涼風葵
126 件の小説大嫌いな私
泣き方も忘れてしまった自分が 理不尽なことに頭を下げる自分が へらへら笑うようになった自分が 本当に嫌いで、惨めで 死んでしまいたくて。
不気味な双子
「あんたら、あの公園で夕方まで遊んだらあかんで」 縁側でおばあちゃんは、 膝に手を置いて、ゆっくりそう言った。 「今はもう明るい公園やけどな。 昔は、あそこは“置き場”やったんや」 風鈴が鳴る。 ちりん、という音に、 おばあちゃんは一拍、言葉を切った。 「名前のないもんを、置く場所」 昔、このあたりでは、 泣いても泣いても、 誰にも気づいてもらえへん声があったらしい。 「それを拾う子らがおったんや」 双子やった、とおばあちゃんは言う。 男とも女とも言わん。 いつも一緒で、 同じ声で笑う子ら。 「村の大人はな、 あの子らのこと、よう“かわいそう”言うとった」 でも、かわいそう言うだけで、 代わってやろうとは、誰もせえへんかった。 「祠はな、 あの子らの“家”みたいなもんや」 壊れたらあかん。 触ったらあかん。 入ったらあかん。 そう書いてあったんは、 中に何かがおるからやない。 「外に出したら困るもんが、 ちゃんと収まっとったからや」 おばあちゃんは、 公園の方をちらりと見る。 もう日は落ちかけている。 「双子はな、 最後まで文句言わんかった」 止めもせんかった。 泣きもせんかった。 ただ、祠が壊れたとき、 一緒に、消えた。 「せやからな」 おばあちゃんは、 少し声を落とす。 「夕方に、 あそこで笑い声が聞こえたら」 それは遊んでる子の声やない。 「“かわいそう”言うとるだけの声や」 誰かが、 入ったらあかんとこに入って、 壊したもんがあったとき。 「役目が、思い出されるんやろな」 縁側の影が、 ゆっくり伸びる。 「ほら」 おばあちゃんは言う。 「夕方や。もう、家入ろ」 その声の向こうで きぃ、と、 ブランコの鎖が鳴った気がした。
かわいそうやなぁ
あの祠、壊してもーたん? あーあ。 かわいそうやなぁ、さと。 ほんまやなぁ、つと。 こわいなぁ。 かわいそうやなぁ。 夕方の公園、ブランコの錆びた鎖が、 きぃ、きぃ、って鳴るたびに、 双子は笑う。 あの人ら、知らんかったんやろな。 「入っちゃあかん」って書いてあったのに。 字、読めへんかったんかなぁ。 ほんま、かわいそうやなぁ。 でもな、壊したらあかんのに。 さと、聞こえる? ほら、また鳴いとる。 うん、つと。 祠の下からやろ。 土の中で、 ごめんなさい、ごめんなさい、って。 こわいなぁ。 でも、もう遅いなぁ。 だってほら、 出てきてもーたやん。 双子の足元、影が三つに増える。 二つは同じ形。 もう一つは、祠の形。 かわいそうやなぁ。 ほんまやなぁ。 そう言いながら、 双子は同時に、同じ方向を見て、 同じ声で、笑った。 ◀◁◀ あの祠は、正直言うて邪魔やった。 古いし、傾いとるし、危ない言われたらそれまでや。 村のもんも誰も文句言わんかった。 やのに、壊したその日の夕方や。 公園を抜けて帰ろうとしたら、 ブランコのそばに子どもが二人立っとった。 双子やろか。背ぇは低いのに、妙にじっとしとる。 なんや、あの気味の悪い子らは。 遊びもせんと、こっち見とる。 「壊してもーたん?」 小さい声やのに、やけに耳に残った。 誰に言うとるんや。まさか、俺か。 「かわいそうやなぁ」 もう一人が、同じ調子で続ける。 会話しとるはずやのに、噛み合っとらん。 それが余計、胸に悪かった。 風もないのに、ブランコがきぃ、と鳴った。 鎖の音に合わせて、二人とも笑う。 「入ったらあかんって、書いてあったのに」 その言葉で、喉がひゅっと鳴った。 札の文字のことや。 誰にも言うてへん。 昼間、俺らしか見とらんはずや。 聞こえへんふりして歩き出す。 背中に、視線が刺さる。 「まだ鳴いとるなぁ」 「下からやろ」 足が止まりそうになるのを、無理やりこらえた。 土の中? 何の話や。 振り返ったとき、 二人の足元に影が増えとった。 子どもの影が二つ。 それからもう一つ、四角くて、欠けた形。 昼まで、そこにあったもんの形。 「もう遅いなぁ」 そう聞こえた気がして、 俺は走った。 背後で、同時に笑う声がした。 振り返らんかった。 振り返ったら、あかん気がした。 あの祠、壊して、 何かが、出てきたんやろ。 かわいそうやなぁ、さと ほんまやなぁ、つと
2025振り返り
明けましておめでとうございます🥳 無事にお正月を迎え、しっかり激太りいたしました、涼風です。 本当に楽しくて、充実した一年でした🥹 この場を借りて、2025年の振り返りをしたいと思います! ◀ Let’s go! 振り返ってみると、 このNoveleeを始めたことがやっぱり一番大きいですね笑 投稿する勇気がなかなか出ず、 ついに始めたのが去年の9月でした。 初めて投稿した作品を今あらためて見てきたんですけど…… 酷いですね笑 あれはあれで味があるということにしておきます😂 そして去年は、山田涼介さんのライブに 二回行くことができました❤️ 当選したときは本当に驚きました😳✨ 「山田くんって実在するんだな……」と思ったのを、 今でもよく覚えています笑 小さなことですが、親友二人と着物を着たことも、 嬉しい思い出です🪭 いろいろな方に声をかけてもらえて、 フリー素材になった気分でした笑 2025年は皆さんのおかげで本当に楽しい一年になりました。 感謝してもしきれません✨️ 2026年が、皆さまにとって幸せな一年になりますように🕊🤍
優しい毒の中で
鳥籠の中では大声で自由が歌われている。 おかげで僕らの自由の歌は聞こえない。 沢山の命が奪われても、僕らは気にしない。 施設に囚われた獣たちの祈りは 優しく毒に包まれていく。 まるで昔、世界が恐れたあの出来事の様に。 1940年から1945年に繰り広げられた あの物語の様に。 僕はただ、仲良く共存したいだけなんだ。 この世界に値段がついて生まれてくる命なんてない。 でも、いつからだろう。 鎖に繋がれていない犬に対して僕は、 こう問いかける様になっていたんだ。 ねぇ、 「君はどうして自由なの?」
だるいですって😭
こんにちは、涼風です❄️🎀 もうお正月シーズンですね。 皆さんは旅行とか行ってますか? 私は祖父母の家で課題に追われてます笑 で、昨日超絶頑張った二万字のレポート提出したんです。 そしたらなんと! 「再提出」 って返ってきたんですよ え?いやなんで? 理由きいたら「AI使っただろ」との事です。 いや使ってないんだわ。ガチめに。 私の文章が上手すぎるからってAIを疑う? 流石に反論しました。そしたら、 「お前にこんな文書けるわけない」 の一点張りです😡 顔と名前晒してしまおうか🤔💭 証拠も何もないんですよ。 ただAIにみえる。それだけの理由で再提出? 意地でも再提出したくない… でもしないと進学に響く… しかもそんな暇ないんですよ。 他にも問題集が一章分と理科と世界史のレポートと…… まだまだ大量に残ってるんですよぉぉ! どーしよー😇 ご相談です! 皆さんならどうしますか??
夢を見る少女
三人目は小さなノートを抱えた夢見がちな少女。 物語を書くことが好きで、 森の奇妙な風景すべてが、 インクになると考えていました。 森は彼女の想像を歓迎しました。 枝は彼女のノートに絵を描き、 霧は文字になり、 地面には物語の道が浮かびます。 しかし、 森が描いた物語は彼女の想像以上に豊かで どこからどこまでが自分の物語なのか、 少女はわからなくなってしまいました。 やがてノートのページが勝手に動き、 少女の手は空っぽになってしまいました。 森に散った物語が、少女そのものになりました。
私のために
聞こえていないことにして 見えていないことにして 知らなかったことにして 痛くなかったことにして 寂しくなかったことにして 笑っていた、ことにする。 この普通が、普通じゃないと知ってしまったら きっと私は死んでしまうから、仕方ないんだよ。 生きる為なら、私は私だって殺せる。
貴方は?
貴方はだれ? 懐かしい顔 え、がちで知らんほんと誰お前。
他人
「君が諦めた今日は、 誰かが生きたかった明日なんだよ」 だってさ。 聞き飽きたよ。 知るかよ、他人のことなんて。