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4 件の小説だから俺は猫を食べた Ⅲ
『いいかよく耳を貸せ』 『ん…なんだ?』 『盗もう』 『なにを?』 『トラを』 『トラを?!あのお前の何倍もでかいという猫か』 『そうじゃ』 『盗んでどうするんだ?』 『放すんじゃ』 『何のために?』 『少しは頭を使わんかバカタレ。 いいか、トラを盗んで放すと街で暴れる』 『うん』 『その間、領主の城の警備は手薄になるだろう?? そしたらその間に食い物を盗むんじゃ!』 『んだそれ、馬鹿らしい…。 金や宝じゃなくて食いもんかよ』 『この街でスラムの人間が金の使い道なんてたかが知れてる』 『そうだけどよぉ、食いもんのためにわざわざそんな危険をおかしたくねぇよ』 『怖いのか?』 『は?誰が?!!』 『いいぞ、わしは別に』 『うるせえ!!やってらあ!!』 『…ふっふっくっく』 『けどよ、具体的にはどうやって?入口には常に2人、城の中には100人以上の兵がいるんだぜ?』 『まあまあ、落ち着け…。 まずわしが城の塀を登って口に咥えたロープを垂らす。そしたら君がそれを登って城に侵入する、そしたらまず庭に行ってトラを放す』 『庭には警備はいないのか?』 『あやつらはトラを信じ切っておる。 実際今まで何人もの侵入者を食い殺してきた』 『おい!そんなの俺が食い殺されるだけじゃねぇか!ふざけんな!』 『いいから黙ってきけ!わしはあのトラと知り合いじゃ…。 それにあのトラは領主に怨みがある、喜んで協力してくれるだろう。』 『へっ!お前の友達となれゃ随分じーさんなんじゃねーのか?』 『試してみるか?あの牙で噛みつかれたら君の頭蓋骨も砕けるだろうな、くっくっくっ…』 『悪かったよ、やめてくれシャレにならねぇ』 『話を戻すぞ、トラを放したらお前が“”トラが逃げたぞ!“”と叫べ』 『そしたら街中で混乱が起こり、その間に盗みを働く』 『おいちょっと待て!そしたら街中でトラが人を喰ったりするだろう!』 『アホか!君の首から上は塵か、わしとトラは友だと言っただろ!誓ってそんなことはさせん』 『わかった……それで?』 『そしたら君は食糧庫の物を全部持ってこい』 『全部?!そんなに馬鹿でかい袋があるもんか、あったとしても持ち運べない!』 『そんなことはわかってる』 『?…どうゆうことだ?』 『4次元ポケットって知ってるかい?』
だから俺は猫を食べる II
あの日に頼んでおけばよかった、そしたら今こうやって悲しむこともなかったのに 『ふーんじゃあ俺は………………。 やっぱいいや、俺の昔の知り合いがなこう言ってたんだ“”無料って言うのは嘘だ“”見返りのない親切なんてのはこの世にない』 『ひねくれとるのお、まあよいだろう。それもまた君の選択じゃよ。 ところでの腹が減ってるのじゃが本当に食べるものがないのかね?』 『ねぇよ!それにあったとしてもあんたには渡さねーよ』 『くぅ、猫の風上にもおけんやつじゃな』 『うるせぇ、助けてやっただけ感謝しやがれクソ猫』 『シャア!!!!』 『お、おい!やめろって引っ掻くなって、わかった!わかったから!俺が悪かった、この通りな!な!』 『いいか!次わしをクソ猫と言ってみろ!お主の股間を食いちぎってやる!』 『わかった!わかったって!つってもあんたの名前を知らねえんだ!名前を教えてくれ!』 『名前なんぞない。なんでもいいわ“”』 『てもよー、じゃあ俺がつけてやるよ!そうだな……話し方がじじくさいから老だ!ロウ!』 『はぁーーー……君にユーモアを期待したわしが馬鹿じゃったよ』 『うるせえ!いいだろ!あっ、おいどこ行くんだよ!』 『腹が減ったから食いもんでさがしてくるわい』 『んなもんどこにもねぇよ。1人でいったらまた虐められるぞ?』 『あれはたまたましくじっただけじゃ。あんなヘマはせん。』 −−− なんやかんやで不思議な老猫のロウとの生活が始まった −−− 『だあ!くそ!!』 『どうしたんじゃ?朝っぱらから煩いのう。食いもんがみつからんか?』 『食いもんはいつでもみつかんねぇよ』 『あー思ったんじゃが。お主食いもんはどうしてるんじゃ?』 『あ?そんなもん日銭の仕事して買って食うんだよ!まあ仕事があればな、なけりゃ鼠なりなんなりさ!』 『ふむ… それでお主はなぜそんなに苛立っておるのじゃ?』 『あの、クソ領主がまた無意味なことをしてるからだよ!』 『ほう、あのデブちゃんが』 『ああそうだ!あいつがまた市民の税金とやらで銅像を建てやがった!』 『ほう、それはまた… ん?しかし、お主は税金など納めてないし関係ないじゃろう?』 『それはそうだけど、ムカつくだろ! 金に余裕があるんなら少しでも街を俺たちを助けやがれ!』 『あの領主の街って言うのに自分が入ってると思うのかね?』 『…くそが』 『…ふふくっくっ、しかしあのでぶちゃんには少し痛い目にでもあってもらうかの』 『痛い目?そりゃまたどうやって?』 『いいかよく耳を貸せ』
だから俺は猫を食べた Ⅰ
俺には親がいない、家族もいない、家もないし、なにもない。 いや1人だけダチがいる、ロウだ。 スラムのガキ達に虐められてるところを俺が助けた柄にもなくな。 その日は朝からイライラしてた、雨が降ってること、昨晩に喧嘩したこと、そして虫歯になってること。 それらが全部重なって物凄くムカついてた。 とりあえず憂さ晴らしをしようと街を繰り出したら黒い猫、金持ちが持ってそうな。 そんなこの場に合わないようなやつが虐められてた。 『おい!坊ちゃん猫!どうしたんだい??ここはスラムだぜ!飼い主の優しい老夫婦も癒やし可愛いご主人様もいないんだぜ!』 『おい、こいつ首輪つけてねぇぞ!野良だ!見掛け倒しだよ!』 『毛並みが綺麗だから、剥いだ売ったら金になるかな??』 『おい!!!朝からうるせえってんだよ!!いいか俺はイライラしてるだ!10秒いないにここから消えねぇと殺すぞ!!!』 『ちっ、なんだよ…ほら行くぞ』 −−− (あっーーなんでこんなことしちまったんだ、死にかけじゃねぇか……………。 どうすればいいってんだ畜生、とりあえず連れて帰るか) そして俺はその猫を自分が寝床にしてる廃材で作ったガレージにつれて帰った。 『おい!大丈夫か?』 (死んだか、仕方ねぇ何かの縁だし墓でも作ってやるか) 『助けてくれてありがとう』 !!!!!!!!!!!!!!!!!! 『誰だ!!!』 『わしじゃよ、わし』 『猫が喋った??!!嘘だろ!!』 『おぉう、いいリアクションじゃな。 とりあえずミルクをくれ。』 『んなもんねぇよ!ここは世界最悪スラムリカベルだぞ』 『ふむ、君は普段何を食べてるのかね』 『俺か?んなもん適当だよ、目の前に食いもんがあったら食う。 食いもんじゃなくても食う、ここに住んでる奴らはそうやって生活してんのさ お前さんこそどこの金持ち小屋から逃げてきたんだ?領主か?』 『フォフォフォ!いいか坊や領主は猫なんか飼わんトラじゃ』 『トラ?なんだそりゃ?』 『わしの何倍も大きさの猫だよ』 『ふーん、そりゃ大変なこった』 『ふむ、助けてくれたお礼に君の願いを一つ叶えてあげよう。条件もあるがね 何がいい??』 『条件ってなんだい?』 『そりゃ言えないよ、願い事を言ってからじゃ』 『ふーんじゃあ俺は』
ルサンチマン
ボクの名前はルサンチマン、8歳。 小学2年生だ。得意なことは食べること、好きなことも食べること。 パパとママはそんなボクを世界一可愛いと言ってる。 でも、最近学校の子たちがいじめてくる。 『やい!デブ!そのでかい腹の中にはパイが入ってるだろ!!』 ってね、ボクは全然気にしてない。 だって、好きなことをしているからだ! それに僕はデブじゃない食べるのが好きで少しぽっちゃりしてるだけだ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 僕の名前はルサンチマン、12歳になる。 今日から中学校に入学する………… 憂鬱だ…みんなに虐められるんだ。 『おいデブ!ここは養豚場じゃないぞ! 回れ右しろよ!』 僕は美味しいものを食べるのが好きだ、幸せな気持ちになる。 けど、同級生の皆んなは違う。 他のことに幸せを見出してる、食べる事が好きなのはダメなのかな? 『おいどうしただい?今日は全然食べないじゃないか?…』 『食欲がないんだ』 『食欲がないって?!母さん聞いたか!』 『ええ…熱があるのかしら…』 『やめてよ!あっち行ってよ…』 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 俺の名前はルサンチマン、19歳。 実は今日映画のオーディションがあったんだ!しかも見事合格! これで俺もハリウッドスターの仲間入りさ! パーティーだって!?やめてくれよ… そんなところ行きたくもない……………! パーティーにはピザがありコーラもあるし、グラマーな女がいる。 人が醜くなる原因のものしかないよ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 私の名前はルサンチマン、明日で27歳だ。 人は私のこといろんな呼び方をする。 「千年に一度のスター」「この世で最も優れた人間」「神に好かれた男」 とまあ、数え上げればキリがない……… 私は中卒だ、高校は中退した。 虐められてね、太ってるから… 別に悪いことだと思わないよ、人と違う私が悪い、みんなと一緒じゃない私が悪い。 フォレストガンプだって最初はそうやって虐められてた。 彼は偉大だ、弱さを受け入れ認めて仲間につけて友達になった。 私はそれが出来なかった……………………… 全て手に入れたつもりだったけどね。 過去は消えない。 私は憎い、ここまで醜く育て上げた両親が。 私は憎い、小学生の時に虐めたきた奴どもが。 私は憎い、中学の時に色んなことに興味を持ちはじめたクラスメイトが。 私は憎い、太ってるという理由で石を投げ不登校にさせたクソどもが。 私は憎い、成功しはじめた途端掌返しする者どもが。 私は憎い、正しさより賛同者の多さが正義になるこの世が。 私は憎い、人を愛し楽しく生きれなかった自分が。 私は憎い、もっと早く努力できなかった自分が。 私は憎い、復讐しかできない自分が。 end