TsuNa銀

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TsuNa銀

おじさんです。猫3匹飼っています。私の文章に貴重なお時間を使っていただきありがとうございます。ついでに誤字、脱字のご指摘と共に感想なんかもいただけたら嬉しくて逆立ちしそうになりそうになります。

ネウシトラケ 其のニ

ウサギの世話を楽しそうにしている卯月さん。 昼休みが終わるギリギリまでウサギを撫でていたらしい。 午後の授業を終えて帰宅の時間だ。 高野は部活に向かった。 帰宅部の俺は辰巳と卯月に「バイバイ」と言ったあと別方向に散った。 そして彼らが角を曲がったのを確認して踵を返した。 二人とも何かを話しながら並んで帰っているのを遠くで見守る俺。 「卯月、やったな。」 「やっちまったな。」 「あれほど気をつけろって言ったのに。」 「だってペットがウサギだって言われてなかったもん。」 「ただでさえウサギの血が濃いんだから……。」 「なんだよぉぅ……。自分だって冬動けなくなるくせに。」 「俺は防寒対策万全にして動くからな。」 「ホント目立たない能力だよねー。良いんだか悪いんだか……。」 なんの話をしている? 聞こえない。 「ねぇ?たぶん小林近くにいるかも。」 「は?さっき逆方向に帰ったろ?」 「だってこれ小林の足音。」 「卯月が言うなら間違いないか……。あの角曲がったら全力な。」 「おけ。誰にも見られんなよ。」 「どの口が言ってんだよ。」 あ、角曲がった。 俺は早足で同じ道を辿る。 が、曲がった角の先に二人はいなかった。 見失った。 が、俺は昔から勘がいい。 なんとなくで歩いていると以前工事現場だった広い敷地の側にいた。 しばらくこっちの方面にはには来ていなかったが、元工事現場は現立派な屋敷に変わっていた。 それこそ由緒のありそうな風格のある純和風の建物だ。 表札には【子艮】の文字。 さすが俺。昔から探し物は得意だ。 さて、どうするか。場所は特定出来たから今日のところは帰ろうか。 迷っていると上品そうなお姉さんに背後から声をかけられた。 「こんにちは。ワタクシの家に何か御用?もしかして辰巳のお友達かしら?」 「はぅあ!はい!」 あ、やば。つい。 「あらあら、もうお友達が出来たのね。あの子。ちょっと待っててくださいね。今呼んできますわ。」 「あー、お姉……行っちゃった。」 すぐさま辰巳が出てきた。 「小林?なんで?」 「あー、うん、なんか……そのー。」 はい、詰んだ。 付けてたのバレたら幻滅されるかな。 でも嘘もつきようがないし……。 よし!自首しよう。 「ごめん!辰巳!お前らのことが気になって後を付けた!ごめん!」 しばらく止まる辰巳。 「あがってけよ。お茶くらい出せるから。」 意外な言葉が返ってきた。 なんて懐の深い男、辰巳。 しかし、この日を境にネウシトラケに深く関わりを持つことになってしまったりしまわなかったりするのか?俺? とりあえず今の目標は後を付けてたことを許してもらうことだ。 誠心誠意謝罪しよう。

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ネウシトラケ 

先生が教室に入ってくるなり黒板に文字を書き出した。 『子艮辰巳』 コ……? ……ラか?  リョウ……どっち? タツミ……? 男子生徒が入ってきた。 「はい、みんなー転校生ー。」 「初めまして。ネウシトラタツミです。」 転校生が来た。 ネウシトラ? …… 干支じゃん! っていうかあの字「ウシトラ」って読むのかよ! 珍し! 「席は小林の隣。はい、授業始めるよー」 おぉ、干支の約半分が俺の隣に……。 「よろしくお願いします。」 「あぁ、うん。よろしく。教科書ある?」 「うん、昨日なんか貰った。」 「そっか。」 なんか、なんでだろう? コイツどこかで会ってた気がする。 ➖昼休み➖ 「子艮って変な名前だね。」 「おい、失礼だろ、やめろよ。」 授業の合間の休憩時間で少しずつ話しかけ、ちょっとだけ打ち解け始めた気がしたのに、ウチの高野が不躾すぎる。 「いいよ。事実だし、よく言われる。」 「ほら、認めたからいいんだよ。」 「高野ホントお前は……。ごめんな。子艮くん。」 「タツミでいいよ。」 「嫌だ。タツまない。ネウシトりたい。」 「高野。人の名前を活用するな。」 「小林。正論を言うな。でも、惜しいな。」 「何が?」 「あと一つ干支入ってればちょうど六個で半分なのに。」 「イジるなって。」 俺もちょっと思ったけど。 「イノシシ入れようぜ。」 「入るところ無ぇよ!ホントお前無神経すぎるって!」 高野は思ったことをすぐ言う。 「ははっ。大丈夫だよ。慣れてるから。っていうか二人とも仲良いんだね。いつから……」 「辰巳いるー?」 三人で談笑していると知らない女子が乱暴にドアを開けて入ってきた。かわいい。 「卯月?どした?」 「なんか飼育員任されたから手伝え。」 「あぁ、うん。いいよ。小林。高野。これ姉ちゃん。ウヅキ。」 「よろしく。辰巳と仲良くしたげて。」 「ぃよろしくお願いしまっす。タツミの親友の高野っス!(おい!小林!小さくてかわいくて大きいぞ!)」 分かりやすくテンションが上がる高野。親友になるのが早すぎる。 「よろしくお願いします。」 卯月さんの胸元に目が行かないように俺は普通を装う。 「はいはーい。で、飼育小屋ってどこ?」 「体育館の裏です。案内しますね。」 「案内得意っス。任せてください。」 高野よ。案内得意ってなんだ? 「アタシ案内されるの得意だ。気が合いそうだな高野。」 卯月さんが高野の背中をバンバン叩きながら言う。 高野は嬉しそうだ。 ってか、お姉さん?そっち側ですか? 飼育小屋に向かう途中に子艮家の話になった。 「ホント珍しい名前だよな。ネウシトラ。」 「高野、あんまり言うなって。」 「実は結構由緒ある家系でさ、俺の『辰巳』っていう名前も特別なんだよね。」 「特別とは?」 なんだ?由緒ある家系で特別な名前ってなんかカッコいい匂いがするぞ。 「なんか、代々『辰巳』っていう名前が受け継がれてるらしくてさ。ひいおじいちゃんも『辰巳』だったんだって。」 「へー!なにそれ!」 「で、ひいおじいちゃん、つまり『辰巳』が亡くなってから次に産まれた子供が『辰巳』を受け継ぐ。」 「あと一年ひいじいちゃんが亡くなってればアタシが『辰巳』だったんだよー。」 「え?女の子でも……まぁ、そうかありえるか。」 「なんだよ!それ!すごい由緒っぽい感じのヤツだな!」 高野のテンションと語彙力が反比例している。 「あ、あそこの小さな小屋です。」 「あー、ウサギー。」 卯月さん早っ! ウサギを見た途端卯月さんがダッシュした。 なんか今スゲー早かったぞ? 「卯月!」 「あ、やべ。」 「う、卯月さん、足早くないスか?」 高野ナイス! 「あー、うん、えーと、ちょっと陸上……中学の……。ね?辰巳。」 「そうそう!な!なんかの大会で二位?とか?な?卯月。」 「あの早さで二位?」 「う、うん。」 何かを誤魔化そうとしているな? 冷静な感じがする辰巳が焦っているのも怪しい。 まぁ、あまり深掘りするのも良くないか。今日のところは誤魔化されてあげよう。 「そうなんですね。きっとたくさん練習したんですね。」 あからさまに「ホッ」とした二人の表情を見て俺は帰り道にこの二人をストーキングしようと誓った。

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ネウシトラケ

先生が教室に入ってくるなり黒板に文字を書き出した。 『子艮辰巳』 コ……? ……ラか?  リョウ……どっち? タツミ……? 男子生徒が入ってきた。 「はい、みんなー転校生ー。」 「初めまして。ネウシトラタツミです。」 転校生が来た。 ネウシトラ? …… 干支じゃん! っていうかあの字「ウシトラ」って読むのかよ! 珍し! 「席は小林の隣。はい、授業始めるよー」 おぉ、干支の約半分が俺の隣に……。 「よろしくお願いします。」 「あぁ、うん。よろしく。教科書ある?」 「うん、昨日なんか貰った。」 「そっか。」 なんか、なんでだろう? コイツどこかで会ってた気がする。 ➖昼休み➖ 「子艮って変な名前だね。」 「おい、失礼だろ、やめろよ。」 授業の合間の休憩時間で少しずつ話しかけ、ちょっとだけ打ち解け始めた気がしたのに、ウチの高野が不躾すぎる。 「いいよ。事実だし、よく言われる。」 「ほら、認めたからいいんだよ。」 「高野ホントお前は……。ごめんな。子艮くん。」 「タツミでいいよ。」 「嫌だ。タツまない。ネウシトりたい。」 「高野。人の名前を活用するな。」 「小林。正論を言うな。でも、惜しいな。」 「何が?」 「あと一つ干支入ってればちょうど六個で半分なのに。」 「イジるなって。」 俺もちょっと思ったけど。 「イノシシ入れようぜ。」 「入るところ無ぇよ!ホントお前無神経すぎるって!」 高野は思ったことをすぐ言う。 「ははっ。大丈夫だよ。慣れてるから。っていうか二人とも仲良いんだね。いつから……」 「辰巳いるー?」 三人で談笑していると知らない女子が乱暴にドアを開けて入ってきた。かわいい。 「卯月?どした?」 「なんか飼育員任されたから手伝え。」 「あぁ、うん。いいよ。小林。高野。これ姉ちゃん。ウヅキ。」 「よろしく。辰巳と仲良くしたげて。」 「ぃよろしくお願いしまっす。タツミの親友の高野っス!(おい!小林!小さくてかわいくて大きいぞ!)」 分かりやすくテンションが上がる高野。親友になるのが早すぎる。 「よろしくお願いします。」 卯月さんの胸元に目が行かないように俺は普通を装う。 「はいはーい。で、飼育小屋ってどこ?」 「体育館の裏です。案内しますね。」 「案内得意っス。任せてください。」 高野よ。案内得意ってなんだ? 「アタシ案内されるの得意だ。気が合いそうだな高野。」 卯月さんが高野の背中をバンバン叩きながら言う。 高野は嬉しそうだ。 ってか、お姉さん?そっち側ですか? 飼育小屋に向かう途中に子艮家の話になった。 「ホント珍しい苗字だよな。ネウシトラ。」 「高野、あんまり言うなって。」 「実は結構由緒ある家系でさ、俺の『辰巳』っていう名前も特別なんだよね。」 「特別とは?」 なんだ?由緒ある家系で特別な名前ってなんかカッコいい匂いがするぞ。 「なんか、代々『辰巳』っていう名前が受け継がれてるらしくてさ。ひいおじいちゃんも『辰巳』だったんだって。」 「へー!なにそれ!」 「で、ひいおじいちゃん、つまり『辰巳』が亡くなってから次に産まれた子供が『辰巳』を受け継ぐ。」 「あと一年ひいじいちゃんが亡くなってればアタシが『辰巳』だったんだよー。」 「え?女の子でも……まぁ、そうかありえるか。」 「なんだよ!それ!すごい由緒っぽい感じのヤツだな!」 高野のテンションと語彙力が反比例している。 「あ、あそこの小さな小屋です。」 「あー、ウサギー。」 卯月さん早っ! ウサギを見た途端卯月さんがダッシュした。 なんか今スゲー早かったぞ? 「卯月!」 「あ、やべ。」 「う、卯月さん、足早くないスか?」 高野ナイス! 「あー、うん、えーと、ちょっと陸上……中学の……。ね?辰巳。」 「そうそう!な!なんかの大会で二位?とか?な?卯月。」 「あの早さで二位?」 「う、うん。」 何かを誤魔化そうとしているな? 冷静な感じがする辰巳が焦っているのも怪しい。 まぁ、あまり深掘りするのも良くないか。今日のところは誤魔化されてあげよう。 「そうなんですね。きっとたくさん練習したんですね。」 あからさまに「ホッ」とした二人の表情を見て俺は帰り道にこの二人をストーキングしようと誓った。 【生生世世】 しょうじょうせぜ いつまでも。永遠に。 仏教の言葉で、生と死を繰り返して数多くの世を経験するという意味から。 【辰巳風水】たつみふうすい 辰巳(東南)から吹く風。転じて良い風や好機の到来を指す。 【兎起鶻落】ときこつらく 動きが非常に素早いこと。

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『今は』と『だけど』

はいどーも。こんばんは 時間によってはおはよーございまーす。 若しくはこんにちはー。 今日もまたウゼェ独り言を言いにきましたよ。と。 あー。先に言っておきますがこの口調はワザと軽い感じにしてあります。 いつものように「私は〜」とか「〜である」とか抜き。 なんか堅苦しい感じの文章は入ってこない人もいるんじゃないかなーって。 そう思って。 で、まぁ本題なんだけどー。 また自己嫌悪的日記やエッセイが目に付いたので、今日は俺が聞きかじったり読みかじったりしたり考えかじったりしたことを自分なりにかじり砕いた言葉でお伝えしたいとー、えー、思います。 さて、じゃあ改めて『自己嫌悪』について。 上手くいかない自分が嫌い。 上手く出来ない自分が嫌い。 やろうとしない自分が嫌い。 日々ただ怠惰に過ごしてしまう自分が嫌い。 ねー。 こんなところでしょうか? 俺も今日ある資格の試験受けてきてね? たぶん一番書いてはいけない答えを書いてきたんですね。 図面に書き込む試験なんですがー、簡単に言うとたぶん求められてることを満たさない図面に仕上げてしまったんですよね。 結構勉強して、安くない受験料払って、たぶんもうほぼ落ちるのが確定してしまっているんです。笑 いや、笑えねー。 そんな自分が今はもうホント嫌。 あー!もう!なんであんな図面を書いてしまったんだろう……。 まぁ、そんなことと一緒にするなよっていう気持ちは分かるけど一旦置いてもらって。 大なり小なり自己嫌悪には変わりないわけで、本当の本題はここから。 『今は』なんですねコレ。 『今は』自分が嫌い。 で、 その後ろに『だけど』を付けてみません? 『今は自分が嫌いだけど』 になりました。と。 はい、じゃあそこの君。その次に続く言葉は? こ? これ? これか……? ら? はい!正解! 『これから』 『今は自分が嫌いだけどこれから』 はい、じゃあ、その次。 これから?何?何すんの? どうすんの? 『もっと嫌いになる』 なんでだよ! せっかく『だけど』でネガティヴ打ち消したのに! なんでさらにパワーアップさせんの!? 打ち消したらゼロになるでしょ? ゼロ!せっかくマイナスをゼロにしたんだから、プラスにした方がお得でしょうが! せっかく借金返したのにまた借金しようと思うなよ! うん、ごめん。ちょっと例えおかしいかも。 でも伝わってくれ! はい、話戻すよ。 次、じゃあそこの君! プラスにするにはさっきの言葉を? どうするの? 『今は自分が嫌いだけどこれから』どうするの? プラスに! 借金ダメ! はい!正解! ソレだね。 俺も来年に向けて資格試験の勉強今からコツコツやるから! 一日十センチ進めば一年で三千六百五十センチ進めるから! ん?三十六メートル?って少ないか? じゃあ、まぁもっと進めるように頑張るから。 でも俺も頑張るの好きじゃないから。 適度に頑張るから。 君も適度に頑張ろう! え?頑張るの嫌? おけ。じゃあ君は頑張らなくてもいいや。 無理強いはしない。 そうだな……。 君はちょっといつもと違うことしてみたらどう? いつも飲んでる缶コーヒーを違うメーカーの缶コーヒーにしてみるとか。 それが、なんか前に進むキッカケになったりするかもしれないし。 どう? 無理? んー、まぁいいか。 『今は自分が嫌いだけどこれからいつか好きになれたらいい』から。 『今は』それでいいや。 『だけど』……ね? あーぁ、なんであんな図面描いたかなー。 ワンチャンないかなー。 あるといいなー。 協会に電話してみようかなー。 あ、もしもし? 協会の方ですか? えっとー、私が描いた図面どうですか? あ、ダメ? マジすか? ダメ『だけど』? え?あれ? 『だけど』って言えばゼロになる……。 あ、0点じゃん! え、ダメじゃん!

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『馬鹿に付ける薬はない』 という諺がある。 私が思う『馬鹿』とは悪意を持って『愚かな行為』をしている者のことである。 私が思う『バカ』とは悪意は無く『愚かに見えてしまう行為』をしてしまう者のことである。 『馬鹿』より『バカ』の方が可愛げがある。 これはもう個人の感覚の問題であるので分かってもらうしかない。 今からお話しするのは『馬鹿』の方に関してである。 では、『愚かな行為』とは何か。 [他人を下に見て蔑む] つまり自分を上げるのではなく他人を下げることによって自分を上に見せようとする。 [他人を悪く言う] つまり自分のことを棚に上げて他人の悪いところばかり指摘する。 [他人のせいにする] つまり「自分がどうすれば良かったか」とは一切考えず「他人がアレをすれば良かったんだ」という甘えた思考をする。 [他人に嫉妬する] つまり自分に持てない物を持っている他人に対し、持たざる自分を認めたくないという自己防衛的な感情を抱く。 [他人の気持ちを考えない] つまり自分の行為によって他人がどう思うかを予想しない。 [他人の足を引っ張る] つまり他人を貶める為に意図的にマイナスに働く行為をする。 パッと浮かぶのはこのくらいだろうか。 共通することは『馬鹿』は自分のこと『だけ』しか考えていないのだ。 私が考える『馬鹿』で『愚か者』の定義は『自己中心的な輩』のことだ。 完全に少し前の私のことである。 私は『馬鹿』で『愚か者』だった。 今考えると恥ずかしい。 もちろん今も私は『馬鹿』である。 なぜなら『馬鹿』の基準は自分が作る物であるからだ。 きっと私の行為は誰かから見たら『愚かな行為』であるかもしれないからだ。 だから私は『馬鹿』である。 ただここからが少し前と違うところだ。 私は『馬鹿』で『愚か者』であると自覚した。 そして自分が『愚かな行為』だと思うことをしないことにした。 もちろん人間である以上は感情が抑えきれないこともある。 自分で『これは愚かな行為だな』と自覚しながら行動してしまうこともある。 言い訳と捉えられてもいい。事実であるから。 だが、可能な限り、先に挙げた『愚かな行為』を意識し、その逆である『賢明な行為』をしようと心掛けている。 『賢明な行為』とは簡単に言うと『自分がどうすれば良かったか』を元に物事を考えるということだ。 例えば自分が不快に思ったことがあったとする。 その不快な出来事に対して、『他人』を巻き込まずに『自分』がどうすれば不快にならないかを考えて行動する。 そして、自分が不快だと感じたことを他人にはしない。 これが私の考える『賢明な行為』だ。 話を最初に戻すと、つまり『馬鹿に付ける薬』とは『気付き』なのではないかということだ。 何に対しての気付きか。 『今の自分の行動が愚かな行為であること』に対しての気付きだ。 例えば 「こういったSNSで偉そうに持論を語る」 これは愚かな行為か? どうだ? …… 他人が偉そうに持論を語っていたら私はどう思うか。 それが『愚かな行為』かどうかを判断するのはいつも"現在"の自分だ。 ……読む。 それが自分の興味のある分野であれば読む。 その他人があまりにも的外れな事を言っていると思っても最後まで読むと思う。 でも私は『SNSで持論を語ること』を『愚かな行為』だとは思わない。 考え方は人それぞれ違うから。 自分と違う考えを完全に拒否してしまうのは『愚かな行為』だと思うから。 だが、あくまでもこれは『今現在の』私の線引きであるので、これから先『SNSで持論を語る』行為を『愚かだ』と思うかもしれない。 私には少し薬が効いているかもしれない。 【結論】 『馬鹿に付ける薬』はある。 それは『気付き』である。 他にもきっと『馬鹿に付ける薬』があると思います。 もし良かったら読者様の思い付いた薬を教えてください。 もちろん異論は超認めます。

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シンリテスト

とある小学校の放課後。 「心理テストやらない?」 「やる。」 「やる。」 「やりたい。」 「じゃあ一番好きなデザート思い浮かべて。」 「なんでもいいの?」 「スイカとか?」 「いいよ。」 「バナナはオヤツに入りますか?」 「入ります。」 「ポッキーとか?」 「自分がデザートって認識してるならなんでもいいよー。」 「一番好きな……か……。」 「決まった?」 「ポッキー。」 「結局ポッキー?」 「アタシ苺のショートケーキ。」 「私はおとうさ……」 「え??」 「え?」 「え?お豆腐?」 「ううん、違う。噛んだの。お雑煮。」 「なーんだ、お雑煮、お雑煮??」 「お雑煮ってお餅の?」 「うん、変かな?」 「でもデザートって認識してるんだもんね。いいよ。」 「マリちゃん変なのー。」 「えー。そうかなー。」 「じゃあ答えね。デザートはアナタのケチ度です。」 「ケチ度?」 「デザートってご飯の後に食べるでしょ?食べた後の幸せを分かち合いたい人はみんなで食べれる物を選ぶんだって。」 「へー。」 「へー。」 「へー。じゃあポッキーはいっぱい入ってるからクミちゃんはみんなと分かち合いたいんだね。」 「ショートケーキは?」 「頭に思い浮かんだのは丸い大きなケーキ?」 「ううん。切ってあるケーキ。」 「それだと一人分だからナミちゃんは幸せを独り占めするタイプかも。」 「ヤダー。ナミちゃんケチー。」 「そ、そんなことないもん。みんなで分けた後のだもん。」 「心理テストだからねー。遊びだよー。」 「お雑煮は?」 「お雑煮って言った人初めてだから……」 「あ、想像したお雑煮はお鍋?それともお椀?」 「お椀…かな……。」 「じゃあマリちゃんも独り占めタイプだね。」 「マリちゃんもケチー。」 「アタシと同じー。」 「あはははー。」 「ねぇお母さん。今日ね。サヤカちゃんが心理テストって言ってね。」 「んー?」 「好きなデザート言ってって言われたの。」 「え?まさかアナタ……。」 「お父さんって言ってないよ。お母さんが言っちゃダメって言ってたから。」 「あ、それなら大丈夫ね。」 「最近食べてないからまた食べたいなー。」 「そう簡単にお父さん捕まえられないからもう少し待っててね。そのうちまた食べさせてあげるわよ。」 「うん。」 数ヶ月後、マリの母親は殺人容疑で逮捕された。 その後の調べで、母親は結婚詐欺を繰り返し、行方不明になっていた複数の男性と関係があったことが判明した。 遺体は見つからず、母親は容疑を否認している。 とある警察署。 「おい、聞いたか?」 「え?」 「あのオンナの娘さん。」 「あぁ、母親が逮捕されてから一言も喋ってないらしいな。」 「母親が殺人なんて相当ショックだったんだろうな。」 「真理ちゃん?だっけ?かわいそうにな。」 「ホントだよな。切ない世の中だぜ。」 「なんか一課の本堂真実が『喋らないようにしてるように感じる』って言ってたらしい。」 「本堂さんの勘ってたまに当たるよな。」 「たまに当たるから勘って言うんだろ?」 「あ、そうなの?」 「絶対当たるなら予言じゃん。」 「じゃあ予言する。俺本堂さんと結婚する。」 「俺も予言する。お前は絶対結婚出来ない。」 「おぃー!」

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妖精

あ、どーも。 あれ?行っちゃうの? おぉ、君は持っていくんだね! 私はいつも同じ場所で次々と入れ替わる人々を見ている。 たまにチラ見する人もいれば私を全く見ないで去る人もいる。 ただ、私を好きな人は一定数いる。 一日何人に持って行かれるだろう? 若者が多いかもしれない。 年配の人は私にあまり興味がないんだろうな。 私の自慢の黄色の衣。 衣を脱げば白いツルツルの白い肌。 私は無限に生まれる。 無くなっては生まれ、無くなっては生まれ。 私は君達の小腹を満たすために生まれ続ける。 え? 私の名前? そうか。まだ言ってなかった。 私は『ファミチキ』。 レジの横の箱の中でいつも君達を見ている妖精。 炭酸飲料と合わせて口に運ぶといいよ。 お茶もいいね。 乳飲料もいいかもしれない。 たまにパンという鎧を着て武装させたらパワーがアップするね。 私を好きな人は好き。 私を嫌いな人は嫌い。 人間もそうだね。 君のことを好きな人もいれば君のことを嫌いな人もいる。 いつも同じことをしてるのに。 いつも同じことをしてるだけなのに。 そんなもんだよ。 嫌われたくないって? 大丈夫。 「君のことを好きな人は一定数いる」 だから気にしないで。 そういう時はさ、私の衣をサクッと破って、柔らかい白いツルツルの肌を噛みちぎればいいよ。 そうしたら私はトロッとほぐれながら君の舌を美味しく包み込むから。 よく咀嚼して、飲み込んだ後に、コーラを流し込む。 どうだい?満たされるだろう? 私は『ファミチキ』という名の妖精。 君達の小腹を満たすために存在する妖精。 今日、久しぶりにファミチキ食べたら超美味しかったから無理矢理お題に繋げてみました。 ファミチキ食べたくなったら教えてください笑

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※偏見に満ち溢れている文章ですので、読者様(特に虫が好きな人)の気分を害する可能性があります。自己責任でお読みください。 飛ぶ虫 羽音が煩い 群れる虫 気持ち悪い 蜘蛛は益虫と言われている 害虫を食べるから でも蜘蛛は見た目怖い 益虫と害虫は人視点で決められる 害虫の視点から蜘蛛を見た時 蜘蛛はきっと害虫だ 害虫の視点から人を見た時 きっと人は敵だ じゃあ蝶は? イモムシ時代は農作物を食べる つまり害虫だ 成虫になると蜜を求めて花から花へと飛び回り、受粉の手助けをする つまり益虫だ どんな虫でもこの世界には必要だ 理解はしているけどやっぱり嫌いだ 近くに来ないで欲しい 何を考えているか分からないから 気持ち悪いから 攻撃されるから 虫によって攻撃方法が違う 噛み付く虫 巻きつく虫 刺す虫 毒を使う虫 領域を侵されないために 自分を守るために攻撃をする いや、知るかよ お前に近付いたつもりなんかないんだよ お前を攻撃するつもりなんかないんだよ 勝手に敵認定して攻撃してくるなよ気持ち悪い お前に噛み付かれたら痛いし お前に巻き付かれたら気持ち悪いし お前に刺されたら痛いし お前に毒使われたらしばらく残るんだよ 寄って来ないでくれ虫 カブトムシのオスは持つ所があるからギリギリセーフ でも飛ぶし裏側気持ち悪いからやっぱりアウト 蝶は綺麗だからギリギリセーフ 飛ぶのも静かでゆっくりだからセーフ でも近くで見たら気持ち悪いからやっぱりアウト 足がいっぱい生えている、例えばムカデとかは足がいっぱい生えてるから一本や二本抜けても気にしなさそうでその感じが見た目と合わせて気持ち悪いのでアウト 足が無い、例えばミミズとかハリガネムシもウネウネ進む感じが気持ち悪いのでアウト でもイナゴの佃煮はギリギリ食べれる ここ数年食べてないけど 生きてるイナゴは触るのも無理 海外ではイモムシをバターとかで炒めて食べる文化もあるらしい イモムシ炒めは香ばしくて中がトロッとしていて貴重なタンパク源だそうで…… いや、無理 ただ、もし虫になれたら何も考えず本能で生きられるから楽なんだろうなとも思う

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このアプリについて気付いたことを伝えるのが目的の続きを書くのが目的

第二弾である。 前置き無しで本題に入る。 『私は書くことが好きだ』 ということに気付いた。 振り返ると最初は物語として自分のことを書くのが目的だった。 暇だったし笑 転職を決めた背景から、新しい職に就いてどうなっていくかをリアルタイムで書き記そうと思っていた。 途中で面倒くさくなった笑。 あと「たぶんコレ書いても読まれない」とも思った。 で、書く意欲が失せた笑 書きたいと思ったことは読まれなくてもいいから書く。 でも自分自身が「書きたくない」と思ってしまったので書かない。今は。これから先書くかどうかは知らない。 で、 お題に対して思い浮かんだ事を物語にしてみた。 思いの外反応してくれた人が多かった。 嬉しかった。 「読んでくれている人がいる」と。 それからはお題に対して思い浮かんだことを定期的に書いた。 新着で検索をして他の人の文章もいくつか読んだ。 プロ顔負けの文章もあった。 何を言いたいのか私には(あくまでも『私には』です)分からない文章もあった。 それこそピンからキリまでいろいろな人がいろいろな文章を書いていた。 一時、病んだ文章。悩んでいるような文章。弱音を呟いているような文章が多く目に付いた時期があった。 私はそれに対して励ますような文章を書いた。 それも少し反応があった。 ある日、お題に対して自分が書いた文章に驚くようなコメントが付いた。 「笑えない私でも読んでいるうちに自然と笑みが溢れた」 こんな感じのコメントだ。 私はそのコメントを見た時、 「私の拙い文章でも誰かに何かを残せるのか!」 と思い、とても嬉しく感じた。 その時から書くことが楽しくなった。 何かに対して自分の意見を言ってみた。 思ってもみない反応をしてくれた人もいた。 同じ文章でも人によってこんなにも受け止め方が違うのかと勉強になった。 自分が今まで書いたものをたまに振り返ってみたりもした。 やはり自分では満足いかないまま投稿した文章は読まれていない傾向にある。 バレている。 手を抜いたことが。 同時に「この時はこんな事を思っていたんだな」と思い出すこともある。 なんかほぼ日記だ。 あと私は文章の中で人を殺しがちだ。 殺人オチが多い。 良くないかもしれない。 改めよう。 私如きが偉そうに何かに物申している文章も最近多い。 でも物申したい衝動が根本にあるのでこれは仕方がない。 私が物申したことに対して異論があれば言っていただいて大丈夫です。 ただ、対話や議論はしたいです。 何がどう違うと思うか具体的に教えてください。 私は一つのテーマに対して話し合って深掘りすることは嫌いではないです。 いろいろ書きましたが私はこのアプリが好きなんだなと、再確認しました。 このアプリを自分自身と向き合うことができるアプリとして、そして勉強の場所の一つとして、これからもワケの分からない拙い文章を生み出していくと思いますがよろしくお願いします。

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回転寿司

「いらっしゃいませ。お好きな席へどうぞ。」 「今日何からいく?」 「たまには『自虐』から。」 「攻めるねー。」 「俺『偏見』好きなんだよねー。」 「あー、最初はハマるかも。」 【もしも回転寿司のネタが概念だったら】 「とりあえず好きに食おうぜ。」 「あー、うん」 「どした?元気ない?」 「いや、『正論』…いこうかなって」 「は?アレ美味くないぞ?」 「うん、でも今なら…」 「やめとけ、やめとけ。慣れないモノ食うと体調悪くするって。」 「そうかなー。」 「ずっと回ってるじゃん。誰も取らないぞ。あんなの。」 「人気なのは『皮肉』とか『極論』?」 「『同調』とか『共感』じゃないか?」 「いいねー。美味いんだよな。」 「嫌いな人いないと思う。」 「『励まし』とか『同情』とかは?」 「気分によるかなー。時と場合によっては食えない。」 「確かになー。見たくもない時あるよな。」 「ところで今何食べてんの?」 「ん?コレ?『自己満足』。」 「あー、俺もそれ好きだ。」 「お前の取ったそれは?」 「『同調』。」 「結局それかよー。」 「まぁ最初から濃いのいくとさ、もたれるからさ。」 「徐々に濃いのいくタイプか。」 「いつも締め何?」 「んー。『自虐』か『誤魔化し』が多いかなー。」 「へー。」 「『嘘』とか『冗談』も多いかも。」 「好きな人は好きだけど、あの味分からない人もいるよね。」 「あ、でも結局『適当』が一番多いかも。」 「お前『適当』好きだもんなー。」 「っていうかやっぱり『正論』誰も取らないな。」 「なんかさ。流れてくるヤツ『虚構』多くない?」 「そういえば多いな。」 「ちょっと『嘘』『暴論』『上から目線』の三種盛り行きたい。」 「マジかー。その食べ合わせ俺の前だけにしておけよ。」 「『批判』も付けて四種盛りにする。」 「攻めすぎ!消化に悪いって!」 「次何食べようかなー。」 「この『虚構』味しない。」 「うん、知ってる。」 「でも周りみんな食ってる。」 「知ってる。」 「ちゃんと下拵えした『虚構』は美味しいんだけどね。」 「分かるわー。」 「お前『同調』食ったな。」 「『共感』ですー。」 「『正論』いけよ。」 「嫌だよ。さっき食べてみたけどなんか飲み込みにくいんだよアレ。ちょっと苦いし。」 「『真実』いけよ。」 「アレも美味い時と不味い時あるからなー。」 「『事実』は?」 「そんなの流れてないだろ。もし流れていたとしてもどうせ養殖の『事実』だろ。食えば分かるんだよ。養殖は。」 「ねー。やっぱり『正論』誰も取らない。」 「なんか『虚構』しか流れてないな。」 「帰るか。」 「お腹いっぱい。」 「ありがとうございました。お会計ご一緒で?」 「あぁ、はい。」 「え?いいの?」 「今日はいいよ。昨日パチスロで勝ったし。」 「デザートに『優しさ』食べてたか?」 「いや。アレ『偽善』。」 「『偽善』かい。」 「つい食べちゃう。」 「食べやすいからな。」 「ありがとうございましたー。またのお越しをお待ちしておりますー。」 私は『虚構』を食べるのが好きだ。 隣の二人組は「味がしない」と言っていたが、私は素材の味を楽しんでいる。 薄味かもしれないがちゃんと味は付いている。 『虚構』を食べている間は何も考えなくて良いから好きだというのもある。 消化が良くてカロリーも控えめだから多く食べられているのだろうと思う。 もちろん食べすぎは良くないことも分かっている。 『虚構』だけではない。 『正論』も『暴論』も『極論』も『嘘』も『冗談』も。 食べすぎると栄養が偏る。 バランス良く全てを食べた方が良い。 だが好きなものはどうしても多めに食べてしまう。 今日も『綺麗事』が美味い。 『上から目線』も『自己満足』も食べた。 『正論』も苦さの中に旨みがちゃんと混ざっている。 だが、以前に食べた『困難』はとても不味かった。 出来ればもう二度と食べたくない。 『強制』も味が濃すぎて食べたくない。 食べようと思えば食べられるが、好んでは食べない。 受け付けない味は誰にでもあるだろう。 次は何を食べよう……。 今日も『自己満足』で締めるか。

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