にっき

2 件の小説

にっき

言葉にしたいことを書きます。

終止符

これは私がだいすきな彼に振られるまでの物語である。 私は、振られたい。 何故なら、私に終わらせる勇気がないからだ。 それでも終わらせなければならない。 なんとしてでも、私は彼に振られなければ。 これ以上私が、壊れてしまう前に、潰れてしまう前に。 次の朝、彼と別室で眠っていた私を、泣きそうな顔をして 見つめ、私の頬に触れようとする彼が立っていた。 彼は今にも泣きそうな、か細い声で 「どうして離れていく?」と呟いた。 それをぼんやりと見ていた私を 彼は微かに頬に口づけ、引き寄せ抱きしめた。 私は彼の髪を撫で、絡みつき、ただ一言、 「ごめんね」と言うことしかできなかった。 私はふたたび眠った。 彼の胸の中に小さく収まり、 拘束されるかのように眠った。 彼は私に片方の手で腕枕をし、片方の手で髪を撫でた。 この時私は、確かに彼に求められ、彼は私のものだと、 実感することができる。 いつも他の女にもこうしているのだろうか。 同じように優しく頬に口づけをし、 同じように髪を撫で抱きしめ、離さない。 私は息を殺し、彼に見えないように俯き、涙を流した。 私は彼の嘘を、知っている。 こうして私の愛はループする。 私は毎度、彼の嘘に気づき、ひとり泣き喚く。 もう何度目を腫らし、声を枯らしたかわからない。 その度に私はボロボロと壊れていく。 私ではいけなかったのかという無様な思いと、 彼の言動、行動、全てが嘘であるという事実に 押し潰されそうになる。 昨日も同じだった。 ひとり別室で泣き喚いた。彼はぐっすりと眠っている。 私が彼の嘘を知っていると知らずに。 泣いて、泣いて、泣き疲れ、 私は涙を流しながら眠った。 それでも朝になり、 彼に抱きしめられると 振り払えない。 時が止まればいいとさえ思う。 それくらい、私は満たされる。 だから私は振られたい。 彼を失うことが怖い。 彼を失う勇気がない。 だから私は振られたい。

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溢れる

今日帰ってきた彼の様子が変だった 静かに怒っているような何かに耐えているような そんな様子だった。 私は何も聞かなかった。2人して眠った。 夜起きて彼とそのお母さんが泣いてた。 彼のお祖母さんが亡くなった。薄々気づいていた。 けど何も言えなかった。 彼が泣いていて抱きしめた時やっと、悲しいね、つらいね、 と言うことができた。 彼は絞り出すように泣いていた。 何かの糸がプツリと切れたように、水がコップから溢れてしまったように、泣いていた。 私は彼を抱きしめて頭を撫でた。 こういう時どうしたらよかったのだろう。 どう寄り添ってあげたらよかったのだろう。 泣いているところを見るのはつらい。 お祖母さんとは会ったことも無いけれど お祖母さんが亡くなったという事実を否定することも 無下にすることもできない。 ただ抱きしめてあげることしかできなくて。 私は彼を見ていることしかできない。 ただ彼も私も涙が溢れていた。

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