bake

8 件の小説

bake

時々

今日も生きられた。 肯定否定の連続 。  群れるのが苦痛  。  楽に生きたいだけなのに   。   時々

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誰とも話さない

 意識朦朧に目を開けようかどうか、朧げに躊躇った。 意識はあるが、頭の右後ろが瞼を閉じながら左右に目を動かすと、動かすたびに頭の奥に激痛が走る。   微かに声か音か何か解らないが聞こえた。細部は理解出来ない。  4、5日経ち、私は、ある事件に巻き込まれたと言う事を、森永さんと言う刑事に知らされたのである。

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誰とも話さない

話が出来ないわけではない。会話と言うものは自然と成り立つもの。しかし、違うんだ。色んな感情を抱いた目が、私の心の中に刺さるんだ。だから私は人の目を見つめる事が出来ない。育ての親、生みの親でさえ。 凝視出来ない事は、誠に情け無く、申し訳がない。 いづれ、いなくなる親の顔すら、まともに見られない私は不幸者。社会には不適合。しかし、そう思って生活していた日常が、一変した。

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 蝉が鳴いた。泣いた。 また切なくて。 無心でひたすら歩く。 蝉の声、切なくて。

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爪をかむ

 私は新しい小学校に転入する事になった。まー、家庭の事情の事ではありますが。   しばらくの間、親と離れて暮らす生活が、長かった。その前にしても、両親は忙しく、とくに母は、私の連絡帳より会社の帳簿を見るのが長かった。    再会した母はやつれて身体が細かった。 学校の転入手続きの遅れもあり、ちまたの小学生達が学校に行っている時、私は本屋に行って漫画を母親に買ってもらいつつ、子供ながら、罪悪感と言う感情を抱いた。なんせ、周りの子は学校行っているからね。しょうがない。でも、母と居れるだけで幸せだった。母も同じ感情かどうかは解らんがね。   猶予は一週間くらいだっただろうか。  私の就寝する布団の中で手の指の爪を噛む行為は拍車を増した。何せ無意識なんで、何もわからない。   明日は新しい小学校に初登校だ。    

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 姉と2人で、1600人のマンモス校の小学校に、転入。 対人が苦手な私は 心の臓が口の中から生もれでる感覚、公開処刑的な感覚を忘れない。  長い廊下をスーツに眼鏡の人と無言で歩いたよ。 後々、教頭先生だと知らせられた。 何か、しゃべってもらいたかったよ。       教室であろう扉の入り口に、2年間お世話になる、女の先生が迎えてくれた。

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昭和59年だっただろう。親が夜逃げした。  小さな建設会社を営む家だった。 まー、どこにでもある話だろう。         ランドセルを担ぎ、家の玄関に入ると、まー、強面のおじさん方達が土足で、私の家に上がり込んでた。 今思うと 、しゃーない、しゃーない、としか、言いようがない。 なぜなら、両親は3億もの負債を残し、逃げたのだから。        1カ月もの間、父のお母さんの住む市営住宅で生活した。カビたバターを焼いたパンに塗った記憶しかない。   程なく、深夜、ランドセルだけ持って、姉と私2人、親戚のおじさんの運転するワンボックス車で、富山から、旅立ったのだ。   延々と暗い夜道、峠を越え、そこに着いたのは朝か昼か覚えていない。       覚えているのは、3つ下の弟と抱擁したくらいだ。   姉と弟と私と、町内を散策し、川に出た。 川の勢いは激しかった。 麓に 青いビニールシートの小さな家があった。人影は見当たらなかった。  

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いつまでも続くことのなき日常

聞こえるという事。見えるという事。歩けるという事。考えられるという事。呼吸ができるという事。いつまでも続くことは無い。無になる。 だからと言って活動は止まらない。生きている限り。生存競争が始まるんだ。

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