snow drop

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snow drop

初めまして。ボカロ、小説、アニメが好きです。(敬称略)好きな作家は望月麻衣、朝霧カフカ、佐藤真登、綾崎隼です。好きな小説は「満月珈琲店の星詠み」、「文豪ストレイドッグス」、「処刑少女の生きる道」、「死にたがりの君に贈る物語」です。好きなvtuberは叶、甲斐田晴、時雨うい、結城さくなです。好きなアニメは「リコリス・リコイル」、「2.5次元の誘惑」、「Re:ゼロ」、「WIND BRAKER」です。好きなボカロpはkanaria、deco27、サツキ、syudou、奏音69、香椎モイミです。好きなボカロ曲は「レイニースノードロップ」、「マーシャルマキシマイザー」、「ダーリンダンス」、「ガーネットの涙」。好きなボカロは、重音テト、KAITOです。「レイニースノードロップ」と言う曲が好きで、僕のペンネームの由来でもあります。最近プロセカを始めたのですが、皆さんが好きなボカロがあったら是非とも教えていただきたいです。 好きなゲームは「プロセカ」「魔法少女の魔女裁判」です。 それと僕、実は学生です。相互フォローを心がけています。よろしくお願いします。

彗星の司書

「宇宙開発課」の研究室の記録 「博士、これは一体?」 「これは『司書』の日記だ。読みたまえ、きっと研究に役立つだろう。」 「わかりました。」 日記の冒頭を破いたものを抜粋する。 以下は「日記」の内容。 ここは彗星の中。 生命の存在しない場所で、私の生きる世界だ。 たった二行の文章だが、すでに違和感があるかもしれない。 きっと「私」がいるからだろう。それに、私はきっと生命体ではない。 私はずっとこの図書館で書に没している司書。 この日記を誰かが見つけることを前提に記していく。 この星にはかつて生命が築いた文明が存在していた。 私は文明が維持されていた頃から図書館の司書を行なっている。 この日記で、かつての文明について語ろう。

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彗星の司書

生贄として捧げられるまで

私は当然変異によって生まれた「眼皮膚白症」の人間だ。 今、私の胸には儀式用の聖剣が突き刺さっている。私から紅い花が溢れ咲いて、重力に負けて落ちていく。 私に聖剣を振り下ろしたのは、きっと聖剣士だと思う。 『なんて澄み切った目をしているんだろう。』 今死ぬか、少し時間が経ってから死ぬかの違いにいる私の考えることではないかもしれない。でも、そう思わずにはいられない。 この聖剣士の瞳だけを見たなら、今私の玉の緒を断ち切ろうとしていると誰が思うだろうか。 アルビノは生贄になる。私はアルビノである以前に一人の人間だ。 意味もなく手だけを動かして髪に触れる。ああ、しばらく髪の手入れをしていない。 ぼんやりとした脳裏に、走馬灯が霞む。『逃げなさい、シルフィ』 今更思い出しても遅いのに。 私は今、聖堂にいる。 神への生贄として捧げられる身でありながら、生き延びたいと思っている愚かな人間。 私を、私として見てください。

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生贄として捧げられるまで

自己紹介

以前にも書いたのですが、最近復活したので改めて自己紹介をします。 snow dropと申します。 僕は学生で,ちょっと前から小説投稿をしています。 入試勉強の合間に小説を書いています。 最近ハマっているもの ①魔法少女の魔女裁判 推しは氷上メルルです。 ②ボカロ deco*27さんのパラサイトやチェリーポップが好きです。 グッバイ宣言、テトリス、ラプンツェルとかも好きです。 ③小説 綾辻行人のanother,朝霧カフカの文豪ストレイドッグス,長月達平のリゼロなどが好きです。 ④ゲーム メメントモリ、プロセカをやっています。 皆さんは何が好きですか。

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自己紹介

参加させてください。

初めまして, snow dropです。 僕って知名度低いですが、よろしくお願いします。 ボカロ好きな学生です。皆さんってボカロ聴きますか? それと、好きなものは小説とイラスト,歌い手さんとかです。ボーカロイド自体も好きです。 皆さんの好きなものってなんですか。

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聖女

「「聖女様、万歳!」」「「聖女様の加護あれ。」」 民衆の声が聞こえる。私が国の柱であり、信仰の象徴だ。 救わなければいけない人はたくさんいる。 『救わなければいけない人間が多すぎると思わないか?救っても救っても湧いてくる。ああ、愚かしい。』 地の底から響くようで、無機質な声が聞こえた。 「誰です?」 返答はない。だが、あの忌々しくて卑しい気配は間違いない悪魔のものだ。見つけ出し、早急に消さなければ。 「私が救うべきは無垢なる民。悪魔など潰して前に進む。」 『本当に?救われたいのはお前だろう。』 「違う!」 私は誰かを救い、導く存在。信仰の象徴であり、罪の意識を和らげる役目をもつ聖女だ。それ以外の何でもない。私は正義だ。 「聖女様、お時間です。」 「そう、分かりました。」 私は神官に呼ばれて、民の声を直接聞くことができる教会の懺悔室に向かった。 また一人、罪の懺悔に来た。 「私は罪を犯してしまいました。私は1時の感情に支配され、盗みを犯してしまいました。私をお救いください。」 男性の声が隣の部屋から聞こえる。 「お救いいたしましょう。神の名の下に、あなたを罪から解放いたします。」 「ああ、聖女様!」 また一人救うことができた。『お前は何を思っているのか、自分でわかっているのか?』 消えろ、私は神のしもべだ。悪魔は消えろ。私の邪魔をするな。 毎日たくさんの人の声を聞き、救いをもたらす。私は誰かを救い、導くために生まれてきたのだ。 『お前はまだ気づかないのか?』黙れ、私は神の『違う、私はお前だ。』・・・は?何を『私はお前の本心だ。』そんな訳『ないとでも?』 『人々の声に耳を傾けて、ありもしない聖なる力とやらで罪を消す。それは、人を騙すことと何も変わらない。そんなことも考えたことがなかったのか?』聖女に悪魔が囁こうが意味は無い。聖なる存在が悪に心を許す訳がない。 『強情だな。だが、いつまで続くだろうな。』  

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聖女

サイダー

「初めまして、泡波 ソティです。今日、初配信です。ぜひ、見てください。」 さあ、どれぐらい人が見に来るだろうか。 それほど期待していないので、十人来くるぐらいがベストだろう。 『可愛い〜。』 『ウィスパーな声だね。』 『リスナーに媚びるんだったら推さない。』 コメント欄に色んな人が書き込んでいく。 肯定的なコメントだけじゃないけど、傷つくほどじゃない。 インターネットって、危険な人だけじゃないんだ。 「ボクは見習いメイドです。リスナーさんにシュワシュワなサイダーや涼しげなスイーツをお届けできるように頑張ります。」 自分で作った設定を語る。 『配信は何やるの?』 「料理配信とか、雑談配信、それと歌枠配信です。」 『歌枠、早く聴きたい』 『ASMRは?』 「ASMRは、ちょっと…、検討します。」 マジか、ASMRって未成年がやるの、禁止じゃなかったかな。でも、ASMRは出来ないって言うのも失礼だよね。 「今日の予定として、早速、料理配信をしていきます。」 『何作るの?』 速いな、コメント。 「今日はゼリーを作っていきます。」 さて、リスナーの反応はいかがなものかな。 ゼリーはゼラチン、お湯、冷蔵庫、ボウル、ゼリーを入れる器があれば作れる。 「お湯にゼラチンを注ぎ入れて、ゼリーのもとを作ります。」 カシャカシャと、ボウルに入れた湯とゼラチンをかき混ぜる。 コメント欄を横目で見る。 『ちゃんと料理配信だ。』 ちゃんとって何だよ。 『手元配信なら、vtuberやる必要無いのでは?』 それは、言わないお約束。 ボクに厳しいな、リスナー達。 ある程度ゼリーのもとが出来たら容器に入れて冷蔵庫へ。 「ゼリーのもとが固まったらクラッシュします。あと少しで完成です。」   「ゼリーのもとが固まるまでの間、質問に答えていきます。」

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サイダー

衣替え

「桃李に錦織の着物を納めてあるから、出してくれぬか。」 「はい、玉藻様。」 私は玉藻前に仕えている。妖狐の美女の前では、あらゆる装飾品が彼女に屈してしまう。私は気怠げに宙を仰ぐ玉藻様をこっそり見つめてしまった。 いつからだっただろうか、私が玉藻様にお仕えするようになったのは。 『お前、何故妾を助けた?』 狐のように細められた目が、私を見つめる。 私は『貴女にお仕えするべく、内裏より選ばれた使用人でございますので。』とだけ言って玉藻前を内裏に連れて行こうとした。 『内裏かえ。妾を天皇の愛人にでもするつもりかのう。』 『さあ。それは貴女次第では?』 『そうかえ。』 玉藻前はそれだけ言うと黙ってしまった。 あの時から随分経った。私は玉藻様よりずっと歳をとってしまった。ああ、さらに美しさに磨きのかかった玉藻様が陛下の前で琴を奏でたら、きっと絵になることだろう。陛下の寵愛を一身に浴びるあのお方を、私は生涯をかけてお支えする。 私はまだ知る由も無かった。玉藻様が内裏を追われることになるだなんて。

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衣替え

第二章

『何で?』 俺は何もしていない。でも、それと関係なく、教室の中の誰もが俺を嗤っている。 俺の机すら教室の中には無かった。昇降口の靴箱の中にあったのは汚されてハサミで刻まれた、履き物として機能しなくなった靴だったものが入っていた。俺が何をしたって言うんだ。 俺の周りにいるのは、人間の顔をした何か。俺が近くにいる時だけ、人のふりを止める怪物。 『お前、死にたいんだろ。』 俺は跳ね起きた。何の夢を見ていたのか覚えてすらいないが、見ていて気持ちの良いものではなかった。 『寝落ちしていたのか。』 常に倦怠感のある体を無理やり起こして、以前のことを思い出す。あれだけ鮮明だった記憶が、黒と白の二色だけになっている。 学校に行かなくなったのは、“あれ”があった後だな。 少しの間は我慢していたが、結局は無駄だった。俺、何のために学校、行ってたんだろう。 『いや、そんなことはどうでもいい。』 今はとにかく進路について考える。 『友達、作れば良かったな。』 あはっ、友達を作る気もなかった俺が、何を考えているのだろうか。 全く集中できない。 これほどまでに集中力が低下していたのか。単純に、学校に行かなくなったからかもしれない。

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第一章

「お大事に。」 実際に病院に足を運びづらい人が受診するインターネットホスピタルに加入して、俺は働いている。 ♪〜 耳に残る音の目覚ましアラームが鳴る。この音を作った人、絶対性格悪いだろ。 『朝か。』 ベッドから体を起こそうとして、『ダメか、今日も。』頭が痛い。 効いてもいない薬を飲む。ミドドリなんとかという名前があるらしいが、特に何も考えず薬剤を口に投げ込む。 「涼、降りてきなさい。」 『こっちは頭痛に苦しんでるんだ、ふざけるなよ。』 俺は階段を降りながら、悪態を心の中でついた。 「母さん、おはよう。」 「あら、元気そうね、良かったわ。」 『何が元気だね、だ。』 「涼が起きてこられないかもしれないと思っていたのよ。でも、流石ね。」 俺は何も返答せずに朝食を自分の部屋に持ち帰った。 『なぜ親と喋っただけで、こうも疲れるんだろうな。』 俺は朝に一回部屋を出て誰かに「おはよう」を言ったら、すぐに自分の部屋に戻る。 朝食を食べ切ると自分の部屋の前に食器を置いておく。『そのうち親が片付けるだろ。』 俺はパソコンを開いた。とりあえず、自分の持っている教材のワークの解説動画を探す。それっぽいやつを見ながら、遅れているとしか思えない勉強をやる。時計が狂っているから時間の感覚は無いに等しい。しばらくいろんな教科の勉強をする。でも正直、頭が働いていない。 「涼、居るわよね?」 『何しに来た。』 俺は、突然部屋に来た母親に呆れながら扉を開ける。 「突然ごめんね。部屋には入らないから、ここで話を聞いてほしいの。」 「何かな?」 「実は、涼の進路について話がしたいの。」 「へえ。」 『俺の将来、か。正直、どうでもいい。」 「学校は、多分、通信制高校になると思うの。涼の出席日数が足りないから、どうしようもないわ。」 「そっか。分かった。通信制高校に通うよ、俺。」 「いい子ね。じゃあ、そういうことにしましょう。」

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ジューンブライド

六月の花嫁は幸せに生きる、といわれている。 私は今、教会に踏み入るために階段を登っている。 花嫁は今、花婿の手によって、ヴェールから顔が見えかけている。彼女は満ち足りた微笑みを浮かべ、花婿を見つめている。 永遠に幸せが続くと疑わない花嫁に、刻々と死の足音が近づいているというのに。    会場がざわつきだす。声の波が生まれ、招待客の声が教会を取り巻いていく。 「誰だ!」 花婿が花嫁を守るように立ちはだかった。 「これは失礼、ジューンブライドに永遠の愛を得る権利を渡しに参りました。」 「どういう意味だ、それは。」 花婿が眉をひそめる。 「ふふっ、そのままの意味ですよ。」 何処からか悲鳴が上がった。花婿がとっさに後ろを振り返る。そこには真紅のウエディングドレスをまとった花嫁が立っていた。 彼女のウエディングドレスは純白、だったはずだ。最初から真紅だったのかと勘違いするほどに、白いウエディングドレスは見る影もないほどに紅く染まっている。 「お美しい花嫁ですね。」 私を凝視したまま固まっている花婿に一礼し、教会を立ち去った。 「さて、次は」 何処かで一人の暗殺者が、隣に誰かがいても聞こえないほどの声で呟いて、その声はそよ風にかき消された。 ジューンブライドには永遠で、真紅の未来が待っている。

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