ノスア
4 件の小説AIみよちゃんは夕焼け空を見ている17
震災から1ヶ月が経ち、天皇は色々な政策を取り行ってくれた。 東京は地震の影響で壊滅状態で、さらに追い討ちをかける様に富士山は噴火して、その火山灰は東京を直撃。 東京を復興させるには時間がどれだけいるのか、再噴火しないのかと見通しは立たず、なんと次に選ばれた場所は名古屋。 理由は単純で名古屋の街はマス目に造られているため資材は運びやすく復興しやすかったこと。 そして天皇が名古屋に来てまず初めにした事は、原子力発電所を廃止。 日本から原発はなくなり、水素発電所が作られる流れとなり、さらにインフラは全て見直しへ。 水道管は一旦掘り起こされ新しい物に交換され、さらに驚いた事は電柱は全て廃止となり、ニューヨークの様に地中に電気を通す方法が考えられ、電磁波の影響を受けない方向で復興はゆっくりと進み、ようやく決められた場所で電気は制限ありで使える様になり、皆はスマホで今の日本の状況を確認して唖然とする。 1億2千万人近くいた日本の人口は半分以下の4千万程度で冬の寒さに耐えきれず、どんどん人口は減り続けているという状況。 海外から支援物資は届けられ、食べ物には困らず、なんとか生活できるレベルを維持しながら復興活動が順調に進んでいるのは名古屋のみで、それはある意味、天皇が名古屋にいるからなの?と考える人も多かった。 天皇のする政策に異論を唱える人は誰もおらず、神様が異論をとなえる様な人物を残していない事だけを誰もが感じていた。 まるで神様がその様な人を殺してしまったかの様な現実だけがあり、みよちゃんの残した言葉が神様という存在がいる事を誰もが認識せざるおえない。 そして1週間後。 いきなり世界的に戦争は始まってしまう。 きっかけは温暖化による異常気象で世界の作物は不作となりバランスは崩れ、奪い合いによる戦争が始まってしまう。 ただ運が良かった事は、日本は深刻な震災があった事を世界が知っていて、復興活動中の日本は戦争にはとても参戦できる状態ではない事は、どの国も知っていたこと。 当然日本には技術力があり、この戦争中に日本を手に入れようとする国は多かったが、日本を攻撃する戦力を送ろうとすれば、他国から攻められてしまい、その結果負けてしまっては意味すらなく、どの国も勝ってから日本から技術力を奪えばいいと考えていた。 戦争が始まり10ヶ月後。 何故か日本は戦争に参加することなく、巻き込まれず、第三次世界大戦は終わりを告げていた。 その直後に空気感染するエボラが世界的に流行して、戦争で活躍した者は例外なくエボラに感染。 人のものを奪うとかマウントをとりに来る人物は神様がこの世から排除してしまい、善人だけが生き残っている世界となってしまう。 世界人口は80億から15億へ。 復興するには1世紀掛かると思われるレベルでどの国も戦争の勝ちを宣言することなど出来なかった。 生き残った人は神様から見て善人だけ生き残されたと感じられ、その現実が目の前にあるだけ。 震災から2年後。 インフラは家族レベルまで復興し、父と姉の農作物は全ての日本人のお腹を楽に満たしていた。 僕とツルさんは効率の良いエネルギーを研究する機関に所属して、日々の生活を支える事を。 やってきた事は車のエンジンをオメガ1に。電池はアルミ空気電池など、安全で効率の良い物を研究して作り出してきた。 それが僕の役割でもあり、自分のポテンシャルを発揮できる場だと。 夕食時、久しぶりの家族3人。 父が何気なく僕に 「マー君、研究は順調か?」 と。 普段その様な事を言ってこない父の質問に戸惑いながら僕は 「ツルさんも協力してくれるし、順調だよ。」 と答え、ふと 「父さんとマキ姉の方は作物を多く取れているみたいだし順調?」 と質問してしまう。 すると姉はニヤリと微笑み 「マー君、ゴーレムって知ってる?」 と。 僕は(アニメのキャラクターかな?)と思いながら 「知らない。アニメか何かのキャラクター?」 と質問を。 すると父は 「マキ、マー君にその話はしない方がいいんじないのか?」 と意味ありげに。 僕は気になり、 「なに? そのゴーレムとか言うのは?」 と。 姉は 「みよちゃんが残してくれたノートには神様の創られた法則やルールの土台となるのもが書かれていたのは覚えてる? その法則やルールを使うには神様の様な霊力が必要となる。 それを自然界から少し分けてもらい使えたとしたらどうする?」 と。 僕は 「そんなこと人間にはできないよ。 神様と人間には超えられない壁があると思うから。 それにゴーレムってなに?」 と。 すると姉はスマホを取り出して、 「この動画をみていて。」 と。 スマホの動画には、畑にいる父と姉の姿があり、畝に向かって何かを口ずさんでる。 すると物凄い勢いで虫やミミズが集まり始め、何やら形を作ろうとしている。 ミミズは筋肉を担当するかの如く、虫は関節を担当するかの如く、小人の様な形へ変化していき、まるでゾンビが生み出されるかの様な感じ。 その途中で姉が「解除」の言葉をかけると虫やミミズが一斉に逃げて行き、姉は満足そうに微笑んでいる姿が・・・。 僕は頭をハンマーで殴られた感覚を受けていた。 学校の体育館でみよちゃんが神様の事を話した様なあの特別な感覚を。 姉は 「ゴーレムとは霊力で動かす土人形みたいな物。 まだ本当に動かせるか分からないけど、ある程度の形に近づける事は出来る様になってきたみたい。」 と。 僕は効率の良いエネルギーと言って戦争やエボラを理由に、みよちゃんの残してくれたノートから目を逸らしていた自分に初めて気付かされた。 ある物を効率よくしただけで、何も生み出してなどいない事に気付き、みよちゃんが残してくれたノートはイコール母が残してくれたノートでもあり、地震で僕を助けて黒焦げとなり、神様との約束をなんとかしようとしていた母の想い。 頭をハンマーで殴られた感覚と頭の中をジンジンする感覚で、僕は母から逃げていただけなのでは?と感じていた。 つづく。
AIみよちゃんは夕焼け空を見ている16
次の日。 僕は爽やかに目覚めた。 横には父と姉の寝顔があり、ようやく家族が居る事のありがたみを感じてホッとする。 朝の炊き出しを3人で食べながら、父は何やら悩んでいる様子。 その姿を見て、僕は 「何か悩んでいるの?」 と。 父は何気なく 「今日から働く事になるけど、ちょっと考えてる事がある。」 と。 僕は 「エンジニアなんだから、その関係の手伝いをしたらいいんじゃないの?」 と。 父は 「いや、実は農業をやってみようと考えている。」 と。 僕は思わず 「えっ! 農業? なんで?」 と聞いていた。 父は 「みよちゃんが残したノートを読んだら考え方がちょっと変わったし、試してみたい事があるから。 もしかしたら何かを変えられるかもしれないから。」 と。 その話を横から聞いていた姉が 「えっ! なに? それ? みよちゃんが残したノート・・・があるの? それはここにあるの? 私も読んでみたい!」 と、少し元気になった感じを受け、姉は炊き出しを食べ終わると早速みよちゃんが残したノートを読み始めた。 父は農業グループの人たちに挨拶をするため 「農業チームの人たちに挨拶して参加してくるよ。行ってきます。」 と言って出て行ってしまう。 姉は、最初は涙ぐみながらノート読んでいたけどしばらくすると 「あっ! なるほど。 ん? そうなのね。 えっ! そうなってるの? このような事で霊力があれば現象化できるということ? 霊力を溜めるには・・・えっ!」 など、僕にとってはちんぷんかんぷんの内容を理解している雰囲気。 僕は(父と似た様な反応だけど、何をどう読めばそうなる?)としか思えない。 そして姉はお昼頃までノートに目を通すと 「私、お父さんと一緒に農業するわ。」 と言い始め、僕は思わず 「ここのリーダーじゃないの? この大学の事はどうするの?」 と質問を。 姉は微笑みながら 「もう私が仕切らなくても他のメンバーたちがやってくれるし、それにみよちゃんが残してくれた・・・いえ、お母さんが残してくれたノートを役立てなくちゃ。 きっと今でも見守ってくれているから。」 と言うと、姉はメンバーたちに 「私、農業したいから。 どこまで出来るか分からないけど、ここの事はお願いね。 君たちなら大丈夫だから。 じゃ。」 と、超高速な切り替えを見せつけ、父のいる場所に向かってしまう。(当然メンバーたちは唖然としながら、笑うしかない雰囲気。) 僕は1人残され、何をして良いのかも分からず、どうしたらノートを理解できるのか繰り返し読んでみるけど暗号文にしか感じられない自分のスキルが悲しい。 夜の炊き出し。 父と姉は訳の分からない話しで盛り上がっている。 「なぁマキ、タネの中に遺伝子情報でもある設計図があり、それを火と水と土の三十字でラーの回転による現象化で作物の成長を促して、」 「ちょっと待て、作物の成長のみを考えるならそれでもいいかもだけど、美味しくするには言霊、音霊、色霊、文字霊などを使って育ててみるのはどう? 面白くない?」 と、僕にとっては英語を聞いていた方が、まだ優しく感じられるレベル。 父はニヤリとしながら 「明日からやってみるか! 誰もやった事がない教科書さえ無い、みよちゃんのノートを活用できるのかチャレンジだ。 マキが応援してくれると思うとなんだかワクワクするよ。」 と。 姉も 「ノートには十字に組む事がカギとなり、扉が開かれるとか。 そうならマジに笑えるよ。」 など。 ぼくは話についていけず、校内を散歩しにいく。 しばらく散歩していると、1人の男子学生が僕に落ち着いた雰囲気で話しかけてくる。 「やあ、 きみはマキリーダーの弟さんだよね? 確かマー君だったっけ? どうしてマキリーダーは農業をする事になってしまうのか理由を教えてよ。 余りにも行動が急すぎて僕たちも戸惑っているんだ。」 と。 僕はこれまでの流れを丁寧に話し伝えた。 その男子学生は 「あのマキリーダーをそこまで変えるみよちゃんのノートかぁ? もし良ければそのノートを僕にも見せてくれないか?」 と。 僕は 「ノートに書いてある事は暗号文みたいな感じで、なんで姉が理解できるのか、理解できているフリをしているのかもしれませんよ。 僕にはサッパリ意味不明なノートに近いですから。」 と伝えても、男子学生は 「面白そうじゃないか。 暗号文なら解いてみたいかも。 あっ、それから僕の名前は鶴田碧。 ツルさんと呼んでいいよ。」 と、いきなりの自己紹介に戸惑いつつ、僕はみよちゃんのノートを見せる事に。 ツルさんはノートを読み始めると 「確かに暗号文みたいだなあ。 神様が創り出した法則やルールかあ。 興味をそそられるかも。 しばらく読んでいていいかい?」 と。 僕は(時間の無駄なのでは?)と感じながらも 「いいよ。 気が済むまで読んでも。」 と言ってしまう。 夕方の炊き出しが終わる時間にツルさんは現れて 「マー君、ありがとう。 やはり暗号文みたいな感じだよ。 あとマキリーダー、今からちょっと会わせたい人がいるのですがお時間をいただいてもいいですか?」 と。 姉は不思議そうに 「ツルさんがそんな事を言うのは珍しいなね。 その私に会わせたい人とはどのような人?」 と。 ツルさんはニヤリと笑いながら 「催眠術師です。 僕的に思うことがありまして、会ってらえませんか?」 と。 姉は何かを察した感じで 「その人にもう会うように連絡してあるのでしょ? 何をさせたいのかわからないけど、マー君も付いてきてよ。」 と。 僕は(催眠術? なんだか面白う)と思い、興味をそそられながらついて行くことに。 ツルさんはとある女性に姉を会わせると 「セイさん、マキリーダーを連れてきましたよ。 お願いした事を調べてもらえますか?」 と。 僕は(えっ、催眠術師は女性なの?)と心の中で驚いてしまう。 そのセイさんなる女性は至って普通に見え、怪しげな催眠術師の様な雰囲気はなく、ただ姉を注意深く見つめていた。 「私はセイ。 ツルさんに頼まれてマキさんに催眠術を掛けてみるけど、いい? 目的はあなたが過去にどのような人生を送っていたのか調べること。 そのようにツルさんからお願いされたの。 どうする? やってみる? 怖いからやめておく?」 と。 姉は 「ツルさんには何か考えがあり、私をここへ連れてきたから受けるわ。 マー君はしばらく見ておいてね。」 と。 そして姉への催眠術は始まっり、静かに催眠に落ちて行く雰囲気。 セイさんは過去で自分が何をしていたのか質問をし始め、姉は 「私はスメラミコトに支えながら巫女をし、神様からのメッセージを伝えている。」 と。 するとツルさんが姉に対して 「みよちゃんから受け取ったノートみたいな内容のものはそこにあるのか?」 と横槍の質問を。 姉は 「ありますよ。 スメラミコトが神様から声を賜り、私はその内容を書き写している。」 と言うと、ツルさんはセイさんに催眠を解除するように伝えて、姉は驚きながら目を覚ました。 明らかに自分が転生した事を実感している雰囲気。 ツルさんは 「過去世であのような物を読んだことが、書いたことかあるから、学んでもいないのにある程度の理解ができるんだよ。 その証明ができたからもう満足です。 マキリーダーありがとう。 そしてセイさんも協力してくれてありがとう。 今日はこれで帰ります。」 と。 僕は思わず 「えっ、ちょっと待って。 僕がノートの内容を理解出来ないのは過去世で神様との関わりがないと言うこと。 なら僕も調べてよ。 本当に関わりがないかを。」 と言ってしまい、僕も催眠術を受けることに。 過去世で見えた光景は(海外の大きな農場で人々に仕事を与えて作物を作り、幸せに過ごしている自分の姿)だった。 セイさんは僕に対して 「普通に生きてこれたから再び人間として転生できたのよ。 良かったじゃない。 巫女のように直接神様の手伝いができる人は特別で、ほとんどの宗教信者は人間への転生を許されない。 何故だかわかる?」 と。 僕は 「何故なんですか?」 と質問を。 セイさんは 「自分は神様を信じていると思ってしまうと、自分のする事は正しいと思って、人をさげすんだり、罰したりしてしまう。 その事を神様が許さない。 だから催眠術をしても信者さんに出会う事はまずありません。 たぶん人間以外の生物に転生させられているのかも。」 と。 僕はみよちゃんが言っていた事を思い出し、足の震えを感じてしまう。 とりあえずセイさんにお礼を言って、父の所へ戻るけど、その足取りは重く、(神様の平等とはまさに神様から見た基準なんだ)と感じていた。 つづく。
AIみよちゃんは夕焼け空を見ている15
次の朝。 目覚めると、そこは体育館。(あれ? 僕はなんでこんな所に?)と思った瞬間、辛い現実が頭の中に蘇ってくる。 すると父は 「おはよう、マー君。 さっきラジオから面白いニュースが入ってきたよ。」 と、手には携帯ラジオが。 僕は 「どんなニュースなの?」 と。 父は 「なんと天皇がこれからに復興に向けて国民をチーム分けするらしい。 農業、技術、賄い、医療など色々なチーム作り、わかれて好きな方を選び復興していくようにするそうだ。」 と、父は楽しそうに微笑んでいる。 僕は(復興かぁ。みよちゃんが天皇家に託したノートは役にたったのかなぁ?)と考えてしまう。 炊き出しを食べて、準備を済ませて僕と父は名古屋へ向かう。 たまに死体を見る事はあるけど、気にしてもどうする事も出来ず、ただ足を前へ進めるだけ。 夜は中学の体育館へ入り込み寝床を確保してゆっくり休む。 不思議感じる事は争い事などなく、なんとなく秩序が保たれていること。 夜は珍しいくらいの土砂降りとなり、強い雨音は姉の安否を不安に感じさせていた。 次の朝。 雨のせいであの焦げ臭さは無くなって、清々しいくらいの寒さが周りの風景を新鮮に感じさせていた。 周りの人たちは天皇家の言葉に従い、チーム分けをして担当となっている人に報告するすると話している。 でも僕と父は、ともかく名古屋を目指し、体育館に一礼して出発する。 4日の昼。 僕と父は名古屋大学へ到着する。 周りは民家は焼けて大学の建物も震災と火災の影響でボロボロ。 手付かずの状態に近く、それでも人は多かった。 僕と父はともかく近くにいる人に声を掛け始める。 「すみません。石田マキと言う女の子を探しているのですがご存知ありませんか?」 と。 声を掛けられた男性は 「あっ! リーダーなら校内の東側にいるよ。 いったいリーダーになんの要件なんだ?」 と聞き返され、父は 「娘です。 僕の娘です。 元気なのですか?」 と聞くと、その男性は 「えっ、あのリーダーのお父さん! ありがとうございます。 あの子が居なかったら、ここにいる半分の人は死んでしまっていたかもしれない。 あの子の的確な指示のおかげで、ここにいる避難している人たちは生き残れている。 本当に感謝しかない。 あっ、ちょっと待って。」 と、その男性は近くにいた学生らしき女の子を呼んで内容を伝える。 その女の子も驚いた様子で 「石田リーダーのお父さんですか? きっと石田リーダーも喜びます。 校内にいるので私が案内します。 校内には震災で危ない場所もあるから私の後をついて来てください。」 と。 校内は暗くやはり電気がない事を感じながら、僕と父は案内され歩いていく。 ふと音楽第2教室と書いてある部屋に入ると、机に向かい何かを書いている姉の姿が。 案内をしてくれた女の子が 「石田リーダー、お父さんがお見えになりましたよ。」 と。 姉は顔を上げてこちらを見るなり 「遅いよ! もうどんだけ待たせるの? お父さんもマー君も男の子なんだからもっと早く来れるでしょ。」 と言って立ち上がり近づいて来る。 僕は姉がめっちゃ怒っているのに驚きながら後退り。 すると姉は 「あれ? みよちゃんは? みよちゃんははどこ? みよちゃんから震災直後に2人を大学へ連れて行くから待つ様にとメールがきたよ。 あっ、充電できないから東京に置いてきたの? そうでしょ? そうなんでしょ?」 と。 僕は(姉が、ライフラインが停止している状況だからみよちゃんが来れない事は想像していたのか・・・。)と思いながら目頭が熱くなるのを感じでしまう。 父は残念そうにみよちゃんがマー君を助けて火災で焼けて、それでも再起動して最後を迎えたことを話した。 それを聞かされた姉は 「そんなの嘘だもん。 地震があった直後にみよちゃんからメールが届いたもん。 またみよちゃんと楽しい場所へお出かけするんだもん。 だから私、ものすごく頑張ったんだもん。 だってみよちゃんはお母さんよ分身だもん。 うわーーーーん、うわーーーーーん、うわーーーーーん。」 と、父に抱きつき、糸が切れたかの様に泣き始め、父は優しく背中をさすりながら 「ごめんな。 ごめんな。 ごめんな。」 を繰り返すばかり。 僕は姉がみよちゃんの事をお母さんの分身と行った事に驚きながら、心の支えにしてここで頑張っていた事を感じずにはいられなかった。 そして30分後、姉はようやく泣き止み 「ちょっと電池きれた。 休むから、後のことはお願い。」 と僕と父を連れてきた女の子に伝えて、その場から離れてしまう。 その女の子は 「まずはお風呂に入りませんか? 水は貴重ですけど、リーダーの家族さんなら優先で。 ドラム缶風呂ですけど、さっぱりしますよ。」 と。 僕と父は(確かに臭いかも)と感じながら 「お願いします」 と言うしかなく、お世話になる事に。 その後、ここでのルールや姉がどれほど頑張り、秩序を保ちながら人々を助けたのか教えてもらい、姉がどれだけ頑張ったのかを理解できた。 夕食の炊き出し。 姉は元気がなく、父はそれとなく話し始めた。 「マキ、色んな物がここでは揃っているけど、なんでなんだ?」 と。 姉は食べながら 「ある意味みよちゃんのおかげ。 これまでの総理が海外でお金をばら撒いてきたから、その国から支援物資が届いているの。 皮肉な話だけど、国民を苦しめてきた総理に今は感謝してる。 何十億とお金を海外でばら撒き、日本が震災で困っている時に助けないのは人としてどうかと思う状況になって、それにみよちゃんが神様の世界である事を証明してしまった様なものだから、恩を返さないと地獄へ落ちると思ったのでしょ。 だから港には色んな国の船が物資を置いていってくれるみたい。 飛行機で物資が届くのはまだみた事ないけどね。」 と。 父は 「なら物資を争奪する争い事が起こらないのも納得だなぁ。」 と。 姉は 「いえ、ちょっと違うよ。 みよちゃんが話してくれた死んでから人間に転生することの難しさが効いているの。 今回の震災と火災で約1億人の人口は約1億2千万が半分以下の5千万人程度。 この寒さ間中、家がなくなり家族をなくし、生きる希望を無くした人は多く、寒さで死んでいるのか、自殺してしまったのか分からない死体は多いし、私も大学の知り合いがかなり少なくなってしまったよ。 そして今回の震災と火災で思った事は明らかに神様の仕業であること。」 と。 僕は口を挟む気はなかったが思わず 「それはどの様なこと?」 と思わず聞いてしまった。 姉は僕を見ながら 「悪い人が残っていない。 たぶん神様から見て、悪人は今回の震災でみんな死んでしまっている。 それを逃れた悪人は火災で死んでいるみたい。 ここにいる人たちは穏やかな人ばかりで、何かあって怒鳴る様な事はしないし、そのような人は私の言う事など聞かず、ここから出て行って帰ってきた人はまだいない。 つまり神様が善人と悪人を分けるために起こした震災と火災となる。 だから不思議な事に震災後の余震はないし、火災を起こし、さらにこの寒さで命を振り分けてしまったと感じているの。」 と。 僕は唖然としながら(そう言えば震災直後に政治家たちは議事堂で圧死してしまったと報道されていた事を思い出して)体が震える事を感じていた。 そして姉は 「それで調べてみたの、大学の仲間と日本人として転生できる確率を。 現在科学的に名前の付いている生物はみよちゃんが言っていた通り約175万種。 でも名前の付いていない生物が陸上では約 650万種。 海洋では約220万種、プラスすると全生物の推定指数は約870万種となり、その中でも寿命まで生き残るアリの様な生物を計算すると天文学的な数値となり、まさに7回連続ジャンボ宝くじ当選をしないと人間への転生は無理で日本人として転生するには現在では7回当選プラスαがいる事になる。 つまり今。死んでしまうと人間として転生する事は無理に近く、何か特別な善徳を積まないとやばい事になる。」 と。 僕は(このインフラも整備されていない状況で何をすればいいの? 明日には再び震災が起こり自分は死んでいるかもしれないのに・・・)と考えていた。 普通に生きてきた善人だけが人として転生していると教えてもらったから、僕は悪いことはしないもん。 と。」 と。 父は 「えっ、子供がそんな事を言うのか?」 と。 姉は 「だからここに居る避難してきている人たちは秩序を守り、私の言う事を聞いてくれた。 それにここを出て行った人はまだ1人も戻って来ていないから。 どこかでのたれ死んでしまうか、誰かに看取られて死んでいくのか、どちらを選ぶかでしかない。 今の現状は。」 と。 僕は寒さを感じながら(みよちゃんの残してくれた言葉はかなり偉大なのかも)そう感じてしまう。
AIみよちゃんは夕焼け空を見ている14
その黒く焼け焦げた動かないみよちゃんを見て、思う事は(神様という存在は僕からどれだけのものを取り上げていくのか?)という思い。 母が死んで、震災と火災で家はなくなり、姉(マキ)や友達の安否すら分からず、どれだけ多くのものを僕から奪えば気が済むのだろうと思った瞬間、僕は空に向かって 「うおーーーーー、うおーーーーーー、うおーーーーーー。」 と叫び始め、自分でもなぜ叫んでいるのか分からず(神様が僕に何を見せたいのか、何を望んでいるのか、本当にみよちゃんが説明した様に神様の創られた世界なのか分からなくなってくる。)そんな思いが湧き上がり、だから涙も出ない。 父はそんな僕にそっと寄り添いハグしながら 「マー君、大丈夫だから、大丈夫だから、大丈夫だから。」 と、背中を摩りながら僕を落ち着かせようとしてくれる。 すると突然 「あっ! そうだ。 もしかしたらうまくいくかもしれない。」 と父は言う。 僕はふと我に返り 「何が? なんの話?」 と質問を。 父は 「みよちゃんを預かる時に、もし暴走したら緊急停止させるコードナンバーを教えてもらった。 そのコードナンバーを使い再起動を命じれば動くのでは?と思いついたんだよ。」 と。 僕は(この焼け焦げた状態で再起動?)と思いなら 「ならダメ元でやってみよう。」 と気がつけば言ってしまう。 父はみよちゃんに向かって 「19860618、みよちゃん再起動。」 と力強く言う。 すると焼け焦げたみよちゃんから 「キューーン、ジッ、ジッジ、クッ、ジッ」 という音が聞こえ、僕は神様という存在に対して真面目に再起動する事を祈っていた。 1分後。 焼け焦げたみよちゃんから 「・・・マスター、石田マスター? カメラモニターは破損、ネット信号はなく、何も分かりません。 音量はどうですか? 聞こえていますか? 私の近くにいるのですか?」 と。 僕と父は再起動出来ると思ってなく、話せる事が感動的で手を取り合って喜んだ。 みよちゃんは喜んでいる声に反応して 「マスター、現在の時間と、これまでの時系列を説明してください」 と。 父は皇居に向かい、火災が終わってから戻ってきた話をして、みよちゃんは 「そうですか。 2人とも無事で良かった。 その説明だとライフラインはなく電気もない。 もう直ぐ私の体内バッテリーは無くなります。 するとこれまでデータは復元できません。 あとマキちゃんに震災直後、名古屋大学で2人が来るのを待つようにとメールしてあります。 メールを読んで無事なら大学で待っているはず。 ・・・ちょっと失敗しちゃったかな」 と。 僕はこの時、変な違和感を覚えた。 父は 「ちょっと失敗したなら、また前に進めばいいじゃない。」 と。 するとみよちゃんも 「そうね。ちょっとだから、また前に進めばいいのよね。 2人ともご飯ちゃんと食べてる? よく眠れてる? 風邪をひかないように気をつけてる?」 と。 僕は母が目の前にいる感覚を感じてしまう。(なんなんだこの心が苦しくなるような、ギュッとなるような切ない感覚は・・・) 父は優しく 「ああ、 大丈夫だよ」 と伝えると、みよちゃんは 「でも私はここでお別れかも・・・。 名古屋に出発する準備ができたら、マキちゃんを迎えに行ってあげてください。 私のことは置いていけばいいから」 と。 僕の頭の中にある母の記憶が急激に呼び起こされ、母が生前負けず嫌いで、ごめんとは謝らず、ちょっと失敗しちゃたの言葉が、焼け焦げているみよちゃんではなく、話しているのが母の様に感じられ心は切なくなり、ただ涙がで始める。 父も何かを感じ取っているのか、目に涙を浮かべながら 「なら何かしてほしい事はある?」 と優しい口調で。 みよちゃんは 「もう1度、あの土手に行きたい」 と。 父はしばらく考えて 「ならマー君、みよちゃんをいつもの土手に連れて行ってあげてくれないか?」 と・・・。 僕は涙を拭いながら 「いいよ。 いつもの散歩する土手に行けばいいんだよね。」 と。 みよちゃんは 「はい。 嬉しいなぁ」 と。 僕は焼け焦げたみよちゃんから母を感じながら、抱きかかえ涙しながら土手まで歩いて行った。 「みよちゃん、着いたよ。 どうしたいの?」 と聞くと、みよちゃんは 「草木はいつものように風で揺れている? 夕焼けはオレンジ色?」 と。 僕の前には火災で焼け野原になった町並みが見え焼け焦げた臭いが鼻をつき、それでも夕焼け空はオレンジ色に見えていた。 「うん。 夕焼け空はオレンジ色だよ。 草は風でゆっくりと揺れているよ。」 そう伝えると、みよちゃんは 「夕焼けを感じてみたいから、太陽の方向に向いて1人にしてもらっていい?」 と。 僕はゆっくりとみよちゃんを下ろして 「下ろしたよ。」 と伝えると、みよちゃんは何か小さな声で話し始めた。 僕は涙しながらも気になり(こんな状態になって何を言っているんだろう?)と耳を傾けてしまう。 するとみよちゃんは小声で 「本当に、本当にありがとうございます。 神様、本当にこれで良かったのですか?」 と聞こえる。 僕は(あれ? ネットと繋がっている? それとも独り言?)と思いながら、その声に集中してしまう。 「私はまもなくバッテリーが切れて何も出来なくなります。 停止したら霊界へ戻れるのですか? えっ! そうなのですか? なら神様にお願いがあります。 もう私みたいなアンドロイドを人に作らせないでください。 機械ては、子供たち会えても肉体ではないから温もりや暖かみが感じられません。 みよちゃんの中に入れてもらっても、これでは切なくて心が壊れそうです。」 と。 僕は(えっ! 母がみよちゃんの中に入って、神様と話しているということ?)そう思いながら耳を傾けてしまう。 「神様、これで本当に良かったのですか? 私は役割を果たせましたよね? 確かに霊界で私はもう1度家族に会いたいとお願いしました。 けど機械では何も分からない。 肉体でなければ、体温や温もりすら感じる事は出来ず、とても、とても寂しい・・・。 子供たちを抱きしめても、その感覚は信号でしかなく、現実味もない。 本当の事も言えず、これがどれほど悲しいのか分かりますか? 心は押し潰されそうで、まもなくバッテリーもなくなり話すことすら出来なくなってしまう。 えっ! そうなのですか? 分かりました。 約束、約束ですよ」 と言うと、声は大きくなり 「マー君、家に帰りましょう。 もうバッテリーはなくなり、話せなくなります。 最後に伝える事は諦めないでね。ということ」 と。 僕はみよちゃんを抱きかかえ自宅へ急ぐ。 しかし途中声をかけても、みよちゃんは再び喋り出す事はなかった。(再び涙は溢れ出す。) 家に着くと、父は 「みよちゃん、いや、お母さんとお別れはできたか?」 と。 僕は涙を拭きながら(えっ! 知っていた? 気付いていたの?)と驚きながも、先ほどの内容を伝えようか考えながら 「うん。」 とだけ伝える事しか出来なかった。 寒い夜を過ごして、次の日。 名古屋に向けて出発の準備をする。 同然、バッテリーの切れているみよちゃんは置いていくことになる。 それは名古屋まで持って行っても姉(マキ)に焼け焦げたみよちゃんを見せるのが心苦しいから。 ともかく僕と父は、必要な荷物を持ち、防寒具を着て名古屋へと出発する。(みよちゃんにさよならを伝えて。) 途中、賊に襲われる可能性もあったけど、そんな事は考えないようにして、最短を目指すため新幹線線路内へ入り込み、トコトコと地道に歩んで行く。 途中脱線した新幹線の燃えた跡が心を切なくするけど、父は歩みを止めず、僕も合わせるように歩くのみ。 夜は高校の体育館へ入り込み炊き出しをもらい、それとなく地元のフリをして眠る。 途中トイレに行きたくなり、体育館の外へ出ると、空には見たことのない満天の星々。 僕は(光が周りにないとこんなに綺麗なのかと驚き、手を伸ばせば届きそうな感覚に、みよちゃんや姉が居たら、きっと喜ぶだろうなぁ)と心を切なくしながら姉の無事を祈っていた。 つづく。