ユート

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ユート

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地下室の華(ifストーリー 中章1)

暴動での重傷から2週間が経過した、K-13は昏睡状態からようやく意識を取り戻す。 病院の白い病室は静寂に包まれ 人工呼吸器の音とモニターのビープ音だけが響いていた。 内臓の修復手術は成功し 骨折した部分もプレートで固定されたが脳へのショックと出血の影響で体が思うように動かない。 ベッドに横たわる彼の目がかすかに開く、視界がぼやける中 隣に座るアヤメの姿がぼんやりと映る。 彼女は疲れた顔で手紙や花を手に持つ彼のそばに寄り添い、時折涙を拭っていた。 K-13の唇がわずかに動いた、かすれた声で「ア..ヤ...メ...」と呟く。 その声は弱々しくまるで風に揺れる葉のようだった。 名前を呼ばれるのを聞いたアヤメは目を丸くして驚いたがすぐに喜びに満ちた表情に変わる。「13(サーティーン)!貴方、目が覚めたのね!良かった...本当に良かった!」 と声を上げ涙が溢れ出す。 彼女は慌ててナースコールを押しながら彼のそばに駆け寄り優しく手を握る。 ドジっ子らしい彼女の動きは少しぎこちなく机の上の水差しを倒しそうになるが、K-13の意識が戻った喜びでその失敗も笑顔に変わる。 しかしK-13の状態はまだ安定していない。 出血の影響か何故か彼の体温が異常に低く感じられる。 輸血はすでに受けているはずなのにK-13の意識の中では寒さが全身を包んでいるように思えた 「寒...い..」 と再び呟き震える声で訴える、荒れた手がシーツの上で小さく動くのを見たアヤメはすぐに毛布を追加で取り出し彼の体を優しく包む。 彼女は「大丈夫、すぐ温かくなるから...!頑張ってね、13、、!」 と励まし温かい手で彼の冷たい手を握りしめる。 K-13の生気のない瞳がアヤメを見つめ、彼女の温もりがわずかに彼の心に届くようだった。 医師が駆けつけK-13の状態を確認。 体温低下はショック状態の後遺症と判断された為、暖房や点滴で対応が始まるが完全な回復にはまだ時間がかかると告げられる。 アヤメは医師の説明を聞きながらもK-13の手を離さず 常に涙をこらえて彼に語りかける。 「貴方がここまで頑張ったのは、私やみんなを守るためだったよね...。もう十分だよ。少し休んで、ゆっくり回復してほしい。」 K-13はかすかに頷く力しかなく声を出そうとするが喉が乾いて言葉にならない。 アヤメは水を少し含ませたスポンジで彼の唇を湿らせ「ゆっくりでいいよ。焦らなくていいから」と優しく言う。 その瞬間アヤメの心にこれまで感じていた疑問と決意が結実する。K-13が手紙で明かした 「名前がない」過去、孤児院での孤独、そしてSRTでの犠牲的な生き方が彼女の中で彼を一人の人間としてより深く理解させる 「貴方に名前をあげたい」 と以前呟いた願いが改めて胸に蘇る。 彼女はK-13の冷たい手を両手で包み込んだ、そして涙を拭いながら静かに語り始める。 「K-13って番号じゃなくて、ちゃんと名前がある人になってほしい。貴方は私にとって大切な人だから.....私が名前を決めてあげるね。」 K-13の瞳がわずかに反応しアヤメを見つめる。彼女は少し考えて優しく微笑む。 「『ハル』はどうかな?春みたいに、暖かくて新しい始まりを感じる名前。貴方の心が少しでも明るくなるようにって...。ハル、って呼んでもいい?」 と提案する、K-13は声を出せないがかすかに口角が上がるような動きを見せた、アヤメはそれが肯定と受け取る。彼女は 「ハル...ハル、だよ。もう番号じゃなくてちゃんと名前がある人...これから一緒に頑張ろうね」と繰り返し、涙が再び溢れる。 病室の外では暴動の後始末が続いていた、SRTの隊員たちが報告書をまとめる音が遠くに聞こえる。 K-13..いや、ハルの意識はまだぼんやりしているがアヤメの声と温もりが彼の心に染み込んでいく。 ギリギリのところで命を繋ぎ止めた彼にとってこの名前は初めての「自分」を与えてくれるものだったのだ。 アヤメはハルの手を握り続け 「ハルが元気になるまで、ずっとそばにいるから」 と約束する、窓から差し込む朝日が二人の間に希望の光を投げかけ長い闘病生活の始まりを静かに照らし出していた。 ハル(かってのK-13)は暴動での重傷から回復する長い入院期間をベッドの上で過ごしていた。 手術で内臓の損傷は修復され骨折も少しずつ癒えつつあるが意識の回復以降も体は思うように動かず医師からは 「焦らずリハビリを進めるように」 との指示が出ている、病室の窓から差し込む日差しが日ごとに変わり2週間 3週間と時間が流れていく中、ハルは今までを振り返る時間が増えていった。 人工呼吸器や点滴に囲まれ静寂の中で彼の心はこれまで封じ込めていた感情と向き合うことを余儀なくされる。 これまでの人生...それは仕事中の苦痛や痛みはハルにとって些細なものだった。 SRTの訓練で叩き込まれた冷酷さは彼に肉体的なダメージを無視する力を与えていた。 銃弾が体をかすめても殴られても立ち上がり、任務を遂行する。 それが彼の日常であり生きる意味だった。 同僚が戦場で倒れ犯人が射殺されても彼の心は動じなかった。 感情を抑えて番号で呼ばれる自分にふさわしい生き方を貫いてきた。 孤児院での孤独や両親に捨てられた過去が彼を強くもろくしSRTでの任務はそれを受け入れるための逃避だった。死や痛みは他人事であり仕事が全てを正当化していた。 だが今回の動での出来事がハルの心に裂を入れた。 あの瞬間アヤメや子供が目の前で傷つけられそうになった時に彼は我を忘れて飛び出していた。 普段なら冷静に状況を判断して優先順位をつけて行動するはずが何故かあの時は感情が先に立った。 拳銃を手に暴徒の腕を撃ち子供を抱えて安全な場所へ投げてアヤメを救うためにダッシュした。 あの時に彼の心は「守りたい」という衝動で満たされていた。 アヤメの涙や 子供の無垢な目が 彼の冷えた心に温かさをもたらし同時に混乱をもたらした。任務のためではなく人として動いた初めての瞬間だった。 病室で目を閉じるとあの場面が繰り返し脳裏に浮かぶ。 アヤメが「行かないで」と懇願して頬に触れた自分の手が彼女の温もりを感じた記憶。 子供が助かった瞬間の安堵の表情。 だがその直後に受けた角材や金属棒の衝撃、潰れた内臓と折れた骨が彼をこのベッドに縛り付けた。 ハルは自問する。 「なぜ、あの時飛び出した?任務のためなら、冷静に判断できたはずだ。なぜ、アヤメや子供のことが気になった?」 彼の生気のない瞳は窓の外を見つめながら答えを見出せない。 さらに深い疑問が彼を襲う。 「このまま生きている自分に価値はあるのか?」これまでは仕事が彼の存在意義だった。 SRTで番号として機能し犯人を制裁し人々を守る、それが彼の全てだった。 だが今動けない体と向き合いながらハルは初めて自分の価値を見失う。 もしアヤメや子供を救わなければこんな重傷を負わずに済んだかもしれない。 任務に失敗し組織に迷惑をかけた自分はもう必要ないのではないか。 孤児院での「元気な子を演じる」日々が蘇り強さを装った虚無感が胸を締め付ける。 アヤメが毎日見舞いに来てくれることも彼の葛藤を増幅させる。 彼女の優しい声や手作りのお菓子、涙ながらの「ハル、生きててくれて良かった」 という言葉はハルの心に温かさをもたらす一方で罪悪感も植え付けた。 「お前が守りたいと言ったのに、俺はまたお前を危険に晒した」 と彼は思うがアヤメが「名前をあげたい」と決めてくれた「ハル」という新しいアイデンティティも逆に彼を追い詰める。 唯の番号だった自分が初めて「人」として扱われ始めた今、果たしてその役割を担えるのか。 動けない体で過去の冷酷な自分と向き合うたびに涙がこぼれそうになるが、彼はそれを抑える。 ある夜、アヤメが病室を訪れた時、ハルは初めて口を開く。 「アヤメ..俺、なぜ生きてるんだろう..仕事ができなくなったら、俺に何が残る?」 と弱々しく問う。 アヤメは驚きつつも彼の手を握り 「ハル...貴方が私や子供を救ってくれたから、私はここにいられる。貴方の価値は、仕事だけじゃない」 と答えた、ハルの瞳がわずかに揺れアヤメの言葉が彼の心に染み込む。 まだ答えは出ないが彼女の存在が生きる意味を模索する手がかりになりつつあった。 入院期間はまだ続く。 リハビリで体を動かす練習が始まるが痛みと不自由さに苛まれるハル。 窓の外では市街が復興しつつありかっての地獄絵図が徐々に消えていく。 ハルはベッドの上で過去の冷酷さと現在の無力さ、そしてアヤメとの新たな絆を天秤にかける。 生きる価値を見失いかけた彼にとってこの葛藤はこれからの人生を左右する試練だった。 だがアヤメの「ハル」という呼び声が暗闇の中で小さな光として彼を導き始めていた。 その日はアヤメにとって貴重な休日だった。 普段は財閥の使用人として忙しく動き回る彼女だがこの日は朝からハル(かってのK-13)の病室に足を運び長い時間を彼のそばで過ごすことを決めた。 病院の病室は静かで窓から差し込む柔らかな日差しがカーテンを揺らし時折外を走る車の音が遠くに聞こえるだけ。 ハルはまだベッドに横たわりリハビリの初期段階で体を少し動かせる程度だが意識は安定してアヤメとの会話が増えつつあった。 彼女は手作りのお菓子や花を持ってきては彼の気分を和らげようと努力する。 彼女は時折水をこぼしたり椅子を引っかけて音を立てたりするが、ハルはそれを見てかすかに微笑むこともあった。 その日、アヤメは特に長く滞在し昼過ぎから夕方までハルのそばに座っていた。 彼女は本を読んだり窓の外の風景を眺めたりしながら彼と静かな時間を共有する。 ハルは入院中の内省を続けて過去の冷酷さや暴動での行動を振り返りアヤメへの感情が少しずつ変化していることを自覚し始めていた。 夕暮れが近づき病室がオレンジ色に染まる頃アヤメは疲れを見せつつも 「ハル、今日も元気そうだね。少しずつ良くなってるよ」 と優しく声をかける。 ハルはかすれた声で 「..ああ、少しは」 と答え彼女の存在が自分を支えていることを感じていた。 夜が訪れ病室の明かりが点き静寂がさらに深まった頃、ハルが初めて重い口を開く。 人工呼吸器が外れ声はまだ弱々しいが彼はアヤメを見つめてゆっくりと言葉を紡ぐ。 「あの時...辛く言って...ごめん....」 その言葉は暴動で「来るなと言ったはずだぞ!」と怒鳴った場面を指していた。 疲労と痛みで苛立っていた自分を思い出し彼女を危険に巻き込んだことを後悔していた。 ハルの生気のない瞳がアヤメを捉え謝罪の意を込めてわずかに頭を下げる。 荒れた手がシーツの上で小さく震え普段の無感情な彼からは想像もつかない施弱さが表れていた。 アヤメは一瞬驚き目を見開くがすぐに優しい笑顔に戻る、そして彼女はハルの手をそっと握り 「私の方こそごめんね」 と返した、声には罪悪感と感謝が混じり涙がこぼれそうになるのを抑えながら続ける。 「私が戻らなければ、貴方はそんな重傷を負わなくて済んだかもしれない....でも、貴方が心配で放っておけなかったの。ごめんね、ハル、貴方を苦しめた。」 彼女の正直さが滲み涙が一滴、ハルの手に落ちる。 彼女は慌ててそれを拭おうとするが、ハルはそれを制するように指を軽く動かす。 ハルはアヤメの言葉を聞き胸が締め付けられる思いだった。 暴動での自分の行動ーアヤメや子供を救うために飛び出した決断一が彼女を悲しませたことを初めて実感する。 「..俺が辛く言ったのは、お前を危険から遠ざけたかっただけだ。仕事が全てだった俺に、お前がそんなに大事だとは..思わなかった。」 と呟く、声は弱々しいがその言葉にはこれまで抑えていた感情が込められていた、アヤメは驚きと喜びで目を潤ませ 「ハル..私も、貴方がそんなに大事だって、最近やっと分かったよ」 と返す、二人の間に言葉を超えた理解が広がる。 病室の空気が温かくなりアヤメはハルの手を両手で包み込む、彼女は 「これからも、貴方のそばにいるから。辛い言葉でも、優しい言葉でも、全部受け止めるよ」 と約束するらハルはかすかに頷き 「..ありがとう、アヤメ。俺...まだ分からないことが多いけど、お前がいてくれるなら、考えてみたい」 と答える、過去の冷酷さや仕事への執着が少しずつ解けて彼の心に新しい光が差し込む瞬間だった。 夜が更け看護師が点検に訪れる頃、二人は静かに手を握ったままだ、窓の外では星が瞬き始め病院の明かりが街を優しく照らす、アヤメはハルのそばで眠りに落ち優しい寝顔を見せるていた。 ハルは彼女の寝息を聞きながら初めて「生きる価値」を自分の中で模索し始めていた、謝罪と和解の夜は長い入院期間の中で二人の関係に新たなーページを刻んだ。

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地下室の華「ifストーリー序章3」

市街地の暴動はますます混沌を極めていた SRTのK-13や隊員 機動隊、警察官たちは鎮圧用の武器を握りしめて疲弊しながらも戦い続けていた。 煙と炎が視界を遮り、猟銃や火炎瓶の音が響き渡る中でK-13は手袋の摩擦で汗ばんだ拳銃を再装填し、暴徒を次々と制圧していく。 だが、敵の数は減るどころか増え続け、戦線は崩壊寸前に。倒れた機動隊員が暴徒に取り囲まれ、角材や金属棒で容赦なく殴られ続ける光景が広がる。血と叫び声が混じり合い、見るに堪えない残虐さが現場を支配していた。 その混乱の中でアヤメはK-13の安否が気になってたまらず、結局危険な動乱の場に戻ってきてしまう。 彼女の優しさとドジっ子な性格が、理性よりも心配を優先させたのだ。 買い出し用のカゴを手に持ったまま、煙にむせながら進むアヤメは倒れた機動隊員を殴る暴徒たちに恐怖を感じつつもK-13を探して歩を進める。 すると、目の前でK-13が一人の暴徒と掴み合いになっている場面に遭遇した。 暴徒はナイフを手にK-13に襲いかかり彼は相手の腕を押さえ、なんとか体勢を保つ。 だが、その隙を突いて別の徒が角材を振り下ろし、K-13の背中や肩に連続で打ち付けた。 防弾アーマーが衝撃を和らげるものの、痛みが彼の顔に浮かび、普段の無感情な表情がわずかに歪む。 K-13はなんとか暴徒を地面に押し倒して手錠をかけようと束縛器具を取り出す。 手袋の滑り止めが役立ち、素早く徒の両手を縛り上げるが別の暴徒が金属棒で彼の脇腹を殴りつけた 膝をつく瞬間も。 息を切らしながらも、K-13は立ち上がり近くにいたアヤメに気付く。 彼女が危険な場所にいることに驚愕し怒りと心配が入り混じった声で叫んだ。 「なんで戻って来た!来るなと言ったはずだぞ!」 その声は疲労でかすれ、目出し帽の下から覗く生気のない瞳がアヤメを鋭く捉える。 アヤメはK-13の痛々しい姿と殴られ続ける機動隊員の光景に凍りつきながらも彼の言葉に反論するように一歩近づく。 「貴方が心配で....!こんな危険な場所に置いておけないよ!」 と涙声で訴える。 だが、K-13は手をアヤメの肩に置き、強引に彼女を後ろに引きずる。 「お前がここにいることが俺の足を引っ張るんだ!任務中だ、すぐに下がれ!」 と厳しく命じる。 角材で殴られた傷が疼き 彼の体は明らかに限界に近づいていたが 任務への執念がそれを上回る。 アヤメはK-13の痛む姿を見ながら、涙をこらえ 「でも..貴方が死んだらどうするの!?私、貴方を守りたいの!」と叫んだ。 彼女の言葉にK-13の心は一瞬揺らぐ。 手紙で明かした「名前がない」過去や 孤児院での孤独が頭をよぎりアヤメの優しさがこれまで感じたことのない温かさとして胸に広がる。 それでも、彼は任務を優先し、「お前が守るのは俺じゃない。俺の仕事が皆を守るんだ....」 と呟き 背を向ける。 だが、その背中は疲労と痛みで少し屈み、普段の堂々とした姿とは異なるさを見せていた。 周囲では暴徒が再び群がり始め K-13は拳銃を構えて現場へ戻る。 アヤメは彼の後ろ姿を見つめて動けずに立ち尽くす。 殴られる機動隊員の音が耳に残り K-13の「下がれ」という言葉が頭の中で反響する。 彼女はカゴを落とし、両手で顔を覆いながら「お願い...無事でいて」と祈るように呟く。 煙と炎の中、K-13の姿は再び戦闘の中心へ消え、アヤメの心には彼を失う恐怖が刻まれていく。 暴動の終わりは、突然訪れたわけではなく 徐々に勢いを失うような形で収束していった。 SRTの隊員たちと機動隊 察官の連携がようやく実を結び、暴徒を次々と拘束。 銃火器や火炎瓶を手に抵抗する者たちは、K-13のような精鋭の精密射撃や棒による制圧で無力化されていった。 煙が立ち込める市街地では、叫び声が次第に弱まり代わりにサイレンの音と命令の声が支配するようになる。増援が到着し、家徒の群れが散り散りになる中でついに鎮圧の号令が下された。 だが、その代償はあまりに大きかった。 市街はまさに地獄絵図と化していた。 大勢の逮捕者が手錠をかけられて地面にうつ伏せに押さえつけられ トラックに詰め込まれる光景が広がる。 死者はさらに悲惨で 銃弾や火炎瓶の犠牲者 角材で殴り殺された者たちが路上に散乱し血の海がアスファルトを染めていた。 商店街は襲撃の痕跡でボロボロで、ガラスが割れて商品が散乱し 炎で黒焦げになった看板が無残に揺れる。 かつての活気ある街路は、今は破壊と死の臭いが充満する廃墟のようになっていた 負傷者がうめき声を上げて救急隊に運ばれる中 で生存者たちは茫然とその光景を眺めていた。SRTのリーダーは無線で「鎮圧完了」と報告するが その声にも疲労が滲み 勝利の喜びなど微塵も感じられない。 アヤメは、そんな地獄のような現場から離れることなく 暴動が完全に鎮圧されるまでその場に留まっていた。 K-13の言葉「来るなと言ったはずだぞ!」と言う言葉が耳に残り 一度は引き返そうとしたが 心配と愛情がそれを許さなかった。 彼女は安全な路地の影に身を隠し 煙にむせながらもK-13の姿を探し続けた。 ドジな彼女は 時折つまずきながらも 涙を拭いてスマホを握りしめて彼の無事を祈る。暴動の音が静まる頃、アヤメはようやく勇気を出して現場の中心部へ近づく。 地面に転がる瓦礫や血痕を避けながら、K-13を探す目が必死に周囲を走る。 そして、ついに彼女は地面に倒れているK-13を見つけた。 煙の向こう側 商店の崩れた壁際に 彼の黒いユニフォームが横たわっていた。 ヘルメットは少しずれ、目出し帽が血で汚れ、手が無力に伸びている。アヤメは息を飲み、慌てて駆け寄る。 「13...!ねぇ!13!」 と叫びながら彼の肩を軽く揺するが、反応はない。 意識がなく、息は弱々しく、腹部の古傷が再び開き、血が染み出していた。 暴徒の角材や金属棒で何度も殴られた痕が体中にあり 内臓がいくつか潰れているようで 呼吸が不規則。 骨も複数折れており、特に腕と肋骨が変形し、動かすのが難しい状態だった。 K-13の生気のない瞳は閉じられてしまい普段の機械的な強さが嘘のように ただの施弱な人間として横たわっていた。 アヤメはパニックに陥り 涙を流しながら彼の周りを囲む。 「どうして...こんなに...!」 と呟いた、スマホで救急車を呼ぼうとするが手が震えて操作がままならない。 近くのSRT隊員が気付き 駆け寄ってきてK-13の状態を確認するが 表情が険しい。 「重傷だ...すぐに搬送を」 と無線で指示を飛ばす。 アヤメはK-13の頭を優しく膝にのせ、エプロンの端で血を拭きながら、「起きて...お願い、K-13..貴方がいなくなったら、私...」 と声を絞り出す。 彼女の優しさと後悔が溢れ 暴動の余波が静まる中、この一角だけが悲痛な静寂に包まれる。 救急隊が到着してK-13を慎重に担架へ移すが 骨折と内臓損傷で動かすのが難しく 痛みを伴う作業になる。 アヤメは彼の傍らを離れず 隊員に「生きてますよね...?助かるんですよね...?」 と問いかけるが答えは曖昧。 K-13の過去一名前がない孤児の孤独と 仕事が恋人代わりの人生ーがアヤメの心に重くのしかかり 彼女は彼の手を握りしめる。 「あの時、無理にでも止めておけば..」 と後悔の念が募る。 市街の地獄絵図が背景に広がる中 アヤメの涙がK-13のユニフォームに落ち、静かに染み込んでいく。 K-13は暴動鎮圧の激戦で受けた重傷を負い 救急隊によって緊急搬送された。 市街の地獄絵図を抜け出し病院に到着した彼はすぐにオペ室へ運ばれる。 医師団は内臓の損傷を確認し 潰れた内臓(おそらく脾臓や肝臓の一部)に加えて骨折した肋骨が肺を圧迫している状態を診断。 手術が開始され 出血を止めて損傷した臓器を修復する作業が急ピッチで進められた。 内臓が潰れるほどの衝撃は生命維持装置なしではほぼ即死に近いが 迅速な対応と SRTの装備が命をつなぎ止めた。 手術は成功し 命は取り留めたものの意識が戻らない状態が続く。 ベッドに横たわるK-13は人工呼吸器とモニターに囲まれて静かに眠りについたままだ。 生気のない瞳は閉じられてかっての機械的な強さはどこにも見当たらない。 アヤメは手術室の外で待機し 医師からの 「命は助かったが、回復には時間がかかる。意識が戻るかどうかは未知数だ」 という説明を聞いて安堵と不安が入り混じる。彼女は病室に入り K-13の傍らに座る。 手袋を外されて傷とタコだらけの手がシーツの上に置かれている彼を見つめながら 涙が静かに頬を伝う。 普段のドジっ子らしい明るさは消え 代わりに深い悲しみと疑問が彼女の心を支配していた。 「どうして...どうしてここまでして人を助けるの...?」涙が枕に落ちる。 アヤメの頭には K-13が財閥官邸で命を張って人質を救い暴動で子供や自分を庇った場面がフラッシュバックする。 彼の手紙で明かされた「名前がない」過去 孤児院での過酷な日々、そしてSRTでの冷酷な訓練が彼をこんな道に導いたのだと理解しつつも彼女にはその理由が腑に落ちない。 「貴方はもう十分頑張ったじゃない...。なぜ休まないの?なぜ自分を犠牲にするの?」 と問いかけるように 彼の無反応な顔を見つめる。 涙が止まらず彼女はK-13の手をそっと握る。 その手は、戦いの痕で荒れ、冷たかった。 アヤメは思いを巡らせる。 K-13が仕事に全てを捧げたのは 孤児としての孤独を埋めるためだったのかもしれない。 両親に捨てられ 孤児院で強さを装った彼にとってSRTでの任務は生きる意味そのものだった。だがその代償がこの重傷であり、意識を失った今 彼の心がどこにあるのかさえ分からない。 アヤメは「貴方がこんな目に遭うたびに私まで苦しくなる...。でも、貴方が助けてくれたから私もここにいられる」 と呟き 涙を拭う。 彼女の優しさは、K-13の無垢な子供時代を思わせるものだったが彼にはその記憶が遠く 届かない。 病室のモニターが規則正しいビープ音を鳴らし 窓から差し込む朝日がK-13の顔を優しく照らす。 医師は「内臓の修復は進んでいるが脳へのダメージやショック状態が意識回復を遅らせている。奇跡を待つしかない」 と告げ アヤメはそれを受け止めるしかない。 彼女はK-13の手に自分の手を重ね 「お願い...目を開けて。貴方に名前をあげたい。K-13じゃなくて、ちゃんと私の知ってる名前で呼べるようにして...」 と願いを込める。 涙が再び溢れ 彼女は彼のそばで膝をつき 祈るように頭を下げる。 アヤメの心にはK-13が意識を取り戻さなかった場合の未来がちらつく。 SRTに戻れず ただの番号として忘れ去られる彼の姿。 だが彼女はそれを許せない。 「貴方は私にとってただの隊員じゃない。私の...大切な人なんだから」 と呟いた、涙がシーツに染み込む。 外では暴動の後始末が続き市街の復興が始まる中 病室の中だけは時間が止まったように静かだった。 アヤメはK-13の回復を彼のそばに寄り添い続ける決意を固める。 彼女の涙はK-13の無言の犠牲に対する感謝と未来への希望を象徴していた。 序章3-END-

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地下室の華 ifストーリー〈序章2〉

退院後 K-13とアヤメはスマホで連絡を取り合う関係が続いていた、 仕事で多忙なK-13は返が少なく アヤメは時折彼の無事を気遣うメッセージを送るだけの日々が続いていた。 そんなある日 財閥官邸の近隣で突然動が発生 数百人の暴徒が市街を荒らし 火を放ちながら破壊等非道の限りを尽くす。 買い出しに出ていたアヤメもその混乱に巻き込まれ 暴徒たちに囲まれそうになった しかし、ちょうどSRTが出動し K-13もその一員として現場に到着 群衆の中 アヤメの困った表情に気付くが すぐ横では暴徒に捕まった子供が助けを求めている 距離的に動ける隊員はK-13しかおらず 瞬時に判断を迫られる 子供かアヤメ 先に救えるのはどちらか K-13の冷徹な瞳が状況を冷静に分析し始める。 財閥官邸近辺で暴動が勃発し 大勢の暴徒が市街を荒らし回る中 K-13はSRTの一員として現場に突入する 混乱の中 買い出しに出ていたアヤメが暴徒に囲まれる姿を目撃した 彼女がパニックで身動きを取れずにいる横では 別の暴徒が小さな子供を捕らえ 危険な状況に追い込まれている 距離的に動ける隊員はK-13しかおらず 瞬時に判断を迫られる。 任務優先の冷徹な性格を持つ彼だが アヤメとのこれまでの交流や 子供の無垢な叫び声が心に響く 危険を冒す覚悟で K-13は両方を同時に救うことを決意した。 まず、拳銃を手に取ったK-13はアヤメを救おうとナイフを振り上げた暴徒の腕を精密に狙う 一発の銃声が響き 弾丸が暴徒の腕を掠め 彼は痛みに叫びながら地面に倒れる 素早く視線を移して子供を捕らえた別の暴徒の足を次なる標的とする もう一発の銃撃が徒の足を貫き 彼もまたよるめいて地面に転がる K-13は迷わずダッシュを開始し 子供に近づくとカ強く抱え上げ 少し離れた安全な場所にそっと投げるように移動させる。 子供は驚きつつも無事に地面に着き 泣きながらも助かったことに安堵する。 その直後 K-13はアヤメの元へ駆け戻る 倒れた暴徒がまだ動きそうなので 携行していた縛器具を素早く取り出し その暴徒の両手を縛る さらに足を撃った暴徒にも近づき 彼の足元を押さえながら同様に拘束する 短時間で二人の暴徒を無力化し 周辺の安全を確保するが 激しいダッシュと戦闘でK-13の呼吸が乱れ始める 目出し帽とヘルメットで覆われた顔が蒸し暑さで汗に濡れ 息苦しさが彼を襲った 普段の無感情な表情も わずかに苦痛を表すように歪んでいる。 アヤメはそんなK-13の姿に気付き 慌てて彼に近づく 「貴方、大丈夫!?無理しないで!」 と心配そうに声をかけ 慌てて彼の肩を支えようとする K-13は一瞬彼女の手を振り払おうとするが力が入らず 「..任務だ...心配するな」 と弱々しく返す だが アヤメの瞳に映る彼の苦しさに 心のどこかで温かさを感じ始めていた 暴徒たちは他のSRT隊員や機動隊に引き渡され K-13はアヤメに支えられながら一時的に安全な場所へ移動する。 息を整えながら K-13は目出し帽を少しずらして 汗を拭う その瞬間 アヤメは彼の生気のない瞳が疲労でさらに曇っているのを見つけ 胸が締め付けられる 「貴方 いつもこんな危険な目に遭ってるの...?」と呟くアヤメに K-13は 「これが俺の仕事だからだ」 と短く答える しかし 彼女の心配する声がこれまで感じたことのない感情を呼び起こした 内心で少しだけ戸惑う アヤメは 「次からは、私も何か役に立ちたい 貴方を守りたいの」 と笑顔で言い K-13は言葉に詰まる 暴動はまだ収束せず 他の隊員が戦闘を続ける中、二人の間に微妙な絆がさらに深まる瞬間が訪れていた。 暴動は依然として収束せず 街は炎と叫び声に包まれたままだった。 K-13はアヤメに支えられながら一息ついた後再び立ち上がる。 疲労が目に見えて表れ 呼吸はまだ乱れ ヘルメットと目出し帽の下で汗が滴る 生気のない瞳は任務への執念で輝きを失わず 彼は再び暴徒鎮圧に向かおうと歩き出す SRTの他の隊員が遠くで戦闘を続けている音が聞こえ K-13の心には「仕事が全て」という念が再び支配を強めていた。 しかし、その決意にアヤメは耐えられなかった 彼女はK-13の腕を強く掴んで涙を浮かべた目で彼を見つめる 「行かないで....!お願い...!」 と声を震わせて懇願する 彼女の優しさが 今回の危機で一層際立ち K-13を初めて本気で止めようとする姿勢が彼の心に刺さった アヤメの小さな手が彼の装備で重い腕を押さえ 彼女の瞳には純粋な心配と恐怖が宿っていた 「また撃たれたら....また死にそうになったらどうするの!?もう見ていられないよ…..!」 感情が溢れ出し、言葉が途切れ途切れになる。 K-13は一瞬立ち止まり アヤメの声に耳を傾ける。 普段は機械のように感情を抑え 任務にのみ忠実な彼だが 彼女の涙と懇願が心の奥底に響く 疲労で重い体を支えながら 彼はゆっくりと振り返る 「お願いだ..仕事なんだ...分かってくれ....」 と、珍しく弱々しい声で返す SRTの隊員としての誇りと責任が彼を縛り 逃げる選択肢など最初から頭に無い だが、アヤメの涙を見た瞬間 彼の右手が無意識に拳銃をしまう その手をそっと上げ アヤメの頬に触れる。 装備で荒れた手が彼女の柔らかい肌に触れ わずかに震えながらも優しく撫でる仕草は これまで見せたことのない人間らしい一面だった。 アヤメは驚きで目を丸くし K-13の手の温もりを感じて一瞬言葉を失う 生気のない瞳が彼女を見つめて疲労と葛藤で揺れるその表情は 任務に全てを捧げてきた男の脆さを露わにしていた。 「俺は...これが生きる意味なんだ」 と呟く、K-13は再び背を向ける 背中は堂々としているようでいて どこか頼りなさを感じさせアヤメの心をさらに締め付ける 彼女は手を伸ばしかけるが K-13の決意の重さに気付き、涙をこらえて見送るしかなかった。 K-13はゆっくりと歩き出し 暴徒の叫び声が近づく方向へ向かう。 拳銃を仕舞った右手はまだアヤメの頬の感触を覚えており 心のどこかで彼女の「お願い」が響き続けている 疲労で足取りは重く 明らかに危険な状態だったが彼の背中にはSRTの誇りと 守るべきもののために戦う意志が宿っていた。 アヤメは彼の後ろ姿を見つめながら 「無事でいて...お願いだから」 と心の中で祈る。 煙と炎の中へ消えていくK-13の姿は 彼女にとってこれまで以上に大切な存在になっていた。 K-13はアヤメとの別れを背に 煙と炎が立ち込める市街地へ再び足を踏み入れた、SRTの黒いユニフォームに身を包み手袋をはめた両手で拳銃を握り直す。 手袋は滑りを防ぎ 武器の扱いを安定させるが、汗で少し湿り 握力が落ちるのを自覚しながらも彼は前進する。 SRTの他の隊員や機動隊 警察官たちも 防弾盾や警棒を手に暴徒と対峙 だが、状況は予想以上に混沌としていた。 暴徒の数は圧倒的で 捕まえても捕まえても次から次へと湧き出してくる。 意図的な組織的な動きなのか それとも単なる群衆心理の暴走なのかは分からないが 彼らの数と勢いはまるで津波のようだった。 SRTの隊員たちは手錠や束縛器具を駆使して制圧を試みるが すぐに新たな敵が押し寄せる。 機動隊が盾を構えて防線を張るも 暴徒の中にはナイフや金属棒 角材といった危険な近接武器を手に持つ者たちが混じり 正面衝突が頻発。 火炎瓶が空を切り 炎が地面を焦がす中 現場はまさに小規模な戦争と化していた。 さらに厄介なのは 一部の暴徒が猟銃や あの財閥官邸事件で使用されたような本格的な銃火器を手にしていることだった K-13は手袋をはめた手で拳銃を構え 遠くから狙いを定める 暴徒の肩を狙撃 弾丸が命中し、暴徒がうめき声を上げて倒れるが すぐに別の者がその隙を突いて火炎瓶を投擲した 炎がK-13の足元に広がり 彼は素早く盾を拾って身を守る。 手袋の摩擦で盾をしっかりと握り 炎の熱を少しでも防ごうとするが 疲労で体が重く 動きが鈍くなるのが自覚できた。 SRTの他の隊員も同様に苦戦している 手袋を着けた手で警棒を振り回し ナイフを持った暴徒を次々と制圧するが 金属棒で殴りかかってくる相手に防弾アーマーが軋む音が響く 機動隊は盾を連動させて壁を形成し 警察官がその後ろで手錠をかけ続けるが 猟銃の銃声が鳴り響き 一部の隊員が肩や腕を撃たれて倒れる。K-13は仲間を助けようとダッシュするが 腹部の古傷が疼き 息がさらに乱れる。 目出し帽とヘルメットで覆われた顔が蒸し暑さで熱を帯びた手袋の内側にも汗が溜まり 握力がさらに落ちていく。 戦闘の中心ではK-13は一時的に安全な路地に身を隠し 状況を確認する 暴徒の数は減る気配がなく むしろ武器のグレードが上がっていることに気付いた 猟銃を持った男が路地の入り口に現れ K-13に向かって引き金を引く 素早く盾を掲げ 弾丸を弾くが 衝撃で腕がしびれる。 「この数は異常だ....」 と呟き 彼は無線で増援を要請したが 応答は混線で届かず、孤立感が強まる。 遠くでアヤメの姿が頭をよぎる 彼女の 「行かないで」 という悲願と 頬に触れた自分の手が記憶に残り わずかに心が揺れる。 それでも K-13は任務を優先し 再び現場へ飛び込む。 警棒を握り直し 疲れた体を叱咤しながら 猟銃の暴徒に近づき 警棒で一撃を加える。 倒れた相手を素早く縛り 次の標的へ。 炎と煙の中 K-13の姿はまるで機械のように動くが その内側では疲労と葛藤が渦巻いていた。 機動隊が火炎瓶を投げた暴徒を制圧し SRTが銃火器を持つ者を次々と無力化する中 戦闘はまだ終わりを迎えない。 K-13は手袋で汗を拭い 拳銃を再装填。 仲間と共に前進を続けるが どこかでこの戦いがアヤメを巻き込むのではないかという不安が 彼の冷徹な心に小さな波紋を広げ始めていた。

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地下室の華 ifストーリー《序章1》

もしK-13がスナイパー弾で死なず 地下室から脱出に成功していたら 彼とアヤメの関係は徐々に変化していたかもしれない K-13の心は仕事に支配され 感情を抑える訓練で硬くなったが アヤメの優しさとドジっ子な一面が彼の閉ざされた心に小さな光をもたらすはずだ 最初は任務の延長としてアヤメを安全な場所に送り届けるだけだったが 彼女の「ありがとう」や懸命な止血の記憶が 彼の中で何かを感じさせるきっかけになるだろう 回復後 K-13はSRTに戻りながらも アヤメに時折会う機会を持つかもしれない アヤメはドジを踏みつつも彼に感謝を伝え 優しい言葉で接するうちに K-13は徐々に人間らしい感情を取り戻す 関係は恋愛というより 互いを支え合う深い友情や頼に発展する可能性が高い K-13の「仕事が恋人」という性格が残るため ロマンスは控えめになるが アヤメが彼の心の拠り所となり 任務の合間に彼女の笑顔を思い出す瞬間が増えることに違いない SRTの新たな任務でび危険に直面した時 K-13はアヤメを護ることを優先する選択をし 二人は一緒に戦う仲間や支え合う存在として絆を深めるかもしれない 最終的には アヤメがK-13の過去の傷を知り 彼を癒す役割を果たしつつ K-13もアヤメのドジを笑顔で受け止めるような 温かい関係に落ち着く可能性が期待できそうだ。 さて、前置きが長くなった ここからはifストーリーが始まるぞ。 腹部をスナイパーライフルで撃ち抜かれたK-13 は地下室で意識を失う 血を流しながら倒れる彼を見て アヤメは「もっと早く気づけばよかった...」と後悔の念に駆られるが すぐに立ち直り 無線で必死に助けを呼ぶ 彼女の震える声がSRTに届き 隊員たちが急行 迅速な応急処置と搬送が功を奏し K-13は一命を取り留める。 目が覚めると そこは病院の白い病室 K-13はベッドに横たわり 腹部の包帯と医療機器に囲まれている 朦朧とした意識の中で アヤメの顔が視界に入る 彼女は疲れた表情で微笑み 「良かった...生きてて」と呟くK-13は一瞬感情を抑えきれず 彼女に小さく 「...ありがとう」 と返す 普段の機械的な自分とは異なる言葉に アヤメも驚きつつ ほっとした様子を見せる。 病院の病室でK-13が目を覚ますと アヤメは初めて彼の素顔を見る事になる ヘルメットやゴーグル、目出し帽で隠されていた顔が露わになり 彼女は驚きを隠せない K-13の素顔は 生気のない瞳と薄い髪が特徴で 過酷な任務と心の傷を物語る SRTの他の隊員も負傷で訪れた際 似たような無表情で疲弊した顔立ちが垣間見え 彼らの過酷な隊員生活が浮き彫りになる。 その後 財閥の人間たちがお礼を述べるために病院を訪れる K-13や負傷した隊員たちに感謝の言葉をかけ 彼らの犠牲が救いとなったと伝える アヤメは横で静かに見守り K-13の生気のない瞳が一瞬 彼女の優しさに反応するかのように揺れる瞬間を捉える 財閥の代表は「君たちの正義が我々を救った」と言い、K-13は無言でくだけだが、心の奥で何かを感じ始めているようだ スナイパー弾で腹部を撃たれた傷が原因で K-13はしばらく入院生活を送ることになる 病室では静かに回復に努める彼だが 頻繁にアヤメが見舞いに訪れる 花や簡単な手作りお菓子を持ってきては 彼のそばで優しく話しかける K-13は最初 「そんなに高い頻度で来なくても良い」 と無愛想に返すが アヤメは笑顔で首を振る。 ある日 アヤメが 「でも貴方のおかげで...命が救われたんだから」と感謝を述べると K-13は冷たく 「俺が死んだとしても悲しむ奴はいない 変わりは組織に幾らでもいるからな」 と言い放つ 生気のない瞳が一瞬揺れ アヤメは言葉に詰まるが その寂しさに気付き、静かに手を握り返す 「私は..貴方が居なくなったら悲しいよ..」 と小さく呟き K-13は初めて言葉を失う スナイパー弾で腹部を撃たれた傷がようやく癒え K-13は長い入院生活を終えて退院する しかし 組織のSRTは彼の即日復帰を強く反対 過酷な任務で受けた傷の深刻さを考慮し 「少し休め」 と珍しく配慮を見せる 労災保険を適用した休暇が与えられ K-13は渋々ながらも数週間の休息を余儀なくされる 普段は仕事が全ての彼にとって この時間は異様なものだったが、内心では疲弊した体を休める必要性を感じていた 退院後 K-13は意外な行動に出る かつて血と死体で汚された財閥の官邸を訪れるのだ 目的は何かと思えば 彼はあの事件で官邸を戦場と化し 多くの犠牲を出したことを謝罪するためだった SRTの冷酷な執行者としての顔とは裏腹に K-13は自分の行動がもたらした結果に責任を感じていたのだ 官邸の豪華な玄関ホールで 彼は財閥の代表に頭を下げ 「あの日の混乱で貴殿方の場所を汚した 申し訳ない」 と淡々と言葉を述べる しかし 財閥のメンバーたちはそんなことをとやかく言うわけがない K-13とSRTの活躍で命拾いした彼らにとって 謝罪など不要なほど感謝の念で溢れていた むしろ 代表は 「君たちのおかげで我々は生き延びた、謝る必要などないよ」 と優しく返す だが 場の空気を読んだのか、あるいは何か意図があってか 財閥のメンバーはさりげなくアヤメを呼び寄せてK-13と彼女を2人きりにするよう配慮する ホールから人が去り 静寂が広がる中 アヤメが少し緊張した表情でK-13の前に立つ 二人が並んで官邸の庭を歩くうち アヤメは 「貴方が謝りに来たって聞いた時..びっくりした..SRTの人って そんなこと考えるんだね」 と言う K-13は一瞬黙り込み 「任務は任務..仕事は仕事だ..だが...あの地下室でのことは、忘れられない」 と呟く 感情を抑え続けた彼にとって これは珍しく心を見せた瞬間だった アヤメは驚きつつも 「私も忘れないよ。貴方が生きててくれて、本当に良かった」 と応え 二人の間に微妙な絆が深まる気配が漂う 財閥のメンバーが遠くから見守る中 K-13は内 心でこの休暇が初めて「人間らしい時間」 だと感じ始めていた 任務に戻る日が近づいても アヤメとのこの時間が 彼の心に小さな変化を もたらすかもしれない そんな予感が 静かな庭 に吹く風とともに広がっていく K-13の労災保険による休暇は3日間と定められ その最後の日が訪れる 官邸を訪れるのもこれが最後と悟った彼は アヤメに直接会うよりも静かに想いを伝える方法を選ぶ 退院後 官邸の庭で過ごした時間や彼女の優しさが心に残り K-13は手紙を書き 官邸のスタッフに預ける 手紙には彼の素直な気持ちと 隠していた過去が綴られていた "K-13です 私は本日で最後の労災となります 貴女と過ごせたこの日々を忘れません 貴女や他の方々を守りきれて良かったです (以下略) 最後に 私には'名前が無い'のです 孤児である私は両親に捨てられて孤児院で育ちました しかしそこでの扱いは酷く 私は辛さを隠し 強く振る舞い 元気な子を演じてきました SRTに入り 番号で呼ばれるこの身が私にはふさわしいと思っていました。貴女の優しさに触れ 初めて感謝の気持ちを伝えたいと思いました。ありがとうございました、K-13。" 手紙を受け取ったアヤメは 静かな部屋でその内容を読み進める K-13が「名前がない」と知った瞬間 彼女の胸は締め付けられるように、ガラスが碎ける様にショックを受けた 明るい性格を装っていた子供時代 孤児院での過酷な日々 そしてSRTでの冷酷な訓練が彼を形作った いや 壊したのだと理解し アヤメは涙をこらえきれなくなる 「あんなに優しい人でも名前がない....そんな孤独を抱えてたなんて」 と呟き 手紙を胸に抱く K-13の生気のない瞳や無感情な言葉の裏に隠された痛みが 彼女に初めて実感として伝わった アヤメは手紙を握りしめ 窓の外を見つめる K-13がSRTに戻り 再び危険な任務に挑むことを想像すると 心配と感謝が交錯する 彼女の中で 彼に「名前」を与えたいという思いが芽生え始めるが その願いが叶う日は遠いかもしれないし二度と無いかもしれない そんな複雑な感情を抱えながら アヤメはK-13の存在をこれまで以上に大切に思うようになっていた。 ifルート序章1-END-

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地下室の華

舞台は2025年 治安が崩壊した世界 政府は機能しているものの 犯罪組織や私兵が跋扈し 国家レベルでの混乱が続く 特に大手財閥の影響力は絶大で 彼らの富と権力は新たな紛争の火種となっていた そんな中 薄暗い部屋で謎の人物が姿を隠し 電話越しに冷酷な命令を下す 「リュウガ、準備はいいな?財閥の官邸を制圧しろ 人質は必要だが 抵抗する奴は容赦なく殺せ。」 その声に 大柄で浅黒い肌、茶髪の髪を持つ武装集団のリーダー・リュウガが低く笑い 数百人の闇バイトに指示を出す。 ほどなくして 大手財閥の豪奢な官邸が武装集団に占領される大事件が起きた 銃や剣(刀) バットを手に持つ数百人がなだれ込み 財閥メンバーや使用人たちを人質に取った 警察や機動隊が急行するが 数の暴力と武装の前に手がつけられない 混乱の 中 黒髪のショートを生やした優しくドジっ子なメイド「アヤメ」は偶然地下室に隠れ 危機を回避する 事態の深刻さを察した政府は 切り札として特殊対応チーム「SRT」を出動させる 機械のように冷酷で 凶悪犯にそれ相応の制裁を下すことを許された精鋭部隊だ その一員である一般隊員・K-13が 任務のために官邸へと向かう 仕事が全ての彼にとって 恋人代わりの使命感だけが心を動かす。 SRTの部隊が財閥官邸に突入するが 数百人の武装集団が待ち構え 即座に銃撃戦に突入 K-13を含む隊員たちは 狭い回廊や豪華な部屋を巧みに動きながら応戦するが 闇バイトたちの数の多さと銃火に押され気味 拳銃 スナイパーライフル アサルトライフルの弾丸が飛び交い 弾丸が壁や調度品を破壊する SRTの訓練された連携も限界を迎えつつある その混乱の武装集団のリーダー・リュウガが笑を上げながら現れる 「国家の犬がこんなもんかぁ?!」と挑発的な声が官邸に響き渡り K-13の冷徹な眼差しが彼を捉える リュウガの狡猾な指揮の下 武装集団は巧妙に配置を変更し SRTをさらに追い詰める。 この任務は間違いなく SRT史上最大の挑戦だ 失敗すれば 財閥メンバーや人質の使用人たち そしてSRTの隊員自身さえもが全滅するリスクがある K-13は機械のように感情を抑え 任務達成に全力を注ぐが 状況は予断を許さない。 SRTの突入は 防弾盾と拳銃を手に持つ K-13らによるものだが 数百人の武装集団の猛攻に苦戦 防弾アーマーは身を守るが スナイパーライフルの強力な弾丸には耐えられず 隊員が次々にピンチに K-13は手錠と伸縮棒を駆使して敵を制圧しようとするが戦況はさらに混乱する 地下室に隠れるアヤメは、銃撃戦の音が地響きのように響く中 震えながら身を縮める 彼女のドジっ子な性格がここで災いし 物音を立てそうになるが 運良く気付かれない。 一方 武装集団は他の使用人たちをいたぶる様子を 設置したカメラやマイクでリアルタイムで警察に中継 叫び声や暴力の音声が流れ 警察や機動隊は観念せざるを得ない状況に追い込まれる。 リュウガが笑いながら 「見せ物だ、たんと楽しめよ!」 と煽り 官邸はまさに地獄の様相を呈する。 SRTにとって これが最大の任務に失敗すれば人質だけでなチーム自体が壊滅する危機に瀕している。 銃撃戦は熾烈を極め K-13とSRTは防弾盾と拳銃を駆使し 武装集団の数十人を「制圧」 そのほとんどが射殺という冷酷な結果に終わるが 隊員や機動隊にも多数の犠牲者が出る 自邸内は血と硝煙にまみれ 戦場と化す。 生配された映像は即座に全国に拡散され テレビやSNSではSRTの過激な行動に批判が殺到 メディアの一部は「人権侵害だ」と SRTを叩き ネット上でも意見が二極化。 だがSRTのリーダーは記者会見で毅然とこう言い放つ。 「ここまでの犯罪を犯した時点で人の道を外してる。そんなヤツらに人権なんて高価なもんは無い。」その言葉は賛否両論を呼び さらなる議論を巻き起こす。 K-13は無感情に任務を続け リュウガとの対決が近づく中 地下室のアヤメは銃声が遠のくのを聞きながらも 依然として恐怖に震えている。 銃撃戦の混乱の中 K-13は通が途絶え SRT の仲間とはぐれてしまう。 暗い廊下を進む彼の前に 10人の武装集団がいかかる 全員が剣(刀)やバットといった近接武器を手に持ち 牙を剥くようにK-13に迫る。 防弾盾で幾度か攻撃を受けつつも 彼の機械的な冷静さで動きを読み素早く対処。 手錠だけでなく 携行していた縛器具を使い 1人ずつを素早く拘束していく。 10人全員を縛り上げた瞬間 廊下は静寂に包まれK-13の息づかいだけが響く。 この孤立した戦いで 彼の訓練と冷酷さが改めて浮き彫りになるが リュウガとの最終対決が近づいていることを予感させる。 K-13はついに武装集団のリーダー、リュウガと激突。 盾は邪魔だと判断し捨て 拳銃も弾切れで使えず 唯一の武器・伸縮警棒を手に戦いを挑む。 リュウガはアサルトライフルを乱射し 弾幕でK-13を圧倒するが 弾切れを迎えると鉄パイプに持ち替えて肉弾戦へ K-13の機械的な動きと營棒の精密な一撃がリュウガの荒々しい攻撃とぶつかり合い 官邸の部屋は破壊されていく。 激戦の末 K-13は隙を突き リュウガに手錠をかけ勝利を収める。 無線で「ターゲット確保」と報告するその瞬間 遠くからスナイパーライフルの銃声が響く。K-13の腹に弾が命中し 彼はよろめきながらその場を離れ別室の地下室へ逃げ込む。 後で分かったことだが 武装集団の1人が遠距離から撃ち すぐさまSRTに捕まった。 K-13は腹部に受けたスナイパー弾の痛みに耐えながら地下室にたどり着き 一息つく そこに隠れていたアヤメが現れ 驚きと不安の表情で近づく。 K-13は無線で状況を報告後 アヤメは傷に気づきK-13はアーマーを脱いで服を捲る。 貫通した傷口から血が流れ出し 事態の深刻さを物語る。 アヤメは優しさと焦りからエプロンをちぎり 傷に巻き付ける。 貫通しているためかなりきつく締めて止血を試みるが 彼女の震える手がその懸命さを表している。 K-13はアヤメを見つめ 「周囲の安全は取れている、直ぐに裏から逃げるんだ、俺が出て来なくても絶対に戻ってくるな」と言い放ち 目を閉じる。 死んだわけではないが 意識が朦朧とし始めている。 アヤメは少しだけ彼のそばに留まり 複雑な感情を抱えながらも 言葉に従い地下室から出る。 事件はSRTと機動隊の総力戦で武装集団を制圧し 終結を迎える。 しかし K-13からの無線応答が途絶えたままであり混乱が広がる アヤメは彼が地下室にいることを知っており SRT隊員や機動隊を連れて急行する。 地下室にたどり着いた瞬彼女の目に飛び込んできたのは 壁にもたれ座るK-13の姿 出血多量で既に息絶えており 冷たい床に広がる血だまりが静寂を際立たせる アヤメは言葉を失い 隊員たちが無表情で遺体を確認する彼女の心に深い悲しみが広がる。 アヤメはK-13の亡骸の前で膝をつき 涙をこらえきれずに悲しみに暮れる 「あの時、無理矢理にでも一緒に逃げていたら...」と呟き 後悔と無力感が彼女を包む SRT隊員や機動隊が静かに遺体を運び出す中 彼女の心にはK-13の最後の言葉が焼き付く。 事件は終結したが 裏で糸を引いた他財閥の首謀者は依然として捕まっておらず さらなる犯罪の影がちらつく それでもSRTは戦い続ける 正義を実行し 混沌とした世界で秩序を取り戻すため 新たな任務に赴く決意を固める。 事件から時が経ち アヤメは殉職した SRT隊員機動隊の墓を訪れる 整然と並ぶ墓標の前で彼女は静かに手を合わせ 過去の悲しみを振り返る。その中からK-13の墓を見つけ アヤメはそっと近づく。 墓石に花を添えて優しい笑みを浮かべながらも涙がこぼれる、「ありがとう...」 と小さく呟き 風が花を揺らす中 物語は静かに幕を閉じる。 かってK-13は 明るい性格で周囲を笑顔にする子供だった 家族や友だちと過ごす日々は無邪気で 未来に希望を抱いていた しかし 治安が悪化し犯罪が溢れる社会に変わるにつれ 彼の心は徐々に壊れていく 身近な人々が犯罪に巻き込まれ 助けられなかった無力感が彼を蝕んだ やがて彼は自らを救うため、そして死に場所を求めて、社会を正すために SRTの門を叩く。 入隊後 K-13は驚異的な成長を見せる 厳しい訓練を乗り越え 暴動や立てこもり事件に次々と挑む 感情を抑え 機械のように任務を遂行する姿勢が確立され 冷酷な正義の執行者へと変貌していった その過程では仕事が彼の全てとなり 恋人代わりの存在に変わったのだ。 END

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魔法少女が生まれない!3話

夜の空き地 妖精の結界が光る ルシエラ(ヒロインを勧誘している妖精)て 妖精10人魔法少女10人 (格闘、剣士、槍使い、弓使い、魔法使い) が結界に隠れ様子を伺っている クロウ (本作の主人公)が戦闘員3人 普通戦闘員2人と突入 「花音に近づくんじゃねえ!」 裏拳で格闘タイプの魔法少女の顔面を粉砕 普通戦闘員が魔法の盾で弓使いの矢を防ぐが 槍使いに貫かれ消滅 残りの戦闘員も魔法少女の攻撃で全滅 クロウがルシエラを掴む 「花音は渡さねえ!」 ルシエラが逃げる 残りの魔法少女達は困惑しつつもクロウに向かってくる クロウの体が紫色に光り 黒い鱗のようなものでおおわれた怪人形態になった そこからは文字通りの死闘 魔法少女の腹に飛び掛り踏みつけ血を吐き出させ顔面に両手の握りこぶしを振り下ろし殺す 紫色の炎を投げ焼き殺す 結界崩壊 クロウは血を流す 大雨の街、花音宅前 クロウ (人間形態)が血を流し あの時花音に貼ってもらった絆創高が雨で流れる 「花音..あの優しさ...忘れねえ....」 花音が気づき 「あの人!?」 と家から傘もささずに駆け出す 「絶対助ける!」 クロウが朦朧と呟く 「..なんで...お前は...そんなに...優しいんだよ..」 魔界にて ガルム(クロウの同僚ね怪人)が激怒し 「おいおいクロウ 戦闘員全滅だと?あの餓鬼を監視するだけで満足か?」 ゼラ(クロウの同僚の女怪人)「彼最近変よ 人間の女に気があるのかしら?」 バルグ(クロウの後輩の怪人):「まさか兄貴が人間の女なんかに!?」 花音の両親は慌てて外に飛び出す。

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魔法少女が生まれない!2話

魔界が人間界への侵略を準備 魔法少女の杖を破壊し 誕生を阻止する執行者達 だが 聖なる素質を持つ少女が 彼の心を揺さぶる... 花音:「昨日怖かったね...あの黒スーツの人が助けてくれたの」 友達:「怪しくない?」 今作の主人公 クロウ (黒スーツ)が近くで杖を探す 花音が気づき 「昨日はありがとうございました!」 クロウは冷たく 「..あぁ」と返す 突然近くから「きゃー!」と声が ひったくり犯がバッグを奪い 花音に向かって突進 クロウが人間形態で犯人を腕で押さえ 地面に叩きつける 「...ゴミが」 花音:「また助けてくれて...すごい!」 夜 花音宅にて ルシエラと1人の魔法少女(魔法使い)が窓に現れ 光の魔法で視察 ルシエラ:「花音、君は天界の希望だよ!僕と契約して魔法少女になってよ!」 花音:「き、急に何よ!?」 クロウが怪人形態になり(黒紫の鱗、赤い日)に変身、ルシエラを窓から引っ張り出し掴む 「近づくんじゃねえ!」 魔法少女から杖を奪いその杖を折り 魔法少女が取り出した短剣を挙で砕く 花音:「お願い!やめて!」 クロウがルシエラを放し 「...」と花音に見つかる前に人間形態に戻る ルシエラが冷笑で逃げる ひと仕事終えたクロウは夜道を静かに歩く 同僚の女怪人「ゼラ」から通信が来る 「クロウ 最近どう?あの娘の監視順調かしら?」 「おう ちゃんとやってる」 「ふふふ...貴方に限ってヘマはしないと思うけど...上司は貴方に期待してる様だし頑張ってねぇ〜」 「あぁ...仕事はやる それだけだ」 通信も終わり クロウは家に変える ルシエラのあの気味の悪い笑み 魔法少女の焦り 嫌な予感がする クロウの中に疑念が生じ始めた あの少女「花音」魔法少女にならないようにと監視をしているがあの娘の近くに居ると不思議な感覚になる...。

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魔法少女が生まれない! 1話

魔界が人間界への侵略を準備 怪人と魔獣が暗躍し 天界は妖精を派遣する だが杖は次々と破壊され 魔法少女は生まれない... 花音(佐藤花音)が友達と下校 「また宿題忘れた〜」 と友達と話している そこへ暴走車が突っ込んだ 「きゃっ!」 友達が逃げ花音が凍りつく 謎の男(主人公:クロウ、黒スーツ) が現れ 車を挙で弾き飛ばす 腕から血が滲む 「...危ねぇな」 花音:「ありがとう...でも 貴方怪我してる!」男:「問題ねえ」 と冷たく返すが 花音の心配顔に一瞬目が揺らぐ 佐藤家に到着し 花音が救急箱で手当て 花音:「痛いよね...我慢してね」 男:「....必要ねえ」 とぶっきらぼう 健一(父):「こんな時に知らない男を!」 美咲(母):「でも怪我してるし...」 男が花音のオーラに気づく (内心:「こいつ..尋常じゃねえ魔力魔法少女の素質があるんだな....」) 両親が目を逸らした時 犬と狐を合わせて割ったような見た目の ルシエラ (妖精)が現れ 「花音 君は特別な魔法少女になれる!」 と突拍子も無いことを言い始める 男がルシエラを掴む 「お前は空気も読めないのか...」 花音が涙で叫ぶ 「やめて!殺さないで!」 男の精神力が揺らぎ ルシエラを放す 「...面倒な女だ」 魔界の飲み屋 黒いクリスタルのカウンター 怪人の笑い声が響く クロウ (黒スーツ)が酒を飲む ガルム(狼型怪人で大柄、同僚兼クロウのライバル ):「仕事は順調か?」 クロウ:「いつも通りだ 魔法少女は増えねえ」 ゼラ(黒ドレスの女怪人 どこか怪しい雰囲気もある):「人間界の監視 面倒よね 車のガスなんか鼻にくるわ」 バルグ(小型怪人でクロウの後輩):「お、兄貴!その手の絆創膏どうしたんですか!人間の女に手出したんですか??」 クロウが鋭い目で睨み 「黙れ」 バルグが縮こまる ガルムとゼラがニヤニヤ クロウがぼやく 「妖精の奴らがしつこいな...候補が増えてきた」 飲み屋を出て クロウの住処 暗い部屋クロウが絆創膏を見つめ 「佐藤花音 あの優しさが魔法少女の素質と関係あるのか?魔法少女が悪だと?...ふざけんな」 上司の怪人から通言 「佐藤花音を監視しろ だが 魔法少女になる前に殺れ 彼女は強力な魔法少女になるだろう もしその前に止めれたら給料アップも狙えるぞ」 通言を切り クロウは目を細め、「...どうするかは 俺が決める」 と呟く。

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魔法少女が生まれない! ゼロ話

夜の都市 炎がビルを飲み込み 催涙がスの煙が漂う ワイバーンの様な魔獣の咆哮 M2ブローニングの弾幕射撃 逃げ惑う市民の叫び声 「魔界が人間界を狙う 怪人と魔獣が街を蹂躙 天界は妖精を派遣するが 杖は次々と破壊される 人間の軍は介入するが 混乱は深まるばかり...」 平凡な女子中学生が学校から逃げる 催涙ガスで咳き込み 車に轢かれそうになる「だ、誰か...!」 黒スーツの男が現れ 車を挙で弾き飛ばす 「...チッ、邪魔だな」 ヒロインが震えながら呟く 「あ、ありがとう...」 遠くでワイバーンが火炎弾を吐き 戦車が砲撃を行う 魔法少女が剣を振り、怪人の魔法の盾に弾かれる 主人公事黒スーツの男が変身 黒紫のクリスタルを彷彿とさせる鱗が輝き 赤い目が輝く 「俺の仕事は 魔法少女を止めることだ」 燃える都市 催涙ガスの煙の中 ワイバーンが火炎弾を吐きM2ブローニングの弾幕が怪人の魔法の盾を砕く クロウ が黒スーツ姿で現れ 地面に落ちていた魔法の杖を膝でメキッと折る。 「魔法少女は生まれさせねえ」 拳で魔法少女を倒し 血と臓物が飛び散る 花音(先程の中学生)が学校から逃げるが 車に轢かれそうになる クロウが一瞬の気まぐれで助ける 「気をつけろ...」 ルシエラ (妖精)がキラキラ光りながら現れ 「花音 君は魔法少女の素質がある!杖を受け取って!」 と囁く クロウが激昂し 黒紫のクリスタル鱗に変身 赤い目でルシエラを睨みその手で掴む 「彼女を戦場に引き込む気か!」 花音が 「やめて!」 と叫び クロウはルシエラを放す 「..面倒なやつだな」 遠くで竜脚類の様な魔獣がが戦車に砲撃され、F15がワイバーンを撃墜 花音が呟く 「あなた ほんとに悪なの...?」 これはまだ先のお話、魔法少女とは何か、怪人や魔獣とは何か、それは次お話致しましょう。

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ブラッディ・ソード 4話

灰と血の決意 ガルディア王国 辺境の村 酒場 深夜酒場は生き残りの村人で溢れ 薄暗い松明の光が血と泥にまみれた床を照らす エドガーは剣を握り 青い瞳が疲労で曇る 白い肌は血痂で荒れ 今は亡き幼なじみアリシアの護符が胸で血に固まる 幼馴染のアリシアが野盗に殺された過去が脳裏に蘇る 村人から「裏切り者」と罵られ 傭兵仲間から野次を投げられた記憶が重なる ドワーフの仲間 グリムはマスケット銃を磨き 茶髭を震わせる 前に野盗戦で護衛が全滅し 死体にに変貌した仲間達の光景がフラッシュバックする エルフの魔法使い シルヴィアは金髪を血で濡らし、緑の瞳が暗い 早朝、リリア(シルヴィアの親友、弓使い)が血痰を吐き 静かに息を引き取った シルヴィアはリリアの冷たくなった手を握り「リリア..約束を...」と呟く 村人たちがガヤガヤと騒ぐ 「モンスターが村を...」「このままじゃ...」 と混乱が広がる 酒場の外にリリアの遺体が横たわる 黒髪が血で固まり 口元に血療が乾いている シルヴィアが金髪を涙で濡らし 「リリア、目を開けて...」 と泣き崩れる 染病の兆候(皮膚の青い紋様)がリリアの腕に浮かび エドガーの青眼が暗くなる 「お嬢、リリアはもう...」 と告するが、シルヴィアは緑の瞳を鋭くする「リリアは私の親友だ!焼くなんて....」 グリムが茶髭を撫で「お前も見ただろ!死体がモンスターに変わっちまう前に全部焼くしかないんだ!」 と叫 ぶ村人が頷くが シルヴィアはリリアの遺体を抱きしめ「ダメよ...お願い..」 と拒否 酒場は騒然とし 「ワー!ワー!」とこの村の守備隊の王国ソードマンの野次が響く エドガーは青眼を血走らせ「お前ら、黙れ」 夜が深まり 酒場に異様な沈黙が訪れる 飲み屋の外ではリリアの遺体が突然痙攣し 白濁の目が開く青い紋様が皮膚を這い 裂けた口からウジが蠢く 「ウォー!」と低く唸り モンスター化が始まる シルヴィアが店を飛び出し 「リリア!やめて!」と叫ぶが モンスターになったリリアが爪を振り上げる 腐った肉が剥がれ、腸がドロドロと溢れ、血が黒く粘り気を持って噴く エドガーが青眼を決意に燃やし 剣を抜く 「お嬢、離れろ!」 モンスターリリアがシルヴィアに迫る瞬間 エドガーの剣が首を擦ねる 頭がゴロリと転がる 血がシルヴィアの金髪に飛び散り 緑の瞳が涙で溢れる 「エドガー...なぜ....」 エドガーは眼を伏せ 「こうするしか無かった...」 と呟く村人が「ワー!ワー!」と騒ぐ中 グリムが髭を震わせ 「焼け..全部焼くんだ」 と火薬瓶を手に立つ 外ではリリアの遺体を焼く炎で暖まる 腐臭と煙が立ち込め 村人たちが咳き込む シルヴィアが金髪を血と涙で濡らし 緑の瞳を閉じる。 「リリア...ごめんね」 エドガーはアリシアの護符を握り 青眼を遠くへ向ける 「王都なら...原因の元が分かるかも」 グリムが銃を肩に担ぎ 「おう」と頷く 村人がガヤガヤと「王都なら助かるか?」「モンスターが追ってくる!」と騒ぐ エドガーが磨いていた剣を鞘に収め 「生き残るには戦うしかない...行くぞ」 シルヴィアが金髪を整え 緑の瞳に決意を宿す「リリアの分まで...」 3人は酒場を後にする。

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