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よく聞く「冷め期」ってのはなんなんだろう。 あった方がいいの? ない方がいいの? 授業を受けながら私はそんなことを思った。 中2の冬。 「先輩のことがずっと好きでした」 後輩の彼から告白された。 私の親友の元彼。一個歳下の同じ部活動のあの子。 優しい私は彼に冷たい態度を取れなかった。 思いっきり振ることもできなかった。 自分で優しいっていうのはどうなんだろう笑 ただの意気地無しだったのかもしれない。 でも私のその意気地無しだか優しさは、面倒なことを後に引き起こした。 私には好きな人がいたのに。 運命の人が。 どうしてこんなに恋ってややこしいのだろうか これが最初の問題だった。宙は灰色。

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宙

好きだった。 きっとこれからも好きになるんだと思う。 間違ってなんかない。 駅のプラットホームに座る私はそんなことを思った。 中2の秋。 初めてその人と出合った。運命かもしれない、って思った。それくらい強く惹かれた。 いくら時が止まったんだろうか。 いくら時が流れたんだろうか。 周りの声も聞こえないくらい、私はその人に夢中だった。 私はその時から世界が変わった。 曲は好きだったけどいまいち感情をこめることの出来ない歌詞の意味がわかった。 中学生と先生の恋だっていう、そんなの社会的に見ておかしいでしょって思うようなドラマも私には彼女たちの気持ちがわかった。 好きな人のために自分の全てを投げ捨てていく、そんなの絶対割に合わないでしょって思うような映画も私にはわかった。 恋なのか?愛なのか? 恋と愛の違いは何か? その質問の答えもわかったような気がした。 これが恋の始まりだった。宙は青。

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宙