ユート
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井垣助左衛門の妖怪退治-第1章[完]-
幕府の軍団が敗れ 大山では鉄鴉天狗が討ち取られた 鉄鴉天狗の言っていた「主」とは誰なのか 村に感謝を告げ 助左衛門達は村を去る 水辺の村 この近くには大きな海があり そこにはかつて妖怪と戦った幕府水軍の亡骸が水底にあると言う その村の住人から依頼を受けた 「村外れに「崩山鬼(ほうざんき)」と言う鬼が住み着いた」 と言う物だった 早速その日の夕方 助左衛門 若手武者の熊之助 軽装中年武者の鯖戸 盲目の剣士「佐藤勘太郎」は村を離れた 居た 山の様とまでは行かなくとも成人の数倍はあり体は土会話で構成されている 目は赤く光り角は巨木の様な物でできている 「人間ごときが!叩き潰してやる!」 そう言ったかと思うと突然大きな棍棒を振り下ろしてきた ズドン! 一撃で地面にヒビが入る 躱せたがいつまでも逃げる訳には行かない 助左衛門が合図を出し 熊之助が率先して気を引き 鯖戸が撹乱して 佐藤が一撃を繰り出す 巧みな連携をしていたが埒が明かない 暗くなるに連れ 「斧武者」「焔婆」「髑髏兜」「骸武者」が現れ始める 痺れを切らしたのか崩山鬼は怒号を放っ た! 地面が揺れたかと思うと口からまさに地獄の如き業火を放ち周辺を焼き尽くす そんな大妖怪をも討伐し ようやく一息ついていた 海辺を歩く4人組 すると突然青白い光と薄い霧が出てきた そして 「蓬莱へ〜...蓬莱へ〜....」 と寂しい様な細い声で歌が聞こえる 「何だこの声は」 唖然に取られる助左衛門を他所に若手武者の熊之助は 「蓬莱...?」 とかなり惹かれている これはまずい 「聞くな!」 いつもは静かなはずの佐藤が怒鳴る 「この歌は精神に干渉してくる...心を強くもて!死にさそう歌だ!」 それでもなお 「蓬莱へ〜...蓬莱へ〜...」 海の中から全身に海藻や苔 貝殻を付かせた骸武者達があらわれた 骸武者の派生「蓬莱骨(ほうらいこつ)」だ 死にさそう歌は精神に干渉して来る 心の弱いものだとたちまち蓬莱(不老不死の島だっけ?)に誘われ水辺に飛び込み自殺してしまうという 「邪念に囚われ死にきれない哀れな亡者共っ!成敗してくれる!」 4人組と蓬莱骨は激しい戦闘をする しかし水辺は蓬莱骨にとって有利な地形だ 水辺が近くにあれば活発化し水がかかればたちまちすぐ回復する 幽霊船からは新手の蓬莱骨や髑髏兜 人魂がわんさかでてくる それでもこの呪われた海の亡者達を討伐した 彼らの旅はまだ終わらない 彼らを山の気のてっぺんから黒ずくめの何者かが見ていた。
井垣助左衛門の妖怪退治-鉄鴉天狗四-
明るくなって来た為骸武者達は引き上げた 誰かが戸を叩く 「助左衛門はおらぬか」 少し低い声の誰かが居る 敵では無いと思い村娘は中に入れる 杖を着いた小柄な男性だった 目は灰色に濁っており盲目の様だ 床に伏せている助左衛門に視点を写して 「死なれちゃァ困るねぇ....妖怪共は力をつけていっている....早く討伐せねば手遅れになるぞ.....」 「あんたは誰なんだ?」 熊之助が聞く 「あっしは「佐藤 勘太郎」だぃ....この通り目は見えぬがきっとお役に立てますよ....」 「何故助けてくれるんだ?」 鯖戸も聞く 「なーに....今にわかる....」 数週間後 助左衛門 軽装武者の鯖戸 若武者の齋藤熊之助 そして盲目の剣士:佐藤勘太郎達は鉄鴉天狗の山に登る 道中で斧武者や焔婆 兜を被った頭蓋骨の妖怪 髑髏兜に襲われたが容易く蹴散らす 「また来たか人間共!今回ばかりは見逃さぬぞ!」 鉄鴉天狗は金属の羽や風の刃を無数に召喚して攻撃してくる 佐藤は煙のように消えたかと思うと 鉄鴉天狗の真後ろに現れた 「ばかなっ!?早すぎる!」 次々攻撃を躱され驚く鉄鴉天狗 そして遂に鉄鴉天狗は助左衛門達に倒された 「おのれっ...人間共めぇ....我が主よ....申し訳ありませぬ...」 山を下り村へ帰る 辺りはもう暗い この時間帯 とある平野に幕府軍の武将 藤倉忠則が陣を構えていた 「人数は3000...やっぱりあの戦いで万人を失ったのが辛いな...ここで手柄を立てれば....」 夜の静寂を切り裂いて現れたるは骸武者を率いる朽葉重造 元幕府軍の武将であったが幕府の無謀な戦闘で全滅し莫大な恨みと憎悪を持った骸武者となった 「来たか妖怪共!全隊攻撃開始!」 藤倉は指示を飛ばすが 3000の幕府兵は大半が予備役の者や無理矢理招集された雑多な者たちで士気は低く骸武者に蹂躙されていく そして骸武者に殺され恨みを持ったまま死んだ者は骸武者として復活し牙を剥く 「裏切られた」「恨めしぃ」「グォォォォ...」 藤倉は逃げ出す幕府兵を止めようとするが皆骸武者になるか逃げてしまった そして朽葉重造は告げる 「貴様には...死すら生ぬるい...」 地面に刀を突き立てると骨の腕と赤黒い亜空間が出現した そして骨の腕は藤倉を捕まえる 「地獄に落ちるがいい....」 藤倉は 「俺は何もしてない!」 というが聞く耳を持たず 地獄の深淵に生きたまま落とされた 朽葉重造は骨の馬に跨り 「幕府を滅ぼすまで...死んでも死にきれぬ」 幕府には幕府軍が全滅し骸武者と化してしまったと知らせが行った 圧倒的な不死性と数 派生種の多さ 何より殺されれば恨みと憎悪が集まって来て自身も骸武者となってしまうと言う恐ろしい妖怪達だ 水辺と山岳が次の舞台となる
井垣助左衛門の妖怪退治-鉄鴉天狗弎-
ドンドンと戸を叩く音が聞こえた。 村娘は戸を開ける 「どちら様で...助左衛門様っ!?」 「はぁ...はぁ...」 そのままガクッと倒れそうになる 村の外からはガシャガシャと大勢が走る音も聞こえる 村娘は助左衛門達を中に入れた 重症の助左衛門は布団に寝たきりになった 「助左衛門様...大丈夫でしょうか?...」 「....」 「南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏...」 村娘の母は念仏を唱える 外は真っ暗で風も吹き荒れている 何より 「はぐれはおらんか〜」「迎えに参った〜」「恨めしぃ恨めしぃ...」「裏切られた 裏切られた...」 かなりの人数での話し声も聞こえる 「骸武者か...」 鯖戸が言う 「がいむしゃ?」 熊之助はキョトンとした顔で聞く 「幕府軍の成れの果てだ 恨みの念が強すぎて骸骨の妖怪になったんだとよ」 「...俺達もああなるんですかね?」 「縁起でもねぇこと言うな...幕府はどうするんだろうなぁ...何千人 何万人の幕府の軍隊が全滅 それがぜーんぶ今じゃあのザマだ」 「....」 助左衛門は動けない 幕府-???- 蝋燭の光が薄く光っている部屋 奉行 若い陰陽師 武将が1人ずつ居た 「ぐぬぬ...助左衛門のやつはまだ鉄鴉天狗を討伐出来ぬか!大体 幕府軍で十分だとあれほど言ったのにアイツは....」 奉行は苛立ちを隠せない 「まぁまぁ...助左衛門なんかより僕の方が強いのにねぇ...骸の集団や鉄の大天狗なんてちょちょいのちょいさ」 若い陰陽師は自信ありげに呟く 「ふんっ...大体幕府軍の兵士が弱すぎるんだ!もっと鍛えてやらねば烏合の衆に過ぎん!」 派手な鎧を着た武将はかなり怒っている 若い陰陽師こと「清原宗玄」は陰陽師達の中では若いが実力派だ 助左衛門をライバル視している そして武将「藤倉忠則」は威張り散らしている割に実力は皆無と言っていい 人望も薄く上の人間として相応しくない 「ふんっ...一刻の猶予も無い...すぐ追加の幕府軍を編成しろ 俺が指揮を執る」 藤倉は意気込む 「宗玄様...ヒソヒソ」 側近が宗玄に手紙を渡す 「助左衛門君...頑張ってね」 次回 鉄鴉天狗と再戦。
井垣助左衛門の妖怪退治-鉄鴉天狗の山へ弐-
斧武者と焔婆を全滅させた 井垣助左衛門 若武者の齋藤熊之助 軽装中年武者の鯖戸(さばと) 一息ついていると突然風が荒れ始めた 木々を雑に揺らしているそれはまるで山が怒っているようだ 「上だ!」 3人は宙に留まっている黒い肌を持ち鼻が尖っている大天狗を見つけた 「この山は聖域 下賎な人間が来て良い場所では無い 主の為に死んでもらう!」 そう告げ手に持っていた葉の扇を振る 突風と共に緑の三日月形の風の刃が無数にとんできた まともに交わせず受け流すことが精一杯 「フハハハ!その程度か!」 助左衛門と鯖戸は必死で避ける 熊之助はこの異次元の攻撃に必死にくらいついてた 「うわっ!よっ!あぶねっ!」 「まだまだぁ!「鉄羽嵐」ッ!!」 鉄鴉天狗が今度は翼も使い風の刃を放つ それに混ざって鉄の羽も飛んで来た 不味い あれは刀では防げない 被弾した ポタポタッと血が腹から滴る 腕や脚も切りつけられてる 刀を杖に何とか立っていられているが 「助左衛門!ここは引くのが吉だ!」 鯖戸と熊之助に支えられ 我々は下山した 焔婆の回の山間の村にて 焔婆の襲来に怯える必要も無くなり村には平和が訪れた様に思えた 「助左衛門様...大丈夫でございましょうか...」 家で皿を洗っていたあの時の娘 戸を叩く音が聞こえた。
井垣助左衛門の妖怪退治-鉄鴉の山へ-
井垣助左衛門と若武者の齋藤熊之助は村人から事前に聞いていた 「人の寄り付かない山」 を目ざしていた 話を聞く限りその山には人ならざる存在が居て訪れた者は必ず痛い目を見ると言われている 少し遠かったが山を見つけた 「高いですね...」 「何 すぐ登れるだろう」 そんな事を2人が話してると 「おいおい 何してるんだこんなところで?」 と話しかけられた 「おぉ お前は...」 「お?久しぶりだな 鯖戸(さばと)だよ」 中年の軽装武者だった 鎧を着ず兜の代わりに編笠を被ってる 「その横の若いのは誰だ?」 「齋藤熊之助と言う者です 武者修行の旅に出ていました」 「この山は鉄鴉天狗(てつがらすてんぐ)って妖怪の縄張りだ 知ってて来たのか?」 「なんですかそれ」 話に着いていけない熊之助を置いて助左衛門は 「ちょっとお前は黙っとけ 鉄鴉天狗....聞いた事はある 山に住む妖怪の群れの長をしている その体は金属のように黒く 鼻は尖って刃のようになっていると そして風を操り相手を容易く葬り去るともな」 「やっぱお前はすげえや さ 早いとこやっつけちゃいましょ」 助左衛門 熊之助 鯖戸の3人は山を登る ザワザワと木々の揺れる音 風の冷たい感じだけが響く静かな山だ ふと 「ウォォォォ...ウォォォォ」 と声が聞こえる 「キー!キー!」 とあの忌々しい声も 鯖戸は 「雑魚共のおでましだ!」 「焔婆と...アイツらはなんだ!?」 熊之助は刀を抜き構え震える 「アイツらは...「斧武者」っ....!!」 斧武者 それは幕府軍が妖怪退治の為に派遣した軍の名も無き雑兵の成れの果てだ 「ウォォォォ...ウォォォォ...」 10人の斧武者は 両刃の柄の短い斧をいくつも投げて来た! 「避けろ!」 開けた場所で助かった 次々と斧武者を3人組は切り捨てていく 全滅させ一息ついていると 風が荒れ始めた。
鎧武者:井垣助左衛門の妖怪退治-焔の影と若き刃-
獅子の頭を持った青鬼「域童子」を討伐し幕府からの報奨を貰う 助左衛門は妖怪退治で生計を立てている 金額はそれなりといった所だろうか ここだけの話 幕府は自身のメンツの為に幾度も各地に妖怪退治(討伐)の為の幕府軍を派遣しているが全てにおいて敗れている だが民には「勝利している」と報告して誤魔化している 旅の中 助左衛門は山間の村に訪れた 宿を貰おうか そう思ったが...異様な雰囲気が村に立ち込める 人っ子一人おらずまるで廃村のように静かだ 「妙だな...」 もしや既に妖怪共が巣食っているのか? 腰の刀に手をかけて当たりを警戒し人を探す 誰もいない 痺れを切らし戸を叩く 「もしもし 誰かいないか」 少し遅れて 「旅のお方でしょうか?」 若い女性の声が聞こえる 「そうだ 宿を取れる所は知らないか?」 「...」 ガラガラ 扉が開き 恐らく農家であろう娘が出てくる 後ろにはその母も 「お お侍様でしたか!?お入りくださいませ」 「いや そんな固くしないで欲しい 私はそんな身分じゃない」 中でお茶を貰い娘から話を聞く 「この山間には頻繁に「焔婆(ほむらばば)」と呼ばれる妖怪の集団がおりこの村を毎夜の様に襲って来るのです 」 焔婆 知っている 妖術を使う妖怪老婆で必ず集団で動き狼藉を行う妖怪だ 「私は旅をしながら妖怪退治を行っている井垣助左衛門と申す どうかその件 私に任せて欲しい」 娘とその母は喜び村の人々に触れて回った 村の見回りをしているとガチャガチャと鎧の音がする 先客がいたようだ 年は20だろうか?若い武者で私を見つけると 「おや その見事な鎧兜に刀 名のある御方とお見受けします」 と丁寧に言ってきた 「そこまで身分は無いが...井垣助左衛門と申す旅の侍だ 妖怪退治を生業にしている 君もその格好を見ると侍か?」 「はい 武者修行の旅をしている「齋藤 熊之助」と申します妖怪が出ると言われているこの村を救いたくて」 「いい心がけだ 今夜 注意しよう...」 時刻は夜もくらい頃 キー!キー!と猿のような声が聞こえた そばに居たあの若い娘は 「来ました!焔婆です!」 と言う 「早く隠れろ!」 助左衛門と若武者=熊之助は刀に手をかけ待ち構える 目の前から3人 白髪を乱しボロボロの服を着た目を赤く光らせる老婆が走って来ていた 2人が刀を抜いた次の瞬間 焔婆達は両手を向け火炎弾を飛ばして来た 「アチチっ!」 熊之助は怯む 「怯むな若いの!」 「熊之助だいっ!」 近づけばこちらが有利 そう信じ走る 飛び回り逃げ回る焔婆3人組 火事を起こされては困る 一刀のもとに切り捨てた 朝が来る 「はぁ...はぁ...」 熊之助は妖怪と戦ったのは初めてだろう 酷く疲れていた 「良い腕だった 若いの...いや 熊之助」 「へへ...ちょっと苦戦しました...助左衛門殿...少しお願いがあります 私も旅に連れて行ってください」 「おいおい正気か?妖怪はもっと強く手強い 命の保証はないぞ」 「はい 覚悟の上です」 「...わかった」 村長 娘や村人達が集まってくる 焔婆を倒してくれた事をとても喜んでいた お礼として宿と旅に必要な食べ物や水を貰い 旅を再開する 娘は 「どうか...どうかお元気で...」 悲しそうに2人を見送った。
鎧武者:井垣助左衛門の妖怪退治-域童子編-
時は争いの無い太平の時代 先祖から伝わる鎧-甲冑-を家に置いている武者がここに1人 戦乱が終わったいま ここまで大層なよろいは必要は無い しかし 彼には裏の顔があった それは毎夜人々を惑わし苦しめる悪鬼物怪 魑魅魍魎を討伐する事だ 幕府から依頼を受けたり凄腕の陰陽師から以来を受ける事もある 今回はとある山奥に住み徒党を組んで集落を襲って来ては人を殺し宝物を奪うと言われている 「域童子(いきどうじ)」とその手下の鬼達だ 域童子 それはとても恐ろしい妖怪と言われており 獅子の頭を持った青い体の鬼で両の眼は真鍮で出来ており一睨みされれば心の弱いものは体が動かなくなってしまい相手にもならない こんな恐ろしい妖怪であっても井垣助左衛門は恐れない 薄暗い夜 山に1人 登った 少し開けた所で焚き火をしていたのは 赤や青の肌をした鬼達だ 域童子の手下に違いない 気づかれた 「こんな所に人が来るとは珍しい」 「弱そうな人間だ」 数は4人 甲冑で身を包み腰には刀 助左衛門の周囲に集まりわれもわれもと囃し立てる 「域童子と呼ばれる鬼を知らないか」 一切臆することなく鬼共に問う 「何?お頭がどうしたと言うのだ?お前なんかが...」 ザシュッ! 言い終わる前に目にも止まらぬ一閃が鬼のひとり「火鬼」の首を飛ばす 「何!?」 「いつの間に!!」 3人の鬼は少し離れ 「たかが人間に何が出来る!」 そう言い捨て3人の鬼は襲いかかって来た 鬼のひとり「爪鬼」は 我が力を見るがいい! と叫び鋭く長い爪を向け走って来た 同じく鬼のひとりの「影鬼」は 我の妖術の前にはすべて無意味ぞ! 何と近場の影に溶け込み姿が見えなくなった 最後の鬼「孔鬼」は 良くも火鬼を! と怒り血を揺るがすような咆哮をあげる 瞬く間に爪鬼 孔鬼の2人斬り捨てると 助左衛門の陰に隠れ奇襲をしかけてきた陰鬼を切り捨てた そして 煙のように目の前に域童子が現れた ひと目でわかる こいつだ 獅子の頭 真鍮の目 青い体 睨まれるが 心を沈め怯まない 「俺の力が効かない人間は初めてだ...さぁ死ぬがいい!」 そう言い剣を抜き素早く接近してくる域童子 「ふんっ!」 助左衛門も刀を構え カィンッ!と金属のぶつかる音がする 激闘の末域童子は倒された 首は落とされ体はバラバラにされ幕府に送られた 助左衛門は少しの擦り傷しか無かった 彼の伝説はここから始まる しかし助左衛門の頭にはあの時域童子の言っていた声が残っていた 「何をしたというのだ」 と言う言葉だ 自分達が何をやったのか 地獄で知るがいい そう彼は返した。
機械の少女と眠りの鍵(画像はAI生成)
ツー ツー ツー 甲高い機械音が耳に入る コー コー コー 無機質な呼吸で生まれる排気ガスが薬品の中に排出される 薄ら眼で外を見る 真っ白な部屋 誰か居る 思わず体が動きそうになった ふと頭の中に綺麗な声が響いた 「まだ 動かないでください 」 ハッと再び大人しくなる 「そう それで良い...安心して寝てて良いの...」 薬品の中で僕は 目を閉じた あれからどれだけ経っただろうか 突然培養カプセルの薬品が全て抜け 空く 歩き出そうとしたが体が言うことを聞かずその場に派手に倒れる 「う...」 とてつもない吐き気に襲われた 「オェェェェェェェ!!!」 ビチャビチャッ ビチャビチャッ 盛大に嘔吐し吐瀉物を床にぶちまける 「ゲエッ...ゴホッ...エェェェ....」 視界が揺らぐ 足が 体が重い パタッパタッと足音が聞こえる 吐瀉物の異臭を気に込めないかのように 「大丈夫ですか?お目覚めですね」 声のする方向に目を向ける 可愛らしい桃色の髪を携えた少女だった 背は僕より少し小さいくらい その少女は僕の背中を優しく擦る 「大丈夫...大丈夫...」 反射的に口を開く 「誰...君は誰だ...」 「私は貴方のお世話を任された少女ロボット「シャリル」です」 え?ロボット? シャリルと名乗った少女ロボットは遠隔操作の掃除機?を使い吐瀉物を掃除し匂いも消した 背鏡の前に行く 僕は白髪 色白肌 確かにシャリルは背が小さく僕の頭一つ小さいか否かだった 身体がとてもだるい ベッドに横になり 「少し待っててください」 パタパタパタパタ 小さな足音が遠ざかり パタパタパタパタ 近づいてくる 台を置き その上に可愛らしくシャリルがチョコっと乗っかった 手にはお粥の入ったお椀とスプーン 「熱いので気をつけてくださいね」 「ありがとう...」 手を伸ばし受け取ろうとした...が 「あーん」 「え?」 「あーん」 「ちょっと...自分で食べれるよ」 「手も足もまだまだ上手いこと動かせてないじゃないですか」 そう言われて気がついた さっき嘔吐し地面に倒れた時も ベッドに横になる時もシャリルの支え無しには動けなかった 「あ...そうだった」 「まだ詳しく話せませんが あと数日は大人しくしててくださいね? 食後にはあの緑と赤のお薬を1粒ずつお飲みください」 目を凝らし部屋の中央の机を見る 青と赤 2種のカプセル剤の入った容器が2個 おいおいどんだけ飲ませる気だ 「では...あーん」 「ん...美味しい...」 「良かったです 」 食べながらこっそり自分の入っていた培養カプセルを眺めた 数字やら文字やらが大量に書かれた版があったがよく読めなかった 数日が経ち ようやく1人でも動ける シャリルは「勉強」といくつもの本を持って来た 難しいタイトルだが俺の頭にはスラスラ入ってくるし理解出来る いや待て 僕がシャリルの頭一個分大きいと言うことは...シャリルもそうだが俺もシャリルぐらい背が低い...子供...?何でそんな歳でここに居る?この歳でなんでこんな難し本が読める? 「...まだお話しなければ行けない事があります」 シャリルに言われた 「貴方のお名前は「ホワイト」です」 「は....突然....え?」 突然明かされた俺の名前 「全てお話しなければ行けません」 シャリルは話した 「ここは遺伝子研究を行う研究所です 貴方や他にも様々な遺伝子改造を受けた子供が多数産まれています」 何も言えない なんて言えばいいかわからない 「異能力や超能力を扱える人造人間をここで製造し軍事利用する為です」 信じられるか?自分が兵隊として育てられてたって 「能力者として産まれてきた子供は皆知能・身体能力が高くなっています 食後のお薬は能力を上手く制御する為の薬でした」 「何で...何で今話す...」 バチバチ バチバチと周囲に青白い閃光が迸る シャリルはピクリとも動かず ドアが開き 研究員らしき人物が何人も入ってきた 手にはスタンガンを持ってる 「動くな!」 「くそっ...こいつも不良品か 暴走してやがる!」 バチバチ バチバチ バチバチバチバチバチバチ バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチ 研究員2人が頭を押え苦しむ 「あぁぁぁっ!」 「うわぁぁぁぁっ!」 バチバチ バチバチバチバチバチバチ ビキッビキビキビキ 「ぎゃぁぁぁぁ!」 「あぁぁぁぁ!」 バンッ!と2人の頭が破裂した 地面には首無の死体がふたつと壁や床 天井に脳漿や脳の欠片 血が飛び散っていた 施設に警報が鳴る 「はっ...はっ...」 殺しちまった やっちまった 「...」 シャリルは動こうとしない 「逃げよう!」 シャリルの手を引き 部屋から飛び出す 大勢の足音が後ろから聞こえる ひたすら走った 「止まれ!」 バーン!バババッ! 銃まで撃ってきた 僕たちは監視カメラの画面越しに見られている事に気づかなかった 「あれを投入しろ」 「よろしいのですか?」 「構わん」 まるで迷路だ どこに行ってもほとんど同じ景色 真っ白な無機質な壁 前方から誰かが来る 小柄で肌が白く目が赤く光手にはナイフ 「あ」 そう思った時 そいつは俺の真上の天井に居た 正確には張り付いていた 「うわぁっ!?」 後ろに下がる シュタッ おりてきた すれ違いざまに切りつけてくる 避けた そいつは再び壁や床 天井に張りつき素早く動き回りフェイントをかけてくる 「身体強化の能力を使う能力者です...気をつけて...」 シャリルが小声で言う 目にも止まらぬ早さで飛びかかって来た 僕の武器は...しまった何も持ってなかった! 「ええいっ!どうにでもなれ!」 強く念じ右手をそいつに向ける 青いエネルギーの稲妻が発射され そいつに直撃 「ギャー!」 そいつは丸焦げになり動かなくなった 「早く行こう!」 ひたすら ひたすら走った ザザザ ザザザ ザザザ 大勢の這う音 少し広めのエリアに出た 「敵性反応確認 数 多数」 シャリルがまた呟く 周囲を見渡す 先程の小柄な能力者と成人と同じ背丈で目が赤い能力者が大勢僕達を囲んでいた ジリジリと近づいてくる 小柄な者は逆手持ちのナイフを顔の前に構え 成人は右手の上に緑のオーブを召喚し神妙な顔付きで見てきている 「....離れないでくれ....」 シャリルにそう伝え 咄嗟に前に出る 走りながら無心でエネルギーを放ち続けた 稀に小柄な者がナイフを投げつけて来たり成人が目の前にテレポートして来る等厄介な動きをしてきた かなり苦戦をしたが全員倒した 「はー...はーっ....」 極度の疲労で片膝を着く 「これを お薬です」 青のカプセル剤を渡す どうやらまだまだ未熟な自分はこれを飲み続けなければいけないらしい パチパチパチ 拍手が聞こえ 目の前から白衣に白い髪の博士が現れた 「よくやったね..ホワイト」 誰だこの博士は? 「まさか私の作品を見な倒してしまうなんて...目の前にテレポートして来ていた者は時を操る力を持っていたのに...いとも容易く葬るなんて驚いた...」 通りで強いわけだ 「私が君を作った 私が君の創造主だ なのに...どれだけ薬を飲ませても難しい本を読ませても 何をしても私に従順にならない!それが忌々しい!」 突然地面から謎の機械が降りてくる 大きな円を形作っていた 「最後のショーだ」 そう言うと博士は機械の電源を入れ ポータルを機能させる 「これは私が作った別次元へのポータルだ...さぁ遺伝子研究なんか建前に過ぎん これで新世界へ赴き私が世界の王になる」 「ふざけるな!」 咄嗟に青のエネルギーを数発飛ばしたが 命中したのに全く聞いていない 「無駄だよ...私はついに不老不死の肉体を得たのだからな!大変長い研究の日だった...さぁ...今度はお前が死ぬのだ!」 突然博士は紫のオーラを纏 宙に浮く 周囲にバチバチバチバチと紫のエネルギー球体が発生し重い雰囲気が立ちこめる 僕は博士の攻撃を躱すのに必死だった どれだけ攻撃しても 不老不死の博士には効かなかった 「その程度か我が息子よ!」 紫の稲妻やエネルギー球が激しく降り注ぐ 「お前なんかが親を名乗るな!」 激戦の末 「お...おのれしぶとい奴だ...」 博士は疲労でゆっくり降りてきた チャンスだ! ポータルの目の前に誘導し ポータル発生装置にエネルギーを与え 壊した ポータルが異常な動きをし 周囲の瓦礫やら先程の小柄な能力者や成人能力者の死体を吸い込み始める 博士ももれなく 「うわぁぁぁ!」 「くっ...」 ポータル発生装置にしがみつく だめだ 吸い込まれる 「手を握って!」 シャリルだ ロボットの彼女は少女の見た目でもポータルの引力に抗えてる 何とか引力から逃れらたが 「こんな所で...待て...このポータルはどこに繋がってる!?...うわぁぁぁぁ!」 吸い込まれた博士は見えなくなり ポータルは消えた シャリルは壊れたポータル発生装置に近づき 「あの世界は何も無い無の世界 不老不死の博士は死ぬ事も老いることも出来ず永遠にあの空間に居続ける事になる」 「自業自得だ 行こう」 研究員も武装警備員も居なくなった研究所から抜け出した 新鮮な外の空気をめいいっぱい吸い込み シャリルの手を繋ぎ走った 心做しかシャリル いや彼女の顔が少し微笑んでいた様にも見えた 機械の少女は恋をした。
禁断の月光-後編-
止血剤を服用し 上等兵と玉兎(高1くらいの背と歳 他の玉兎より大きい)は歩き続ける 玉兎に体を支えてもらいながら 腹部からの出血も少し 辿り着いたのは先程とはまた別の廃村だった 月の都から物凄く離れた所にある地方の様な場所だ 空家のひとつに入り 「はぁ...はぁ...うぅ...」 止血剤を使ったとは言ってもやはり辛い 「待ってて」 玉兎がガサガサと空き家の中を漁る 包帯に使えそうな布を持って来た 傷口に包帯を巻き ボロボロのベッドに横になる 幸い弾丸が突き抜けていた 盲管銃創(弾丸が体に残った状態)になってなくて良かった 「ふぅ...ありがとう...」 やっと一息つける 「こっちのセリフ....私もありがとう...貴方のお陰で....でも貴方これからどうするの?」 しまった 上官殺したんだった 今更軍に戻ってもあの二人が告発しただろう 「....考える」 「そう...しばらく横になってて」 「すまない...」 この話を読んでるそこのお前 俺の名前が気になるか?年齢が気になるか?悪いが作中じゃ絶対明かされねぇぞ 作者が考えてないとかじゃないからな? 恐らく数時間が経った 目を開け体を起こす ゴリゴリ ゴリゴリ 何かを挽く音がする 「ん...?」 目を凝らしてみると玉兎が小さい石臼で草をすり潰していた 「起きた?今薬作ってるから...少し待ってて」 「あぁ...ありがとう...薬?」 「うん...お師匠の八意(自主規制)様から教えていただいた怪我によく効く薬」 「は?八意...」 「さ 出来たわ」 薄い紙には紫の粉が載っていた 「あー...毒殺しようとしてるか?」 「いや ただ紫なだけよ」 「そうか ありがとう」 ササーっと一気に飲む 「んん...ありがとう 本当にありがとう...」 「少し銃弾の傷なんか初めて見た そんなに大きな傷痕が出来るんだね」 「おう...」 「あたしも入っていいか?」 「あぁ 大丈夫だ」 ベッドの布団の中に入る玉兎 この時の玉兎は白いヘルメットを脱ぎ 紫の長めの髪が綺麗な人だった 「...」 気まずい 俺は天井を見て 玉兎は右横を向いて布団に入る それから少し俺と玉兎は月や連邦よ思想や色んな事を話した 「俺...軍に入った当初は そんなに長生き出来ると思わなかった すぐ死ぬと思ってた でも生きていた 兵士になる前に勤めてた仕事はほとんど失敗 どこも首になってようやく見つけたのが連邦兵だった 自分なんか生きてる意味がない 守りたい人も居ない 死んでしまいたい 死に場所を探して月面に来た」 グッと右腕が掴まれた 「ん?」 右をむくと真剣な顔の玉兎が俺の右腕を掴んでた 「そんな事...言わないで...」 「えぇ...?」 「貴方が私を助けてくれたから そんな怪我して...仲間の人達からも追われて...私はあなたに感謝してるわ なのに何でそんな事言うの!?私を護ってくれたじゃない!身を挺してまで守りたい人 感謝してる人が居るのに 死にたいなんて言わないで!....お願いもう...言わないで...」 右腕を掴みプルプル震えながら涙ながらに懇願され 「あぁ....もう言わないよ」 そのまま俺と玉兎は寝た 一応まともに歩けるまで回復した 近場での戦闘音で目が覚めた 空き家を廃村を飛び出しそこに向かう 「ハッ...ハッ...」 音が大きくなる 「死ねー!」「殺せー!」「アァァァァァ!」と言った罵声 「ダダダダ」「バババババ」「ガガガガ」と言う銃声 凹凸が1番大きかった丘から戦場を見下ろす そこいらに散らばる死体 手足が無かったり頭がなかったり 臓物が飛び出していたり 銃剣や刀剣が地面に突き刺さり戦車や戦闘機の残骸はまだ燃えている 「地獄だ」 玉兎は吐きそうな表情だった そこの仲間達と会わず 再び歩き出す 野営地を見つけた テントや大きめの蛸壺塹壕がいくつも設置されている小規模な物だったが そこの指揮官と40の兵士達は俺たちを助けてくれた 見慣れた顔がふたつ 「あ」 「え」 あの時の 俺を撃った奴らだ 「お前らあん時の...」 「ひー!」 「うわわわ...オバケー!」 どうやら俺があの時死んだと思ったらしい 「落ち着け...もういいよ お前達 俺の事ここの野営地の奴らに言ったんだろ?」 「...いや言ってない」 「は?何で?」 「俺達あの上官の事よく知ってるんだ」 「あの上官...今まで他の捕虜にも手出してんだよ 連邦の法律で禁止されてるのにさ」 「そうだったのか」 「あんな奴死んで当然さ」 仲間達からもこんな言われよう 俺 何でそんな奴に付き添ってた? 指揮官は 「2人とも 今日は大人しくしてなさい 明日迎えの輸送艦が来る」 親切な人だ 「ありがとうございます」 「ありがとう...ございます」 野営地の見張り組 「う〜冷えるなぁ...」 「ははは...まぁ寒いよな...ん?あ」 蛸壺塹壕に入ってた兵士2人(上官の話の時の2人)その前に現れたのは 紺の髪 紫のヘッドホン 灰色のマント 青い袖のない服 腰には剣 背中には大鎌と槍を備えた謎の人物が居た 「誰だ...ひっ!」 1人はその姿を見て完全に腰を抜かしたらしく両手を挙げる 「...この」 ザシュッ! 2人目が十四年式拳銃を左手で抜き向けたがその瞬間に切り捨てられた ズバッ! 「びゃっ...」 1人目も 唯一の理解者達は無惨にも死んでしまった 「そんな...ずっと俺の傍に居なくてもいいんだぞ それに敵じゃないか俺たちは」 「もう敵も味方も関係無いわ 穢れ...貴方と傍にずっと居たから私も穢れたみたい もう都に戻れないかもね」 「すまない....お前を外の世界に連れていきたいが...絶対大変な事になる...」 銃声が響く 「敵だー!」「誰だコイツ!?」「うわー!!」 「バリバリバリバリバリ」「ダン!ダン!ダンダンダン!」 謎の人物は40の兵士達を次々切り伏せて言った 「このや...ぎゃあ!」 「バンザァ...グォッ!」 「ウォォォ...ダァッ!」 俺は玉兎の手を引いて走った 指揮官が居た 「こっちだ!」 既に輸送艦が来ていた 指揮官と他の兵士達は乗っている 「おい!早く乗るぞ!」 後ろを振り返った バッ! 玉兎がしがみついて来た 「んんっ!?」 ※ご想像にお任せします 作者:ぐふふふふゲフンゲフン※ 「....」 「....」 「今までありがとう...私 乗れないわ」 「何でそんなこと...」 「外の世界にも行けない 地上もダメなの 都にも帰れない じゃあ...元気でね...私を助けてくれた時から 貴方の怪我を手当した時から ずっとずっと...」 「そんな...」 「だめだ上等兵!あいつが来た!早く乗れ!」 指揮官と兵士たちに輸送艦に乗せられる そのまま扉が閉じ飛び立つ 地上から野営地の爆発が見えた 「アァァァァァァ!」 狼狽の嗚咽が艦内にこだまする 「...」 「...」 指揮官 兵士 操縦士の2人 全員何も喋らなかった 操縦士の1人が 「おい...あの玉兎と上等兵の会話...誰にも言うなよ」 操縦士の2人目も 「あぁ...言わねえよ」 「お....雨が降って来たな」 「こんな月に雨?」 「雨だ...彼の涙がこの月の雨だ」 俺達はこの後も第3次月面戦争を戦い抜く 彼女の為にも。
禁断の月光-前編-
第3次月面戦争中期 銀河・地球連邦軍と月の都勢力の終わり無き戦争が続く希望も光もない世界 とある兵士が捕虜の玉兎を救った事で起きた奇怪な運命を目撃せよ 月の都からかなり離れた月面 連邦陸軍上等兵とその上官の2人組がさまよっていた 上官は自分の武器のライフル銃を無くしており 腰に下げたナイフ(銃剣)のみだった 上官は軍刀と南部十四年式拳銃を装備していたが心もとない 2人は現代で言う地方の様なエリアに訪れた 玉兎だか月の民の小集落と言った所だろう 人っ子一人居やしないが 「おい 食料か水を探す あっちを見てこい」 上官に言われ 「ハッ!」 元気に返事を返したが 空き家を漁りながら 「ほんと疲れる こんなんで仲間と合流出来んのかな...」 頭の中を不安が過ぎる すると突然 「キャーーーーー!」 と言う声が聞こえた 女性?!何で叫んでる? 声が聞こえた空き家に向かう 正直走れる体力はなかったが焦りのみが原動力だった その空き家には地面に倒れ込んでる玉兎(高一くらいの歳?)と上官だった 「軍曹...何をして...」 十四年式拳銃と軍刀は空き家のテーブルに置いてあった 何をしようとしてるかは何となくわかる 「軍曹殿!」 「....上等兵....この家の入口を見とけ 後で変わる」 「ひっ...!」 後で変わる それを聞いた時玉兎は聞いたことも無いような声にならない悲鳴をあげた 上命令は絶対 クルッと背を向け扉に向かうが 「お願い...辞めて...」 もう我慢の限界だった 再び上官に向き直り ドン!と突き飛ばした 「何するんだ!」 グサッ 腹部にナイフを刺す 「あっ...」 低い声を上官が挙げるが気にとめない ザクッ! 素早く引き抜き首を貫く ドタッ 上官は死んだ 「ハッ...ハッ...」 やっちまった 上官を殺した 不慮の同士討ちならまだ分かるが 腐っても俺の上官を 連邦裁判にかけられれば俺に逃げ場は無い 「あの...」 玉兎に声をかけられる 「あ」 返事をしようとしたが 空き家のドアを ドンドンドンドンドン 誰か叩く 声の感じからして2人はいる 「...誰だ」 上官の十四年式拳銃を奪い腰に下げる 「連邦陸軍の者だ...同じ仲間だろ?」 「偶ここに来た 鍵はかかってないよな?」 不味い不味い不味い ガチャっ ドアが開く 俺は玉兎の手を引き咄嗟に外に飛び出す 「あ おい うわあっ!」 「玉兎!? わぁ!」 2人を跳ね除け すぐに追ってきた 上官殺しがバレたな 「止まれ!」 「動くな!」 バーン!バーン! ライフルを撃ってきた ボルトアクションの単発銃だが射程が長い バーン!バーン!バーン! 「止まるな!走れ!」 玉兎を突き飛ばす バーン!バスっ! 腹部に衝撃が来る 地面に倒れる 「馬鹿野郎!何射ててんだ!」 「しま....」 連邦兵士2人は逃げていった 体の感覚が鈍る 立てない 出血が中々酷い 腹部だ 急所は外してる 玉兎は悩んでいた ここで上等兵を見棄て逃げるべきか それとも救うべきか 数秒悩んだ後 玉兎は彼を 上等兵を救う道を選んだ 彼の体を起こし 背中を支える 「待って 今止血を...何これ?」 ストローくらいの太さの短い棒 止血剤と書いてあった 上等兵はそれの先端を噛み千切 吐き出す それをザーッと飲み干した 「ゴホッゴホッ!!」 「血が止まらない...包帯なんか持ってないよ...」 「大丈夫だ...止血剤を飲んだから...すぐ止まるはず...近くの村に行こう...」 玉兎は彼の体を支え 月面を歩く。