スイ

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スイ

不定期です(なるべく週一でします) ぜひ気軽にご意見ご感想をコメント してください 初めてなので大目に見てください。 作中のオリジナルキャラの名前   夏葉(かよう)ヒイ   紅葉(こうよう)リリー   紅葉リリィ(幻リリィ)   紅葉ヒリィ

東方外来日誌〈参拾肆〉

それぞれの技を見せ合うという名目の弾幕ごっこが終わり、皆満身創痍で幻リリィの家で仰向けに寝っ転がっていた。 「これが、今の状態のみんなの力か…」 ヒイはまだ息を荒げながら言った。 「多分ね…でも、まだこの力でも、あいつは…”サツ“は倒せないんでしょ?」 リリーがそう聞くと、幻リリィが静かに頷いた。 「ああー」 リリーはそう呻き声のように声ををあげた。 そして、リリーは突然立ち上がって、 「外の空気吸ってくる」 そう言い、外へ出て行った。 「まるで自由人だね」 そうヒリィは呟いた。 「リリー、いつ帰ってくるかしら?」 幻リリィがそう聞いた。 「さあな〜あいつ昔っから自由奔放だったからな いずれ帰ってくるだろ」 ヒイがそう言うと、幻リリィが、 「ご飯そろそろ作ろうって思ってたのに」 「リリーの分だけ別に作るか…」 幻リリィが続けてそう言い、キッチンのある方へと歩き出した。 その頃リリーは、魔法の森上空、先ほどまで戦っていた場所に居た。 リリーはそこでトランペットを取り出し、ロングトーン(特定の音を伸ばして行う基礎の練習)を始めた 最初はB(ド)の音から、チューニングBの音(音を合わせる基本の音)まで。 続いてそのさらに上のC、D、E、F、G、A、そこまで吹くと、唇が辛くなってきた。 そして、さらに上のハイBまで吹こうとした時、後ろから声をかけられた。 「ついさっきまで、強力な魔法のエネルギーを感じたんだが…お前か?」 リリーが振り向くとそこには、見覚えのある金髪の白黒魔法使いがいた。 「それがどうしたの?…魔理沙」 リリーがそう言うと、魔理沙が、 「いきなり空が紅くなって、魔力が膨れ出したらそりゃあ驚くだろ…まあでも、そのおかげで実験は成功したがな…」 そう呟いた。 「それで?私を退治でもするの?」 「そんなことはしないぜ、さっきも言ったが、私もそれで多少助かったんだ」 そう言いながら魔理沙はリリーの横に立った。 「そういや、何してたんだ?」 魔理沙がそう聞くと、リリーは「特に何も」と言い、話を終わらせた。 そして、リリーが楽器を構え直し、今度はスラー(異なる音を切らせずに繋げて吹く)を始めた。 BからチューニングBまで、半音階(♯や♭を含めた音階)で。 「そういえば、最近はプリズムリバーのとこに行ってるのか?」 「プリズムリバー?」 「ああ 前まで行ってたろ?」 「…」 (きっと魔理沙は、幻リリィの事を話しているんだろう…でも今は、話を合わせよう) リリーは心の中でそう思い、苦笑いを浮かべ、 「あー…そういえば行ってたね〜 最近は…」 そこまで言うと、魔理沙が突然遮って言った。 「いつまでも隠してないで良いぜ…リリィ いや、リリィの偽物」 「えっ?」 リリーは突然そう言われ、困惑した。 「その反応、やっぱりか…口調がいつもと違うからな 違和感があったんだ。 それに、プリズムリバーとの演奏を忘れるわけないだろ?あんなに楽器が好きなリリィがな それに、リリィの魔力は落ちたんだ あいつとの戦いで…そんな状態で、あんな大きな魔力は到底出せない」 魔理沙は両手を後ろにやり、こっそりとミニ八卦炉を持った。 そしてしばらく沈黙が流れた。 「…図星か」 魔理沙がそう突然呟いて、立ち上がって言った。 「誰だ?お前」 そう言いながら魔理沙は八卦路を前に構え直した。 リリーは少しの沈黙あと、小さく呟いた。 「何者か…ねえ」 そうリリーが言うと、魔理沙が言った。 「おっと…抵抗したって構わないぜ、力ずくは大好きなんだ」 魔理沙はそう言いながら、飛んできた箒を片手で受け取った。 「別に…害を与える存在じゃないよ」 リリーはそう言ったが、魔理沙の目はまだ鋭い。 「その一言だけで信じられるか…そう言って、ここら一帯を一瞬で焼け野原にして、一瞬で元の姿に戻した奴がいるからな」 「もしかして、そいつの名前って…」 リリーはそこで言葉切り、間をおいて言った。 「サツ?」「サツって名前だ」 二人は同時に言った。 「知ってるのか?」 魔理沙はかなり驚いたように言った。 「知ってるよ、そいつ…強かった」 リリーはそう苦虫を噛むように言った。 そして、リリーは今までの、このL-1‘の世界で起こった事を話した そして、自分のことも。 「なるほどな…つまりお前らもあいつに目をつけられたって事か」 魔理沙は納得したように頷いた。 「信じてくれた?」 「ああ、まああんたが私たちに害を加えない存在ってことは分かった」 「おーい、リリー!」 突然そう声が聞こえた あたりを見回すと、ヒイがこちらへ近づいてきていた。 「どうしたの?ヒイ」 リリーが聞くと、魔理沙が誰?という表情を浮かべた。 「幻リリィが晩飯作ったから、呼んで来いって」 「分かった、ありがとうヒイ」 「ところで、リリーの横にいるのは、魔理沙か」 「初対面だよな?なんで2人とも私の名前を知っているんだ?」 魔理沙が不思議そうにそう尋ねた。 「それは、この世界に似た世界から来たんだ 私とヒイは」 「別の世界?なんだそれ?」 魔理沙はより困惑した様子で言った そして、間を開けて言った。 「それに、幻リリィって…」 「その話はまた今度するよ」 リリーはそう言って、足早に去っていった。

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東方外来日誌〈参拾肆〉

東方外来日誌〈参拾参〉

サツが別の世界群に行った後、リリーは幻リリィと話し、疲れた体を癒していた。 一方、ヒイはヒリィに武器の使い方、戦い方を教えていた。 「少しでも、戦力があったほうが有利だからね」 というヒイの考えでヒリィの特訓が始まった。          次の日 それぞれの持っている技を共有しようとのヒイの考えによって、弾幕ごっこが魔法の森上空で、リリーと幻リリィのチームと、ヒイとヒリィのチームで始まった。 「ごっこでも本気で行くよ!」 「行くよヒリィ 昨日も特訓の成果、見せてやろう!」 そう言い、皆それぞれ武器を構えた。 :幻符・エーテルスパーク リリーの八卦炉から、エーテルのレーザーが飛ぶ :弾符・バレットスパーク 幻リリィの魔石から、無数の弾幕が渦を巻いて放たれた。 :星符・流星群 ヒイの銃から、星の形をした弾幕が無数の飛び出す。 :制剣・魔霊斬撃 ヒリィは鍔には魔石、上身(刀の先端から柄までのこと)にはお札が貼られた剣を作り、魔力と霊力を込めた斬撃を飛ばした。 「ヒリィってそんな弾幕出せたのね」 幻リリィが驚いたように言った。 「幻リリィも見たことなかったんだ…ただ、まだ届かないね」 リリーは幻リリィのスペカで消えた斬撃を見て言った。 :銃符•連発乱射 ヒイはリリー達の後ろに周り、扇形に広がる銃弾の弾幕を放った。 「っ!」 それに気づいた幻リリィは後ろを向き、 :防符•ディフェンド! 幻リリィの出した魔石から、大きな薄茶色の五角形の壁が現れた。 その壁によってヒイの弾幕は当たらなかった。 :エリア異変•紅い霧の日 そうリリーが言うと、八卦路から、紅い霧が発生し、みんなの頭上を覆った。 :収符•吸血 幻リリィがそう言うと、ディフェンドで作った盾を剣に変え、突進した。そして、戸惑っているヒイを切った。 「いっ!」 ヒイは小さく呟いた。ヒイから飛び散った少しの血は、幻リリィの持つ剣に吸収されていった。 「どういうこと⁉︎」 リリーは驚いたように言った。 「スペカ名どうりね 切りつけたところから血が飛び出て、剣が吸収する。そして、私が回復するの」 「血を取り入れて回復って…でもそれで血液型が違ったら?」 「それは大丈夫、血を吸収はするけど、あくまで血はこの剣を強くするものだから」 そう説明されたが、リリーを含め皆よく分からなかった。 幻リリィは剣を横に払った すると、剣先から、素早い赤黒い斬撃を飛ばした。 その斬撃は、ヒイの肩に擦れながら飛んでいった。 :借符•スピア•ザ•グングニル リリーはそう言い、槍を投げた。 その槍は、今までよりも素早く飛び、二人の元へ飛んで行った。 :射符•ミラー ヒリィはそう言い、目の前に大きな鏡を出現させた。 しかし、鏡は槍が当たると同時に砕け散ってしまった。 「うっそ!」 ヒリィがそう言うと、ヒイがモナドを構えて言った。 :モナド•鎧(アーマー) そう言うと、二人の前に、半球の茶色のシールドが出てきた。 槍はシールドに当たった途端に消えてしまった。 リリーは続けてエーテル弾を飛ばし、幻リリィは、赤黒い斬撃を飛ばした。 :神剣•モナド破(ブレイカー) ヒリィはモナドそっくりなものを作り、緑色の斬撃を放った。 「モナド•斬(バスター)!」 ヒイがそう言ったが、何も起こらなかった。 「なんで!…ってそうかさっき使ったばっかりだもんな」 そう呟いたヒイは電池を取り出した。 端が黒くなっている、あの時、暴走した時に使っていた電池を取り出し、魔力を込めた。 「それって使って大丈夫なの⁉︎この前、暴走してたじゃん!」 ヒリィが心配そうに聞いた。 「大丈夫、確かにそんな事もあったけど、使い方によっては十分強い味方だよ!」 ヒイはそう言い、銃の中にある電池と入れ替えた。 :弾符•ブラックウルフ! そう言い、ヒイはトリガーを引いた。その先からは、あの黒い狼が出てきた。 「…奥の手って事?でも、その力を使っても、私達は倒せないわ!」 リリーがそう言うと、ヒイは小さく笑った。 「な…何がおかしい!」 「この狼は攻撃のためじゃ…無い!」 「来い!ウルフ!これを喰らえ!」 そう言いながらヒイはモナドを上に掲げた。 すると、狼は大きく弧を描きながら、ヒイのモナドを喰った。 :モナド•滅! そして、狼が消えると、そこには、あの時の黒いモナドがあった。 「これで使えるはずだ!」 ヒイがそう言うと、幻リリィがスペルを口ずさんだ。 :収符•吸血! 幻リリィがヒイに切りかかったが、ヒイは小さく笑っていた。 :モナド•喰(イーター)! むらさき色のエーテルに切られた盾の剣は、儚く砕け散った。 「なっ!」 幻リリィがそう言葉をこぼすと、続けてヒイは斬撃を飛ばした。 :モナド•盾(シールド)! リリーは、レプリカのモナドを生み出し、モナドアーツを使って幻リリィを助けた。 「ありがとう助かった。」 幻リリィがそう言うと、剣を再生した。 :アイオーン•プロメテウス! ヒイは強力なエーテル弾を溜め、撃ち放った。 :借符•スピア•ザ•グングニル リリーは、巨大な槍を構え、圧縮されたエーテル弾へ投げ込んだ。 「「はあああ!」」 二人の攻撃は、威力が増した しかし、 「グ…グングニルが!」 リリーが声を上げた。 見てみると、エーテル弾の中にグングニルが埋まって行ってしまっていた。 「これでトドメだああ!」 ヒイがそう言うと、リリーは、グングニルに、エーテルを送り出した。 「まだだ…これからでも立ち直す!」 リリーがそう言うと、グングニルは、力を取り戻したかのように進み直した。 「え?」 ヒイが突然そう声を漏らした。 すると、バン!という大きな爆発音と共に、エーテル弾が、砕け散った。 「はああああ!」 リリーの力がさらに増す。 :モナド•鎧(アーマー)! ヒイがそう言うと、ヒイの周りに半球の茶色のシールドが発生した。 しかし、パリンという音と共に、シールドまでもが砕けてしまった。 ヒイは咄嗟に、モナドを横にして自分の前に突き出した。 グングニルがモナドに当たり、激しい火花と共に、グングニルは消滅、頭上を覆っていた紅い雲も消えた。 「はあ、はあ…まだだ、来い…」 ヒイの手には、あの黒いモナドは無い いつもの赤いモナドだ そして、ヒイの体には、焦げた跡のようなものがある。 「…あの黒い電池…まだ使いこなせてないんでしょ?ヒイ」 リリーは静かにそう言った。 「…何を根拠にって…そりゃそうか…こんなボロッボロだもんな……でも、まだ戦かえ」 「るわけないでしょ 自分の体くらい自分で見ないと自滅するよ ここは、ゲームじゃないんだから……まだ戦うってんなら、 :ヒール そう言うと、ヒイの周りには、気持ちばかりの緑の光が発生した。 「何考えてんだ?リリー」 ヒイが聞くと、リリーが笑って言った。 「最後に一撃だけの勝負と行きましょう?」 「そう言うことか…じゃあ乗らせてもらうよ、その案に」 ヒイがそう答えると、リリーは聖杯の剣を ヒイはモナドを構え直した。 :プネウマ•セイバー! リリーがそう言い、剣にエーテルを溜めていると、リリーの胸の上部が、翠玉色の十字に輝き、その光が剣に吸収されていった。 :ウーシア•破(ブレイカー) ヒイがそう言い、モナドに力を込めると、ヒイにもリリーと同じ所が赤く輝きだした。 その光も、モナドの中へと入って行った。 「「はあああああ!」」 二人はそう叫び、剣を横に構え切りかかった。 交差したエーテルはより一層輝き、大きな爆発音と共に消えた。 「リリー!」「ヒイ!」 幻リリィとヒリィは二人の名を呼び、宙に漂う二人を受け止めた。

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東方外来日誌〈参拾参〉

東方外来日誌〈参拾弍〉

サツは去って行った。 「猶予をやる…か」 ヒイはそう呟いた。 「大変なことになったわね」 幻リリィが言った。 「そういえば、あなた達は誰?」 リリーは外から来た2人に聞いた。 「言ってなかったかしら? それじゃあ自己紹介するわね。 私の名前は博麗霊夢“楽園の素敵な巫女”とも言われているわ」 霊夢に続いて筆記帳を持った少女も言った。 「私はリリーです。 幻想郷に入る前の記憶がないですけど、今は霊夢さん達と一緒にロスト・ワード異変を調べています。」 「リリー?もしかして、紅魔理沙が言ってたのって…」 リリーが驚いて言うと、紅魔理沙は頷いた。 「なので、この件も、一緒に解決しま…」 「この件…あなた達は関わらないで」 幻リリィは突然言葉を遮ってそう言った。 「⁉︎ど…どうしてですか?」 筆記帳を持ったリリーは聞き返した 「サツは、私たちの敵 あなたは名前が同じでも、違う境遇の、違う存在…それに、あいつは私がけりをつけたい あいつは私たちの世界も荒らしたから」 幻リリィは力強く言った。 「ただ、無理はすんなよ」 紅魔理沙は静かに言った。 「え?」 幻リリィが聞くと、 「なんとなく、嫌な予感がすんだよ お前のその言葉は、あのレミリアの雰囲気にも似てる…無茶しそうな感じがすんだよ。だからこそ、私はあのレミリアと一緒に行こうと思ったんだ。」 少し間をおいて続けた。 「お前のその復讐したい気持ちは分かるが、それで自身の体を壊したら元も子もない」 そう静かに幻リリィを諭し、叱られた子供のようにしょんぼりした。 「そんなしょんぼりするな幻リリィ、必ず倒せるさ あんたの本当の力が出れば…な」 紅魔理沙はそう宥めるようにいった。 「うん…ありがとう」 幻リリィはそう小さく告げた。 「それじゃあ、私達は帰るわね」 そう言い、霊夢は封結晶を取り出した。 「短い間でしたが、ありがとうございました」 リリーはそう言い、封結晶に触れた。結晶は無数の光になり、リリーの手を中心にし、回転し一つの大きな光になった。 そしてその中に入って行った。 「おーい!幻リリィ、リリー、ヒイ〜!」 鳥居の下の方から声がした。 「ヒリィ!避難は終わったの?」 幻リリィが聞くと、ヒリィは、 「終わった…ていうか、あの機械、いつのまにか消えたんだ。 それに周りの火も消えたし、建物だって元の姿に戻った」 それを聞き、皆驚いた。 「サツが元に戻したのか?」 ヒイはそうアゴに手を当て言った。 「まあこれであなた達ともお別れね」 幻リリィは少し寂しそうに言った。 「私達はこの世界に残るよ」 リリーはそう言った。 「どうして?言ったでしょう?この件は、私が!」 「そっちこそ 向こうから来たリリーに言ったじゃん 名前が同じだけで境遇が違うから、関わらないでって ならさ、名前が同じで、境遇も同じなら、助けてもいいってことでしょ?」 リリーはそう小さく笑いながら言い、それに釣られ、幻リリィも笑った。 「僕らはどうする?」 ヒイはヒリィに声をかけた。 「そうだね、まあ今日のところはゆっくり休もう?」 ヒリィはそう優しく言った。 「それもそうだね」 ヒイはそう頷いた。

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東方外来日誌〈参拾弍〉

東方外来日誌〈参拾壱〉

:人鬼・未来永劫斬 :霊符・無双封印 :赤編・アルタースパーク :弾符・バレットストーム :幻符・エーテルスパーク :星符・流星群 妖夢、霊夢、紅魔理沙、幻リリィ、リリー、ヒイのスペルカードが周囲にいた機械を襲い、薙ぎ倒した。 「ようやく演者が揃ったか…」 上の方から声がした。 「誰⁈」 幻リリィが言った。 「何を言っている 答えなくても分かるだろう?」 煽るように言った。 「そうね…でも、あなたは…もう帰らなかったかしら  ?」 少し間をおいて幻リリィは続けて言った。 「サツ」 そうポツリと呟いた。 「サツ?」 リリーが聞くと幻リリィは答えた。 「あいつは、私たちの世界の異変が一段落ついて年月が流れた時、突如やってきた新たな脅威」 「じゃあ、幻リリィは一回戦ったことがあるんだね」 ヒイはそう言ったが、幻リリィは首を横に振った。 「そうだけど、そうじゃない…あれは、戦っては言わない 一方的にやられただけ」 幻リリィは苦しそうに言った。 「どういうこと?」 リリーは幻リリィを覗き込むようにして聞いた。 しかし、弾幕が迫ってきた。 「今はひとまず、あいつを倒すわよ!」 幻リリィはそう言い、魔石を持つ手に力を込めた。 :魔符・マジックショー 魔石からは、火花が出たり、無数のトランプが素早く直進したりし、スペルカード名通りの、マジックショーの様な弾幕が放たれた。 「…はあ、いい加減諦めたらどうだ」 サツは呆れたように言った。 「誰が諦めるもんですか!それに今は、力強い仲間もいる!」 幻リリィは力強く言い放った。 「ほう…それなら、」 サツは手を前に持っていき、リリーたちに向けた。 :転送・ゲート! そう言うと、二つの光が幻リリィ以外のみんなに向かってきた。 「効果あるかは分からないけど!:モナド・破(ブレイカー)! ヒイはモナドに緑色の光を纏わせ、緑色の斬撃を放った。 緑色の斬撃は、光は破壊できた しかし、残った小さな光が集合し、また襲いかかってきた。 「モナド・破(ブレイカー)!」 ヒイはそうモナドを振りながら言ったが、反応しなかった。 「貸して!」 リリーがヒイのモナドを取り、言った。 :モナド・翔(ジャンプ)! すると、他の世界からきた4人の周りに青いモヤが上がった。 「後ろに下がって!」 リリーがそう叫ぶと、慌てたように皆後ろに飛んだ。すると、ものすごい勢いで離れた。 4人は驚いたように言葉が詰まっていた。 「そのまま行くよ!:モナド・撃(スマッシュ)! モナドに赤い光(エーテル)を放ちながら、リリーはサツに向かって走って行った。 「…強い仲間とは、この程度か!」 サツは自分の剣でモナドを受け流し、追撃を加えた。 :撃斬・スマッシュバスター! サツは、暗いむらさきのモヤを刀身に纏わせ、切りつけた。 「今度はこっちだ!」 ヒイは銃を構え、白い狐の弾幕を放った。 しかし、その弾幕も同じように弾かれてしまった。 「…つまらない」 サツはそう言葉をこぼした。 「どういうことだ!」 ヒイはそう言うと、モナドにエーテルをより強くため、サツを向けて構え直した。 「そのままの意味だ…全く張り合う力がない」 呆れたようにサツは続けて言った。 「猶予をやろう お前らが俺に勝てるまで待ってやるよ 俺は遠いQ-3.7世界群で待ってやるよ 封結晶はどの世界に行きたいか願う事でその世界へ行けるってだけ言っとくぜ じゃあな」 そう言い、サツは去って行った。

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東方外来日誌〈参拾壱〉

東方外来日誌〈参拾〉

ゲートを抜けると、青い機械が幻想郷に溢れていた。 「何これ⁉︎」 リリーの驚いた声が聞こえる。 「やっぱり機神兵か」 ヒイは、モナドを構えながら言った。 機神兵はヒイの方へ襲いかかったが、モナドで斬られ、淡い青の粒子になって消えた。 「なんでいきなり機神兵が?」 リリーが首を傾げると同時に、機神兵が数体襲いかかってきた。 :ストリーム・エッジ! ヒイは横に大きく薙ぎ払った。 機神兵はその攻撃を受け、後ろにのけぞった。 リリーは地面に手を置き、 :フォール・ダウン! 敵の足元が揺れ、機神兵は倒れた。 その隙に、ヒイはモナドを構え、切りつけた。 :モナド・斬(バスター!) 一体の機神兵に向けたが、斬撃は大きく、他の二体の機神兵にも攻撃は当たった。 「どうするか…これから」 「ひとまず、幻想郷中にいる機神兵を倒さなきゃ」 「私たちも手伝うわよ」 後ろから、声が聞こえた。 「幻リリィ⁉︎にヒイも、きてたの⁉︎」 「人数は、大いに越したことはないだろ?」 幻リリィは少し笑う様に言った。 「心強いよ」 リリーが言うと、ヒイはモナドを構えた。 :モナド・機(エンチャント) 皆に周りには、むらさき色のモヤが上がった。 「これは?」 「あの青の機械へ攻撃を当てるのに必要なバフ」 ヒイはそう説明すると、なるほど、と幻リリィは呟き、スペルカードを放った。 :弾幕・バレットストーム! 無数の弾幕が、魔石から出され、竜巻のようになった。 ヒリィが手を上に掲げ、 :連発・無色弾 無数の白い、属性のない弾幕を雨のように降らせ、周囲の機神兵を倒した。 「この調子で!」 ヒイはそう息巻いて、みんなも走り出した。 4人は次々と機神兵を薙ぎ倒していった。 そして、一通り討伐が終わった頃、 コロンっと音がし、赤い封結晶を落とした。 「いきなりなんで?封結晶が…」 リリーは驚いて言った。 その封結晶は急に光だし、中から、2人の影が出てきた。 「今度は何処かしら?」 1人は、なんとなく聞き覚えのある声だった。 「この世界は、何の言葉が…」 そんな声を遮って、機神兵は襲いかかった。 ヒイは急いで動き、機神兵を倒した。 「大丈夫⁉︎」 リリーは急いで出てきた1人に近づいた。 出てきた1人は、巫女服を着、大きな赤いリボンを頭につけてる。 まるで霊夢みたいだ。 もう1人は、シンプリな服装に、筆記帳のようなものを持っていた。 そして、2人目は、筆記帳を開いて、言った。 「助けて、妖夢、紅魔理沙!」 そう言うと、筆記帳は光りだし、妖夢と、紅魔理沙の姿が出てきた。 「え!どういう事⁉︎」 リリーとヒイは驚いて、後ろに少しのけぞった。 「お願いします!」 そう筆記帳を持った少女は言った。 するとそれに応えるように2人も返事をした。 「助けてくれるのは嬉しいけど、結構手強いから気を付けて!」 リリーはそう注意した。 :モナド・機(エンチャント) みんなの周りからはむらさき色のモヤが立ち込めた。 「こんなすぐに会うとはな」 紅魔理沙はリリーに言った。 「そうだねえ、聞きたいことは山ほどあるけど、」 「今は異変解決に集中しましょう」 リリーの言葉に続いて幻リリィは言った。 「僕は戦力になれないと思うから、避難誘導するよ」 ヒリィはそう言い、走って行った。 「ありがとう、ヒリィ」 ヒイはヒリィに向けて言い、機神兵に向き直った。 そして、リリー、ヒイ、幻リリィ、妖夢、霊夢、紅魔理沙の6人はボックスに並び、それぞれ武器を構え直した。

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東方外来日誌〈参拾〉

東方外来日誌〈外伝〉

お久しぶりですスイです 実は今勉学と部活動と小説を等しく保つことが、難しく、寝不足でくまが酷くなってきてしまったので、小説の投稿頻度を落とさせていただきます。 ですが、小説は更新していくので、よろしければ、これからも読んでくださると嬉しいです。 詳細はまだ決定されてはございませんので、一ヶ月間出せない日があるかもしれません。 それでは短いですが、これにて東方外来日誌・外伝を終了いたします。 繰り返しになるますが、どうぞこれからも東方外来日誌を読んでくださると嬉しいです。                                                  スイでした

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東方外来日誌〈外伝〉

東方外来日誌〈弍拾玖〉

黒ヒイのいた場所には、むらさき色の封結晶があった。 「これで、異変解決…かな?」 ヒイが封結晶を取りながら言った。 「私たちの世界の異変は解決したと思うよ」 リリーは静かにそう言った。 レミリアはジッと静かに少し口角を上げていた。 「大丈夫か?レミリア?」 紅魔理沙はレミリアを見ながら言った。 「…私は大丈夫よ」 レミリアの声は、少し弾んでいた。そして、少し開けてレミリアが言った。 「ありがとう これで、少しは、安心できるわ」 「少し?異変は解決したんじゃ…」 リリーが聞くと、間を開けて答えた。 「確かに、あいつは私の世界の異変を起こした張本人 かもしれない でも、まだロストワード異変は終わってないわ だから…私は自分の力でロストワード異変を解決する」 レミリアは、力強く言った。 「レミリア、私も付いていくぜ」 紅魔理沙がレミリアの肩に手を置きながら言った。 「どうして?あなたは、関係な…」 「関係ないわけないだろ?私の世界だって、ロストワード異変に狂わされたんだ。それに、ロストワード異変の解決方法も知ってんだ 」 紅魔理沙はレミリアの言葉を遮って言った。 「そう 分かったわ」 レミリアは少し嬉しそうに言った。 「そういえばリリー 聞きたいことがあったんじゃないか?」 紅魔理沙がリリーに振り向きながら聞いた。 「あーそうだった」 リリーが思い出した様に呟いた。 「どうして紅魔理沙はロストワード異変のことを知ったの?」 「ロストワード異変か…前にも言ったが、L-1世界群に住んでいる外来人のリリーが来たんだ 一緒にL-1世界群の霊夢と紫も来た。 そこで、話してるのを聞いて、その存在を知ったんだ。」 紅魔理沙は俯きながら言った。 そして顔を上げて、 「ロストワードは、その存在を忘れられ、存在がなかった様になってしまう。 私の世界は、『霧雨魔理沙』…私の名前が、そのワードだった 消えたワードを言うと、皆がその存在を思い出し、そして、本人の記憶も戻り、完全にとはいかないが、以前までの生活どうりになる」 そう紅魔理沙は説明した。 「じゃあ、レミリアのロストワードって…」 リリーの言葉を遮り、紅魔理沙が言った。 「いや、まだ確証はしない。二つの条件が揃ってないからな」 「条件?」 「ああ、正しいワードを見つけるためには、二つの鍵が必要だ 『どのように』と『なぜ』だ その二つの鍵は、まだ分からないから、なんとも言えない それが本当かもしれないし、違うかもしれない。」 『ゲートを抜けると、青い機械が幻想郷に溢れていた。 【何これ⁉︎】リリーの驚いた声が聞こえる。 【機神兵?】ヒイは、モナドを構えながら言った。 機神兵はヒイの方へ襲いかかったが、モナドで斬られ、淡い青の粒子になって消えた』 ヒイの頭の中には、突如、未来視(ビジョン)が流れ込んだ。 「リリー、早く帰ろう!幻想郷が!」 ヒイは焦った様に言った。 「突然どうしたの?ヒイ はっ!…もしかして!」 リリーは気がついた様に言った。 「見たの…」 ヒイは静かに頷いた。 「ごめんみんな、もっとお話ししたいけど、私たちの世界が、大変なことになってるらしいの!」 「大変なことって?」 「ヒイは未来が見えるんだ」 「未来が見える?」 紅魔理沙は首を傾げた。 「うん、未来視はたまにしか見ないけど、必ず当たる」 ヒイはそう言って背中のモナドを握り直した。 「それじゃあ、バイバイみんな!」 そう言いリリーとヒイはゲートを作り、帰った。 「私たちも行くわ、紅魔理沙、レミリア、頑張ってね」 そう幻リリィが言い、ヒリィと幻リリィもゲートの中に入って行った。 

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東方外来日誌〈弍拾玖〉

東方外来日誌〈弐拾捌〉

一人のグレー気味の髪で、金色の目をし、黒を貴重にし、青いポイントのある長い上着を着、左手には、青い筒状で、金色の丸い物が等間隔に3つあり、銀色の小さな碇のような物が付いた物を付けている男は、辺りを見ながら言った。 「どこだ?ここは」 もう一人の金髪ロングに、赤いマント、右手が義手になっていて、グレーを貴重にした上着を着た男が不思議そうに言った。 「見たことないところに来たね」 「いきなり光に吸い込まれたから、武器も何も持ってねえ」 「そうだね それに、まさかこんな所でまた会うなんてね、レックス」 金髪ロングの男はレックスと呼んだ男を見ながら言った。 「そうだなシュルク それに…」 レックスと呼ばれた男は、シュルクと呼んだ男を見ながら言った。 「こんな危険な所で再会するなんてな」 二人はゆっくり進む黒ヒイの弾幕を見ながら言った。 「コロニー9の整備してたから、何も持ってない」 シュルクがレックスに言った。 「そうだな 俺も仕事から帰ってる最中だったからな」 そんなことを言っている合間に、スロースパークの効果は切れた。 リリーとヒイは驚きで止まってたが、効果が切れたのを見て、気を取り直した。 「レックス!」「シュルク!」「「これ、使って!」」 リリーとヒイはそう言いながらレックスに赤と黄色の剣、シュルクに神と書かれた水色のモナドを投げた。 その剣を二人は受け取ると、剣は二人の手に馴染んだ。 「誰かは知らねえが! 助かる!」 「助かるよ!」二人は相手を向き直し、レックスは剣を一つにし、水色の剣にした。 :インフィニットブレイド! シュルクは力を込め、斬撃を放った。 :モナド斬(バスター)! 二人に攻撃は、容易く弾いた。 「チッ!」 黒ヒイは弾幕を放った が、その弾幕も弾かれてしまった。 「まだまだ!どこの誰かは知らんが、叩き潰してくれる!」 黒ヒイはまた、プロメテウスの準備をし出した。 「はあああ!」 リリーはフランの剣を持ちながら突進し、黒ヒィの方へと向かった。 :スカーレット・ディスティニー ヒイがグングニルを掲げ、弾幕を放った。 「なんの…これしき!」 黒ヒイは薙ぎ払おうとしたが、ヒイの弾幕によって、ガードが解けてしまった。 その隙に、リリーは黒ヒィの後ろに行って、黒ヒィを地面に叩き落とした。 「がっ!」 黒ヒィが地面に落ちたのを見て、ヒイがグングニルで刺して抑えた。 「形勢逆転だ!」 リリーは地面に降り、レックスとシュルク、ヒイと並んだ。 「一緒に行くよレックス」 リリーがレックスに言うと、 「ああ、わかったぜ!」 そう力強く言いながら、剣を一つにした。 「シュルク、いこう!」 ヒイがシュルクに言うと、 「そうだね、力を合わせて!」 それぞれはそれぞれの武器に力を込めた。 リリーとレックスは、片手で一緒に聖杯の剣を握って、エーテルを全力で込めた。 シュルクとヒイもモナドを握って力を込めた。 「はあああ!:インフィニットブレイド!:モナド解放! 「こんな…所で負けんぞお!:守れ!守れ守れ! 黒ヒィは複数の盾を前に出した。 しかし、シールドは次々割れていき、黒ヒイの体は簡単に切りつけた。 「これで、終わったのか」 ヒイは安堵した様に言った。 「ありがとうレックス、シュルク そうだ、どうして一緒に戦ってくれたの?」 リリーは振り返り、2人にお礼を言い、疑問を投げかけた。 「そりゃあ困ってる奴がいたら助けるのは当たり前だろ?」 「そうだよ、それに、懐かしいものを見ることもできたしね」 シュルクはそう言いながら、ヒイのモナドを見ながら言った。 ヴァン!と急に音がすると、ゲートが出てきた。ゲートの先には、辺り一面海に囲まれ、大きな大地が広がり、中心には大きな木が立っている場所が映し出された。 「レックス、これで帰れるよ巨神獣(アルスト)に」 リリーがそう言うとレックスは驚いた様に言った。 「知ってるのか⁉︎俺が住んでる場所が」 「うん、理由は秘密だけどね」 「それなら助かるそれじゃあ俺は先に帰るな じゃあなシュルク、お前たちも」 そう言いながらレックスはゲートの中に入って行った。 リリーはゲートの通じる先を変えた。 ゲートの先には同じ様に辺りが海で囲まれ、二つに分かれた様な形になっている大陸があった。 「これでお別れだね」 「短い間だったけど、会えてよかったよシュルク」 ヒイはシュルクにお礼を言った。 「僕もだ まさかダンバンさんと僕、アルビース以外にもモナドを使える人がいるなんてね」 感心した様に呟いた。 「それじゃあ、そろそろ帰るよ元気でね、みんな」 そう言い、シュルクはゲートの中へと入って行った。 リリーはゲートを閉じた するとレミリアがよろよろと黒ヒィの元に近づいた。 「これであなたの悪行はおしまいよ」 すると、 ガッ!と音がした。 「え?」 レミリアがそう言い、よく見ると、黒ヒィはレミリアの足を掴んでいた。 「…言ったろ?…こんなとこで…死なねえよ!」 黒ヒィは手にエーテルで剣を作りだし、切りつけた。 「なっ⁉︎」 いきなりのことでみんな動けずにいた。 しかし、一つだけ、動く影がある。その影は、リリーの持っているレーバテインを手に取り、黒ヒィの剣をはたき落とし、剣の蹴れない部分で、レミリアを掴んでいる腕を叩きつけた。。 「あああああああ!」 黒ヒイはその場でジタバタした。 「フ…フラン?」 レミリアがそう言うと、フランの影は後ろを向いて、不的な笑みを浮かべた。 すると、フランは幻影の姿から、実影になった。 「レミリア はいこれ」 ヒイはそう言い、レミリアにグングニルを渡した。 「ありがとう」 そう言い、レミリアはフランの横に並んだ。 :紅い悪魔の館 :インフォメーション・パラドックス 2人の吸血鬼の技は、黒ヒィに、トドメを刺した。 黒ヒィの体は水色に薄く光り、小さな粒子が黒ヒィの体を上がって行き、そして、消えてしまった。 するとフランもスッと消えてしまった。

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東方外来日誌〈弐拾捌〉

東方外来日誌〈弐拾漆〉

リリーは赤い剣とレーバテインを十字に構え、 :クロス・ブレイズ! 赤い剣からは、エーテル弾、レーバテインからは、無数の弾幕が舞う。 ヒイは銃を相手に向けて構え、数発打った。その弾丸は白い狐に食べられ、加速した。 しかし、どちらも弾かれてしまった。 跳ね返った狐はヒイの方へ一直線に飛んでいった。 「なっ!」 ヒイは咄嗟にモナドで防いだ。 「大丈夫⁉︎」 リリーが聞くと、ヒイは 「大丈夫…だけど、あれ?これって」 そう言いながらモナドを見ると、形が変わっていた。 モナドは、中心の円には文字はなく、他の何かが流れている。 「どれだけ強くなったとしても、お前達如きに倒されはせんぞ!」 「本当にそう思うの?黒ヒィ」 幻リリィは煽る様に言った。 「黒ヒィ?」 ヒリィは聞くと、 「味方と同じ名前だもの呼び間違いしない様にね」 そう説明され、「なるほど」と呟いた。 「ふざけおって…もう良い!今度は手加減せんぞ!」 黒ヒィは怒りを露わにして叫んだ。 :セイレーン・バスター! エーテルの剣で辺りを薙ぎ払う。 幻リリィはシールドで剣を生み出し、エーテルの斬撃を防いだ。 「まだまだ!」 そう言い幻リリィは、剣に炎を纏わせ切りつけた。 しかし、その攻撃も防がれてしまった。 黒ヒイは手を合わせ、エーテルを溜め始めた。 「今度こそは壊れんぞ!今度こそこの技で、潰してくれる!」 :アイオニオン・プロメテウス! 「何負け惜しみみたいなこと言ってんの?何度だって防ぐさ!今度は、あれ以上の力もあるしね!:インフィニットブレイド・レーバテイン! リリーは二つの剣に力を込め、クロスに構え、切りつけた。 ヒイはグングニルとモナドを横に構え、 :モナドブレイカー・with・グングニル! モナドに力とグングニルの力、聖剣の力にレーバテインの力。それらの力は、普段より、大きな力を発揮した。 しかし、この力でも、相手の攻撃は壊れなかった。 力を限界以上に貯めたせいでモナドは元の姿に戻ってしまった。 「何をしたって無駄だ!”幻想郷に住んでいる奴”は通用しない!」 黒ヒィの弾幕はさらに勢いを増した。 :時符・スロースパーク リリーは八卦路から新たなスペルカードを放ち、黒ヒィと弾幕を遅くした。 「何だ!この攻撃は…こん…なも…の……?」 黒ヒイは動かない体と口を無理やり動かそうとしている。 その隙にリリーはレミリアのところへ急いだ。 「どうしたの…リリー?」 まだレミリアは疲れている様だった。 「青い封結晶二個貰える?」 リリーは突然そう言った。 「え…?わ、分かったわ、でも、どうして?」 そう言いながらレミリアは封結晶を渡した。 リリーはその封結晶を受け取りながら言った。 「あいつは今、『幻想郷に住んでいる奴』って言ってたでしょ?だから、幻想郷にはいない誰かを呼ぶ!」 そう言いながらリリーはヒイの横に来て、封結晶を渡した。 「今の時符ってのは?」 ヒイが聞くと、 「咲夜の弾幕を使っただけ 外の世界で見たことあるからね」 「なるほどな」 ヒイはそう言いながらそれを受け取って、リリーと共に封結晶に力(エーテル)を込めた。 すると、封結晶は無数の小さな正方形になり、リリーとヒイの手を中心に周り、一つの大きな光になった。 そして、 その中からは、二人の英雄が出てきた。

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東方外来日誌〈弐拾漆〉

東方想起録II

「今から霊夢を連れてくるから、安静にね」 そう言い永琳は外に出て行った。しばらくすると、永琳が帰ってきた。後ろには他にも2人いた。 白いリボンのついた黒い魔法使いの帽子を被った金髪の少女が話してきた 「よう。あんたが外来人か?私は霧雨魔理沙。普通の魔法使いだ。」 そう魔理沙は挨拶をした。 そして巫女服を着た少女が続いて話し出した。 「私は博麗神社の巫女の博麗霊夢よ。退院したら、神社に来なさい。神社はわかりやすい場所にあるから」 しばらく話をして、2人は帰って行った。 その日の夜、リリィは夢を見ていた。 その中でリリィの隣には霊夢と魔理沙がいた。 下には人が住んでいるであろう里が炎によってパキパキと音を立てて燃えていた。 そして3人の前には、魔法使いのような服を着た誰かと、どこか見覚えのある服を着た誰かがいた。 そこではリリィは魔法を使っていた。 それぞれ弾幕を放ち、戦っている。 マスタースパークや夢想封印、バレットストーム お互いのスペルカードが展開され、激しい戦いが行われていた。 そこで目が覚めた 「今のは…?」 リリィは寝ぼけながら呟いた。 「目が覚めたのね」 そう言いながら横から永琳が話しかけてきた。 そこでリリィは先ほど見た夢の内容を話した。 「…何かあるのかしら…霊夢を呼んでくるから、安静にしててね」 そう言い、出て行ってしまった。 「そういえば、夢の中では魔法使ってたよね…やってみよ」 そう言い、リリィは手を上にかざし、小さく叫んだ。 :ヒーリング すると、リリィの体の周りを緑色のモヤが登り、体の傷が無くなっている。 「やった!…待てよ?本当に回復できたなら、あの夢は、正夢になるって…こ…と…?」 リリィは魔力切れか深い眠りについた。 「ん〜?」 リリィがもう一度目を覚ました時には、空はもう薄暗くなっていた。 「お前、魔法使えたのか?」 体を起こし、声の方を見ると、魔理沙がいて、横には、霊夢と永琳も居た。 「どうして、そう思ったの?」 リリィは驚きを隠しながら言った。 「最初ここにきた時には、魔力が感じられなかった だが、今は、お前から、少しずつ魔力が流れ出ている感じがするんだ まあ、あくまで憶測だがな さっき魔法を使って魔力切れを起こして寝たんだろ」 魔理沙がそう少し呆れた様に言った。 「…うん、その通りだよ」 リリィは下を見てながら言った。 「夢の話が本当なら、正夢の可能性も出たわね…ねえリリィ他に、何か見た事はある?」 霊夢が真剣な顔で聞いた。 「いや、これ以外の事は何も…」 「そう…でも、この情報は心に置いておいた方がいいわね もしものために」 霊夢は、険しい表情でそう言った。 「今日はもう遅いから休みなさい 眠気は無いかもだから、この本でも読んでおいてね おやすみなさい」 そう言い、永琳は一冊の本を渡して、出て行った。 他のみんなも、「おやすみ」と言い、帰って行った。

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東方想起録II