神楽 玲
13 件の小説トイレの花子さん
下校時刻を過ぎた頃 私たちは3階の女子トイレに来ていた 何故ならば 「3階の奥から3番目のトイレには花子さんが住んでいる」 という話を聞いたことがあり来た。 呼び出し方は 3回ノックをして「花子さん、あそびましょ」と問いかけること。 −トントントン 「はーなこさん。あーそびーましょ」 トイレの中女の子の声が反響した。 「……はーあーい」 私たちはビクッとした。 本当に返事が帰ってくるとは思っていなかったから。 ふと気づいた。 異様な静けさに包まれていることに。 先程までは外から虫の音が聞こえたはずなのに 今はピタッと止まった。 ギィ… と音を立てて扉が開いた。 今、ノックした奥から3番目の扉。 白い手が伸びてきた。 血の気がない色だ。 友達の1人が掴まれて個室の中に引きずり込まれた 「いやっ!助けてっ…!」 その後、微かに女の子の笑い声が聞こえた わたしたちは顔を見合せた。 怖くなり、数人は逃げ出した。 残ったのは2人。 私とAちゃん。 残ったのはいいけれど ドアの中には誰もいなく 気配も何も無かった 先程までの異様な静けさは無くなって 外から無視の音が聞こえていた 「気の所為…だったのかな、」 Aちゃんが言った 「そんなわけ…だって、さっきあの子引きずり込まれて…」 私は怖くなった。何が起こったのかも分からないまま、ただ呆然としていた 「帰ろう。それから、他の子達とまた話し合おうよ」 やはりここにいるのが怖くなったのか Aちゃんがそんなことを言ってきた 私は静かに頷いて、Aちゃんと一緒に帰った 後に、他の子達と連絡したけど皆口を揃えて “何言ってんの” と言われた。どうして?と不思議に思った。たしかにトイレに行ったはず 引きずり込まれた子からも返信が来ていた 「怖い夢でも見たの?大丈夫?」 心配されてしまった。 私がおかしかったのかな
おちても二人は天使 『 3 』
私ことスイは、人間界へ遊びに来ていた。 「んー、空気が美味しいです!」 人間界の空気も新鮮で、冷たくて美味しかった。 私がよく遊びに来る場所は古い森の神社 たしか、名前は“ 富白立山 ”と書いてあった。 其の文字の上には小さくひらがなで ふはくたちさん、と書かれていた。 ここにも天使がいる。 名前は知らないけど、ふわふわしてて、 一寸不思議な喋り方をする女の子 「スイちゃんは、また来たんデスね!」 嬉しそうに手を振る天使。 「うん。また来ちゃいました!」 優しく迎えてくれるからとても嬉しい でも、私は彼女がどんな天使なのか知らない 喋りはするけど名前も何も知らない 「貴方は、天界にはいかないんですか?」 私は聞いてみた。ずっと知りたかったから そしたら彼女は答えた 「天界にはいかないデスよ」 まるで、今日は晴れてますね、と軽く言うように 「どうしてですか、?」 知りたい。この人のことがわからない。 この人は私のことを知っているのに、と思ったから 「私は天使じゃないデスから」 あの人は突拍子もないことを言い放った 私は驚いて暫く固まった。 羽が生えてて、光輪がある 人を癒すような穏やかな表情も 天使みたいなのに何故 私の頭の中はハテナマークだらけだった
喜怒哀楽
感情があるのは 生き物に終わりがあるからだと思う。 産まれ生きているなら 死なないという選択肢はない。 だが、“死”という終わりがあるからこそ 生き物には喜んで怒り、哀れみ楽しめるという 色鮮やかな感情があるのだと思う。
対話
仲間のみんなと 友達とみんなと楽しくおしゃべりをする それはただの遊びじゃなくて 生きるために大切なことの一つ。 沢山話すと衝突することが多々あるけれど これは相手を理解して 相手に理解してもらうための一つの方法。 自分の思っていることを教えて 相手の思っていることを知る。 理解できないときもあるけれど 理解できるときもある。 みんな人それぞれの思いを抱くから。 絶対に理解しろなんて思わない。 だって 価値観は人それぞれで同じじゃないから。 その価値観を 周りも同じだと思うな。
流木
木が構造材として利用可能になるまで 50から60年かかる。 品種によっては1年間で10糎伸びるものもあれば 100糎伸びるものもある。 そして長い年月によって成長した木が 山林で発生した倒木や枝が河川や 海流へ流れ込み 水によっていろいろな場所を冒険し 岸に打ち上げられたものが流木。 木は自分で動けない。 同じ景色しか見れないか、 自然の力を借りて旅へ出て 一生を終える。 自然は自然の力を借りていろいろな景色を 見て旅する。 私はそんな環境が好き。
嫌い。
私はフレネミーの人が嫌い。 あの人に私の悪口を言って 私にあの人の悪口を言うから。 私は掌返しをする人が嫌い。 何をしてもふらっと近づけば 許されると思っているから。 私はあの人が嫌い。 あの子と私の間に立って 中立者をする。 どっちの味方もせずに どっちにも相手の情報を渡すから。 あの子が一番可笑しい。 息を吐くように 嘘を吐くから あの子のことが嫌いだよって言ってるのに 仲良くしてる。 私の好きな人をバラしても 私じゃないよ!と嘘を言う。 ならば私も貴方に嘘を言おう。 私は貴方の“ずっと友達だよ” そして、“ずっと大好きだよ。”と こんなこと言ってもあの子はきっと 気づかないだろう。
おちても二人は天使 『 貳 』
私、スイは落ちこぼれと言われたきた。 私たちの家訓には 龍を手懐け仲良くして認められる という御伽噺のようなことをしなくてはならない。 龍は強くて賢い生き物。 そんな彼らに認められれば天使として認められる 拒絶されれば “天使になる資格はない”と判断される。 所謂“天使失格” である。 私はできなかった。 彼らと仲良くすることが。 拒絶されて突き飛ばされた。 「 どうしてっ、! 」 私は絶望した。 「 嗚呼、貴方って子は…どこで道を間違えたの! 」 母は怒鳴った。 「お前は、天使になる資格はない。人間界へ降りろ 」 父はそう言い放った。 人間界へ降りろ、なんて… 天使として産まれたのに その役目を果たせずに天使から落とされた。 「 どうして、私、!ちゃんといい子にしてたのに」 絶望を口にした。 その日を境に両親の対応が冷たくなった。 まるで 空気になった気分だ。 だから私は家にいる時間が減った。 そして 最近は人間界へ遊びに来ることが増えた。
おちても二人は天使『 壱 』
彼の名前はウギ 時間を司る天使 カシエルの血が流れている。 −なんでこんな場所に、! 落ちこぼれとして牢の中で悪態をついていた。 私はスイ 愛と美、癒やしを司る天使 アフロディテとラファエルの血が流れている。 世間で言うハーフみたいなもの。 私も彼と同じで何もできなかった落ちこぼれ。 そんな落ちこぼれ天使が 人々を守れるような英雄になる そんな御話だったりする。
あの子が見つけた“逃げ場所”
皆さんは何故 自殺する少年少女がいるのか 考えたことはありますか? 何故生きるのを諦めてしまうのか。 何故自分の将来を諦めてしまうのか。 光が無くなったから? 希望がないから?楽しくないから? 苦しいから?辛いから? 何かに絶望したから? そんなの自殺した本人にしか分かりません。 私たちは“何故そうなったのか”を推測するだけ。 辛い子を見かけたら声をかけます。 話を聞いてあげます。 そして同情しようとします。 けれども、それは相手を余計に辛くさせませんか? その子の苦しみや悲しみ 何があってどう感じたかなんて 正確にはわかってあげれない。 そんな子たちは今は時分の事で手一杯じゃないでしょうか? 生きてるだけでも大変なのに “世の中辛い人なんて沢山いるよ” なんて、慰めの言葉だとしても それはその子たちを追い詰めてしまうこともあるのでは? 何故自殺しようとするのが駄目なのか。 まだ生きる価値があるだとか 生きたくても生きれない人がいるだとか やめろだとか そんなことを言う世の中はきっと何も分かっていないのだと思う。 世の中はそんな辛い想いを胸に抱く人には 優しくない気がしていた。 だから そんな世の中から逃げるために “死”を選ぶのだと思う。 “死にたい”じゃなくて“逃げたい”の間違え。 何処にも休める場所がないから。 休めても明日にはまた苦しい。 私もそんな立場だったら きっと死を選ぶと思います。 貴方はどうですか? それでも“生きる”と言う選択 できますか? そんな強い精神が 貴方にはありますか…?
アイデンティティ
俺のアイデンティティ(存在証明)は “強さ” 自分の力で周りを支配するような暴力的な力 −ふざけんな、俺が上だ。 そう言って今日も殴った。 人を殴る感覚など、慣れてしまった。 自分が1番強いと証明…いや、確認するためよ行為 罪悪感はなかった。 でも、それを覆すやつが現れた。 −ダメだろ。 そんな風に力を使うなんて。 一瞬だった。 気づいたら負けていた。 早い、強い、体格差もそんなある訳でもないのに。 −(勝てない、化け物だ)と本能的に思った。 −今、失礼なこと考えてるだろ。 彼はそう言った。 −うっせぇ… 気に食わなかった。 勝てないことも、此奴が強いことも。 −その強さの使い方は勿体無い。 誰かを傷つけるために使うもんじゃね−よ。 彼はそう言った。 −俺のアイデンティティだ!! 否定された気がして腹が立った。 −まぁ、君がそう言うなら否定はしない。 だが俺は、そのアイデンティティはクソだと思う。 否定はしないと言ったのにクソだと言われた。 意味がわからない。 −テメェ、何を言いやがる、矛盾してんぞ! −だが、その力はすごいと思う。猛烈で、他社をも圧倒する力。 そんなことを言う奴は最初から否定なんてしないと思った。 此れも唯の出任せだろうと。 −その力は誰か大切な人を守る為に使えよ。 そんな乱暴じゃ、何時か大切な人をも傷つけるぞ。 なぜ見ず知らずに説教なんか、と眉間に皺を寄せた。 少なくとも此時は理解できていなかった。 群れは雑魚のやることだと思い込んでいたってのもあるだろう。 だが彼は一人で戦うお前は弱い、と俺に指摘した。 −だって、いざという時は誰も助けてくれずに 一人で惨めに負けるんだ。 そして彼は本当の強さを教えてやると そう言った。 真の強さとは… 力でねじ伏せることではなく 暴力的解決でもなく 力の押し合いでもない。 其れは“誰かを守る為に使うこと”らしい。