちろんお出かけはカラコンに CHANELです 家だと 眼鏡にキティちゃんの豹柄スエットです 仕事? キラキラしてる お化粧品屋さんです もちろんキラキラです もちろん女の職場です もちろんいじめあります 妬み やっかみ 陰口 言われます ラブブ持っているだけで妬まれます もちろんCHANELも妬まれます いるだけで華がある女は女の敵です キラキラ女子? 綺麗な言葉だけ 妬み 陰口 オンパレードです 美人って生きてるだけで疲れるんです だけどお年寄りと子供には好かれます キラキラ女子って言葉よりも 嫌味な女と置き換えて悪口言って下さい 今日も節約してネイルとマツエク代 稼いでます 追伸 美人は男にも好かれません 怒ってないのに普通なのに スカしてる 気が強そう 俺がいなくても生きていける よね? キラキラ女子とは自分が好きな女子を言うんです 他人なんかどーでも良いんです 媚を売ってまで好かれなくて良い 嫌われ物ですから 背が高いだけで一線置かれます 顔が小さいだけで一緒置かれます だって皆んな小動物が好きだから キラキラ女子は我が道を歩く撃たれ弱い女です どうぞ優しく接して下さい
価値観
所定の位置 所定の車 所定の制服 規則正しい生活 規則正しい私 毎日の繰り返し 普通の年相応 平凡な日々がちょょうど良い 社内で見る 痛い若作り 密かに心で笑ってた のに羨ましいとも半分思っていた だけど私には平凡がちょうど良い いつも明るい皆んなに好かれる 綺麗な人 ブランドさえ彼女の為に作られているみたいに輝いてる もし彼女と変われるならとも思う 眼鏡をコンタクトに 髪を染めヒールという疲れる靴を履き 想像したけど私には平凡が1番 平凡に仕事をこなし家路に帰る そんな時 偶然彼女とぶつかり入れ替わる って そんな事もない 女とは自分を磨き自分を作り一歩出る女と 私の様に普通の年相応の女がいる 思い切って彼女に聞いた 綺麗の秘訣はなんでしょうか?と 彼女の答えは何もしてないよと言う言葉ではなく 携帯の 写真を見せてくれた デブで冴えない女が写ってた これ私デブでブスでしょう?と笑っている 確かにと思ったが元は良いと思っていると 彼女が言った 大好きな人がいて振り向いて欲しくて頑張ったのよと笑ってる あ ありがとうございますと私が言うと 女はねダイヤモンドなんだよ〜 どんな人でも磨けば輝くの あなたも磨いてご覧 繋がっている眉から見直しなよ あっ私 そんな眉まで気にかけた事なかったと赤面した 恥ずかしい眼鏡まで曇っている 彼女はイタズラに私の眼鏡を取り 綺麗な二重だね 本当はちょー美人じゃん と笑ってヒールをコツコツと音を奏でて仕事に戻った ボケっと立ち止まり綺麗?私がと思い そんな事はない からかわれたと思い仕事を終わらせて規則正しい時間に家に帰った いつもならスマホも漫画しか読まない癖に 眉毛の整え方 垢抜ける方法などyoutubeを見てみる キラキラ女子達が一段とキラキラ眩しい ダイヤモンドか〜彼女の言葉を思い出しながら 規則正しくベットに入る 明日は休み 嬉しいと思いながら ちょっと夜更かしをしたら 子供の頃の様なワクワクが蘇る あっこの感覚 忘れてたと思った 彼女はこの感覚を常に持っているのかと 規則正しい生活の私との違いかなと思い眠りにつく えっこんなに私 綺麗に垢抜けた 嘘でしょう?と舞い上がると共に朝が来た つまり夢 現実は規則正しく朝ごはんを食べ 規則正しく洗濯をしている 自分が嫌い 1番嫌いなのは勇気がない自分 規則正しければ何も言われないと知っているから 床には母からもらったCHANELのバックがある 私には似合わない 似合う自分になりたいと思うけれど 理由を付けて規則正しいを続けているのは私自身… 窓を開けると虹がでていた 今日は一日規則正しくをやめて綺麗時間にしようと心に誓い 鏡を見たら白髪混じりの髪の自分がいた 眼鏡をかけるとそばかすだらけ いくら規則正しても努力をしないと現実は高校の時のジャージを着た自分がいた 思い切ってイメチェンをと思いクローゼットを見る 黒のオンパレードの洋服達 私にはこれが似合うと思い込んで何十年も洋服さえ買わない自分 さあっどっから変える?と悪魔の私が囁く 今日は規則正しいのが1番よと言う天使の声に負けず 悪魔に身を委ねよう なんとなく明るく笑う自分が可愛く見えた 一歩踏み出そう ダイヤモンドに近づける様に
優しい嘘
明日何時に起きる? 朝 七時かな〜 そしてあなたの腕の中で寝る お揃いの時計を枕元に置いて あなたの腕の中でいつも思う このままで時間が止まってと 抱かれるたびに荒んでいく私 あなたの腕の中で眠りにつき あなたの寝息に安心して あなたの声で目覚める あなたは私がちょっとでも離れると私の名前を呼ぶ 大好きだよ あなたが言う言葉には嘘はない この時間だけは私の事が大好き おはよう 朝が来る 行ってきますとあなたの声とキス そして又 別の生活が始まる あなたには大切な守る人がいる 私にはあなただけ あなたとの時間だけで生きている いつからか携帯を見るのもやめて あなたからの会いたいと言う文字も見るのも嫌になった 決して恋ではない 決して愛してはいけない 決して独占してはいけない 決して壊してはいけない 寂しい夜 会いたい人は 決して電話もかけてはいけない いけない事ばっかり だって不倫ですもの そして決して奪ってはいけない だって奪われるもの だからさよならも言わず 私はずるいから あなたの時間だけをたまにもらう ずるい女 だった 最後に嘘を一つ 私 結婚するの 大好きなあなたに最後の嘘 大好きなあなたを卒業するの 携帯を変え新しい人生を始めるの 大好きだから大嫌い 携帯を変えた日は2匹の蝶が飛んでいた 雨も止み始め 今までごめんなさいと呟いた あなたからもらった時計だけが宝物の様に変わらず動いている そぅ今日は私の誕生日 鏡を見た しわ増えたな と一人呟いた
香水
雨の日は嫌いと思っていたのに 雨の日は私には良いことが続く 雨の匂いに混じって懐かしい香水の匂いがした 一瞬 足が止まった。 EGOIST この匂いで私は涙が止まらない 直訳するとわがまま そぅわがままに過ごして来た若い頃 大切な人がいた 事故で亡くなった彼 彼の前では泣いたり笑ったりを共に過ごした 毎日が楽しく毎日が幸せだった この香水 一緒に使おうって 私達が唯一共有していた香水 だけど彼がつけると特殊な匂いに変わる その匂いに包まれるのが好きだった 私が香水を付けるとそのままの匂いなのにどぅして彼がつけると特殊な匂いなの?って友人にも言われ毎日大笑いしてた 彼が亡くなって もぅあの匂いに包まれることはない どこかでいつも探してた もぅ一度で良い 包まれて眠りにつきたいと毎日願って何十年も時が過ぎ私のEGOISTの匂いだけがいつも部屋にもこもってる それなりに恋もした だけど何かが違う 若い時の恋愛はずっと生き続ける そんな風に懐かしく感じた日 ふと彼の匂いがした 待ってと思わず言いたくなるくらい彼の匂い 年甲斐もなく走ってしまい 顔が見たい もしかしたらと雨の中追いかけた 完璧 危ない人になってた だけど どぅしても見たかった 触れたかった赤の他人なのに 追いかけて入った喫茶店にはあの香水の匂いの残り香がかすかに残ってる あの人か? あの時の私はどぅかしてた すいません香水何使ってますか?と見ず知らずの人に理性よりも先に聞いてしまった EGOISTです と答えを聞かなくてもわかっているのに聞いてしまった瞬間 我に帰った すみませんと一言言うと 同じ香水ですねと彼女は微笑んでくれた そして一言 私EGOISTつけているのに違う匂いになっちゃってと恥ずかしそうに笑う彼女を見て ごめんなさい懐かしい思い出の匂いにと見ず知らずの彼女に言うと涙が出て来た あー私 痛い人だって自分でも思った そして彼女は言った 亡くなった父の匂いが好きで使ってますって微笑んでいる 明日 命日なので久しぶりに付けてみましたEGOISTと言い微笑んでいる彼女にお礼を言い 私は雨の中 仕事に向かう 雨で良かった マツエクで良かった 泣き顔が目立たない そんな中 誰もいない雨の中 一瞬 風が吹いた 彼の匂いが私を包んだ 今日も彼の分まで生きなきゃと思いながらも心はあの時のまま 時間が止まってる