音京 葉月

5 件の小説
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音京 葉月

おとみや はづき よろしくお願いします! まだまだ寒い時期が続きますが、体調を崩さないようお気をつけください!

ぼくのパパ

ぼくのパパがせかいで一ばんかっこいい。 あしがはやくて、いつもわらってくれる。 それに、ママがいってた。 ぼくがうまれて、たばこっていうのをやめたらしい。 やめるのがむずかしくて、こころがずきずきするのに、やめたんだって。 そんなパパが一ばんかっこいい。 そのまま少年は“作文”と書かれた冊子を閉じた。 「何幻想描いとんねん。このガキは。あんなん父親ちゃうわ」 そう言って破り捨てた紙には、小さな子供と頭を撫でる大人が写っていた。

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才能

「才能なんてない」 そう気づいたのは高校に入ってすぐの頃だった。 中学の頃は、   「凄いよ!」「才能だよ!」      なんて言ってチヤホヤされた。 そんな言葉に溺れた。 気付かぬうちにどんどんゴボゴボと音を鳴らして沈んでいった。 自分なんかよりもすごいやつがゴロゴロといた。 自分が醜くて、醜くて。 自分よりも頑張ってるやつを見て、“羨ましい”と思った。 …思ってしまった。 そんな資格はないのに。

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ショータイム

ここはとある都。 たくさんの事件が起こる。 爆弾、自殺、他殺、強盗など。 他殺にもたくさんの種類がある。 例えば、撲殺、刺殺、絞殺、毒殺、射殺、殴殺、焼殺、愵殺、感電殺、落殺。あげてもあげてもキリがない。 最早、警察も手を出せなくなってきていた。 そんな地獄のような都。 そんな中、たった一人だけ、“必ず”事件を解決する探偵がいた。 名は、リュル。 またの名は……リュミエール。 名は体を表すとはこの事。地獄の場所に住む人々にとっては希望の光だった。 その名探偵は必ず事件を解決をする。もちろん、依頼人の前で。 その際、彼はいつもこう言った。 「さぁ、ショウタイムの時間だ」

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真実(せいかい)

真実(せいかい)はいらない。 嘘でいい。 いなくなれ。 いなくなれ。 みんな、みんな、いなくなれ。 一人の少年は只々淡々と。 何にもなさそうな顔をしながらそう言った。 どうしてあの子が居なくなったのに世界は終わらないの? どうして明日の天気予報をするの? あの子が居なくなったら世界はなくなるんじゃないの? 少年の周りには誰もいない。 ただ、雨が降っていた。 まるで少年の心の中のようだった。 みんないなくなれ。 いなくなれ。 いなくなれ。 あの子がいない世界なんてどうでもいい。 いなくなってしまえ。 いなくなれ。 ……そばにいて。 少年は今でもずっと雨に打たれている。

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夏の日

「ねぇねぇ!君は、亡くなった人を思い出すものって何んだと思う?」 「え、なに急に……てか、これ終わった?」 「まぁまぁ、頭使いすぎたら禿げるよ!」 「聞いたことねぇよ」 「で、なんだと思う?」 「……写真とか?」 「いいね!見たらすぐに思い出せる!」 「そういうお前は?」 「……季節、かな。忘れたくてもその季節がやってきたら思いだしてしまう。嫌でも、忘れたくても、必ず季節はやってくる」 「ふーん。……はい。休憩終わり。続きやるよ」 「えー?」 「お前が再テストになったのが悪ぃだろ」 「はーい」 今でも思い出す。 なぁ。 「夏になったよ」 生ぬるい風が吹いた。

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