千住あかり
2 件の小説来世でまた君の涙を拭きにいく
エピソード2 私はびっくりして、動けなかった。 (足音もなにも聞こえなかったのに!) 彼は私に近づいてきて私の大粒の涙を優しく大きな手で拭き取った。 「なっ、!?」 彼の優しい目鼻立ち、彼の優しい手の感覚に私は酔いしれそうになっていた。 (危ない危ない!)私はふと我に返り、彼の手を少し振り払い余裕そうな素振りを見せてこう説いた。 「うちのクラスではみない顔ですが、このクラスに何かご用ですか?」 すると彼は口を開いた。 「俺ね、去年までここのクラスだったんだ」 「ということは今3年生、先輩でしたか」 「いや、俺はもうこの学校の人じゃないよ」 変なことを言い出した。 「え、?だってうちの学校の制服着てるじゃないですか?」 いや、もしかしたら今日退学したのかもしれない。もしそうだったのならば失礼なことを聞いてしまった。 「すみません、失礼なことを聞いてしまいました」 「大丈夫だよ(笑)全然失礼なことじゃない。変なことして学校辞めたとかじゃないから」 「そうですか」地雷を踏んでなくてよかった。 そんな安心したのも束の間。 「実は俺ね、、」 そう言いながらニヤニヤした顔を私に近づけてきた。 「ちょっ!」私の顔が一瞬にして真っ赤に染まった。 (今度はなに!?) 「実は俺、幽霊なんだ」 「は?」 人に顔を赤く染めさせておいて何を言い出したかと思ったら、この人までそんな子供だまし。 なんか一気にがっかりした。 「もうからかうのはやめてください。私もう帰ります。この学校の人じゃないのなら早く出てくのをおすすめしますよ、先生に何を言われても私は知りません」 どうしてこんな人と長話しちゃったんだろう。 馬鹿らしい。 「からかってなんかないのに。あ、ちょっと待ってよ〜」 そんな会話をしながら彼を置いていき学校を後にした。
来世でまた君の涙を拭きにいく
皆さんは不思議な体験をしたことはありますか? 例えばドアをノックされて開けたら誰もいなかった、とか朝起きたら自分の足に手形がついてた、とかまあ色々あります。 この物語は女子高生のさやかが体験した、全く怖くない不思議で甘酸っぱいお話です。 エピソード1 休み時間、私はいつものように1人で本を読んでいた。するとこんな声が聞こえてきた。 「ねえ、聞いた?このクラスに放課後出るらしいね〜」 「出る?あー、幽霊?」 「そうそう!」 「本気で信じてんの?」 「だってさ、うちのクラスの人だけじゃなくて先輩とかも言ってたんだよ?」 「なんかサッカー部の部室にも出るみたいなこと言ってたね〜男の幽霊だっけ?」 「うん!ちょっと放課後残ってみようかな!」 楽しげな声が聞こえてきた。 (騒がし、そんな子供だまし)と思いながら耳を傾けて聞いていた。 この時はまだあんなことが起こるなんて思ってもいなかった。 それから月日は経ち気づけばそんな噂話は消えていた頃、その日私は学校に残り勉強をしていた。 私は人が嫌い、そんな私には読書と勉強しか生きがいがないから、よく教室で1人勉強している。 みんながいなくなった教室はすごく静かで、でもまださっきまでの騒がしい余韻が残ってる気もする。 私はいつもそんなことを感じながら教室で勉強をする。 「一緒に勉強会しよ〜」とか言ってる人がよくいるけど、友達と勉強なんてそんなに楽しいか?まあ私には縁がないことだし、考えたって無駄だ。それに私は好んで1人でいるわけだし。 「そうだ、私は1人が、、、好き」 そんなことを呟いてたら大粒の涙が教科書を濡らしていた。 「泣かないで」 突然男の人の優しい声が聞こえた。 「!?」 私は後ろを振り返ると同じクラスの人ではない見たことのない男子高校生が立っていた。