彩花

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彩花

歌詞と言葉。

「健忘」

何度書き留めても  想い出というものは儚く散っていく 何度辿っただろうか 何度忘れただろうか 貴方との思い出も 全て散りに散っていく 「こんなことがあったよ」なんて他愛のない話 「来年はどこへ行こうか」なんて未来の話 全部 全部 全部 僕の脳裏に焼き付けてくれ 「なにひとつ忘れてやるものか」 ひとつひとつ 瞼の裏に焼き付ける 全部 この体が記憶するだろう 貴方と歩いた歩道橋も  貴方と話したあのベンチも シャッターと共に 僕の日々に この何気ない僕の日々に 記憶する ねえ いつから忘れてしまったのでしょうか ねえ いつから憶えていないのでしょうか ねえ 貴方は誰なんでしょうか なにひとつ思い出せない 残るのはただ 手元に残る記憶された 「自分」と「貴方」だけ 「なにひとつ憶えてないじゃんか」 ひとつひとつ 瞼の裏から思い出す 全部 この体が記憶しているはずだ 貴方と歩いた歩道橋も  貴方と話したあのベンチも シャッターと共に 僕の日々に この日々に 毎日に焼き付けたはずなんだ 今日も 忘れてしまうこの日々を 僕は 記憶する

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「健忘」

「仮物」

心臓が今日も 精一杯の脈を打っている 目を覚ますたび ボクはまだ 「この世にいるのか」 無心な天井 鼓動を鳴らすボクの体が 生きている事を 教えてくれているようだ ボクの心臓がいつ逝ってしまうかなんて 神様にしか わからないの このカラダが仮物ならば なぜボクのカラダはかえられないの このカラダが借物ならば なぜボクはこのカラダで生きなければならないの ねえ ボクはこんな短い命(人生)でも えらく 強く 生きてるでしょう? まだ生きたくて まだ先を見たくて あなたしか ボクの命(人生)を 描けないんでしょう

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「仮物」

「夏に消える」

8月 真夏の太陽が容赦なく アスファルトを照らし尽くす 眩しい青 反射する光 僕は 夏の力強さに負けている 空には入道雲 道にはただ 暑さが残る 誰でもない 何者でもない 僕はただ 今を生きていた 夏の力を手にすれば 果てまで続く海みたいにさ 綺麗な青に染まって 光り輝けるだろうか すべてを飲み込んでしまえる冷えたサイダーと 世界を見透かしてしまえる透明なビー玉 縁側まで届く蝉の声 空に舞う花火の音 全てを亡くしてさ  この夏に溶けてなにもかも消え去って 青い空に 溺れてしまえとばいい 全部 溺れてしまえばいい 夏に舞って 夏に散って 夏に歌って 夏に生きて 何度も幾度も 繰り返す 何度も何度も 夏に舞う 夏の力を手にすれば 果てまで続く空みたいにさ 綺麗な青に染まって 光り輝けるだろうか でも違う 違うだろう そんなことを求めてるんじゃない 夏の力がなくても 夏の力なんてなくてもさ 綺麗な色に染まって 光り輝けるだろう すべてを吐き出してしまえる声色と 世界を謳歌できてしまうこの歌声 縁側まで届く蝉の声 空に舞う花火の音 全てを無くして この夏に舞ってなにもかも空っぽにして 僕の力に 溺れて仕舞えばいい 全部 溺れて仕舞えばいい

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「夏に消える」

「アリウム」

鳥のさえずり カーテンからこぼれ落ちる うざったいほどの 木漏れ日 今日も目が 覚めてしまったようだ 左胸に手を当てる 「ああ、生きている」 この世界にいなかったかのように 体が消えてほしいと 何度願っただろう ねえ神様 僕の命 とってしまってよ こんな命とおさらばしたいなんてさ どんなに嫌な奴よりも どんな人殺しよりも 誰よりも我儘で 最低な奴だよな そんなこと 僕はわかってるんだよ だから今日も 呼吸をする 今日という名の日を 日々 生きている 本当の気持ちなんて 僕の中に 笑われないように 隠してきた 閉じ込めている気持ちが 溢れ出しそうだ 心の中で 本当の僕が叫ぶ ねえ神様 生きたいんだ ずっと こんな命とおさらばしたいなんてさ どんなに嫌な奴よりも どんな人殺しよりも 誰よりも我儘で 最低な奴だよな そんなこと 僕はわかってるんだよ だから僕は 生きたいって 今日という名の日に この日々に 叫んでいる 今日も目が覚めてしまったようだ 僕は息をする 今日という名の日を 日々 生きている

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「アリウム」