待幸 青

11 件の小説
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 待幸 青

高校生 気ままに、自由に書きます。 読んでいただけたら嬉しいです。

体温

苦しい。 頭が痛い。 喉が痛い。 夜が淋しい。 涙が出るくらい淋しい。 人恋しいけど、周りには誰もいない。 すごく淋しくて、涙が出そうになる。 でも、泣いたら余計辛くなるから、ぎゅっと我慢する。 口に出したら形になって襲ってきそうだから、我慢する。 あと何回、こんな夜を過ごさなきゃいけないんだろう。 昨日も、その前も、ずっと前も、もう何年も淋しい夜を迎えた。 家族がいても、恋人がいても、触れ合えないなら寂しさは紛れない。 ぎゅっと力強く抱きしめてほしい。 都合のいい時だけ、電話相手をして。 暇潰しの相手で、連絡を取る。 やっぱり人は優しくない。 私には温かい夜はくるのかな。 今日も寒い寝床の中で淋しく自分を抱えて目を瞑る。

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体温

不変

変わらないことって、一番簡単だと思う。 変わることには努力が必要だから。 それに、変わらなければ傷つくことも少ないと思う。 だって、みんなが変化しないんだから、 一番いいと思った今をこれから先もずっと続けていくだけなんだから。 でも、普遍って一番難しいとも思う。 だって、人は常に変化していってしまうものだから。 好みも、態度も、気分も、 全部、一瞬一瞬、変化していってしまう。 いやでも、ずっと化粧をすれば肌は荒れるし、 ずっと同じ話題について話せばつまらなくなるし、 ずっと同じような小説を書いていても、流行りはある。 常に変わっていく世の中で、 流されていく流行りを追うのは大変。 でも、流行りを追わないことも大変。 常に変わっていかないと評価されない中で、 一定を保てる人って、かっこいいよね。

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不変

言葉

ふとしたときに、今までの自分を振り返ってみる。 友達と思っていた人に陰口を言われた時、 親に反発した時、 誰も信じないと決めた時、 自分がわからなくなった時。 辛かった日々が一番最初に思い浮かぶ。 ありがとうと言われた時、 最高だと笑いあった時、 世界で自分が一番幸せだと思った時、 自分を愛してると思った時。 いつも私の人生の支えになってくれた日々。 これから先、何を思って大人になるんだろう。 きっとまた、嫌なことに阻まれたら周りが憎くなるんだろうな。 それでも、ふとした瞬間に、後悔と感謝で心がいっぱいになるんだろうな。 長い人生のなかで、今はまだ17年。 今だけをみたら辛いことがたくさんあって、 いやでもやらなければいけないこともあって、 幸せかもわからない未来のために頑張らなきゃいけなくて。 そんな暗い感情に、「でも、」って言ってみる。 あの時、あの場所で、占い師さんが言ってくれた言葉。 “無理しなくても、あなたは幸せになれるから心配しなくていい” ちょっとだけ、幸せに欲張りになってみてもいいかな。 そしたら、もうちょっとだけ、明日が楽しくなるかもしれない。 だから、あの人の言葉を信じてみるっていうのも、意外と面白いかも。

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言葉

傲慢

素直だからこそ、期待する。 期待して、裏切られる。 裏切られれば、もちろん傷つく。 でも、傷ついてもまた期待する。 期待するから裏切られる。 繰り返していくうちに、自分を見失っていく。 でも、ふとした時に、感情が溢れてくる。 溢れた感情が自分を思い出させて、辛くなる。 傷つけられた人ほど、自分を安売りする。 でも、安売りしても、相手は大切には思ってくれない。 だから、相手に求めず、自分も与えず、難しい距離感を保つ。 人は無意識に、期待するものだと思う。 たとえその先に何もなくても、 ダメだと知っていても、 期待するものだと思う。 感情を完璧になくせる人のあったことがない。 笑顔にも、言葉にも、ふとした時の行動にも、 意外と自分は出ていると思う。 安売りしないことが自分を大切にすることではないけれど、 自分を捨てなくていい距離感は大切だと思う。 ふとした時に、相手の変化に気づける人になりたい。 程よい距離感を保てる人になりたい。 自分が幸せで、自分を保てているからこそ、 誰かをそっとそばで支えられる人になりたいと思うのは、 私が幸せのあまり、傲慢になってしまったからなのだろうか。

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傲慢

風が気持ちいい。 昨日のことなんて全部忘れてしまいそうな、心地よい風。 良かったことも、悪かったことも、 全部リセットしてしまいそうなほど、強い風。 この風は、昨日は違う国の人に寄り添い、 明日は違う考えを持つ人の心に問いかけるだろう。 いらいらするような、 でも、すっきりもするような。 ほんの1秒だけ、私の心は風に囚われる。

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風

幸せ

今日も息をしていることが不思議で、 今日も元気なことが不思議で、 今日も愛する人がそばにいることが不思議で、 今日も私が存在していることが不思議で、 まだ、失った何かがわからないことが不思議で、 でも、見かけ上は何も変わっていないことが不思議で、 どれだけの幸福の上に、 私は存在しているんだろう。 宇宙の広さを知ったあの日、 私にとってはなんてことなくなった1日。 私が生まれた日も、 死に近づくほどなんてことなくなっていく。 それでも、あの日は確かに奇跡で、 その場にいた人全員の奇跡で、 幸せの形をみんなが知った日。 私の周りが、酷い人でなくてよかった。 それでも、酷い人の家族が幸せじゃないかもしれない。 だから、今日という日は、 思いがけず、幸せなのだろう。

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幸せ

寝息

「夜って寂しくなるから嫌い。」 なんとなく君が言った言葉。 僕は笑って返す。 「そう?でも、僕は君と一緒の夜を迎えられて嬉しいよ。」 君は少しむすっとした顔で僕を見つめる。 そんな君がどうしようもなく可愛く思えて、君の頬を撫でる。 「…やめて。」 ふいっとそっぽを向いた君は耳まで真っ赤で、やっぱり愛おしい。 僕はそっと手を握って、ベッドへ誘う。 照れたままの君は俯いたまま、僕に従う。 僕は君を照らす明るい光を消して、布団の中に君を連れ込む。 眠いからか、照れているからか。 暖かい君を抱きしめて、そっとおでこにキスを落とす。 返事をするかのように、君が僕の心臓に頭をよせた。 「おやすみ。」 眠そうな声で君が言う。 「おやすみ。」 暖かい心臓を抱えて、瞳を閉じる。 君の嫌いな夜が去っていく。 明日の足音が近づく頃には、6畳の狭い部屋の中には2人の幸せそうな寝息が響いていた。

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寝息

はじめに。

 私は待幸 青(まつゆき あお)と申します。今年で高校2年生です。  私は小説を気ままに書いたり読んだりして、同じような気持ちの人や似た感性を持つ方々とお話をしたいと思い、このアプリを始めました。文章を書くのは初めてで、慣れないことが多く、言葉選びが下手です。伝わりにくい表現なので、同じような感性を持つ方を見つけるのは難しいかもしれませんが、1人でも分かり合える方がいたらいいなと思います。  どうぞ、よろしくお願いします。

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はじめに。

寝よ

 あの人と私の関係は一言で言うと、知り合い以上友達未満。  あの人が電話をしたい時にメッセージが来る。  私からは、送らない。  午後6時過ぎ。スマホが鳴る。 「今日、電話しない?」  そっけない文章。 「いいよ。何時?」  そっけない返信。 「なるべく遅くがいいな。」  少し悩んで、返信する。 「んー、じゃあ11時とかどう?」 「わかった。じゃあ11時に連絡する。」  あの人の連絡まであと5時間。  なるべく遅くがいいって、どうせそれまで違う女と電話、してるんでしょ。  少しもやっとする気持ちをスマホと一緒にカバンに押し込む。  私だって、今日は忙しいし。  まだまだ用事があって、家に帰れるのは9時過ぎだし。  誰に向けての言い訳かもわからない言葉を、心で言う。  別に、君だけが忙しいわけじゃないんだから。  家に着き、風呂に入る。  11時まで、あと30分。  寝る準備を整えるのに15分はかかる。  じゃあ、あと15分は勉強しなくちゃいけないな、、  気づけばもう10時50分。  あと10分しかないのに、どうしよう。  なんの準備も終わってない。  皿洗いも、歯磨きも、何も終わってない。  でも、君はいつも1分遅れて連絡してくるから、私だって少しくらい自分勝手でもいいよね。  誰にも責められてないのに、また、心で言い訳する。  君は優しいから、私が30分遅れたって文句の1つも言わないでしょうね。  でも、甘えるのは、なんだか腹が立つから、間に合うように頑張る。  もどかしい気持ちで迎えた君からの連絡。  なんで今日に限って、時間ぴったりなの。 「かけていい?」  負けたような悔しさを噛み締めながら、返信する。 「ちょい待ち。」  1人だけ遅れた罪悪感に見舞われながら、うがいをする。  すっきりした口内とは逆に、胃の中はムカムカしている。 「いいよ。」  送った返信に、既読の文字。  数秒後にスマホの振動。  どきどき鳴り出す心臓。  これは、電話が久しぶりだから、どきどきしてるだけ。  これは、緊張してるだけ。 「もしもし。」  声が震えた。 「もしもし。久しぶり。」  低めの声。  他愛のない話に混ざる言葉。 「やっぱ、落ち着くわ。」  ほんとかよ。  どうせ、数分前まで、別の女と話してたくせに。 「恋、したいとは、思わない。」  ほんとかよ。  この間まで、いい感じの女がいたけど、向こうに愛想つかされたって噂、知ってるぞ。  こっちだって、何も知らないわけじゃないんだぞ。  どうしようもなくなった心を見捨てるために、君の言葉に便乗。 「同じく。」 「じゃ、おやすみ。」  気づけば聞こえてくるセリフ。 「うん、おやすみ。」  なるべく、そっけなく声を出す。  頭の横には、通話終了の文字。 「はあ。」  疲れた頭で、言う。  好きではない。  疲れた心で、思う。  寝よ。

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寝よ

過去

「今日は放課後、残るー?」  私は友達に聞く。 「うーん、どうする?でも、恋バナしたいなー。」  友達は言う。 「そうだよね、でも、恋してないけど。」  私は笑う。 「同じく。」  友達も笑う。  いつも通りの朝の会話。  私たちは、恋がわからない。  恋で傷つくことも知っている私たちは、とても弱い。  一歩前に進むことも、できない。  私たちは、今日も笑い合う。  私たちは、今日も弱さを心に持っている。  私たちは、今日も強い人を羨む。  過去に囚われた私たちは、数え切れないほど、過去を語った。  私たちに、新しい話は来るのだろうか。  2人して、何度目かわからない過去の後に、窓の外を見る。  あの日の夕焼けは綺麗だった。  でも、過去を消すほどでは、なかったけれど。

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過去