しぶや
2 件の小説卒業
死ぬわけではないのだ、この先また会えるかもしれない、もしかしたら疎遠になって話すことすらなくなるかもしれない。それは寂しいことだけど、たぶん生活これまでと変わらないのだと思う。だからこの先も泣いたり笑ったりしてちゃんと生きてさえいればいい。 思い出はいつでも素敵なまま。同じ時間をくれてありがとう。 そんなふうに思えた。自分の未熟さが歯がゆいくて、未だにたらればばかり零してしまうけれど、高校生活において友達との思い出だけはとても大切なものだと言える。 卒業のようにこれから別れを実感しることは少なくなると思う。だからこの瞬間だけのこの気持ちを忘れたくないと強く思う。
青春
クーラーと人の声で騒がしい教室の中1人で本を読むこと。 朝、汗だくになりながら自転車を走らせること。 部活の後みんなで海に行くこと。 制服を着ていること。 学校帰りの自動販売機でボタンを2つ同時に押して出てきた方を飲んでみたり。 部活をサボって校庭の蛇口で水遊びをすること。 部活に全力で取り組むこと。 夏休み、扇風機とテレビの音が響く家でダラダラ過ごすこと。 夏祭りで浴衣を着ること。 授業中、好きな人を横目で見ること。 初恋をすること。 電車にのり毎日同じ風景を見ること。 梅雨の季節に濡れることを気にせず走って帰ること。 2人で1つの傘に入ること。 実らない恋をすること。 勉強してバイトしてを繰り返す日々を送ること。 入道雲、木の影が揺れたり、時々吹く風、雨上がりの虹を懐かしく思うこと。 小学生に戻りたいと思うこと。 家の庭で花火をすること。 アイスを食べること。 よくわからない悲しさや辛さを感じる日があること。 未来を不安に思うこと。 それでも安心できる場所や人がいること。 毎日の全ての瞬間を覚えていたいと思うこと。 夏の噎せ返るような暑さを今年も乗り切れそうだ。