一話
私は人生のどん底にいた。もう全てを終わらせたい一心で、ビルの屋上に立ち、飛び降りた。痛みは一瞬でその後はすぐに真っ暗で何も見えず、何も感じなくなった。ああ、死んだんだなって思った。次に目を開けた時には、真っ白で何も無い場所にいた。
「何、ここ…?私死んだよね…?」
思わず口にした言葉が空間に響く。その時だった。
「やぁやぁ!君ちゃんと死んでるよぉ」
そう言って現れたのは小学校3年生くらいに見える女の子だった。しかし、その姿は人とは違って見える。
「え……誰…?」
「そうだねぇ。天使ってところかなぁ!」
「て、天使…?てことはここって天国ってこと?」
「うーん。少し違うかなぁ〜。ここは天国と地獄の境界線。君の行く末を決めるところだよぉ。」
「私天国がいい。お願いだから楽になりたいの。」
「君の意思なんて通らないよぉ。しかも君自殺したよねぇ。自殺した者は天国には行けないし、死んだ後も何十年と苦しみ続ける運命になってるんだぁ!」
その言葉を聞いて絶望した。楽になりたくて自ら命を絶ったのに、何十年も苦しみ続けるなら死んだ意味など無かった。生きていた方がマシだったのかもしれない。今更後悔したって遅いのに後悔の念で潰されそうになる。
「そんな君に朗報!私が1度だけ君にチャンスをあげるよぉ。」
「チャンス…?」
「転生してやり直すチャンスさ!次の生でちゃんと生き抜くことが出来たら、自殺後の運命を免除してあげるよぉ。ただし、また自殺した場合は君は地獄から戻れることは無い。どーする?このチャンス受ける?」
また苦しい人生かもしれない。生き抜けるのだろうか。色んな不安が頭をよぎる。しかし、あの苦しみを地獄でずっと受け続ける方がずっと辛いと思った。だから、私はこのチャンスを受けることにした。
「受けるよ。私次の生とちゃんと向き合う。次こそは逃げない。」
「じゃあ決まりだねぇ。同じ人生だと意味が無いから、転生先は私が決めるよぉ。そーだなぁ…ここがいいかなぁ〜よし決まりぃ!」
そう言って、小さな天使は魔法陣のようなものを描き始めた。すぐに描き終わり、光り始めた。
「この上に乗ったら君の次の生が始まるよぉ。今までとは違う異世界だから、初めは驚くかもしれないけど、私が選んだ世界だから安心してねぇ。君が生き抜いて帰ってくるのを待ってるよぉ!」
魔法陣に向かって歩く。あと一歩で魔法陣の上に乗るところまで来た。
「ねぇ、1つだけ聞いてもいい?」
「何かなぁ?」
「なんで貴方は私にチャンスをくれたの?自殺した人全員にチャンスをあげてるの?」
「なんで君にチャンスをあげたのかは内緒さ!頑張って自分で考えてみてよぉ!そして、みんなにチャンスを与えている訳では無いよぉ。みんながみんなにチャンスを与えていたらキリがないからねぇ。」
「そっか…また会える…?」
「君が生き抜いて帰ってきたらまた会えるかもねぇ。」
「じゃあ、私頑張ってくる。絶対に生き抜くから。自分で死ぬなんてもう繰り返さない。」
「その意気だよぉ。じゃあ行ってらっしゃいらっしゃいだよぉ!」
魔法陣の上に乗るとさらに強い光に包まれ目を開けられないほどに眩しくなった。次に目を開けた時には知らない世界が待っていた。ついに私の2度目の人生な始まったのだー。