濁点

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濁点

思春期

______________________________ あー。何やってんだろ 今日何したっけ。何もしてないか。 課題終わってないな。まぁいいか。いつかやれば。 夕方........ 早いな_______________ 明日も学校。あ、準備しとかないと。あとでやろ。 物足りない。何が?分からない。寂しいけど孤独じゃないし、友達だって沢山いる。学校も嫌いじゃないし。むしろ楽しい。部活だってしんどいけど楽しいし、ふざける時間だって大好きだ。一緒に遊びに行ったりゲームをしたり、 でも何かが足りない気がする。 なんだろう。 気のせいか。 いや、 気のせいじゃない、 かもしれない。 あー、嫌になるな。 でも好きなんだよな。 この時間_______________ 「そろそろ降りてきなさい。」 ____________________________ はーい

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思春期

はじまり。

私しか知らない静かな近道、今日もコツンと足音が響く。まだ薄暗い登校路、路地裏から顔を見せる猫。今日も灰色の世界に一歩踏み出す。 まだ誰もいない校舎。チャラリと教室の鍵を鳴らしながら廊下に足音を響かせる。教室に響く時計の音、昼になればみんなの笑い声が聞こえる。 静かな教室にたった一人、窓の外を眺める。朝の空気に満たされはじまりの音を聴く。 世界の呼吸だけが聴こえる、暗く静かな学校が私は好きだ。 いつもは笑い声が聞こえる校舎も、今だけは私のものみたいに。 昼になれば男子とうるさく笑い合うような私も、静かな世界を独り占め。 今日を自分色で染めていく。今日はどんなことが起きるだろう

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はじまり。