寝ても覚めても...
懐かしくて、それなのにとても苦い夢から醒めた。
悪夢から目醒めた時の開放感というものはものすごい。
汗が頬を伝う、それが気持ち悪くて顔を洗いに布団から這いずり出た。
現実でも死んであいつがどうして夢でも死なねばならぬのだろうか?
夢の内容をぼんやり思い出しながら洗面所に向かう。
ぼんやりした頭を起こそうと、冷たい水で顔を洗う。
前髪が酷くハネている。直さなければと思い水をつけ、押さえつける。
この髪は集中して直さないとまたすぐハネる、それなのに今日見た夢がチラついてなかなか直らない。
諦めて櫛で梳かしてピンでとめた、女子みたいになってしまった。
あいつが見たら笑って直してくれるんだろうな、髪をいじるのが得意だったから。
そんな昔のことを思い出しながら歯磨きを手に取る。
もう随分と毛が開いてきた、そろそろ変えないとな。
そんなくだらないことを考えながら歯を磨く。
とんでもなくスースーするこの歯磨き粉はあいつが買ってきたんだっけ?当時の自分には強すぎて苦手だったのに、今では慣れてしまった。
口を濯いで少し湿ったタオルで拭いた。
これ以上変えないでいるとイヤな匂いがしてくるので、洗濯機に放り込んで新しいタオルに交換する。
ついでにこの溜まりに溜まった洗濯物も洗ってしまおう、その前に着替えなければ。
今日は特に用事はないので特に着飾らずにラフな格好に着替え、パジャマを洗濯機に投げ込み洗剤を適当に入れてスイッチを押す。
一段落したところでソファに腰を下ろす、二人掛けの物だから一人だと広く感じてしまう。
────今日はずっとあいつの事ばっか考えてるな。
まあ、あいつが死んでからずっと考えてるけど。
寝ても覚めても夢の中すらあいつに支配されてる。
会ったときからもうすでに、そういう運命だったのかもしれない。