天草
3 件の小説【仗露】全部お前が悪い!
そして仗助は迷わず髪のセットの為に洗面所へと歩いていった。 そ の 大きな後ろ姿はまるで美しく芸術を感じられた。 さて。男に二言はない。と言うことで弁当を作っていこうと思う。 彼奴はどのくらい食べるのだろうか。ま、彼奴のお袋さんの分も作ろうか。おせちを入れるような大きめの4段重ねの弁当箱を手に取ればエプロンを付ける。 今日は何を作ろうか、栄養バランスも考え作るとするか。 僕 は すぐさま冷蔵庫を開け材料を取り出す。卵 2個 , 豚バラを数枚 , 砂糖 , 醤油 , 出汁 , その他色々なもの。 さて、必要なものは全て揃った。 って … なんてことだ! も う 10時だと …?! 仗助 !!お前の所為だ! 僕はそう腹の底で叫んでやった 『 うわっ、もうこんな時間かよ ッ ?! 露伴 ! 弁当 は 後で 持ってきてくれ! 』 『 っ さ い な … わ ァ っ て る よ 』 僕はそう適当に返した。 仗助は慌てて着替え走って行った。 僕はその時迄気づきやしなかった。 弁当を作り数十分後 の 事 だ。 『 出来た っ … !流石僕だな…完璧だ 』 僕はそう一人で言った。 自分で言うのもアレなんだが見てくれよ この素晴らしい弁当を。 そして最後の仕上げ , 海苔アート 僕 は 慎重 に 作り上げた。 『 これでもっといい感じになったな 』 ふふん、と誇らしげに笑えば袋に包み箸を数本入れた。仗助 の 野郎 , 今頃女共にちやほやされているんだろうな。と僕は考えては心がズキ、と傷んだ。 作った弁当を見詰めては思い出す。 仗助の野郎 … 僕に弁当を作らせては放ったらかし持って行かせようって…くそっ!完全に嵌められた! 僕 は 机に拳をぶつけ叩きまくった。 ま ァ しょうがない。こんな格好だとおかしいな,着替えていくか 弁当を持っていくだけであるのに何故か…彼奴の前では少しかっこよく居たい と 僕は思った。 何故だろうな , 彼奴なんか嫌いなのに…分からない…が他の人に冷たい目で見られたりしては嫌だな。僕はそう思いすぐさま着替えた。そのまた数十分後 , 車の鍵を持っては弁当を片手に , 外へ出た。 車の鍵を閉めれば車へと乗り込む 『 彼奴の学校はあっちの方だな 』 記憶は曖昧だが学校の場所は覚えている 僕は急ぎめに車を出し進めた。 数時間後 , 車 から降りては学校の門へとはいる。 『 お客様 は この高校のどの子の関係人でしょうか … 』 ( 凄くかっこいいな。何処かのモデルさんなのかな…?連絡先交換したいな…この人の関係人が羨ましい ) 彼奴 , 気配でバレバレだ。僕はそう分かっていても気にせず口を開いた。 『 東方仗助 の 関係者だ 』 『 東方くんとどのような御関係で…? 家族…?知り合い … ? 』 『 …… こ … こ い び … 。 … し っ、知り合いだ!!! 』 僕は慌てて言い直した。 顔を真っ赤に染めれば口をきゅっ、と閉じた,受付人の者は笑顔になっては納得した様子であった。 ( なにこれ仕事の御褒美? )と彼女は考えていたらしい。 ( 仗助の野郎…何処だ…? ) 人混みの中僕は前へと進み仗助がどの様子かを見に行こうとした … ごわごわと前から人が押し寄せてくる。 ( やばい…倒れるっ! ) くらっ、と後ろに倒れそうになった時だった トスン。と誰かの胸元に僕は倒れ込んだ。 『 ろっ…ろ は っ?! 違…せ、先生?!いきなり大丈夫っスか!? 』 慌てる聞き覚えのある声。ふと顔を上げては、そう…僕の恋人、東方仗助であった。 ぽかん。とした表情を浮かべては 『 仗助 …? 』と尋ねた。 『 そうッスよ 』その一言に顔を真っ赤に染め頭から蒸気が出た。 僕はすぐさま離れ 『 お前っ…あれには参加しないのか?! 』と慌てながら尋ねる。 帰ってきた言葉は 『 あー … そうッスね…俺、つぎの借り物競争に出るっス 』 と頬を掻きながら喋る彼が居た。 借り物競争…な ぁ。どうせ そこらの奴をホイホイ拾って走るんだろな、と僕は適当に考えていた。 『 頑張れよ 』その一言を言えば離れ違う場所へ。 【 次の種目ぶどうヶ丘高校の大目玉! 借り物競争 っです! 】 ワーっと一気に声が上がる。僕は周りをチラチラとみては騒がしいと感じた。 『 あら?貴方は…露伴先生 』 声を掛けて来たのは仗助のお袋さんであった 『 嗚呼 … 仗助のお袋さんですか。 どうも、いつもお世話になってます 』 と微笑んでは話す。 『 いえいえ、こちらこそですよ 』と 話していては突然とピストルの合図が鳴り響いた。 僕はその中心へと目を向けては仗助を 探す。 …居ない、アンカーか。 僕はそう予想を立てた…が。 面白いな , 他のランナーも見ておこうと僕はスマホのカメラを構え写真を撮り始めた。 いつの間にかランナーの方はアンカーへと回っていた、 『 じょ っ … すけ! 』 僕はパッ、と表情を明るくし仗助を見つけた。 4人のうち1人目は違う組の奴であった。 するとその1人目が紙を引いては僕の方へと走ってきた 『 あの っ … 良ければ ! 』 手を差し出す彼を見ては 『 …どのような内容なんだ? 』 と僕は尋ねる。すると彼は 『 美人…です。 』と 小声で述べた、 ふーん。成程な、ま。悪くないかなと僕は感じ行こうとした時であった 『 あっれー? それ 俺が選ぼうとしてたんだけど〜…? 』と低い声で述べる仗助が目の前に居た 『 ひっ、す…すみませんっ! 』と 彼は逃げていった。 『 仗助 … あまり人を怖がらすんじゃあないぞ 』と僕は不機嫌になりつつも述べる 『 んな事いいじゃないですか! まぁほら!行くッスよ! 』 僕の手をいきなり掴んでは僕は口を開いた 『 行かないよ!君となんか! 』と 言っては仗助はイライラとしている様子であった 『 あ"ー もう!ごたごた言わないでください! 』 ひょい、と僕を軽々と仗助は持ち上げる。そうすれと此奴は凄いスピードで走り出した。数秒の内にゴールへ着いていた、 『 い、一体どんな内容だったんだよ! 』 僕は気になり去ろうとする相手に呼び掛けた 『 んー …うるさい人 』 と笑いながら言う仗助、かっ、となっては 『 最低だな! 』と笑い指を差す。 紙の内容を見る生徒。その生徒が受け取った紙にはこう描かれていた。 『 自分よりも大切な人 』
【仗露】全部お前が悪い!
ちゅんちゅん― 朝の雛の声と共に目が覚める (腰が痛い…) 昨日の夜は何があったのか。僕は記憶が薄れ何も思い出せない、でも一つ覚えていることがある…それは― この東方仗助とやらと素股をしたことだ!なんてことだ。この僕がこんな大嫌いなヤツと素股をすることになるなんて思いもよらなかった…。くしゃくしゃになった髪を掻きあげればベッドから下りる (ギシ…)と立ち上がると同時にベッドが音を鳴らす。嗚呼、眠い。こんな時は目を覚ますような暖かな陽の光を浴びようじゃぁないか。陽の光を抑え込むカーテンを手で掴めばシャッと音を立てカーテンを開く。それと共に陽の光が部屋全体に広がる。するとベッドの方から誰かの声が聞こえる 「んー…なんスか…」小さな呻き声と共に聞こえる聞き覚えのある声。 「だ、誰だ…!」 警戒し続ける僕。僕の目に映るのは紺色の髪に体格の大きく空色の瞳がぱちりと自分の瞳と合う。 「誰って、露伴の大好きなじょーすけ君ですよー」衝撃な言葉が僕の耳に聞こえた。なんということだ、此奴が昨日僕を抱いたあの仗助の野郎か…?わからない、彼は本当の事を言っているのか?不安の気持ちが混み上げれば覚悟を決める。 ヘブンズ・ドアー 掛け声と共に自らの幽波紋が彼に触れる、陽の光を弾き飛ばすような光が飛び散る。パラパラと彼の顔が本へと変わるベッドへと飛び乗れば中心部分で開くのを止ませ読む。そこに描かれていた言葉は… 昨日、露伴を抱いた。 弱々しくエロい声を上げて喘いでた。 昨日の露伴、とろとろで可愛かった 「なんて生々しいんだ…」 背筋がぞっ、とした。昨日のことは夢じゃなかった…!なんて酷いんだ… パタン―。本を閉じれば相手の意識を戻す「露伴…!いきなり俺を本にしてまで何してたんっスよ!」ガバッと後ろから抱き締められては僕は反射神経、いやこれは本音でもあろう。拳を相手の顔にぶつけては殴る フー、フー。困惑と恐怖。そして昨日の記憶が湧き上がり顔を真っ赤に染める 「いっ…てぇよ露伴!いきなりなんスか!」「うるさいスカタン!」恥ずかしさのあまり口調が荒っぽくなっては震える。勢いと共に腰がカクッと抜けその場にヘタレ込む、 なんだこの腰の重みは…。床に手を置いて息が荒くなる。 「あー…昨日少し激しくしすぎましたかね?」とぼけやがって。何が激しくしすぎましたかね、だよ。僕の体を…こんな…こんな可笑しくしやがって…!僕は悔しさと共にギロリと仗助を睨んだ。この僕がこんな奴なんかに犯されて、ぐちゃぐちゃして。許せない。でも…心の中からの怒りは薄く仗助に怒鳴り散らせなかった。 「ろはぁん。今日さぁ体育祭あるんだけどさ、応援しに来てくれない?あと弁当作って欲しいな」色々な事をぺらぺらと僕に押し付けるなんて奴だ。僕はこんな奴の為にこんな事したくない。でも、何処かで可哀想な気持ちがある故にしょうがなく頷いた。しょうがないな、その一言を言えばゆっくりと立ち上がろうと。その時仗助の野郎が僕に手を差し出し「立てるっスか…?」と優しげな声で尋ねる。やっぱり優しいな、と思えば手を握り立ち上がる、正直僕はこんな助けられたくない、人間関係が苦手なのだから。 それにこんなに自分に優しくする仗助が僕は嫌いだ、情けない。自分を侮辱されているように感じては悔しい気持ちが腹の底で眠る 嗚呼 , 何故だろうか。 こんな奴に優しくされるなんて僕は…僕は…なんて不幸な奴なんだろうか。 仗助。僕は君を許しはしない−。