スイ
28 件の小説スイ
不定期です(なるべく週一でします) ぜひ気軽にご意見ご感想をコメント してください 初めてなので大目に見てください。 作中のオリジナルキャラの名前 夏葉(かよう)ヒイ 紅葉(こうよう)リリー 紅葉リリィ(幻リリィ) 紅葉ヒリィ
東方想起録II
「今から霊夢を連れてくるから、安静にね」 そう言い永琳は外に出て行った。しばらくすると、永琳が帰ってきた。後ろには他にも2人いた。 白いリボンのついた黒い魔法使いの帽子を被った金髪の少女が話してきた 「よう。あんたが外来人か?私は霧雨魔理沙。普通の魔法使いだ。」 そう魔理沙は挨拶をした。 そして巫女服を着た少女が続いて話し出した。 「私は博麗神社の巫女の博麗霊夢よ。退院したら、神社に来なさい。神社はわかりやすい場所にあるから」 しばらく話をして、2人は帰って行った。 その日の夜、リリィは夢を見ていた。 その中でリリィの隣には霊夢と魔理沙がいた。 下には人が住んでいるであろう里が炎によってパキパキと音を立てて燃えていた。 そして3人の前には、魔法使いのような服を着た誰かと、どこか見覚えのある服を着た誰かがいた。 そこではリリィは魔法を使っていた。 それぞれ弾幕を放ち、戦っている。 マスタースパークや夢想封印、バレットストーム お互いのスペルカードが展開され、激しい戦いが行われていた。 そこで目が覚めた 「今のは…?」 リリィは寝ぼけながら呟いた。 「目が覚めたのね」 そう言いながら横から永琳が話しかけてきた。 そこでリリィは先ほど見た夢の内容を話した。 「…何かあるのかしら…霊夢を呼んでくるから、安静にしててね」 そう言い、出て行ってしまった。 「そういえば、夢の中では魔法使ってたよね…やってみよ」 そう言い、リリィは手を上にかざし、小さく叫んだ。 :ヒーリング すると、リリィの体の周りを緑色のモヤが登り、体の傷が無くなっている。 「やった!…待てよ?本当に回復できたなら、あの夢は、正夢になるって…こ…と…?」 リリィは魔力切れか深い眠りについた。 「ん〜?」 リリィがもう一度目を覚ました時には、空はもう薄暗くなっていた。 「お前、魔法使えたのか?」 体を起こし、声の方を見ると、魔理沙がいて、横には、霊夢と永琳も居た。 「どうして、そう思ったの?」 リリィは驚きを隠しながら言った。 「最初ここにきた時には、魔力が感じられなかった だが、今は、お前から、少しずつ魔力が流れ出ている感じがするんだ まあ、あくまで憶測だがな さっき魔法を使って魔力切れを起こして寝たんだろ」 魔理沙がそう少し呆れた様に言った。 「…うん、その通りだよ」 リリィは下を見てながら言った。 「夢の話が本当なら、正夢の可能性も出たわね…ねえリリィ他に、何か見た事はある?」 霊夢が真剣な顔で聞いた。 「いや、これ以外の事は何も…」 「そう…でも、この情報は心に置いておいた方がいいわね もしものために」 霊夢は、険しい表情で言った。 「今日はもう遅いから休みなさい 眠気は無いかもだから、この本でも読んでおいてね おやすみなさい」 そう言い、永琳は一冊の本を渡して、出て行った。 他のみんなも、「おやすみ」と言い、帰って行った。
東方外来日誌〈弐拾陸〉
ゲートの先には、崩壊した博麗神社があった。 「ここって、最初にヒイと会ったところよね?」 幻リリィが言った。 幻リリィの言葉通り、そこは初めてあの男と戦い、ヒイとリリー、幻リリィとが会ったところだ。 「…やあやあ諸君やはり来ると思ってたよ」 後ろから、あの男の声が笑っている様に聞こえる。 「こんなとこにいたんだね、てっきり別のとこにいると思ってた。 まあいいや、ここで決着をつけるよ!ヒィ!」 リリーがそういうと同時皆んな後ろを向いた。 そして、ヒィは手を前に出し、魔法陣を張った。 リリーは聖剣、ヒイは神と書かれたモナドと銃、幻リリィは魔法石、紅魔理沙は熱を持った様な八卦路、レミリアはグングニルを構えた。 「たった五人で大丈夫か? くっくっくっ…」 ヒイは笑っている 「たったって、そっちは一人でしょう?」 幻リリィはヒィに言ったが、ヒィはさらに笑った そしてヒィは魔法陣から、幾つもの青い封結晶を出した。 そして、封結晶は光を放ち、何十もの人を呼び出した。 「こんな量の…一体」 リリーがこぼすと、ヒィが答えた。 「以前戦った女に言われただろう?私の分身は、もっと居ると…封結晶から出たこの者たちは全て私の分身だ…色々な世界に分布したな」 ヒィは自身げに言った。 「こ…こいつら全部が⁉︎ってことは、他にもいろんなIF世界があるってことか」 ヒイは驚きながら言った。 「だから何?この程度の人数、すぐに倒せる!:ジェネシスセイバー! 無数の小さな剣が分身のお腹を貫く。 分身は煙の様に消え、ヒィの体の中へ入って行った。 「なんか…倒した感じがしない」 リリーが苦々しく言った。 「倒した感じがしない?」 ヒイが聞き返すと、 「そりゃあそうだろうな、あの分身はお前に倒される前にこの体に取り込んだ」 ヒィは不敵な笑みで言った。 「くらえ!」 ヒイがトリガーを引いて、数発打ったが、弾かれてしまった。 「お前の力はもう効かぬ 一度お前の中に入ったからな〜」 「っち…そうだ…これなら!」 ヒイは閃いた様にそう言い、銃の下の所をあけ、電池を取り出した。 電池の見た目は黒いところがなくなり、赤と銀色になっていた。 :魔力装填! そう言いヒイは後ろの方へ電池を直し、構え直した。 「これで、どうだ!」 バーンと激しい音がして、銃から弾幕が出て、その弾幕を、赤い目をし、全体が白い狐っぽい頭の霊が、弾丸を喰らい、加速した。 その速度は、先ほどの獣の弾丸よりも素早いものになっていた。 :守れ! ヒィは手を前に出し、シールドを張った。 ピキピキッと音がした次の瞬間シールドは割れてしまった。 「どうだ」 ヒイは小さくガッツポーズをしながら言った。 後ろからリリーがきた。 「あの威力なら、倒されるだろう。…あくまでも、当たればの話だがな!」 リリーに見えたその人物は、ヒィが変装した姿だった。 「がっ!」 いきなりの攻撃に、ヒイは反応が出来ずに、弾かれてしまった。 「ヒイ!」 リリーは心配しながら、近寄った。 「はあ…はあ…そんな技があるなんてな」 ヒイが感心したように言った。 「なに感心してんの!一緒に行くよ!」 そう言いリリーは赤い方の剣を差し出した。 「…あ、ああ!」 そう言い、ヒイは赤い剣を持った。 そして二人は、赤い剣を一緒に持ちながら、構え、叫んだ。 :バーニング・ソード! 二人は剣を持ち上げ、炎柱を立てた。 「はああ!」 リリーは剣を顔の横に構え、エーテルを溜めた。 リリーの体の周りには、エーテル支給率最大を意味する金色のモヤがかかっている。 「はああああ!」 リリーは巨大なエーテル弾を放った。 「そんな力任せの攻撃が…効くものか!」 ヒィはエーテル弾を腕で弾いた。 :弾符・レインボーアロー 幻リリィはヒィの後ろに周り、スペルカードを放った。 「もう一度同じ手を食らうとでも?」 そう言いヒィは後ろを向き直り、 :守れ! ヒィの前には、シールドが生まれた。 「……」 幻リリィが小さく呟くと、レーザーはより太く、威力が上がった。 「なっ!」 すぐさまシールドは崩され、ヒィはそのレーザーに飲み込まれた。 「まだよ…あなたが皆を消した だから、私は全力で貴方を消す」 レミリアはグングニルを構え、そう静かに言ったが、ものすごい殺気があった。 :スカーレット・シスターズ! そうレミリアが言うと、グングニルは大きくなった。 グングニルの周りには、様々な色の宝石がくっ付いている。 「はああああ!」 グングニルを構え、回し出した すると、グングニルからは、無数の弾幕…コウモリのような弾幕に、ナイフの様な弾幕 そして、レミリアの後ろには、黄色い髪で、赤い服の吸血鬼の幻影があった。 その幻影からは、炎の剣が投げられた。 レーザーが晴れ、ヒィの姿を人視した時には、もうレミリアの弾幕を食らっていた。 「…行くわよ!『フラン』!」 フランと呼ばれたその幻影は、小さく微笑み、レミリアと共にヒィの元へ飛んだ。 ヒィは避けられず、切りつけられ、ボロボロになっていた。 「………ははっ…ははははははははははは!」 ヒィは突然笑い出した。 「え?…まだ…まだ生きてるの?」 レミリアの表情からは、血の気が引いていた。 「いいなあその表情!絶望から少し光が見えたのか?でも残念そんな攻撃じゃ殺せねえよ!」 ヒィはむらさき色のモナドを取り出し、レミリアとフラン(幻影)を飛ばした。 「レミリア!大丈夫⁈」 みんなはレミリアの元へ駆け寄った。 「だ…大丈夫よ」 そう言いながらレミリアは立ち上がった。 「無理はしないほうがいいぞ」 紅魔理沙がそう言ったが、レミリアは、 「そう言うわけにはいかないわ…あいつは、私の…私たちの世界を…」 「気持ちは分かるがまず自分のことを大事にしろ。 そうしないと、お前まで死んだら元も子もないだろ?」 そう紅魔理沙は諭す様に言った。 「確かに…そうね」 レミリアはヒイの方を向いて、グングニルを差し出した。 「このグングニルを貸すわ これで、あの男を…この異変を終わらせて」 「…もちろん、レミリア」 そう言いヒイはグングニルを受け取り構えた。 レミリアの前にいたフランはリリーの前にやって来た。そして何も言わずに、炎の剣をリリーに差し出した。 「フラン、貴方(リリー)に託すらしいわ」 レミリアはフランの言葉を代弁した。 「わかった 任せてよ フラン」 そう言いリリーは炎の剣を受け取り、構えた。 すると、剣はより強く燃え上がった。 勢いが収まると、剣は姿を変えた。 赤黒い剣で、細長く、塚のあたりにの周りには、幾つもの色の宝石が浮いている。 リリーはフランの武器〈レーヴァテイン〉を構え直し、ヒイはグングニルを構え、皆それぞれの武器を構え直した
東方外来日誌〈弐拾伍〉
「ヒイ!大丈夫か」 紅魔理沙は心配そうに言い、皆駆け寄った。 「う…ん 大丈夫だよ。 いたたた」 ヒイは動こうとすると、体中に痛みが走った。 「無理もない あんだけの攻撃を受けたんだ。 何か異常はないか?」 紅魔理沙は聞いたが、「体の痛み以外は大丈夫」と苦笑いで言った。 「ヒイ…なんだよね?本当に」 リリーは心配そうに言った。 「本物だよ、リリー」 そうヒイは優しく笑いかけた。 「ヒイ…う…う…」 リリーは感情が爆発し、大きな声で泣き出した。 「こっちにおいで、リリー」 ヒイは優しく言い、手を広げた。 その言葉で、リリーはヒイの胸の中で泣いた。 ヒイはリリーを慰めるように優しく頭を撫でた。 しばらくしてリリーは泣き止んだ。 「…突然ごめん、いきなり泣いちゃって」 リリーは恥ずかしそうに言った。 「大丈夫よリリー、よく頑張ったわ」 幻リリィも優しく言った。 「ありがと…さて、どうする?別の世界に行く方法ってわかる?」 リリーが気を取り直して言った。 「…話は変わるけど、それ何?ヒイ」 リリーはヒイの手にある剣を指差した。それはモナドのような形をしていたが、少し違う。 「なんだろこれ」 ヒイは首を傾げた。 「さっきまでのむらさき色のモナドからは姿はが違うね」 そう話していると、モナドが光出した。 「何!なに?!」 すると、モナドはいつもの見た目に戻ってしまった。 「一定期間って感じなんだ…話を戻そう、それで、何かあるか な?」 ヒイはモナドからみんなに視線を戻した。 「これを使うといい」 そう言い、紅魔理沙は赤色のキューブを差し出した。 「あっ!それって」 「この世界に来た時に使ったやつだね」 リリーの言葉にヒリィが続けた。 「…最後に一つだけ、聞いてもいい?」 リリーが言った。 「いや、今はやめておこう お前たちは、異変解決の最中なんだろ?」 「そう…だね」 「でも魔理沙、ここを出たら、もう会えないんじゃ?」 ヒイが心配そうに聞いた。 「大丈夫だ、私も行くぜ」 紅魔理沙は帽子を弾きながら言った。 「本当に!魔理沙がいたら心強いよ!」 リリーが嬉しそうに言った。 「そうね。 それじゃ、いきましょうか?」 幻リリィが言い、リリーが赤色キューブ…赤い封結晶 に触れた。 赤い封結晶はいくつかのキューブになり、リリーの手を中心に回転し、一つに塊になった。 そして、むらさき色のゲートが出てきた。 「さあ、行こう!」 リリーがそう言い、皆、ゲートの中へと入って行った。 「はははっ」 どこかで、誰かが笑う声が聞こえた。 その声は、深い深い森の中で、こだました。 「また会えるねリリィ…いや、今は幻リリィか」 男は不敵な笑みで空に語りかけた。
東方外来日誌〈弐拾肆〉
「「はあああ!」」 2人はエーテル弾を放った。 バン!と音を立てて、ぶつかり、煙を立てる。 :モナド・サイクロン ヒイは回って竜巻を作り、煙の中から出てきた。 :スター・バースト! リリーは剣を前に出し、横に剣を回して、持ち直し、エーテルのレーザーを出した。 ヒイは連続でトリガーを引いた。全ての球は猛獣の亡霊に食べられ、加速した。 その亡霊はレーザーを弾き、さらにリリーへ迫った。 :借符・プロトスパーク! リリーの八卦路からは太いレーザーが放たれた。 お互いの弾幕は、相殺し合い、消えた。 :フラッシュ・ライト! リリーはまばゆい光を出し、ヒイの目を攻撃した。 しかし、 「なんだ?今の攻撃は」 ヒイは笑って言った。 そう、ヒイはサングラスをしているから、光で目は攻撃できなかった。 「だったら…」 リリーは空を思い切り蹴りヒイの元に近づいた。 「無理矢理取るまで!」 リリーはヒイの顔に手を置き、サングラスを外した 「なっ!」 ヒイは予想外の攻撃に反応が遅れた。 :フラッシュ・ライト! 今度こそ成功した。 リリーは少し離れて演奏した。 B〜BBC〜AB〜〜♪ (騎馬の肖像/福田洋介〜フレックス7〜より) リリーは演奏を終えると、周りをオレンジ色のモヤが登った。 リリーはもう一度空を蹴り、ヒイへ距離を詰めた。 「これで終わりだよ!ヒイ!:インフィニット・ブレイド! リリーは聖剣に最大限のエーテルを溜めて、切りつけた。 「まだ、だ…終わるのはお前だ!リリー!:アイオニオン・プロメテウス ヒイは手を合わせ、全てのエーテルを一つの球体にして、放った。 2人の攻撃は激しくぶつかり、衝撃波を飛ばす。 リリーの聖剣は音を立てて、球を切り裂いていく。 しばらくしてついに、弾は割れた。 「「はああああ!」」 リリーとヒイの声があたりに響く。 リリーの刃はついにヒイの仮面を切り、そのまま、ヒイの体を覆うスーツも切りつけた。 眩い光を放ち、ヒイは元も姿に戻った。リリーは宙に浮いたヒイを抱え、着地した。 「大丈夫か!」 紅魔理沙が来た。 「…大丈夫だよ…あとは、これで」 そう言い、リリーはある物を取り出した。 「それは何?」 レミリアが首を傾げた。 「これは、私の世界の霊夢が渡してくれたお札…もしもの時に使いなさいってくれたの」 そしてリリーは少し開けて続けた。 「…これでヒイに憑いてるあの男の意思を断つ!」 そう言いながら、リリーはヒイの体にお札を叩きつけた。 『意思を断つ』…その言葉にレミリアが少し動揺した。 すると、ヒイの周りからは、緑色の光が登った。 そして、 「…ん、うーん?」 ヒイは、目を覚ました。
東方外来日誌〈弐拾参〉
ヒイは銃を構えてトリガーを引き、モナドを横に出した。 亡霊は180°回転し、モナドを食らった。 モナの文字は「神」から「凶」に変わり、むらさき色の凶々しいモヤがかかっている。 ヒイは剣を構えて突進した。 リリーは急いで剣を構えてガードし、剣を思い切り弾いてヒイを飛ばした。 そしてトランペットを構え、 :奏符・八つの音色 四分音符(♩)の弾幕がヒイへ飛んだ。 ヒイはモナドで弾き、斬撃を数発飛ばした。 リリーはトランペットを片付け、八卦路を構えた。 :借符・封魔陣! 八卦路の前にはお札が陣を組んで、太いレーザーを放った。 ヒイはそのレーザーにモナドを構えて突撃し、レーザーを払った。 ヒイはモナドを斜めに構えて切りつけた。 :ディアル・ブラスト! 二本の剣を横に構えて、斜め上に振り上げた。 「お…重い…」 リリーはヒイの攻撃の威力に押されていた。 ヒイはリリーの剣を弾き、切りつけた。 「っ…!」 リリーは地面に落ちた。 「はあ…はあ…」 リリーは疲れ切った表情でいた。 リリーはヒイの方へ手をかざした。 「何をしてる?」 「そのモナド…誰のおかげでその水色の姿になったって思ってるの?」 「誰のってどうだっけ?それがどうした?」 「私のクリスタルが入ったから、その姿になれた…だったら、それは私の能力の一部ってこと!」 ヒイのモナドは突如震え出した。 「なんだ⁉︎」 そう言った瞬間ヒイの手からモナドが飛び出、リリーの手に収まった。 モナドの文字はさらに、「凶」から「幻」に変化し、周りのもやは緑色のモヤに変わった。 しかし 「あ…ああああああああ!」 リリーに突然の蝕むような痛みがさす。 「あの電池は、他人が触れると、強い拒絶反応が出る 威力は知らないけど、電気ショックを食らう」 ヒイは笑っていた。 「これで終いだ」 そう言い、ヒイはうずくまるリリーに向けて銃を放った。 銃は亡霊が喰らい、素早く突撃してくる。 咄嗟にリリーはモナドで亡霊を弾いた。 弾かれた亡霊は、より早くヒイに向かって行った。 「なっ…! 」 ガブ!っと音が聞こえ、ヒイは亡霊に食われた。 しかし、ヒイの身体には食われた後はなく、全身を謎のスーツで囲まれ、ヒイの顔は、あの亡霊の顔で見えないが、目だけは見える。サングラスのようなものが、目の上についている。 「…ははっ…ははははははっ!」 ヒイは笑っているようだが、目は笑っていない。 ヒイは目の上にあるサングラスのようなものをおろし、目も見えなくなった。 リリーは何発もの弾幕を放ったが、ヒイはそれを手で払った 「はははは!」 まだ笑っている きっとまた、目は笑っていないだろう。 「やっぱり、何かに取り憑かれてんじゃん!」 リリーは八卦路からレーザーを放った。 ヒイは銃を何発か打ち、受け止めた。 「滑稽だなあリリー。 そうだ、私がこの「モノ」の意識を乗っ取った。 どうだ?少しは…」 「乗っ取ったことは、もう分かってる…だから、臆するものは…躊躇うことは何もない!」 リリーはモナドを持ち、エーテルを溜めた。 「…っ! ああああああ!」 突然リリーの腕には、激痛が走った。 あまりの痛さにリリーはモナドを投げてしまった。 「その中には、あの電池の力が入っている。 その力に余分なエネルギーを入れるとそうなる。先ほどの警告を聞かないからだ」 そう言いながらヒイはモナドを拾った。 リリーはモナドに手をかざした。 「…はあああ!」リリーは手にエーテルを溜め、ヒイのモナドから、クリスタルのかけらを抜き出した。 「!…何をする!」 モナドの見た目は変化し、全体がむらさき色の少し小さなモナドになった。モナドをと同じような丸い穴が空いている。その中には、「滅」と書いている。 「姿が変わったか…まあいい さっさと決着をつけよう…紅葉リリー」 そうヒイはリリーの斜め上から言った。 ヒイはむらさき色のモナドを構え、リリーは聖剣を構え直した。
東方外来日誌〈弍拾弐〉
ヒイは獣が戻ってくると、撫でて頬が緩んだ。 しかし、それ以外のみんなは、驚いた表情で固まっていた。 「どうしたの?みんな」 ヒイが何事もなかったように話しかけた。 「どうしたの…って…なんでそんな表情で居られるの? ヒイのその弾幕は、あいつを食い殺したんだよ?確かにあいつは私たちを殺そうとした…でも、」 リリーの言葉を遮ってヒイが言った。 「この前戦ったやつも殺したじゃないか?同じだろ」 「そ…そうだけど、でも、残酷だよ、そんな殺し方」 リリーはおじけながら言い、続けた。 「あのゲートに入ってからずっと思ってたけど、ヒイ、ここ最近変だよ?冷たいっていうかなんて言うか…」 「そんな?特に変わりはないと思うけどなー」 少し涙目になっているリリーに反してヒイは笑っていた。 「目を覚まして、ヒイ!元のヒイに戻ってよ…」 リリーの声はどんどん小さくなっていった。 「寝てないから目は覚めてるけど」 ヒイのその言葉に紅魔理沙が 「そうじゃないだろヒイ、リリーは心配してんだ!」 と強く言った。 「いや、まだ寝てるねヒイ 今のヒイは誰かに取り憑かれたみたいだもん きっと最初にゲートに入った時、意識が半分無かったんじゃない?寝起きだったし その時に飲み込まれたんだよ、きっと」 リリーは不安そうに言った。 「取り憑かれてるって一体誰に?」 ヒイは笑いながら言った。 「知らないよ!でも、あきらかにおかしい…だからヒイ、ここで…この弾幕勝負で目を覚まして!ヒイ…いや、夏葉ヒイ!」 リリーはそう言い放ち、飛び上がり、幻リリィ達も飛び上がった。 「幻リリィ、みんなは手を出さないで、お願い」 「本当にいいの?」 幻リリィが言った。 「もし死んだら、そこまで」 リリーは少し言って続けた。 「自分の力はその程度だって事…あの怒りに任せたような力にも劣るね」 リリーは苦々しく言った。 「そう…分かったわ」 幻リリィが心配そうに言い、ヒイとリリー以外は着地した。 「話は終わった?じゃあさっさと戦おうぜ」 「そう言う態度が、冷たいって言ってんの!」 リリーはミニ八卦路を前に構え、ヒイは銃を前に構えた。 リリーは八卦路の前後左右に魔法陣を張った。 ヒイはジッと構えたまま動かない。 リリーの魔法陣からは何本ものレーザーが出た。 「カチャ」 ヒイはトリガーを引いた。 バン!と言う音で発射された球は、亡霊に食べられ、レーザーにぶつかった。 「はあああああ!」 「……」 2人の弾幕はぶつかり爆発した。 「カキン!」っという音を立て、聖剣とモナドが鍔迫り合いをした。 ヒイは神の文字が書かれたモナドを思い切り振り、斬撃を放った。 リリーは聖剣を2本に変え、言った。 :クロス・ブレイズ! 二本の剣をクロスに構え、切りつけ、エーテル弾を弾いた。 ヒイは銃を構えてトリガーを引き、モナドを横に出した。 亡霊は180°回転し、モナドを食らった。 モナドの「神」の文字は「恐」に変わり、むらさき色の凶々しいモヤがかかっている。
東方外来日誌〈弍拾壱〉
「リリーって同じ名前じゃない!…さっき違うって言ってたのはそう言うことね」 リリーは驚いて言った。 「ああ、そいつが来てから、私は世界群ってやつのことを詳しいことを知った。」 紅魔理沙は淡々と言った。 「まあこの話は置いとくぜ。 話を戻すが、世界群ってのは、パラレルワールドみたいなもんだ。」 「パラレルワールド?」 ヒリィが聞いた。 「ああそうだ。 少しだけ自分の世界とその世界とは異なるものがあるんだ。 他にも、Lだけじゃなく、この世界みたいなZなんてものもあるLやZだけじゃなく、AとかCとか色々だ」 「それじゃあ【’(ダッシュ)】ってついてるのは何で?」 リリーは質問した。 「それか…それは、もうすでにあるからだL-1世界以外のもな」 「他にもあるの?私たちと同じ世界が?」 幻リリィは驚いて言った。 「まったく同じって訳じゃないがな…このパラレルワールドってのは、それぞれ元は一つの世界L-1世界だ それからそれぞれの世界はそれからとある言葉によって姿を変える。それらの総称が…」 「「ロスト•ワード異変」」 紅魔理沙と同時にリリーが言った。 「そうだ」 紅魔理沙はそう短く言い、言葉を繋げた。 「このロストワードのせいで各世界は崩壊に近くなる」 紅魔理沙はただ淡々と語った。 「世界群ってのはまあそう言うことだ」 紅魔理沙はそう話を終わらせた。 「なるほど…それじゃあ次に…」 リリーは他の質問をしようとしたが、弾幕によって遮られた。 「誰だ!」 紅魔理沙が叫びながら、少し赤くなった八卦炉を構え、同時にリリーも八卦炉、ヒイは銃を、幻リリィは丸い水晶の魔石、レミリアはグングニル•ムスプリヘイムを構え、後ろを向いた。 後ろには、逆光で見えないが人影があった。 「私の名前?ふふふっ…教えてもいいけど、あなた達は、もう死ぬのよ!」 そう言いその人は弾幕を放ってきた。 ヒイは相手に向けて、何発も打ったが、防がれてしまった。 その隙にリリーと幻リリィが赤と黄緑色の剣を構え切りつけた。 しかしそれも防がれてしまった。 「弱い、弱いわーその程度の攻撃じゃ、あの男しか、倒せないわ!」 「…あの男…?…!お前、知ってるのか!」 ヒイは驚いた様に言った。 「そりゃあそうでしょ?だって、私もあいつも、他にもたーくさん分身はいるもの」 そう自信げに言った。 「分身?誰のだ!」 「あんた達は会ったことないの?まあいいやヒィって言えば、分かるかしら?」 「ヒィの…分身…」 リリーは狼狽えながらそう呟いた。 「そうよ…まあどうせもう死ぬんだから…気にしなくても、いいわよ!」 相手は鋭い弾幕を放った。 :紅魔館•虹色の従者と瀟洒な従者! レミリアはグングニルを構えて、スペルカードを唱えた。 グングニルからは、赤色と黄色の二匹のコウモリが出てきた。 赤色のコウモリは銀のナイフを。 黄色のコウモリは、龍の弾幕を放ちながら、相手に向かっていった。 その弾幕は相手は避けれず、当たってしまった。 (何か無いか?より強い力を手に入れられる武器…何か…) ヒイは強く願った。そして、赤黒い電池状の物を出した。 「電池?…なら、何か貯めるのか?まあ試しに…」 そう言いヒイは電池を前に出した。 :魔力装填 すると、ムラサキ色のモヤが、電池の中に入っていった。 「これであってるのか」 ヒイは呆れた様に言った。 「がっ!」 そう声が聞こえ、ヒイが上を向くと、敵に飛ばされたヒリィが飛んだきた。 「!大丈夫か⁉︎」 ヒイがキャッチすると、ヒリィは大丈夫だと言い敵へと飛んでいった。 「ヒリィ 戦うのは苦手と言っていただろ 避けておけ」 紅魔理沙はヒリィにそう言ったが、 「はあ…はあ…確かに苦手だよ でも、自分の力ではってだけ!」 :パニッシュメント•レイン ヒリィは手に魔法陣を出し、弾幕を出した。 「こっちも行くぜ!」 ヒイは銃の下の方の弾を装填する所を開けて、その中に電池を入れた。 すると、銃の周りには、凶々しいオーラが漂っている。 それを敵の頭に狙いを定めようとしたが、敵がぶれて定まらない。 敵の後ろにいたリリーがそれを見て、腕を前に出した。 :アンカーショット! リリーは敵の足を引き、バランスを崩させた。 その隙に、ヒイは敵の頭に狙いを定め撃ち抜いた。 銃弾は、鋭く飛び、さらに弾丸は、猛獣の亡霊のようなものが食べ、より素早く相手を貫いた。 相手は避けれず、直撃し、敵は動かなくなった。 しかし、銃弾の獣は何度も何度も敵を食べた。食べて食べて食べて跡形もなくなった。 ヒイは獣が戻ってくると、撫でて頬が緩んだ。 しかし、それ以外のみんなは、驚いた表情で固まっていた。 「どうしたの?みんな」 ヒイが何事もなかったように話しかけた。
東方外来日誌〈弍拾〉
:パニッシュメント•レイン 大きなエーテル弾を放った。 エーテル弾は男に命中し、煙が立ち込め、男は見えなくなった。 「行くよ!幻リリィ!」 「あ…ああ!」 「「はああああ!」」 2人はさらに大きなエーテル弾を放った。 エーテル弾が爆発すると、煙の中から男が上へと飛んだ。 :モナド•バスター! ヒイのモナドが男を切り裂く。 「チッ…まだ…負けん…ぞ…」 そう言い男はいくつもの粒子になって消えていった 消えたと同時に、赤色のキューブが落ちた。 「よっしゃ!」 ヒイがそう言った。 「これ、色が違うけど帰れるのかしら?」 幻リリィがキューブを持ちながら言った。 「わからないけど、やってみよう」 そうリリーが言い、キューブに触れた。 すると、キューブは無数の小さな正方形になり、2人の手を中心に回り、一つになった。 すると、ゲートが開いた。 「それじゃあレミリア、お互い頑張って異変解決しようね」 そうみんなが言い、ゲートの中に入ろうとすると、後ろから声が聞こえた。 「どうしたの?」 ヒリィが聞くと、レミリアが、 「わ…私も行くわ。 さっきのあの男を追う」 「そうだね…解決しないと自分たちの世界に迷惑かけるかもだもんね」 リリーはそう言って、 「分かった。じゃあ一緒に行こう」 5人はゲートの中へと入っていった。 ゲートの先は赤い塔が立っていた。 周りは、城壁で囲まれており、すぐそこに霧がかった湖があった。 「ぱっと見、紅魔館みたいだけど…」 「形が違うよね、なんか細長い」 リリーの言葉にヒイが付け足した。 すると、足跡が聞こえた。同時にあたりは暑くなった。 「此処に何の用だ」 後ろの方から声がした。 後ろを向くとそこには、 「魔理沙 どうしたのその格好は?」 リリーが聞いた。 魔理沙の帽子と服は赤く、リボンは黒で、エプロンは白い。 「これか?この格好は…いや、なんでもない。気にする様なことじゃあないからな それより、なぜ私の名前を知っている」 そう魔理沙が言った。 「なんでってそりゃあ知ってるよ私達の友達だもん」 そうリリーは言った。 「友達?私はお前達と会ったことはない お前達の名前は何だ?」 そう魔理沙が言う。 「この世界は、あなた達の世界とは違うわ だから知らないのよ…私も知らないけど…」 そうレミリアがリリーに静かにいった。 「そっか…じゃあ自己紹介するね 私は紅葉リリー、外来人だよ。 俺は夏葉ヒイ、同じく外来人で、リリーと同じ世界から来た 私は紅葉リリィ呼びやすい様に、幻リリィって呼んでね 僕は紅葉ヒリィ、自分の力で戦うのは苦手だけど、少しは戦えるよ」 そう言い紹介が終わった。 「リリー?いや…でも見た目違うよな…」 そう魔理沙は驚いた様子でいた。 (何が違うんだろ?あとで聞こうっと) そうリリーは思った。 少し後に紅魔理沙が聞いた。 「それで、何の用なんだ?」 「…私の世界のロストワード異変の解決のために来たの」 そう言いながらレミリアが後ろから前に出た。 「そうか…だが、この世界…Z-1世界の異変は解決したから、この世界には、レミリアの世界…L-80の世界の異変のことは分からなんな」 そう紅魔理沙は言った。 「さっきから言ってる、そのZ-1とかL-80とかって何なの?」 幻リリィが聞いた。 「知らないなら教えるぜ」 そう言い紅魔理沙が話し出した。 「まず、お前たちの世界…まず幻リリィはL-1’世界ってとこだ」 そう言い紅魔理沙は幻リリィを指差した。 「で、リリーはL-4’世界だ」 そう言い紅魔理沙はリリーを指差した。 「でも、あの男…この異変の黒幕みたいなやつは、L-1、L-4世界って言ってたけど…」 そうヒリィが言った。 「そうなのか?ただ、L-1世界ってのは、もうすでにあるし、この世界の異変を解決したのもその世界だ。確か異変を解決したのもリリーって名前だったな」
東方外来日誌〈拾玖〉
「‘貴方も’ってことは、レミリアはやっぱりこの異変に巻き込まれたんだね」 そうヒイが言った。 レミリアは静かに頷き、そして話し出した。この世界のレミリアにあった事を。 「少し前まではなにも変わらない…今思うと平和な生活だったわね、異変がなくて。 でも、突然、本当にいきなり消えてしまったの…咲夜…美鈴…パチェ…コア…フラン…この屋敷にいるすべてのメイド妖精さえも」 そこまで話し、レミリアは悔しそうな顔をした。 リリー達はその話を静かに聞いていたこちらもヒイはけわしい顔で、3人は悲しそうな顔をしながら。 「なにがロストワードとして使われたのかは分からないわ…でも…私は目を覚ましたの この紅魔館の意思で。 だから私はこの”グングニル•ムスペルヘイム”…紅魔館の意思と共に、名を呼べなかった私のケジメとして…異変の真相を… この紅魔館のみんなを取り戻すために、旅に出るの」 そうレミリアは話し終えた。 「…急いでたのは…そう言うことね」 そう幻リリィが言った。 皆雰囲気は暗かった。 「どうして、私たちが来た時に、少し嬉しそうな顔をしたの?」 リリーが聞いた。 「それは…私の見た運命通りに来たからよ」 「レミリアの見る運命って外れることもあるんだね」 そうヒイが言った。 「ええ…特に最近は見た通りの結末にはいかないことが多いの」 そうレミリアは苦々しく言った。 「私は、今まで何人もの外来人を見たわ そして、この封結晶を使って幻想郷の有力者を召喚して、旅をさせてるの でも、もうそれはおしまい。 これからは、私が解決する番よ」 そう言いながらレミリアは青いキューブを出し、強く握った。 「あなたの運命はどうなのかしらね?試しにしてみたらどう?」 そう言いレミリアはリリーにキューブを差し出した。 「…大丈夫 自分の運命は自分で変えるから それに、有力者には少し劣るかもだけど、力はあるから」 そうリリーは言い、レミリアに封結晶を返した。 「そう…分かったわ」 レミリアは少し安堵しながら言った。 それから、どうやって帰るかの話し合いが行われた。 話し合いの結果、むらさき色のキューブを集めることになった。 「キューブは1つの世界に最低一個はあるわ」 そうレミリアが言った。 「それじゃあ探しにいこう」 と4人は外に出た。 すると、外にはいきなり目の前に弾幕が降ってきた。 「いきなり何⁉︎誰?」 そうリリーが言った。 「不意打ちとは卑怯な手だなー」 ヒイはモナドを構えながら言った。 そこにいたのは、新たな男だった。 「そんな物騒なもの、すぐに捨てろ…さもなくば、お前達L1、L4世界群も同じ様にするぞ!」 そう叫んだ。 「L1L4?世界群?何のこと?」 そう幻リリィが言った。 「知らないのか?まあいい…そんなこと、知る意味もない!」 そう言い男は、腕を振り、斬撃を飛ばした。 リリーは聖杯の剣を取り出し、攻撃を防いだ。 :モナド•ストーム! :ジェネシス•セイバー! いくつかの小さな剣を四方八方に飛ばした。 2人の攻撃は防がれたが、隙は与えられた。 幻リリィが男の後ろに行き、魔石を出した。 :弾符•バレットストーム! 幻リリィが攻撃を仕掛けた。 弾幕は直撃した。 男が後ろを向いた時には、幻リリィはリリーの元にワープしていた。 「同じ様にってことは、あんたがこんな事をしたのか!」 ヒイが言った。 「どうだろうなあ?」 余裕そうに笑った。 男は指先を幻リリィに向けて、素早い光線を放った。 リリーは幻リリィの前に行って剣を掲げて守った。 続けてリリーは武器にエーテルを込めた。 しかし、変わらない よく見ると、真ん中にあるクリスタルにヒビが入っていた。 「あの光線で⁉︎」 リリーは驚いて言った。 そしてクリスタルは砕け、2つのクリスタルと、少しの破片が飛び散った。 リリーは2つに砕けたクリスタルを手に取った。すると、そのクリスタルを囲み様に、赤いギザギザに、中心に太い黄色い線が入った剣と、クリスタルを太い黄色い線が囲み、周りに白く囲まれた二つの剣ができた。 「これって…2人の剣?」 リリーは新たな二つの剣を見ながら静かに言った。 (2人というのは、聖杯の剣の元となる剣を持った者の事) ヒイがモナドを横に構えたすると、砕けたクリスタルのカケラがモナドの円盤の中に入った。 モナドは全体を水色の大きな剣の姿になった。中心にはモナドと同様丸い円盤がついており、そこには、”神”と書かれている。 「新しい武器か…そんなもの手に入れた程度で、勝てるなんて思うな!」 男はどんどんヒートアップしていった。 「お前らがどれだけの力を手に入れたとしいても、決して私には勝てない!私にはこのロストワードの技が使える。お前達など…」 「ダラダラうっさい!何言ってるのか分かんないし、あんたが勝てるわけないでしょ!」 そう幻リリィが叫び、シールドを張った。そして、シールドを細長く整形したりし、剣を作った。それを構えて突撃した。剣は男の腕で止められ、弾かれた。 「チッ」 そう幻リリィが言い、さらに切りつけた。 リリーは突撃しようとしたが、剣が重すぎて、ゆっくりしか動けなかった。 「幻リリィ、これ、使って!」 そう言いリリーは赤い方の剣を投げた。 「サンキュ!」 そう言い幻リリィはキャッチして、切りつけた。 リリーは幻リリィにエーテルを送った。 「重!この武器…って何してんだ?」 幻リリィは剣の重さに驚きながら聞いた。 「その武器は、エーテルっていうエネルギーを一時的に貯めて、攻撃するの」 そう言いながらリリーは幻リリィの横まできた。 「そして、この今は青い剣の周りのモヤは金色になる。金色のモヤは、エーテル支給率最大の証。離れ過ぎると、 エーテルが切れちゃうから、気をつけてね!」 そう言いリリーは相手に向かって行った。 :パニッシュメント•レイン 大きなエーテル弾を放った。 エーテル弾は男に命中した。 煙が立ち込める
東方外来日〈拾捌〉」
「説明するの難しいけど、実体がないの」 幻リリィが言った。 「実体?」 「そう、元々が幻の存在だったの」 そう淡々と語った。 「私は、ヒリィの…いわゆるイマジナリーフレンドってやつなんだ」 「なるほどねーいろいろと大変そう」 そうヒイは他人事のように言い、お茶をすすった。 「元主っていうのは…ただ私が言ってるだけね」 幻リリィはそう言った。 「主っていうのは、元々ヒリィが作ったからってことは分かったけど、なんで元なの?」 リリーは疑問を次々投げかけた 「今はまだこれくらいしか言えないわ」 そう言い幻リリィは話をやめた。ヒイはリリーを向いた。 「これからどうすんだ?」 そうヒイに言った。リリーは考えた。 (元主ってなんだろ何かあるのかな?まあいずれ分かるかな) そうリリーは心の中で思った。 「あのキューブがあれば…」 そうこぼすと、ヒリィが何かを取り出した。 「もしかして、封結晶のこと?」 ヒリィの手には、むらさき色のキューブがあった。 「それがあれば出れそうだね」 そうヒイは静かに言い、反対にリリーは驚いた様子だ。 「それどこで⁉︎」 「ついさっき 確か家に帰る直前」 そうヒリィは答えた。 「それくれる?」 そう言うと、ヒリィはもちろんと言い、キューブを渡した そして、リリーがそれを受け取ろうとした時、キューブは2人の手の間で、無数の光になった。 「何これ!」 そうリリーは言った。 そして光がもう一度ひとつになるとき、全員の体が浮き上がった そして4人は光の中へ入ってしまった。 ゲートの先には、大きな湖が広がり少し霧がかっており、奥の方には、大きな洋館があった。 「ここって…」 リリーがそう言うと、 「霧の湖…かな?奥に見えるのは、紅魔館っぽいね」 そう幻リリィが言った。 「一旦行ってみよう 何かわかるかも」 そう言いリリーは紅魔館へと足を進めた。 門の前まで来ると、リリーは違和感を覚えた。 「あれ?…美鈴がいない?」 「中で何かしてるんじゃないの」 そうヒイは言い、そのまま紅魔館の中に入って行った。幻リリィ達もそれに続いた。 4人は大きな扉の前まで来て、ノックをした。 しかし、返事はない。 「いつもなら、ノックしたらすぐに咲夜来たのに」 幻リリィはそう呟いた。 ヒイが扉を開けようとすると、扉が開いた。中からはむらさき色の髪の吸血鬼がいた。 「レミリア?」 そうヒリィが言った。 「何かようかしら?私達は急いでるの、悠長にしてる時間はないわ」 「なにをしてるの」 そうリリーが聞くが、答えない。 すると、ヒイが思い出したように言った。 「ロスト•ワード異変」 その言葉を聞き、レミリアは目を見開いた。 「どこで…その名前を?もしかして…貴方‘も’?」 そう言ったあと、「あっ」と自白したことに気づいた。 「‘貴方も’ってことは、レミリアはやっぱりこの異変に巻き込まれたんだね」 そうヒイが言った。 レミリアは静かに頷き、そして話し出した。この世界のレミリアにあった事を。