ぶんぶぅん〜
20 件の小説女装だなんて気づかない!
夏、今日は物凄く天気が良く暑い でも、こんな日でも私の友達はいつも可愛い 「あー、暑くて溶けちゃいそうだよぉ霧葉ちゃんー」 「う、うんそうだねー、私も溶けちゃうかもー」 霧葉ちゃんは私と違って落ち着いた感じの子なんだけど、冗談言い合ったりと結構話しやすい だけど、体育の授業で着替える時とかも体操着を下に着てきたりしてるし、プールの授業ではいつも見学してるしで何かと不思議に思う所があったりする まぁ、女の子だし知られたくない事とかあるよねー 「…夏目さん、何か考え事でもしてるの?良ければ聞くよー」 「んー、あー大丈夫だよ!てか、さん呼びは前からいいって言ってるじゃんー!」 「そ、そうだっねー、でもちゃん呼びは恥ずかしいからさ…」 「夏目、って呼び捨てで呼んでも良いかな…?」 一瞬、低音の声で呼び捨てにされたと感じてしまった私は何故か心の少しドキドキしていた 「………えっ!やだなぁ、夏目って呼び捨てでも構わないよぉ!むしろゾクっ…じゃなくて親友って感じがして良いね!」 「そう…?じゃあ、夏目ってこれからは呼ぶね…!」 私はなんでドキドキしてるんだろう、もしかして百合に目覚めてしまったのか!?いやいや、それはあかんだろ夏目よ そんな自問自答をしていると後ろから声をかけられる 『うっす、夏目と霧葉』 「ゲッ!出たなぁうちの可愛い霧葉を狙う男!雅也!」 『おいおい、いつも言ってるけど霧葉とは幼馴染なだけで特に恋愛感情は向けてないつーの』 「いつもそんな事言ってー、霧葉は私が貰うんだからね!」 「……な、夏目、それは恥ずかしい、かもしれないなね…あはは」 『はいはい、ご幸せにーって事で霧葉借りてくからー』 「あー!ちょっと待ってぇ!」 『言っとくけど、着いてくんなよー』 そんな感じで二人はスタスタ何処かに行ってしまった…そういえばいつも着いてくんなよって言ってるけど、なんか怪しい… 私は好奇心に身を任せこっそり着いて行った 「ここは…図書室かぁ」 着いたのは図書室、中に入って奥に進んだ時 私の目の前には衝撃的な事実が待っていた 「えっ、霧…葉ちゃん?なの?」 「……ごめんね夏目、実は私……男なんだ」 まさか、霧葉ちゃんが男だったなんて だから、あの時呼び捨てにされてドキドキしてしまったんだろぉ 『あー、まさかこっそり着いてこられてるとは…この際だから霧葉、お前の気持ち伝えとけよ』 「…うんそうだね、夏目!」 「は、ハヒィ!?」 「私さ、夏目の事前からずっと好きだったんだけど、中々面と向かって話すのが恥ずかしくてさ、元々女装コスプレとか好きで女の子としてなら話せるかも!って思った訳なんだよね…どうかな女装とか失望しちゃったかな…」 えっ、霧葉私の事好きだったの てか、女装してまで私と話したかったの どんだけ私の事好きなの!? 「あっ、あっ」 「えっ?夏目…、大丈夫…?」 その日、私の中で何かが目覚めた音がした
口に出ちゃう赤面少女
私には気になる人がいる でも、その人を前にするとつい顔があかくなってしまう だから、まともに話せないとおもってたんだけど、親友の梨恵ちゃんの情報によると 『うーん、ちょっと言いにくいけどねー、実はむーちゃん無意識に声に出ちゃってるんだよ〜』 「えっ!そうだったの!私なんて言ってた!?」 『そーだねー、例えばねー、「あー、田名くんの顔が綺麗過ぎて直視出来なぃよ〜」とか、「田名くんの下半身から上半身、いや体が完成され過ぎてて興奮しちゃうょ〜」とかいってるよ〜?』 「うぇー!?私はなんて事を無意識のうちに言ってしまっているのぉ!そんな事言ってたら田名くんに変態のレッテル貼られちゃうよぉー!」 あー、シニタイー、恥ずかしぬー無意識って怖いー、もうやだぁぁぁ… 「うわぁーん!梨恵ちゃぁぁん!」 『よしよーし泣かないでむーちゃん』 私はあまりの恥ずかしさに梨恵ちゃんの胸に抱きついた ………でかくて温かい………気持ちいい……… 「はっ!気持ち良くなってる場合じゃない!」 トントン 不意に肩を叩かれたので振り向く 「楽しいそうだね、僕も混ぜて欲しいな」 田名くんだ、えっ、田名くんだ 「………あっっ、その、田名、くん、こんにち……」 フシュー 私は赤面する余り体から空気が放出された 「わわ!六木さん大丈夫!?保健室行く!?」 『あらあらー、むーちゃん顔真っ赤だぁ、もう田名くん駄目だよぉ?恋する女の子に不意に触ったりしちゃーね』 「ご、ごめんまさかこんなに驚くとは思わなくて…」 あー、田名くんが私に謝ってくれてるのか… 今日は素晴らしい一日だよ… そう思っていた矢先に無意識に口が動いていた 「田名くぅん…あぁ、少し落ち込むその顔………好きぃ…好きだよぉ…」 「えっ!六木さん急にどうしたの!?あわわ…僕のせいで頭がおかしくなっちゃったのかな、とりあえず何か飲み物買ってくるね!」 田名くんが私の為に飲み物を…ってあれ?なんか田名くんの顔がほんのり赤いような………まさかぁ、気にせいだよね…… 『…田名くんも本当はむーちゃんの事好きだからあーやって向こうから話しかけてくるんだもなぁ、二人とも可愛いなぁ…』
二人は動じない
ピーンポーン 「はーいって、矢恵か…おはよう」 「おはよう、ユウ君、さぁ学校に行こう」 矢恵はそう言うと同時に腕に抱きついてきた ムギュ… 「……矢恵、あんまベタベタくっついて来んなよ、胸が当たってるぞー」 「大丈夫、だって当ててるから、どう?気持ちいいでしょう〜、ふふん!」 「あー、まぁ柔らかくて気持ちいいはー、このまま学校行くのもいいかもなぁ〜」 「ふーん、じゃあこのまま学校いこっかー」 キーンコーンカーンコーン 「ふぅー、何とか四時限終わったー」 「ふふん〜、ユウ君ご飯食べようか」 「おっ、そうだなぁ〜っておーいカイも飯食おうぜー」 『おっけー、じゃあご飯食べましょうかユウと矢恵さん』 こいつはカイで基本この三人で良く飯を食っている訳だが… 「出たなカイ君、私とユウ君の輪に入るもの!ユウ君を寝取ろうとしたって無駄なのよー」 「おい、矢恵」 失礼な事を言う矢恵に一発デコピンを喰らわせてやった 「痛い…けどまだまだ甘いよユウ君」 「ほぉ?甘いか…じゃあもっとキツいのを食らわせてやらぁ……!」 グリグリと矢恵の髪をボサボサにしてやった 『ユ、ユウ?その辺にしとこうよー、矢恵さんは女の子なんだよー!別に僕は気にしてないからさ!そりゃ、ユウの事は友達として好きだけど…』 「…カイがそう言うなら見逃してやるか、矢恵もちょっとは発言に気をつけろよー」 「へーい、ユウ君分かったよ〜、お詫びにぎゅーしてあげるからねー」 ムギュ… 「ちょ、おい!そっちはカイだぞ!」 「えー?ってありゃまじだー、ユウ君以外の男の子にぎゅーしてしまったー…」 『あ、あわわ…柔らかい何かが当たってるよー、恥ずかしいよ矢恵さん!』 カイ、お前は男だろ?どうも女の子らしさがあるんだよなぁこいつは 「矢恵ー、早く離れろって!カイが気持ち良すぎて気絶しちまうぞー」 『ちょちょっとユウ!誤解を生む言い方やめてよー!別に気持ち良く無くもなかったけどさ!』 「わりぃわりぃ、冗談だってカイ」 「………私を置き去りにして男同士でいちゃつかないでー?ユウ君」 「おーそうだな…っていちゃついてないわ」 やや嫉妬?してるかと思ったけど、矢恵は全然表情を変えていなかった。 少しぐらい可愛い所でもあるじゃんと思いたかったり、そこも矢恵の魅力なのかなと俺はそんな事を考えていた 『…ちょっと思ったんだけどさ、ユウと矢恵さんは付き合ってないの?ねぇ、どうなの!』 カイが表情をニコニコしながら質問してきた。 いや、恋バナ好きなのかカイちゃん…もう女の子になっちまえよ… 「ふふん、私とユウ君は付き合うどころかそれ以上の関係にあるんだよ、ね?ユウ君」 「おい、あんまり冗談をペラペラ口にするんじゃありません!カイは純粋無垢な少女なんだから信じちゃうだろぉ?」 『ちょっとユウ!それは聞き捨てならないよ!』 「おぉ、わりぃわりぃ冗談だよー」 「……………まぁ、二人の仲がどれだけ良くても私はただユウ君にムギューしてあげるだけだからさ、それに…」 矢恵は無表情で口にする 「カイ君は男の子、私は女の子、この差はあまりにも大きい壁だから、ユウ君はカイ君にはドキドキ出来ないよ…だから私で…」 矢恵が何やら小さな声で言っているようだが、俺には聞こえない ムギュ… 「おい、何回もくっつくなって言ってるだ…」 その時、俺は矢恵の表情がほんの少し笑っているのを見た なんだ、笑えるじゃんと思いつつ 「…可愛いじゃん…」 「えっ、ユウ君今可愛いって言った?言ったよね?…ユウ君が、デレた」 「う、うるせぇ!大体矢恵もまんざらでもなさそうな顔しやがって!顔で歪んでるぞー」 『本当だー、矢恵さん顔ニコニコしてるよー』 「ちょ、二人して顔近づけないでよ…」 「へっ、あーあ可愛い顔しやがってよー」 「……先にデレたのはユウ君なのを忘れないでね」 『まぁ、確かにユウのほうが先だったもんねー』 「そこは言わんでいいだろ!」
少女漫画脳な俺
ブー、ブー スマホのアラームが部屋に鳴り響く 「うぁー…今何時だって、8時ィ!?やべぇ学校行かなきゃー!」 俺はバタバタと準備をしようとしたその時 「…兄さん、今日はお休みの日ですよ」 「えっ、またまたぁ〜そんな訳…って土曜日かよ!」 「はぁ、相変わらず騒がしい人ですねまったく」 「あはは…朝からすまんなぁ美琴」 この子は妹の美琴、割と冷静でたまにズバッというけどよく出来た妹だと俺は思っている 「あら?兄さん、この漫画は…」 「んー?あー、それは少女漫画だよ」 「少女漫画ですか、兄さんは少女でも無いのになんで持っているのですか?」 あー、昨日夜遅くまで読んだ少女漫画を置きっぱにしてたのは甘かった、だが見られたからには黙ってはいられんよなぁ! 「確かに俺は少女とは程遠いが、別に男だからって見ちゃダメとかは無いだろう〜?何せ、俺はこの少女漫画の知識を糧に彼女を作りたいんだよ!」 「はぁ、兄さんに彼女出来るとは想像をつきませんね、そもそも漫画と現実は全然違うのですよ?女の子の友達も居ない兄さんには叶わない願いですね、まったく」 あのー、美琴さん?そんなボロカスに言わなくても良いのではないですかねー…普通に落ち込むよー? 「…確かに俺は恋愛経験、ましては女性と話すことすらほとんど妹か母さんだけだしなぁ、少女漫画の知識はあっても実践で使えなければ意味はない…どうしたものか」 すると美琴が何やら小声で 「……そ、そんな可哀想な兄さんに私が実践相手になってあげても良いのになぁ〜…ふん」 「しょうがない、母さんに実践してみるか!?」 その発言に美琴は「は?バカなの?アホなの?キモいよ?兄さん」とズカズカと暴言を吐かれているが問題ない、何故ならうちの母は… 「あら〜?二人とも何してるの〜?お母さんも混ぜて欲しいなぁ」 そう、美琴とは違い母さん、琴音さんはほんわかした雰囲気ながらノリが良い女性なのだから! 「母さん!よく来てくれた!妹よ、見とけよ…これが俺の生き様だ!」 ドンっ!と俺は母さんに向かって壁ドンらしきものをしてみせた 「キャッ、もう航くん?そんな急に壁ドンなんかしてきてびっくりしちゃうよ?でーも、強引なのは私ィ、嫌いじゃないよ?はーい、ぎゅーしてあげるね〜」 俺が壁ドンして決め台詞でも言ってやろうと思ったら、まさか母さんに抱きしめられるなんて…しかも柔らかいものが当たってるし、これも悪くないかも… 「母さん…いや、琴音さん。好きだ!俺と付き合ってくれないか?」 「まぁ、航くん!こんな私で良ければ喜んで!これから末永くよろしくね?」 流石は母さん、こんな茶番みたい劇に付き合ってくれるなんて器が広いお方なのだろうか…妹よ、どうだ!俺の少女漫画脳の実力を!? 「…………何家族でいちゃついてるんだか、はぁ馬鹿馬鹿しい、お母さんも何を本気にしちゃってさぁー、ちょっと胸がデカいからってあんまり調子に乗らない方がいいと思うけどなぁ、大体、いつも兄さんの相手してるのは私なのに、何で実践を私じゃなくてお母さんなのか、兄さんは私のものなのに…」 妹が何やら凄いスピードで言葉を発しているが小声のせいであまり上手く聞き取れない 「お、おーい?美琴さんやー?どうだ俺の実力はー」 「………うっさい、兄さんは私だけのものなのに…いつも相手してるのは私なのに…なんでお母さんに浮気してるか…兄さん?覚悟してね?ふふ、ふふふ………」 「えっえっ、何美琴?ちょちょ待ってー!!」 「あらあら〜、美琴ちゃんったら嫉妬心剥き出しになっちゃった感じねぇ〜、私はこれで失礼するね〜?後はよろしくねー、航くん」 「えー!母さん待ってよ!この状況をどうしろとぉーー!」 その後、何やかんやあって妹に色々な初めてを奪われてしまったり?とにかく責められ続けたうちに眠ってしまっていた……… 「………うぁー、今何時だぁ?ってうわ!?」 「んぅー?あっ、兄さん…おはよう?」 「あ、あぁおはよう妹よ、てか何で俺の布団に居るんだ?」 「あれ、私いつの間に…ごめんね兄さんすぐ出るね」 「まぁ別に構わないけど、昨日の夜何があったか思い出せないなぁ…うーん」 「………そっか、まぁでも思い出せないくてもさ……」 また思い出させて一生忘れないようにしてあげるからね?兄さん……
白石さんのお友達
キーンコーンカーンコーン 学校のチャイムが鳴る 聞き慣れた音が聴こえるとクラスメイト達は帰宅の準備をする 「起立ー、礼!さようならー」 先生の号令が終わり、皆んなが帰って行った中僕は、風紀委員の部室に行こうとしたその時 「黒川君ー!」 何やら呼ぶ声が聞こえる方に体を向けると 「君は確か…誰だっけ?」 「えー!あたしだよー!きぃの友達の"秋津ほまれ"だよ!」 あぁ、そういやきぃにこんな友達居たっけかうっかりしてました 「秋津さんか、急にどうしたの?」 「もぉ!前々から言ってるけど、あたしのことはほまれ!で良いから!名前で!」 この子、正直きぃとは違う感じで結構苦手なタイプかもしれない 「ほ、ほまれ…」 はぁ、あんまり名前呼びはしたくないんだけどなぁ… 「それで良いんですよ!それで、今日の放課後時間空いてますか?」 「えっ、まぁそうだなぁ」 別に風紀委員は毎日行くとかそういうのは無くて、割と自由、なのも風紀委員としてどうなのやら… 「うん、僕で良ければ付き合うよ」 「えっ!付き合うって!もぉ!からかわないで下さいよ!」 うん、なんかテンションが変な子だなぁ疲れそうだ 「それで、何をしたいの?」 「あたし、勉強が苦手で…一緒にやってほしい課題があるので、良いですよね!」 「あぁ、課題ね。じゃあ、図書室でも行く?」 「うん!じゃあ行こ?黒川君!」 変な子ではあるけど…悪い子ではなさそうでよかった 「…ジッー」 何やら視線を感じたような気もするけど、まぁとりあえず保留で ーー図書室 「それで、ここはこの公式を使って…」 「ふんふん、なるほど、あっ!出来たぁ!」 「うん、良い感じだね。じゃあ、次はこの問題を…」 「ねぇ、黒川君。あたし飽きちゃったなぁ、休憩しよ?」 「えっ、せっかく問題分かったのにもう休憩?まぁ、時間はあるしゆっくりで良いか…」 飽きるのが早すぎるだろ!と言うのは辞めておこう、うん辞めておこう 「所で…黒川君。あたしこんな物をご用意したんだよ!じゃーん」 「これって、ポッキー?何でまた…」 いかん、何か嫌な予感がする 「何でってー?それはね…こうするためだよ!」 彼女が何やら口にはむッとポッキーを咥える あぁ、この展開って絶対あれじゃん 「…あのー、まさかポッキーゲームしようとか言わないよね?」 「えー!何で分かったんですか!そんなにあたしとしたかったって事ッ!キャ!」 やっぱりか、まぁお約束みたいなものだし ポッキーと言ったらポッキーゲームを連想してしまうあたり、僕もまだまだだなぁ笑 「さぁ、黒川君!もう片方も咥えちゃってよ!さぁ!」 彼女の性格上、やらなきゃ引いてはくれないだろう、まぁすぐ折ってしまえばいいや、たかがポッキーゲーム 「じゃあ、お言葉に甘えて…はむッ」 「キャー!黒川君の顔が目の前だー!やだぁ!でも、あたしはこんな所では止まらないよー!」 マズイ!思った以上にためらいなくボリボリ迫ってくる!早く折らなきゃ… 「…ッ!パキッ!」 あれ、先に折られた…? 「あー、折れちゃったかー残念残念ー……///」 「まさかそっちから折られるとはね、あんな勢いよくきたもんだからびっくりしたよ、あはは」 なんか照れてる?なんて、少し頬を赤めた彼女にそんな言葉をかける事はしないでおこう… また、面倒ことになりそうだしね 「…ポッキーゲームはこの辺にしときますかねー、えへへ…」 さっきまでは活発な元気娘だったのに、一気に萎んだな…まぁ、うるさくなくて良いけどね 「…ジッー」 何やらずっと見られてるようだ、そろそろ気づいたあげた方が良いかな 「そこに誰か隠れてるなら出てきた方が僕としては嬉しいのだけど〜」 ガラガラッ! 扉の開く音がしたと同時にそこには思わぬ人が居た 「えっ、きぃ?」 「…何を…」 「えっ?何を…」 その時、きぃはそこそこの音量で 「何をしてるんですかぁーー!ふーん!」 「ちょっときぃ、落ち着いて!これは別に深い意味とかはなくてだね、ねぇ、ほまれ?」 「そ、そうだよーきぃ、別にただあたしが黒川君とポッキーゲームしたいーって言っただけだから!あっ!あうぅ///」 何を照れているんだ、それでは余計怪しまれてしまうではないか!いや、怪しい事なんてしてないし! 「…ほまれちゃんも満更でもなさそうに照れてるし…こうなったらー…」 何か嫌な予感と同時に、少しドキドキしている僕がいる 「私ともポッキーゲームやるよー!蓬ぃ!覚悟しろぉー!」 「え、えー!勘弁してよー!」 僕はこれ以上騒動が大きくならないようにその場から逃げたのであった… …本当はしたかったなんて言わないお約束 終わり
風撃喧嘩道 第八章
第八章 経験者の模擬戦 経験、それはどんな努力や才能よりも強さに直結するものだと思う そして、この風紀委員会はまだまだ経験が少ない者も多い 私は数多くの修羅場を乗り越えてきた 様々な経験を積んできた そう、これは夜桜灯火の独り言 「ふぅ、紅茶が美味しいわ…」 風紀委員の部室には灯火が一人優雅に紅茶を飲んでいた ガラガラ! 「ふー、遅くなった…って夜桜会長だけかよ!?」 「あら、撃。今日は皆用事があるみたいだから私しか居ないわよ」 「なーんだ、急いで損したぜ」 「ふふ、ところでテストの結果はどうだったのかしら?」 「げげ、ま、まぁそれなりに出来たぜ…数学はギリギリだったけどな…」 「あら、今回は赤点がなかったみたいね。やれば出来るみたいね、撃」 「へいへい、お褒めいただきありがとうございます〜」 撃、この男はオーラという存在を知らないにも関わらずかなり強い力を持っている 縁によれば元ヤンキーのトップなのではという事も聞いているから、それなりに経験もありそうだ でも、この風紀委員会の活動での経験はまだ少ないし、何よりオーラの使い方もまだまだ ここは、一つ挫折を味わってもらった方が後の実践で力になると思う事でしょう 「撃、結構前の話だけど、きぃと模擬戦をしたのを覚えてるかしら?」 「あー、俺が風紀委員に入ってすぐだったな」 「あの時は撃が勝ったけど、実はきぃ、全力ではなかったのよ」 「そうだったのかよ…(あれよりもっと強いって事か…)」 「オーラを最大限に使うきぃは風紀委員の中でもかなり戦闘向きなの、縁や私だって遅れを取るぐらいにはね」 「ふーん、で、わざわざこんな話をしてくれるってことは模擬戦でもするってことか?」 「えぇ、察しが早くて助かるわ」 「やっぱりか…ちなみに相手はまたきぃか?」 「いえ、今回の模擬戦の相手は…私よ」 「…夜桜会長が直々に相手してくれるとはな、この模擬戦受けて立つぜ!」 「威勢があるのは貴方の良い所ね、じゃあ武道場に行きましょうか」 ーー武道場にて 「まさか、夜桜会長が撃と模擬戦をすることになるとは…何か企みでもありそうな」 審判として縁が立ち会う中、模擬戦が始まろうとしている 「さぁ、撃?準備は良いかしら」 「あぁ、俺は準備万端だぜ」 撃は木製のバット、そして灯火は 「夜桜会長は木製の槍…そう、会長は槍一筋、撃には申し訳ないがおそらくは…」 「俺から行くぜ!(まずは様子見…)」 撃は真っ正面から灯火に突撃する 「あら、そんな堂々と来られても困るわ」 撃の突撃を槍の先端で薙ぎ払い、距離を取る 「チッ!やっぱり、真っ正面からは無理か!なら…」 撃はオーラの感じを手に込め、微かながらオーラを手に纏う 「俺だって、オーラについて何もしてこなかった訳じゃねぇぜ!?オラっ!」 撃はバットを力一杯込めた腕で真っ正面に投げる、それも物凄い速さで 「…!?速いわね、でも!」 灯火は槍を捨てる 撃の渾身の一撃を薙ぎ払うでもなく、避けるでもなく、なんと灯火自身の腕で止めに掛かる 「…ふふ、流石に馬鹿力なだけはあるわ…」 「おいおい、嘘っだろ!?」 撃の渾身の拳は灯火の片手で止められてしまったのだ! 「思いもよらない事が起きた時、人の思考は一時的に止まるものよ、」 撃はオーラ込めた拳の力をふと抜いてしまったのを見逃さない灯火は静かに繊細に脇をちょんと 「…!?マジかよ…!」 撃はバタンっ!と床に倒れてしまうと同時に縁が 「そこまで!勝者、夜桜会長!」 そして、この勝負は静かに幕を閉じた ーー保健室にて 「…うっ、ここは保健室か?」 「あぁ、保健室のベットだ」 そこに居たのは灯火…ではなく縁だった 「おぉ、縁か…わりぃな世話かけて」 「いや、気にすることはない撃、何せあの夜桜会長が相手だ。経験の差が違うからな」 「流石風紀委員会の会長さんってだけはあるみたいだな、正直あそこまで完封されるとは思ってもなかったがな…」 「まぁ、それだけあの人が経験してきたことは凄いに違いないのだろうな、私もあまり詳しくは知らないが、一つ言えるとすれば」 「経験を積み重ねてきた者は強い、これは間違いないだろうな」 撃はその言葉に 「俺だって、住んでた地域では名も知れた男だったんだけどな、経験だってそれなりあるとは思ったんだが…やっぱ世界は広いな」 「…前々から気になってはいたんだが、撃、お前は何者なんだ?」 「俺か?俺は…天下統一を目指す漢とでも言っておくか」 「何だそれ、だがお前らしいな」 「へへっ、俺は俺なりに努力して経験して、いつか夜桜会長とも張り合えるぐらい強くなる!よし、良い目標が出来たな!」 「撃、やっぱりお前は…強いな」 負けたからそこで諦める?挫折する?そんなのは俺じゃねぇよな!俺は、強くなっていつか出来る大切なものを守れる、そんな漢になる! 「…所で撃、お前もしここにいるのが私じゃなくて夜桜会長だったらなぁとか思ってたりするか?」 「はぁ!?そ、そんな訳ねぇだろ!別に女の子に看病して貰いたいとか思ってねぇぞ!?」 「そうか、なら何の問題もないな」 縁はやれやれと心の中で思いながら、いつも撃だなと一安心するのでした… 第八章 経験者の模擬戦 終わり
白石さんのいたずら心
季節は冬 ーー風紀委員会の部室にて 今日は珍しくきぃと僕だけな部室なんだけど… 「やっぱこの時期はこたつに限りますねぇ…ヌクヌク」 こたつに入っているのは白石きぃ、いつも元気があってこんな僕にも優しく楽しく話してくれる女の子だ 「そうだねー、この絶滅な温かさが人をダメにしそうだよね」 「だよねぇ〜!これは人を堕落させてしまうなんて悪魔的なこたつなんだって感じだねぇ」 「確かに悪魔的だー、一生抜け出せないね」 悪魔的か、やっぱりきぃは面白い子だと思う こんなに話してて楽しいなんて今まで無かった でも、この気持ちは恋とかではなく友達として楽しんだと思ってる だって僕は恋という感情をよく知らないからね 「蓬さん何か考え事ですか〜?私で良ければ何でも言ってください!」 「うーん、それほどの事ではないけど恋って何だろうなぁと思ってね」 僕は何を言っているのやら 「こ、恋ですか〜……恋ィ!?蓬さん好きな人でも居るんですか!!」 かなり大袈裟なリアクションをとられてしまった 「ごめん、急に変な事言って」 「いえいえ〜、私も恋ってワードに敏感に反応してしまいました…えへへ」 「ふふ、やっぱきぃは面白いね」 僕は何を言っているのやら(二回目) 「ふっふーん!ありがとうございます!」 あぁ、そんな素直に言われてしまっては僕も反応に困るなぁ 「ど、どういたしまして?」 変な反応をしてしまったが、まぁいいや 「面白いって、どんな言葉よりも嬉しいものなんですよ〜!だから、お礼を言うのも当たり前なんですよ!」 なるほど、面白いはどんな言葉よりも嬉しいものなのか、勉強になります 「面白いはどんな言葉よりも嬉しいか……」 「ですです!蓬さんとはまだ長い付き合いではないですけど、これからは蓬さんの面白い所をいっぱい探していきたいですね!」 僕の面白い所か、ちょっとドキドキするかも 「ありがとう、僕ももっときぃの面白い所見つけたいね」 あぁ、こんな時間が一生続けば良いのになぁ…… 「ありゃ、蓬さん寝ちゃいましたね〜」 「zzz……」 「にしても、さっきは急に恋とか言ってきてびっくりしましたよ〜。私を驚かせたからには、仕返しをしてやりたいですね〜?うーん、あっそうだ!!ニヤニヤ」 あれ、僕は寝てしまったのか?流石、悪魔的なこたつと言うべきか…… 「あっ!起きましたね!」 きぃの顔が目の前に?あれ、なんか柔らかい感触が…… 「お、おはよう…って僕寝ちゃったんだね」 「そうです!やっぱりこたつの前では皆無力になるのですよ!ニヤニヤ」 なんでニヤニヤしてるんだろう…って 「もしかして、膝枕されてる!?」 「ふっふーん!今気づいたんですか!遅すぎですよ〜、で何か感想はありますか〜?」 「感想…?柔らかい…って何を言わすの!?」 「いや〜、その反応良いですね!スッゴく面白いです!」 まさか僕がきぃに不覚を取るとは思わなかった…こんなイタズラ聞いてない 「…してやられたね」 「ふっふーん!さっきの仕返しですよ!恋とかなんとか急に言うからです!」 仕返しされてしまったか、けど僕の事も面白いって言ってくれたのはなんか、嬉しいな こんな気持ちもあるんだな… 後、柔らかかったなぁ…… 終わり
風撃喧嘩道 第七章
第七章 縁の心境 ーー縁の自宅にて 「ふぅ、勉強もこれぐらいにして少し休憩するか」 ここの所、風紀委員会の仕事やら活動などであまり勉強が出来ていなかった。今思えば、高校二年の初日に撃と出会い、私は撃を風紀委員会に誘った。撃は結構あっさりと風紀委員に入ってくれたが、全国統一?と言っていたが、あれは何だったのだろか……まぁ、撃の事だからあまり深い意味はないのかもしれないが…… そして、黒川蓬。彼は、会ってまも無く勝負を挑んできた。蓬は同じ銃使い同士興味があるからと言っていたが、本当に興味だけなのだろうか。これから、一緒に活動して行く中で少し探りを入れてみる……いや、彼にも何か大事なものがあるのだろう、辞めておこう。 あの二人が加わり、風紀委員会は今や五人(夜桜会長はたまにしか見ないが)私は、仲間たちとの時間を大事にしたい。そして、数多の困難に立ち向かいたい。 「さて、勉強再開していくか」 --風紀委員の部室にて 「皆、期末テストが近いけど、勉強はしてる?」 蓬がそう言うと縁は 「あぁ、私は今回も大丈夫そうだが、撃ときぃは大丈夫なのか?」 「あー、体育の授業ならめっちゃ頑張れるんだが、勉強はどうにもやる気がなぁ」 「私も撃さんと一緒ですよ〜、中々やる気が出なくて……」 どうやら、撃ときぃはどうにもやる気が出なくて悩んでいるようだ。よし、ここは私が…… 「なら、私の家……は駄目だな。誰かの家で勉強会でもしないか?」 「勉強会?いいですね〜、私は賛成です!」 「勉強会かー、まぁ一人でやるよりやる気は出そうだな!俺も良いぜ!」 「僕もぜひ参加したいけど、何処でやるの?」 皆んながうーんと悩んでいるとここまで優雅に紅茶を飲んでいた灯花が言う 「それなら、私の家でやると良いわ」 皆、少し驚きつつも夜桜会長も良いって言ってるんですしときぃが言うので会長の家に行く事になった --夜桜灯花の家 「な、なんつーか……」 撃を始め、皆が思う 「「「「思ってたより普通の家だ……」」」」 そこに立っていたのは至って普通の一軒家だった 「あら?皆、何をボーッとしてるのかしら、さぁ上がってちょうだい」 --灯花の部屋 「さぁ、皆勉強会を始めましょうか(私の部屋にきぃちゃんがいるなんて……あぁ、なんて幸せすぎるのかしら……)ニヤニヤ」 「そうですね。早速初めて行こうか(会長がニヤニヤしているが、まぁほっとこう)」 「「「はーい!」」」 「夜桜会長〜!ここが分からないんですが教えて下さい!」 「あら、どれどれ……(あぁ、きぃちゃんに頼られてる……!ふ、ふふふ)」 「蓬ー、ここなんだが分かるか?」 「うーんとね、ここはこの公式を使うと解けるからやってみて」 「おー!解けたぜ!ありがとよ蓬ー!」 「どういたしまして」 「(撃ときぃ、順調そうだな。ここは私の出る幕はなさそうだな)」 そして、勉強会は順調に進んでいく中で縁が言う 「それじゃあ、一旦休憩にしようか」 撃ときぃはふぅーとひと段落し、灯花は何やら満足そうな感情が伝わってくるような気が、蓬はちょっと疲れてような気がする 「(蓬は撃に教えるので疲れているようだな、夜桜会長もきぃに教えていたのに全然疲れて居る様子が無い……流石)蓬、大丈夫か?」 「うん、撃は中々教えがいがあってねー、あはは……」 「おうよ!蓬のおかげでだいぶ理解できたぜ!」 「なら良かった、白石君はどうだ?」 「はい!夜桜会長のおかげでバッチリです!」 「ふふ、力になれて良かったわ」 「こっちも良い結果だったようで何よりだ」 あぁ、この勉強会が終わらなければ良いのに、この青春をずっと続けたい。もし、この風紀委員会が普通の委員会ならそれが出来たかもしれないのに…… 「縁は勉強大丈夫なのかー?」 「あぁ、私は頭が良いからな」 「お前そんな事言う奴だったかー?笑」 「縁副会長が珍しいですね!」 「確かに縁らしくないね」 「ふふ、縁も少しは面白い事言えるじゃない」 「よ、よせ皆して、私だってこう言う事を言う事ぐらいあるのさ」 「どうだかなぁー笑」 あぁ、楽しいな。勉強会ってこんなに楽しかったのか……楽しいなんて私には縁のないものだと思っていたが、案外身近にあるものなのだな。 「あっ、そろそろ良い時間ですし、今日はこのぐらいにしておきましょうか」 「そうですね、じゃあ本日の勉強会は終了だ!」 「「「「お疲れ様でした〜!」」」」 撃たちは皆帰る準備をしていると灯火が呼ぶ 「縁。ちょっとだけ用事があるから、皆は先に帰ってて良いわよ」 「おっ、じゃあ帰るかー。蓬、きぃ行こうぜー」 「「はーい」」 「…夜桜会長、何か用件でもあるのですか?」 「えぇ、まぁね」 灯火は少し微笑みながら 「今日の貴方、凄く楽しそうだったから何か心境の変化でもあったのかと思ってね」 「はぁ、そんな事ですか。確かにいつもの私らしくはなかったかもしれませんね、ですが…」 縁は少し照れながら 「風紀委員のメンバーとこうして普通に過ごす事がこんなに嬉しい事なんだなと思いましてね、そして凄く楽しかったのも事実です。あ、あはは……」 「ふふ、貴方でも照れる事なんてあるのね」 「ま、まぁ人間ですからね」 「それもそうね、ふふ」 「(縁がこの調子なら風紀委員も大丈夫そうね、この先どんな困難が待ち受けていても、縁なら、この風紀委員なら乗り越えられる気がするわ……)」 「夜桜会長もやけに嬉しそうですね」 「ふふ、さぁどうでしょうね」 一方、撃逹はというと…… 「あの二人、どうしたんだろうなー」 「これはもしかして!恋かもしれませんよ!」 「な、何ー!あの縁が恋ー!?」 「ふっふーん!恋の予感がしますねー!ワクワク」 「(多分、そんな流れでは無かったような気がするけど、楽しそうだしいっか……)」 こっちもこっちで何やら楽しい雰囲気だった…… 第七章 縁の心境 終わり
風撃喧嘩道 第六章
第六章 銃とちょこっと青春 風紀委員会の部室にてーーー ガラガラッ! 「あっ、夜桜会長!お疲れ様です!」 「えぇ、きぃもミッションお疲れ様」 「あれ?撃さんはともかく、縁副会長が珍しく遅れているんですね〜、どうしたんでしょう」 「あぁ、あの二人なら担任の先生に力仕事任されてるのを見たわよ」 「そうだったんですね!じゃあ、二人が来るまで暇になっちゃいますね……」 「えぇ、そうね。(いいのよ!あの二人なんて、私はきぃちゃんと一緒なら充分過ぎるのよ……)」 会長が何やら変な妄想をしている気もするが…… ガラガラッ! 「失礼します」 「はーい、って貴方は同じクラスの……」 「はい。僕は黒川蓬です、風紀委員会に頼みたい事がありましてね、いいですか?」 「あら、この学校の風紀に関して何か直して欲しい所があるのかしら?」 「いえ、そうではないのですが。実は、ここに凄腕の銃使いが居ると噂がありましてね」 「ふふ、うちの副会長の事ね。あいにく今は居ないのよ」 「そうですか、ではここで待っていても良いですか?邪魔じゃなければ」 「私は大丈夫ですよ〜、夜桜会長は大丈夫ですかー?」 「えぇ、問題ないわ(もぉー!何で私ときぃちゃんの時間に割り込んでくるのよ💢ま、まぁ、きぃちゃんが良いって言ってるから多めに見るけど……)」 「ありがとうございます(この人、顔には出てないけど感情が伝わってくるような……あんまり深く考えないでおこう)」 「にしても、黒川さんは何で縁副会長と会いたいんですかー?」 「僕も銃に関しては少しばかり知識があるもんだから、是非とも話してみたいなと思ってね」 「そうなんですねー、しばらく来ないと思うのでおやつでも食べてゆっくりしましょうか!」 「じゃあ、お言葉に甘えて」 おやつタイムーーー 「わりぃ、先公に捕まっちまったー」 「私も撃に付き合わされた、おや?そこに居るのは?」 「貴方が……おっと失礼。僕は黒川蓬って言います。単刀直入に言いますが、僕と勝負して下さい」 「勝負だと?そんな急に言われても困るのだが、何故勝負したいんだ?」 「それは……貴方も同じ銃使いだから興味がありましてね、なので是非勝負したいなと」 「なるほど、私も銃を使うものとして興味がないと言えば嘘になるな、分かった勝負受けてたとうじゃないか」 「おい、これもしかして俺らお邪魔か?」 「そ、そうですね……一旦黙っておきますか」 「ふふ、まさか勝負が始まるなんてね。何だか楽しみだわ」 「まぁ、会長の気持ちも分かるが……おっ、始まるみてぇだぞ」 「……」 「いざ勝負!!」 縁と突然現れた黒川蓬、彼らの戦いが始まる……と思われたのも束の間 バンっ!バンっ! 二人の銃声がなったと同時に弾と弾が絶妙にぶつかり、二人の横を掠る 「ッ!」 初めの一弾で分かる、お互いの実力はほぼ互角だと 「ふぅ、まさか一弾目からお互いの弾が相殺するとは思わなかったね」 「あぁ、まさかここまで実力が同じとはな」 「ここまで同じだと、この先はしなくても良いかな」 「何となく予想が付くからな、この勝負引き分けって事でいいか?」 「うん、僕はこれで良いよ」 「よし、じゃあ引き分けって事で……」 「うーん、なんかパッとしねぇが本人達が納得してるなら俺は良いけどよー」 「そうですねー、私もそれで構わないですけど、夜桜会長はどうですー?」 「すぐに終わってしまったのは残念だけど、それぐらい実力が同じと言う事ね。……黒川蓬、貴方が良ければ風紀委員会に入らないかしら?」 「僕が風紀委員に?確かに縁さんと同じ委員会なら色々な事が知れそうだし、何より……」 蓬は一人一人に視線を配りこう言う 「ここに居る方は皆、強いオーラを感じる」 「ほぉ、貴方もオーラを知っているのか。なら、詳しい話はしなくても大丈夫だな」 「まぁね、ここに入れば僕もさらに強くなれるだろうし……うん、僕も風紀委員会に入るよ!」 謎多き銃使いの黒川蓬が風紀委員会に入った! 蓬が入って3日後ーーー 「ふぅ、簡単な仕事内容は覚えられましたね」 「蓬さん仕事覚えるの早いですねー!私なんて2週間ぐらいかかりましたよー」 風紀委員の部室には蓬ときぃの二人だけ、当然何も起きないはずも無く…… 「っうしょと、後は子の荷物を上の棚に……ってうわぁ!?」 「えっ!ちょ、きぃさんッ!」 きぃの荷物が落ちてしまった衝撃で、蓬に覆い被る形になってしまった 「……」 「あ、あのー、ちょっとこの態勢は色々とまずいような気がするのは僕だけかな」 「ででですねー!すぐどきますねー!あはは……」 「……」 しばらく沈黙が続くと思ったその時 ガラガラ 「おーい、でかい荷物持ってきたぜー。って、どうしたお前ら?」 「撃さん、い、いえ何でも無いですよー!ね、ねぇ蓬さんっ!」 「そうですよ、撃さん。ただ荷物置こうとしていた所でしたからね」 「それならいいんだけどよー」 撃の登場に動揺するきぃと冷静な蓬、何故こんな展開になったとは、誰も知る事は無かった…… 第六章 銃とちょこっと青春 終わり
風撃喧嘩道 第五章
第五章 斧と拳 撃達一向は何やら楽しい雰囲気で白蟻がいると言う空きビルに潜入してきた訳だが…… 空きビル2階ーー 「撃、白石君。止まってくれ、誰か居る。」 ふと物陰から視線を通すと、下っ端が数人と鉄の斧を持った大柄な男が見える 「ありゃ、厄介な奴がいるな。縁、どうする?」 「そうだな。まずは下っ端から数を減らして行った方が人数有利が取れると思うが、どうだ?」 「私はそれで良いと思います!」 「俺もそれが一番良いと思うぜ!」 「よし、ならばポジションは先程と同じで私がサポートに回る。二人で存分に暴れてくれ。」 「了解!!」 「あー、退屈なこったなぁ!最近、強い奴もいねぇし、お前らじゃ相手にもならんし……」 「ま、まぁ良いじゃ無いですか。こうして何もしなくても金は入ってくるですし……」 「金は良いんだが、俺が白蟻に入ったのは強い奴と戦いたかったからなんだよ!初めにいった白蟻の本部には強そう奴が何人か居たんだけどなぁ、何でこの空きビルを任されたんだか……」 「は、ははは……」 「(よし、今だ!)」 その時、縁の銃声が鳴ると同時に二人が敵の陣に攻める! 下っ端「げげ!何だお前た……グヘェ!?」 バタっ! 「おらおら!全員、ぶっ潰してやるぜ!」 「私の大剣白雪が唸りますよー!やぁぁ!」 二人の攻めで下っ端達が次々と倒れていく! 下っ端「ぐ、グヘェ……す、すまねぇ兄貴……」 「よし、これで下っ端は粗方片付いたようだな。後は……」 「…………」 「こいつ、気配が只者ではないな。気をつけろ、縁、きぃ」 「あぁ、確かに強いオーラを感じるな」 「それにしても黙ってしまいましたが、どうしたん……」 「はぁはっはっはっは!お前らよくもやってくれたなぁ!だが、お前ら強いな?俺の魂がうずうずしてるぜ……?」 「こいつ、戦闘狂か?」 「かもしれないな。」 「ですね!」 「戦闘狂?まぁ、そう捉えてもらっても構わないが、そんなことより今から殴り合いやろうぜー!?オラっ!!」 男が持っている斧を薙ぎ払い、強い風を起こし、あたり一面を吹き飛ばす! 「グッ!?なんて強い風だ!」 「きゃー!飛ばされそう!って飛ぶー!」 縁ときぃが薙ぎ払いの風に耐えきれず下の階に飛ばされる! 「お、おい!縁!きぃ!くそっ!」 「はっはっはっ!流石俺!そして、キングアックス!この武器と俺が合わされば敵なしってわけだ!」 「キングアックスだぁ?そんなもん知るか!ぶっ潰してやるよ!」 撃の渾身の一撃を男に放つ!だが、男はキングアックス片手に一撃を受け流す! 男「はっはっは!そんなものか!お前のバットは!まだまだ甘いな!フンっ!」 受け流されたのも束の間、男のキングアックスに力を込める 撃「な、何だ?もしかしてきぃがやってた武器に力を込めるあれか!させるか!」 「遅い!これで終わりだ!アックスブレイク!うぉぉぉ!?」 男の斧技、アックスブレイクが撃のバットに直撃し、大きなヒビがはいる 男は尽かさず連撃のアックスブレイクで襲いかかる! 「クソっ!バットがボロボロじゃねぇか!これじゃない使い物にならないじゃねか」 「これで本当に終わりだ!アックスブレイク!」 「だが、ここでやられてたまるかぁぁぁ!うぉぉぉ!」 その時!撃の拳にオーラが集中する感じが伝わり、オーラを纏う! 「(な、何だ?この力は……まぁ、良い。今は目の前の奴ぶっ潰せれば!)」 「(何だ?こいつにもオーラが!だが!)俺は動じないぞ!うぉぉぉぉ!」 男の渾身の一撃が撃に直撃!したかと思えた次の瞬間! 「へへ!どうやらは俺は武器を使うより素手でやり合った方が強いようだな!その一撃、見切った!」 バンっ! 「な、何!俺の一撃を止めた!」 撃はその隙を見逃さず、返しの拳が炸裂する! 「この勝負、もらったぁぁぁ!!」 「まさか俺がやられるとは……ぐ、ぐわぁぁぁぁ!!!」 バタっ! 「はぁはぁ、何とか勝てた……ってうおぉ!?」 撃の返しの一撃があまりにも強力過ぎた為か、空きビルの床が崩れ落ちる! 「うわぉぁぁぁ!?」 その時、下から声が聞こえた 「撃!足に力を込めろ!」 「そんなこと言ったってー!クッソ!やるしかねぇかー!うおぉぉぉ!!」 撃は足に全オーラを使い、地面に着地する事に成功したかと思われたが…… 「痛ってぇーー!はぁはぁ、折れるかと思ったぜ……」 「流石に全オーラは込められなかったか、だがだいぶ軽症で済んだようで良かった。」 「良くねぇよ!めっちゃ痛かったんだからな!てか、きぃは無事か!?」 「私なら大丈夫ですよ〜!よっこらっしょっと」 「よ、良かったぜ……しっかし、お前らよく吹っ飛ばされたのに無事だったな」 「まぁ、私達はオーラの使い方には慣れてるからな」 「ふふーん!私達を甘くみてましたね!」 「そういや、そうだったな!とにかく無事で本当に良かったぜ!」 「まぁ、空きビルもほぼ半壊だから実質、勝ちみたいなもんだろう」 「でも、周りに建物が少なくて良かったですねー、もし建物があったら大騒ぎでしたよ!」 縁確かに、周りのことは初めに把握しておくべきだったかもな。次からは気をつけよう」 「そうだな!とりあえず今回は……」 ミッションコンプリートだ! 空きビルから少し離れたら所ーー 「ふふ、あの三人上手くやったみたいね。あそこの斧男はこの辺じゃ面倒存在だったから、倒してくれて助かったわ。あそこまで騒げば警察もいずれ来るだろうし、ひとまずこの辺はしばらく安心に出来たかしらね?ふふ……」 一日後ーー撃の自宅にて 「流石に手が痛てぇな……」 「あら、その手どうしたの?さては、また喧嘩でもしたんじゃないの?アンタって子は……」 「(喧嘩って言っても、ガチの殴り合いだったけどな……まぁ、お袋に言ったら心配するし、言わないでおこう)」 第五章 斧と拳 終わり