TsuNa銀
95 件の小説TsuNa銀
私の文章にアナタの貴重なお時間を使っていただきありがとうございます。ついでに誤字、脱字のご指摘と共に感想なんかもいただけたら嬉しくて逆立ちしそうになりそうになります。
やめれば始めたことになる
『始める』ということは『やめる』ということだ。 『やめる』ということは『始める』ということだ。 「またコイツ屁理屈言おうとしてるな」と思ったそこのアナタ。 その通り。 私のいつもの穿った見方から始まる屁理屈を聞いていただきたい。 分かりやすく言おう。 例えばタバコ。 タバコをやめるということは? 禁煙が始まる。 間食をやめるということは? 健康に気を使うことを始める。 スマホを見ながらダラダラ夜更かしすることをやめるということは? 規則正しい生活が始まる。 このように、何かをやめれば何かが始まるシステムなのだ。 新しく何かを始めるのは億劫だ。 負荷を感じる。 面倒くさい。 そんな人にオススメなのがこのやめ始システム。いや、『ヤハシステム』と呼ぼう。 『ヤハシステム』の利点。 一 始める覚悟がいらない 「始めるぞ!」と気合を入れなくていい。ただやめればいい。 二 失敗の定義が曖昧になる やめただけなのに「始めたこと」になるので、やめることを失敗しても気にしなくて良い。 三 罪悪感を転用できる 「またサボってる…」ではなく、「今、別の何かを始めている最中だ」と言い換えられる。 四 選択肢が勝手に浮かぶ 空いた時間に、何を入れるかを考えざるを得なくなる。 五 エネルギー消費が少ない 新しいことを始めるより、やめる方が圧倒的に楽。 六 減らすだけで変化が起きる 足さなくても変わる。むしろ引くことで変わる。 七 環境に影響されにくい 何かを始めるには条件が必要だが、やめるだけなら今すぐできる。 八 依存の見直しになる 何をやめるかを考える過程で、自分が何に縛られているかが見える。 九 継続しやすい 『やらない』ことは、『やる』ことより習慣化しやすい場合がある。 十 何も始まらない可能性もある やめただけで満足して、何も始まらない。 だがそれすらも、「何もしない時間を始めた」と言い張れる。 どうだろう。 この『ヤハシステム』。 無敵のシステムではないか。 捉えようによっては、『今のままでいい』とも言える。 今のまま、何も始めなくても、何かを始めた気になれるとんでもないシステムである。 私は恐ろしいシステムを開発してしまった。 天才かもしれない。 言い訳が上手すぎる。 何に対する言い訳か。 何かを始めない理由を作る言い訳だ。 《私は『ヤハシステム』を提唱することを始めます。》 いや、待ってくれ。 『ヤハシステム』 ネーミングセンスがイマイチかもしれない。 『やめ始システム』だと漢字とひらがなとカタカナが入り混じって気持ち悪いから略してカタカナに統一したが。 響きがダサい気がする。 他にないか。この無敵のシステムの素晴らしいネーミング。 そうか。始めればいい。 今こそ新しいことを始めるいい機会だ。 こんな機会はそうそうないぞ。 ということで、 《私は『ヤハシステム(仮)』の新しい名称を募集することを始めます。》 完璧だ。これで私は何も始めなくて済む。
令和八年四月一日『ぶっ』について
「ぶっ殺す。って言うじゃん?」 「うん。」 「ぶっ?」 「うん?」 「何?ぶって?」 「さあ?なんか強調したいんじゃね?」 「ぶっ倒す。ぶっ潰す。ぶっ壊す。ぶっ刺さる。ぶっちぎる。ぶっ放す。」 「結構あるね。」 「ぶっ磨く。」 「初耳。」 「なんでだろう。」 「言いにくいから?」 「あり得る。」 「ぴっじゃダメ?」 「ぴっはダメだろう。」 「ぴっは控えめに言う時にお使いください。」 「ぴっうるさい。」 「はぁ?」 「お前が言えって言ったんだろ?」 「ドラゴンボールのピッコロ。」 「急になに?」 「ぴっ殺す。」 「いや、だからなに?」 「ピッコロさんが魔貫光殺砲で殺すことを『ぴっ殺す』にしよう。」 「好きにしたらいいよ。」 「お前ぴっ冷たいな。」 「よく分かんないんだもん。」 「そうか。ぴっ分からないか。ぴっ難しいけど説明するのはぶっ面倒だな。」 「ぴーぴーぶーぶーうるせぇな。そもそもなんで『ぴっ』?」 「なんかカワイイじゃん。」 「そう?」 「ぱっ殺す。」 「また新しいの出てきた。」 「手際よく殺す。みたいな。どう?」 「別に。」 「お前めっ冷たいな。」 「量産するじゃん。めっはなんなの?」 「めっちゃ。」 「それはめっちゃでいいだろ。」 「ちゃ必要?」 「うん。」 「そうか、カトちゃんから下の名前無くなっちゃうもんな。」 「ん?」 「チャイコフスキーもイコフスキーになっちゃう。」 「う、うん。えーと……。」 「日本語って難しいな!」 「お前が勝手に難しくしてるんじゃね?」 「いや、世界で一番難しい言語らしいぞ。」 「うん、いや、でも母国語なわけで……。」 「ボコクゴってなんだよ!難しい横文字使うなよ!」 「なんで知らないんだよ!」 「知るか!お前の常識が全人類の常識だと思うなよ!」 「せめて日本で留めてくれ!範囲広げすぎだよ!」 「ボコクゴってなに?」 「母の国の語って書く。」 「あ、やっと意味分かった。」 「遅いって。」 「お母さんがアメリカ生まれなら日本で生まれても母国語は英語ってことだな。」 「日本語。」 「母どこ行ったんだよ!」 「日本だろ!」 「違うって!母国語の母!の字!」 「お前日本向いてないぞ。」 「え?すごいひどい。差別発言。俺の見た目がこんなだからか?こんなだから言ってんのか?」 「あー、ごめん。口が滑った。そういう意味じゃない。」 「なぁ、俺が地球生まれじゃないからって言っていいことと悪いことがあるぞ?」 「そうだな。悪かった。せっかく遠い星からこの地球のこの日本を選んできてくれたんだもんな。本当にごめん。」 「分かってくれればいいんだ。また新しい言葉教えてくれ。」 「うん。」 宇宙人が地球で生活しているのが当たり前の時代から私がタイムスリップしてくる前にあった出来事のメモリー。 はい!エイプリルフールぅ!
みなさんが新生活でいいスタートが出来ますように
イースター企画を考えろだなんて、うちの上司も無茶言うぜ。 だいたいこれだけの歴史の中で日本で流行ってないんだから無理だろうよ。 そもそもイースターってなんだよ? 俺はよく分からないイベントを流行らす企画を受けて、まずはイースターというものを調べた。 復活祭。だと。 キリストの復活を祝う日。 春。再生。誕生。 タマゴをカラフルに塗る。 イースターバニー。 キーワードとしてはこのくらいか。 タマゴなんかもう、てりたまバーガーくらいしか思いつかない。 既にある。 キリストなんて言われたらクリスマスしか思い付かん。 タマゴをカラフルに塗る? 意味不明だ。 ウサギ? なるほど、バニーガールだ。 上司すまん。無理かもしれん。 一応なんか考えてみるか……。 ……企画をバズらせるためのストーリーを考えたらどうだろう。 ウサギが…… タマゴを産んで? 哺乳類なのに? タマゴの中から……ボワっと インチキおじさん登っ場♪ 色んな意味で忘れられなくなるしエジソンは偉い人だ。 よし、他の案を考えよう。 バニー。 ……バニーおじさん。 ダメだ。まだインチキおじさんの方がマシだ。 バカなのか俺は。バカなのだな俺は。企画ってなんだっけ? タマゴ…… タマゴ型…… 球体。 ガチャガチャとかどうだ? ウサギのフィギュア? 復活…… ゾンビ? ハロウィンに寄ってしまうか…… ハロウィンっていつの間にか根付いていたよな。 なんでだ? 仮装。 渋谷、迷惑。 酒。 あ、酒。パーティ。 そういうのが絡むといいのか? 商売になるかならないか。 金か……。 地域振興的な目線で考えたらどうだろう。 ガチャガチャに、そうだな、例えばお食事券とか、滅多に行かないようなちょっとお高めのホテルのディナー無料券とか。 普段行かないようなスポーツ観戦無料チケットとか。 ん?見えてきたかもしれないぞ? 美術館の入館料無料券。 動物園、植物園、遊園地とかもいいんじゃないか? あ、料理教室とか陶芸教室とかもいけそうだぞ。 そうなると、ガチャ一回につき千円くらいになるか? ちょっと高いか? でもここは地域振興がかかっているからな。 要は千円以上の対価を得られればいいんじゃないか? 一度体験したらリピーターになるかもしれないし。 普通に体験したら二千円とか三千円とかかかるけど、それを千円で体験できるならお得感もあるし。 ランダムで割引券が出るからたまに大当たり、さっきのホテルのディナー券とか入れれば宝くじっぽいから良さそうだし。 カラフルなタマゴ型カプセルに入った割引券ガチャ。 カプセルも作り込めば飾っておけるし、記念にもなる。 おぉ?なんかいけそうか? よし、とりあえずこの案をまとめて上司に提出してみよう。 【イースター企画書】 ① 背景・課題 • イースターは日本において認知・浸透が弱い • 明確な参加動機・消費導線が存在しない • 過去の歴史から見ても自然発生的な流行は期待しづらい 結論:意図的に『参加理由』を設計する必要がある ② 現状分析 イースターの要素整理 • 復活・再生・誕生(概念) • タマゴ(象徴) • ウサギ(繁殖・生命) • 春(季節性) 問題点:抽象的で消費行動に繋がらない ③ 課題の本質 • タマゴ → 既存商品と差別化できない • 宗教要素 → 日本ではフックにならない • イベント性 → 弱い 「何をする日か分からない」ことが最大の障壁 ④ 発想転換(企画の核) モノではなく“体験”を提供する • タマゴ → カプセル(ガチャ)に置き換え • 割る → 開封体験へ変換 • 中身 → 行動(体験チケット)にする ⑤ 企画概要 イースター体験ガチャ • 1回:1000〜2000円 • 内容:地域体験チケット(ランダム) 例: • 美術館入館券 • スポーツ観戦チケット • 温泉・施設利用券 • カフェ・飲食券 『普段行かない場所へ行くきっかけ』を提供 ⑥ 価値提案 ユーザー側 • 新しい体験との出会い • 自発的ではない行動のきっかけ • 「再生・新しい一歩」という意味付け 地域側 • 新規顧客の流入 • リピーター化の可能性 • 空席・空き枠の有効活用 ⑦ 収益・成立モデル • ユーザー課金(ガチャ) • 施設側のプロモーション提供 • 自治体・スポンサー補助 低コストで高体験価値を実現 ⑧ 差別化ポイント • ランダム性による参加動機 • 体験消費への転換 • 季節イベント × 地域振興の融合 ⑨ 成功条件 • エリア限定(移動可能範囲) • ハズレなし設計 • 期限設定による行動促進 ⑩ まとめ イースターを 「モノを消費する日」から 「新しい行動を始める日」へ再定義する こんなところか? 完成度なんか適当でいい。 まずは六割程度のものを提出して、そこから細部を詰めていけばいいのだ。 自分が完璧だと思っていても、どうせ修正はくらう。 あとはこれを提出するだけだな。 ……待てよ。 仮にこの企画が通ったとする。 誰がこれをやるんだ? 俺? だよな? 責任者。 面倒くさくないかコレ。 多方面に協力をお願いしなきゃいけないだろ。 割引券と無料券の区別。 カラフルなカプセルの企画、発注。 ガチャはどこに置く? 法的に問題はないのか?射幸性を煽ることにならないか? ちょっとしたギャンブルでもあるよな。 そうか、転売される可能性とかも考えなきゃいけないか。 どう対策する? 広告も出さなきゃいけない。 そして諸々の最終的な調整。 パッと思い付くだけで問題点だらけだな。 もし上司の琴線に引っかかって「コレを練ってくれ。」って言われたらさっきの問題点、全部なんとかしないといけないぞ。 え? メンドクサ。 ……。 ……。 よし、とりあえず今日は帰ろう。 きっと俺より良い案出す奴いるだろ。 「おっ疲れ様っしたー。」
『当たり前』とはなにか
例えば本。 当たり前に手にして、ページを開いて読む。 それが出来るのは、誰のおかげか。 考えたことはありますか? 本に使われている紙は木から出来ている。 木を切る人。 木を工場に運ぶ人。 工場で紙を作る人。 もっと言うと、一冊の本に使われている紙は一種類だけではない。 厚い紙や手触りの違う紙が混ざって一冊の本になっている場合もある。 もしかしたらその紙は、違う場所、違う会社で作られた紙であるかもしれない。 ということは、その本に使われている紙の種類の分だけ、関わっている人の数は倍々に増える。 そしてその紙を印刷工場に運ぶ人。 こと細かに言うと、紙を受け入れる工程もある。 そして機械に合うように紙を切る場合もある。 紙を切った後は機械に紙をキレイに積み、やっと印刷出来るかと思いきやそうではない。 印刷をするデータがないと印刷が出来ない。 データは何で作る? パソコンだ。 さぁ大変だ。 パソコンなんかめちゃくちゃいろんな種類の部品で作られている。 一台のパソコンにいったい何人関わっているんだろう。 そんなことを言い出したら、紙はどうやって印刷工場に運ばれてきた? そう、きっとトラックだ。 トラックを一台作るのに何人関わっている? 作るだけじゃない。維持をするために車検、メンテナンスも必要だ。 あ、紙を作る機械だってそうだ。 もうやばい、ゴールはたった一冊の本なのに、全然辿り着けない。 関わっている人、物、必要な工程が多すぎる。 まるでマラソンだ。 マラソンは体を使う。 一人で出来る。 いや、本当にそうか? マラソンをする時に着る服は? 靴は? 帽子は? 誰がどうやって作って、その出来あがった服や靴、帽子をどうやって手に入れた? 考え出したらキリがない。 今、君が何かをしようとすれば、それは君以外の人のおかげでその何かが出来る。 っていうところまで含めて『当たり前』だということに、気付いてない奴が多すぎる。 『当たり前』の基準は人の数だけある。 フォークやナイフは外側から使う。だとか。 ハサミを渡す時は刃の部分を持って渡す。だとか。 でも、そのことを知識として持ってない人は、それを当たり前に出来ない。 なぜなら知らないから。 ただ、知らなくても想像することは出来る。 「フォークとナイフがいっぱい並んでいるぞ?なぜだ?一つずつあれば事足りるのに。あ、料理が運ばれてくる順番か?その料理に使う食器の順番か?一つずつだと味が混ざるとかなのかな?外側から使った方が持ちやすいのか?」 「相手に刃の部分向けたら危ないかも。間違って刺さったりしたら大変だよな。」 みたいに。 『暗黙知』というヤツだ。 さぁ、本題に入るぞ。 私の『当たり前』は 『ファミチキの切り取り線にテープを貼らない』だ。 袋を見たら分かる。 「切り取り線が入っていて、ここから切ったら食べやすいように作ってあるんだな。」と。 にも関わらず、わざわざ、ご丁寧に、ファミチキを袋に入れた後に、袋の入り口を折って、切り取り線の上に、テープを貼ってくれて、切り取り線を切り取りにくい線にしてしまう店員さんがまだいるのだ。 切り取り線の上にテープを貼ることによって、本来なら切り取り線を切るだけで食べられるファミチキに、「テープを剥がす」という一手間が加わる。 何回も言われている話だと思うし、別にテープを剥がすのが嫌だと言っているわけでもない。 じゃあなぜ今、私がこれを言うのか。 『なんとなく、ふと思ったから。』 取るに足らない小さいことだと分かっている。 テープを剥がすことなんて一秒で出来ることである。 簡単なことだ。 そう、簡単なことなのだ。 じゃあ切り取り線の上にテープを貼らないことも簡単なことじゃないか。 いや、良いのだ。 切り取り線の上にテープを貼ってもいい。 きっと店員さんは剥がれないようにしっかり止めたかったのかもしれない。 ペットボトルのキャップはどうせ空けるのにあんなにしっかり栓をしてある。 ファミチキもどうせ空けるのにしっかり封をすべきだ。 そういう考えの持ち主なのかもしれない。 それがその店員さんの『当たり前』なのだ。 ここで最初に話した本の話を思い出してくれ。 紙の話が出てきたね。 ファミチキを入れる袋は紙で出来ている。 その紙に文字や模様が印刷してあるね。 さらに切り取り線を入れるという加工もしてある。 ファミチキを入れる袋一つにどれだけの人が関わっているか。 その袋を! テープの貼る位置一つで! 台無しにするのは果たして『当たり前』と言っていいのか!! しかしながら、私も忘れていることがある。 「ファミチキを一つ。」 その言葉だけでファミチキを袋に入れてくれて美味しく食べられるのは誰のおかげなのか。 言うまでもなく、店員さんのおかげだ。 もちろんその向こう側には、数々の工程が存在する。 鶏を飼育する人。 鶏を加工する人。 鶏を加工する機械を作る人。 加工した鶏を運ぶ人。 そんな『当たり前』を踏まえて、私はこう言っている。 「ファミチキの切り取り線にテープを貼るな」 どうなん? 正しい? 正しいとか間違ってるとかは一旦置いておいてさ。 改めて小さいよな俺。 切り取り線の上に貼られたテープを見るたびに、毎回こんなことを考えてしまうんだ。 でさ、コレ何が良くないかって、誰も悪いことしてないのが良くない。 このモヤモヤをぶつけるところがないの。 でもね。 ファミチキを食べて、コーラを飲んだらモヤモヤ忘れてるの。 この幸せな『当たり前』がいつまでも続くといいな。
現実逃避人(げんじつとうひんちゅ)
僕は安心を求めて逃げる。 何もない。何も見えない。何も聞こえない。地面も、空も、海もない、暗い場所。 宇宙を想像したなら違う。 際限はある。 何かの立体の中。 形は分からない。 外からは見えないし、中からは暗くてなにも見えない。 だから知らない。 知る必要もない。 ただの空間が、頭の中にある。そこに逃げる。 そこで僕が声をあげても、誰にも届かない。 何かを聞いても、何も返ってこない。 僕は何も見えないし、僕を見るものも何もない。 それでいい。 それがいい。 僕はただ、在るだけ。 正しいとか、間違いとか、ここでは意味を持たない。 決めるのは、『正しい』とされている別の場所にいる誰かだ。 勝手に決めればいい。 その空間の中の僕は、その結果には左右されない。 僕が正解なのか、間違いなのかはどうでもよくて、僕はただ在り続けたいだけだ。 僕が存在する意味。 僕が存在する理由。 僕が今までなにをしてきたか。 僕がこれからなにをするのか。 そんなことは、この空間にいる時は本当にどうでもいい。 ここは、僕が安心出来る場所。 『認識しているなら、認識しないでほしい。』 『認識していないなら、認識してほしい。』 『認識しなきゃいけないけど、認識したくない。』 そんな矛盾も、理屈も、善も、悪も、全部作用しないこの空間は、静かで、単純で、快適だ。 だけど、ずっとそこにいると、少しだけ、ほんの少しだけ寂しくなる。 安心しかないと、逆に不安にもなるんだ。 だから、たまに僕は現実を見る。 現実の空間は開すぎていて、自由だけど不自由だ。 その開すぎている隙間に不安が敷き詰められているから何も見えない。見たいのに。 だから目の前に敷き詰められている不安を、一つ一つ取り除いて、安心に置き換えて、自分がその空間を認識できるようにする。 取り除けない不安はそのままにしておく。 タイミングが今じゃないから取り除けないんだ。 仕方ない。 取り除けるものからゆっくり置き換えていく。 その作業に疲れたら、またあの空間に行く。 あっちとこっちはどっちがどっちでもいいと思いながら、不安も安心もそのまま受け入れて、僕は今日もあっちとこっちを行ったり来たりしている。 君は? 今どっちにいる? 君がどっちかにいるなら、 僕は一安心だ。
狙い通りにいかないことも含めて楽しむということ
いつものダーツバーに到着。 八席あるカウンター席、いつもの右端の席に案内される。 下戸の私は今日もコーラと馴染みのフードを注文する。 フライドポテト、唐揚げ、オニオンリング。 ジャンクまみれのフルコース。 フードが出来上がるまでダーツを楽しむ。 コーラを片手に。 最初に遊ぶゲームはいつもカウントアップ。 一ラウンド三本。それを八ラウンド行い、合計何点取れるかというゲームだ。 ダーツは良い。 目標に向かってただ投げるだけ。 単純だが意外と上手くいかない。 意図していない所にダーツが刺さることも多々ある。 なぜそこに刺さったのか。 なぜさっきと同じ投げ方をしているのに同じ場所に刺さらないのか。 次はどう投げたらいい? 立ち位置を少し変えてみるか。 腕の振りか? ダーツの持ち方か? テイクバック? リリースポイント? おっ?今の上手くいったぞ? あぁ、またおかしくなった。 一投一投PDCAを繰り返す。 しかし、いろいろ考えて投げるよりも、力を抜いて、適当にブルに向かって手を伸ばすくらいの感覚の方が上手く投げられたりもする。 そしてブル。つまり真ん中に刺さったその瞬間。 「トゥーン!」 という高い音が響き渡る。 この音を聞くためにダーツをしている。これは断じて過言ではない。 罷り間違って一ラウンドで三本ともブルに入れようものならそれはそれはもうやってやった感を出しまくりの大放出のドヤ顔出血大サービスまくりだ。 そして次のラウンドは三本ともブルを外す。 分かっている。これが平均値だ。 狙った所に刺さらないことも含めて楽しめれば、それだけで「ダーツを楽しめている」と言っていい。 狙った所に刺さらなくてイライラするようでは、女性にはモテない。 まるで私がモテているような言い方だが、残念ながらモテていない。 『ダーツが上手いとモテる』と思ってダーツを始めたヤツは大体モテない。 モテているヤツがダーツをやっているだけなのだ。 私は『モテたい』という狙いも外れている。 自分自身で「いい出来だ」と思った文章に期待していた閲覧数、いいねが付かないこともそうだ。 変に良いことを言おうとせず、なんとなく適当に書いた文章の方が読者に刺さったりするのだ。 そして開き直って、つまり現実を受け入れて、私はモテないまま、今日もブルに刺さるかどうか分からないダーツをダーツボードに投げ、読者に刺さるかどうか分からない文章をインターネットという的に投げることを楽しんでいる。 執筆歴は短いが(執筆というほど大層なものでもないが)、ダーツ歴はそこそこ長いので、たまに隣でダーツをしている初心者の方の、 「隣の人上手いねー」 「凄いねー」 という会話が耳に入ってくることがある。 確かにダーツを全くやっていない人と比べたら私のブルに入る確率は少しだけ高い。 が、本当に上手い人を知っている私としては「全然上手くないんだよ」とお伝えしたい。 しかし、そんなことを伝えたとしてもその初心者の方からしたらただの謙遜としか思われないのは決まりきっているので私は、 「良かったら教えましょうか?えっと090のー……」 と話しかけると、 「そっち!?」 「やだー!」 と、私のブルに入る確率と同じくらいの確率でひとしきり盛り上がれば良いのになー。 そう、もちろん妄想である。『ダーツを教えるのかと思いきや、意表を突いて自身の電話番号を教える』という面白妄想だ。 そんな面白妄想に耽りながら、「こんな妄想をしているからモテないんだ」と気付いた私は、出来上がったジャンクまみれの油まみれのカロリーまみれをコーラまみれで流し込みながら、店員さんとなんの生産性もない会話にまみれる。 たまに顔馴染みの常連さんや、全く知らない人と『ゼロワン』や『クリケット』というゲームを遊んだりもする。 少し前にYouTubeで、お笑い芸人の小籔がさや香の石井とダーツをしているのを見て、久しぶりにやりたくなったので、最近またダーツバーに足を運ぶようになった。 アナタがもしダーツを始めたとしたら、少なくとも私にモテます。 「じゃあやらない。」 という答えが返って来そうなので取り消します。 ダーツ楽しいよダーツ。
なんか全部のタイミングが上手くいった話
聞いてくれ! 結果から言うと、応援しているスポーツチームの選手に握手とサインしてもらって写真も撮ってもらったんだ! ついさっきの、ほんの二時間くらい前の出来事だ!(三月十四日、午後八時くらいにこれを書いていました。) 誰かに話したくてさ! で、近しい人には話し終えて! でもまだ話し足りないからここに書く! 書かせてくださいお願いしますありがとうございます書きますね! 話は朝に遡る。 まず寝坊した。 今日は朝九時に、実家に物置を組み立てに行くという予定だった。 実家に着いたのは九時半だ。 父と母、すまん。 父の指示で俺が手足となって動いた。 そして物置が完成したのが午前十一時半だ。 お昼ご飯の時間。 そして実家でお昼ご飯を食べてから地元のバスケットボールチームの応援に行ったんだ。 Bリーグ。聞いたことはあると思う。 私の地元のチームはB2リーグに所属していて、上位に位置しているチームだ。 昨年からアリーナに足を運ぶようになって、ブースター(バスケットボールでは応援する人のことをこう言う)歴は二年目だ。 今日はまあまあの点差で危なげなく勝利した。 今期の地元バスケットボールチームはまあまあ強いのだ。 俺は自分が何かをして勝ったわけでもないのに、勝利の余韻に浸りながら、実家で作った物置が梱包されていたゴミを会社に捨てに行ったんだ。 仕事柄許されていることなので、ここは気にしないで欲しい。 しかしめっちゃ道混んでる……。 今日は地元のサッカーチームの試合もあったのだ。 それも関係しているのか道路が車で溢れかえっていた。 俺はいつも通っている道は無理だと判断し、迂回路を通って会社に向かおうと考えた。 だがしかし! 本当にどの道も混んでいる。 急ぐ必要もないのでいいと言えばいいのだが、それにしても進まないから迂回による迂回を重ねてかなり大回りで会社に着き、ゴミを捨てた。 そして今夜、妻が出かけるというので自分の夕飯を用意しなければならない。 どうするか迷ったが、帰り道の途中にあるスーパーで割引されているお弁当にすることにした。 何を食べようか考えながらスーパーに入った俺は、カゴを持つのを忘れたので入り口まで取りに戻ったんだ。 すると身長二メートル以上はあろうかという外国人が入店してきた。 「デカっ!」 の後、 「ん?」 と。そう思った。 「見たことあるかも?」 と。 「もしかしてさっき試合に出ていた選手か?」 と。 しかし、その選手は先月移籍してきたばかりであり、顔もうろ覚えであった。 そもそも外国人選手の顔は正直ちゃんと見分けがつかない。 大体同じ顔に見えてしまう。 それに先ほど試合を終えたばかりの選手が、こんなスーパーに一人で来るのか? と。 そういった考えがよぎり一旦「人違いだ」という結論に達した。 しかし。 念のため。 念のためスマホでその選手の名前を検索し、顔を確認した。 うん、ほぼ間違いない。本人だ。 マジかよ。 俺は店内で声をかけたら迷惑だと思い、まず自分の買い物を済ませて車に向かい、荷物を置いた。 そして、恥ずかしながら、いい歳したおじさんが『出待ち』をしたんだ。 人生初の『出待ち』。 分からん。 これを『出待ち』と言っていいのか分からないが緊張はMAXだ。 選手が買い物を終え出てきた。 俺は意を決して声を掛けた。 「ミスターオブライエン??」 「YES」 低い、渋い声で彼はそう答えた。 「ふぉー!!マジかー!やっぱり!」 年甲斐もなく声を上げてしまった俺に、彼は 英語でたぶん 「さっきの試合観てくれたか?」 みたいなことを言ったんだと思う。 それに対して俺は、 「イエス!シュアー!あー……ナイスゲーム!ビクトリー!」 なんで俺は英語をもっと勉強してこなかったんだ!!という後悔と同時に、プロの世界で一試合平均十得点以上をチームのために取ってくれる選手と一対一で話をしているという感動が溢れてくる。 そしてたぶん彼は 「明日も来るのかい?」 みたいなことを言ったんだと思う。 「イエス!イエス!」 クッソ。イエスしか言えねぇ!! もっと伝えたい言葉が! もっと!あるのに! そして俺は彼から差し出された手を握らせてもらい、勇気を振り絞って、 「アー、サイン、オーケー?」 彼は快く 「YES。」 なんだよもう!ファンになってしまう! 俺は車にダッシュで戻り、ついさっきまで着ていたチームのベースボールシャツを持って再び彼の元に戻った。『なんでバスケットボールなのにベースボールシャツ?』という疑問は受け付けない。っていうか俺も知らん!そういうものらしいから受け入れてくれ。 ペンは? サインするペン………。 あるのだ!! 俺は今日!物置を組み立てた! 物置を組み立てるために! 作業着で実家に向かい! その作業着のまま! 試合を観に行き! 作業着のまま! 夕飯を買い! 彼に出会ったのだ!!! 作業着のベルトにはいつも仕事で使うマジックが常備してあるぅー!! 彼にペンを渡すと、彼はたぶん「大きく書いていいのかい?」と聞いたんだと思う。 俺が返す言葉はもちろん、 「イエス!」 大きな体を屈めて、俺のベースボールシャツにサインを書いてくれている!! そしてここまで来たらもう図太くなる俺。 「ピクチャーオーケー?」 彼はそれに対しても、 「シュアー。」 あーー!!!もう!好き!神対応!大好き! スマホを取り出し、どう撮ろうか悩むこと一秒。 彼は俺のスマホを持ち、その長い手を伸ばし、ベストな画角で撮影してくれた。 はい!もう抱かれてもいーぃ! 「サンキュー!ベリーサンキュー!」 アホみたいに舞い上がる俺に彼は 「アリガトゴザイマス。」 舞い上がったまま俺は、 「トゥモロー!ビクトリー!プリーズ!」 たぶん伝わったと思う。 俺は彼にもう一度お辞儀をしながら、 「サンキューベリーマッチ!」 彼は俺にお辞儀を返してくれて、車に乗り込んで去って行った。 もし、今日、物置を組み立てに実家に行っていなければ。 もし、今日、会社にゴミを捨てに行っていなければ。 もし、今日道が混んでいなければ。 もし、俺が迂回せずに、迂回に迂回を重ねたりせずに会社に向かっていなければ。 もし、途中でパチンコ屋に寄ってトイレを借りていなければ。 もし! もし! もし! 面倒なので省いたことも多々あるが。 これら全ての『もし』を乗り越えて! 俺は感動と!感激と!喜びと!あとなんか!いっぱいポジティブな感情を得た! そして俺には一つの未来が見えたんだ。 彼のグッズをたくさん買って、小遣いが無くなり、妻に怒られる俺の姿という未来が。
正直者は馬鹿を見る
私はおじさんじゃないです。 嘘です。 二十九歳のアパレル販売員です。 嘘です。 カフェの店員です。 嘘です。 料理人です。 嘘です。 コンビニの店員です。 嘘です。 プロバスケットボール選手です。 嘘です。 売れない芸人です。 嘘です。 犬を五匹飼っています。 嘘です。 京大卒です。 嘘です。 …………。 こうしてずっと嘘をつき続けていると、消去法でいずれ真実に辿り着いてしまうな。 ずっと真実から目を背けていると 自分が何者か分からなくなっていくかもしれない。 「嘘は良くないよ。」 ホントに? みんな嘘つきじゃないか。 やりたくないことをして 一緒に居たくない人と一緒に居て 偽りの自分で 偽りで出来た世の中で 生きたくもないのに仕方なく生きているのは正直者とかけ離れているだろ? エイプリルフール? それこそ愚かな表現だ。 エブリデイフールなんだよ。 そんな愚かな毎日の中で、正直に生きることを、どうかやめないでくれ。 君が正直者でいてくれているから、 この愚かな社会はギリギリ成り立っている。 正直者という立場から、この愚かな社会を観察しよう。 『正直者は馬鹿を見る』って言うだろ。
もしも塩付き様(誤変換)
さあ、決勝戦! 赤コーナー。重厚な瞼!ヨーンーネールーぅぅぅ!!! 対するは青コーナー。神速の左目!サーンーオーキールーぅぅ!! 実況は私、風見鶏。 解説はおつきさまでお送りいたします! よろしくお願いします。 しかし意外な組み合わせになりました! まさかノーマークだったあのサンオキル選手が勝ち上がってくるとは。 前回準優勝のロクネコロブ選手に僅差の勝利での決勝進出。 ロクネコロブ選手との準決勝も素晴らしい試合でした。 ヨンネル選手は昨年に続いて三度目の決勝。そして二連覇がかかっております。 サンオキル選手、初優勝に立ちはだかる壁。 ヨンネル選手の戦い方にも注目です。 ここまでどうですか?おつきさま? ………。 ………。 もしもし、おつきさま? えー、失礼しました。 おつきさま準決勝までで大きな声出しすぎて喉痛くて喋れないそうです。 後先考えずハッスルしすぎです。おつきさま。 あ、おつきさま? え?嫌です。 筆談とか面倒なので無視します。 さぁ、ここで試合開始です。 まずは両者いつも通りお布団に入る。 向かって右、赤いお布団がヨンネル選手。 向かって左、青いお布団がサンオキル選手です。 両者見つめ合う。 何を思うヨンネル。 何を思うサンオキル。 両者動かない。 ここで昨年王者、ヨンネル選手の決勝前のコメントをご紹介しましょう。 「そうですね。今夜に備えて、めちゃくちゃコンディション悪くして来たので、たぶんすぐ寝れるでしょうね。今夜は秒殺…いや、秒寝しますよ。」 とのことです。 解説…のおつきさまは喉ダメなので、私が補足しますと、如何なる手段を使っても先に寝ついた方が勝ちなので、やはり体調を悪くすれば寝やすいというのも一つの手段かと思います。 どこがどのように具合悪いのかも気になるところですが、対するサンオキル選手のコメント………おっと?サンオキル選手?寝ついたか? ここでジャッジが入ります。 いや、寝てません! なんか笑いを堪えているようです! 何が面白いのか?サンオキル選手、 意味が分かりません! さぁ、ここでヨンネル選手。どうやら体調が悪すぎて逆に寝れない様子。 めっちゃ咳してます! コンディションの悪さが仇となったヨンネル選手。ここからどう巻き返すのか! 両者動かない。 あーっと!! サンオキル選手!!いつの間にか寝ついているー!!! ジャッジの入る隙も無く寝ついたようです!! ここで試合終了!! 勝ったのはサンオキル選手! 第八回全国早寝選手権!優勝はサンオキル選手ぅぅぅっ!!!!! では優勝コメントをいただきますのでレフェリー、サンオキル選手を起こして下さい。 うわ、サンオキル選手、寝起き悪っ。 レフェリーがかなり手こずっています! おっと、起きたようです。 機嫌悪そうですねー。サンオキル選手。 「放送席ー放送席ー。こちらサンオキル選手のお布団の上です。それではサンオキル選手にインタビューを始めたいと思います。まずは優勝おめでとうございます。サンオキル選手。」 「…………ざす。」 「ちょっ…まだ寝起きですね?」 「………ざす。」 「初優勝となりますが、勝因はなんだったと思いますか?」 「………飲んだ。たぶんそれが良かった。」 「え?すみません。最初聞き取れなかったです。もう一度いいですか?」 「睡眠薬飲んだ。」 「え?」 「え?」 「ドーピング?」 「え?ドーピングになるの?」 あーっと!!! まさか! まさかの!ドーピングをカミングアウトー! 何をやっているんだ!サンオキル!! 「え?だって寝ればいいんじゃ……?」 「ダメに決まってんだろ!!そんなもん許されてたら全員やるだろ!!ルールブックにも睡眠薬禁止って書いてあるわ!!!!」 「マジかー。目ェ覚めたわー。」 「失っっ格ぅぅぅ!!!!!」 ヨンネル選手大逆転優勝ぉぉぉぉ!!!!! なのですが、ヨンネル選手体調悪すぎて病院に搬送されましたので、放送はここまでとさせていただきます。 いやー、まさかの大波乱。 ヨンネル選手おめでとうございます!! 実況は私、風見鶏。 そして解説をしていないただ見ていただけのおつきさまがお送りしました! また来年お会いしましょう!!
『承認欲求』の対義語を考えたら留年した
『承認欲求』 承認を求める欲。 私は承認欲求が強い方だと思う。 イコールちょっとイタイ。 イタイのはちょっと嫌だ。 そこで、承認欲求が強くない人のことを知るために『承認欲求』の反対の言葉を考えてみた。 パッと出てこない。 じゃあ分解してそれぞれを反対の言葉にして合体させて作ってしまおう。 いざ、試みてみる。 承認の反対語。 『否認』か。 欲求の反対語。 なんだ? 『求める』の反対は? 『与える』か。 与える欲? 『否認欲与』 欲与ってなんだ? 『ひにんよくよ』 なんか響きが気持ち悪いから却下。 そもそも『欲』が反対になってない。 『欲』の反対は『無欲』か。 『否認無欲与』 四文字熟語の反対が五文字熟語は綺麗じゃないから却下。 欲求…。欲しい。求める。 『欲』を言い換えてみよう。 『欲しい』でいいか。 『欲しい』の反対は『要らない』。 『要与』? 『要』は『要る』にも使われるからおかしくなるか。 えーと?どうする? 他に違う言い方。 『欲する』でどうだ?『ほっする』ね。ルビ振れないのめんどいな。 『欲する』の反対。 『与える』? 『否認与与』? 字面が気持ち悪い。 あとやっぱり響きが嫌。 『ひにんよよ』 ダサッ。 『欲』……。『欲』……。 『施す』は?『ほどこす』ね。ルビ振りたい。 『否認施与』 『ひにんせよ』 『コンドームを付けよ』 違う。そういうことじゃない。 でもいいんじゃないか? 『否認施与』 字面も。 響きも。 よし。対義語は作れた。 で、 意味は? 『否認施与』の意味。 承認欲求の意味の反対じゃなきゃ筋が通らない。 改めて『承認欲求』の意味。 『承認を欲し求める心』 とでも定義しておこう。 じゃあ『否認施与』の意味。 『否認を施し与える心』 ん? 要約すると『「ノー」って言いたい心』になってしまったぞ? いいのか? そもそも何に『承認』を求めてる? それによって何に『否認』を与えるかも変わるよな。 広い意味で言えば、たぶん『社会』に『承認』を欲し求めてるんだろうな。 ということは『社会』に否認を施し与えてるのか? んー? 「こんな社会じゃダメだ。」っていうこと? 世直し? 世直しするの? 良いことじゃん。 で? 世直しするために? 社会に『ノー』を突きつけて? そういう人は目立つんじゃないの? 目立つってことは? それ『承認欲求』じゃん。 あれ?なんでこうなった………? ゴールしたと思ったらスタートラインに戻った。 なんだコレ? ゴールだと思ったらスタートラインだったから、またスタートしなければならないな。 ところで、卒業シーズンですね。 卒業はゴールではなく、スタートの始まりです。 『スタートの始まり』って。 『頭痛が痛い』みたいですね。 卒業おめでとうございます。 ちなみに心理学の概念的なことで言うと『承認欲求』の対義語は『自己受容』なんですって。 私はこの春、『承認欲求』を卒業し、『自己受容』に入学します。 在承認欲求生の皆さん。今までありがとう。 私は自己受容生になって、社会に承認されて来ます。 ……ん? まだ承認を求めてるな。 卒業できませんでした。 留年です。 これからも承認お願いします。