花結
16 件の小説もしもし。
大好き。 好きっていうか、愛してるんだと思う。 でも君は私の事を好きにはならない。 愛してはくれない。 絶対にね。 でもね、そういうところを愛してるの。 愛してたんだよ。
つぶやき
カール・セーガンを知っていますか。 天文学者でありながら、作家としても活動していた人物です。 彼は生前、「我々は星屑からできている。」と語りました。 無限に続く宇宙で、とてつもなく長い時間の中で惑星等がぶつかり合ってできた地球。 そこに存在する私たちは、星屑によってできたと言っても過言では無い。という意味の言葉です。 私の好きな言葉のひとつです。 この広い宇宙の中にぽつんと浮かぶ地球。 その地球よりももっと小さな私たち。 私たちは複雑な生き物です。 そして、宇宙はさらに複雑で未知の存在。 その複雑さがたまらなく好き。 夜空に浮かぶ星も遠くから見ると綺麗ですが、実際は爆発したり崩れたりしています。 美しいものは案外整っているだけではなく、複雑だからこその美しさがあるのかもしれませんね。 おまけ 「アップルパイをゼロから作りたかったら、まず宇宙を発明しなければならない。」 カール・セーガンの言葉の中で、私が1番好きなものです。 アップルパイと宇宙という、全くの別のものを「発明」という行為で結びつけるという発想。 とても大好きです。 皆さんの好きな言葉も是非教えてくださいね。
酷い人
「また振られた。」 「あら、今回はどんな理由?」 「友達としか思えないって言われた。」 「見る目ないわねえ、その人。」 「そんなこと言ってくれるの、貴方しかいないよ。」 「私しか話す人がいないの間違いじゃなくて?」 「そんなこと言ってくるのも、貴方しかいないよ。」 「まるで私が酷い人みたいな言い方ね。」 「んん、あながち間違ってはいないかな。」 「ねえ。」 「なに、事実を言ったまでなんだから怒らないでよね。」 「ちがうわよ。どれだけ私を酷い人にしたいの。」 「じゃあなに。」 「お呪い、おしえてあげる。」 「…貴方はいつも急だね。怖いんだけど。」 「怖くないわ、簡単よ。」 彼女は私の髪をゆっくりなぞりながら言った。 「自分の好きなもの、食べもの、場所。ぜんぶ相手に話すの。 そうすると、相手はそれを聞いた時に自分を思い出すのよ。 ね、簡単でしょう。」 「それ、お呪いじゃなくて呪いみたい。」 「そんな酷いこと言うなら、お望み通り呪ってあげるわよ。」 「やっぱり呪いじゃん。」 「ええと、そうね。私はバタフライピーが好きなの。」 「つまり、貴方は好きな子にいじわるする酷い人なのね。」 「…今度会うまでにプレゼントしてくれなきゃ、貴方を呪ってしまうかもしれないわ。」 「はいはい。分かりましたよ。」 「ふふ、褒めて遣わすわ。」 「貴方は女王様みたいね。」 「あら、うれしいわ。ありがとう。」 「褒めてないのだけど。」 彼女はいたずらっぽく笑った。 彼女は、私に本当に呪いをかけた。 ラッピングされた小さな紙袋が、少しの埃を纏って静かに机の上で眠っている。 きっと、中のものの賞味期限は切れているのだろう。 「貴方はいつも急だよね。」 「やっぱり、酷い人だよ。本当に。」
ココアを入れすぎたかな。
君が僕のことをどう思っていたか、なんてどうだっていい。 ただ、僕にとって君は唯一だった。 君との生活は、ほっぺたがホットミルクになるくらい幸せだった。 最後にはマグカップは割れてしまったけれどね。 でも、それも含めて甘い君を楽しめた。 人工甘味料とは程遠い、ちょこっと苦くて、甘々な君さ。 君の全てを飲み込んで、僕の一部にはできなかったけれど。 君は物事をすぐ脳で溶かしちゃうから、もう一度言ってあげる。 僕は幸せだったよ。 もっと君を味わっていたかった。 なんてね。 それだけだよ、どうか元気で。
母へ。
うるさいはずのアラームは聞こえなくて でも、母の声だけはうるさいほど聞こえて 目が開かないまま毛布をどかして 母のご飯を急いで食べて 母の声を聞いてから家をでる。 「そんな朝がいつまでも続いてほしい。」 家に帰ると、水音と共に母の声が聞こえて 母のご飯をゆっくり食べて お湯の張ってあるお風呂に入って 異様にくしゃみがでる布団で眠りにつく。 「そんな夜がいつまでも続いてほしい。」 大会で負けて、泣きながら食べるお弁当と 応援する母のいつもより大きな声が 「なんか幸せだな」って思った。 ケンカして酷いことを言ったあと 嫌なはずなのにいつもの母が脳裏に浮かぶ。 嫌だったこと、悲しかったこと、苦しかったこと。 でも、それですら幸せと思わせてくれた、大好きな母へ。 「来世もお母さんの子どもになりたいなあ。」 なんて。 私のわがまま、いつも通りに笑って許してよ。
少年は大人になった。
一人の少年がいました。 その少年は、物心ついた時からとある学園にいました。 その学園は大きな壁で囲われており、少年は、その壁の外の世界を一切知りませんでした。 そして、おかしな事に、学園は自らを“悪”と名乗りました。 その少年は疑問を持ちました。 [ 学園が悪なら、正義とは何なのだろう。 ] 少年は師に問います。 「正義とは、一体何なのですか?」 師は答えます。 「正義なんてないのさ」 師の言葉に、少年はもっと分からなくなってしまいました。 やがて少年が青年に成長した頃、青年は外の世界へ旅に出ることを決心します。 正義を探す旅です。 学園の皆は猛反対しました。 度々外の世界へ出入りしている師も少年を引き止めました。 ですが青年の意思は固く、皆が寝静まる満月の夜に、青年は静かに旅立っていきました。 青年は学園の外に出ると、すぐさま絶句しました。 荒れ果てた自然。戦争をする愚か者達。 街では独裁政治が行われ、人々が騙し合い、奪い合い、哀しむ。 外の世界は、そういう場所だったのでした。 青年はとても後悔しました。 外の世界にとって、学園はまさに正体不明の異質な存在でした。 外の住民、また王でさえも学園の詳細を知りませんでした。 少しして、青年が学園にいたことが明るみになってしまいました。 青年は傭兵に捕まり、毎日のように、学園についての情報を吐かせるための拷問を受けました。 しかし、青年は何も答えませんでした。 [ 学園のことを教えれば、この世界のように壊されてしまう。] ある日、青年は傭兵に問いかけます。 「なぜ、こんなことをするのですか?」 傭兵は答えます。 「正義のためだ。」 青年はまた問います。 「正義とは何なのですか?」 傭兵は少し黙ってから、こう答えました。 「お国の為に働くことだ。」 青年は言います。 「こんなことが正義だなんて信じられない。」 傭兵は屈み、青年の目を見つめ、言いました。 「そうだ。それが正義だ。」 傭兵の左手の薬指にはめられた指輪だけが、黒ずみながらも輝いていました。 数年後、青年は牢獄から必死の思いで逃げ出しました。 薄暗い森にたどり着いたと同時に、疲労で眠ってしまいました。 青年は夢を見ました。 何もない、ただ真っ白な空間。 そこにはただひとりの少年が佇んでいました。 少年は青年に問います。 「何故そこまでして正義を知りたいの?」 青年は答えられず、俯きました。 続けて少年は言います。 「貴方はもう知っている。分かっているはずだ。」 青年は言い返しました。 「知らない、分からないから探しているんだ。」 少年は静かに言いました。 「正義なんて、ないんだよ。」 目が覚めると、青年は懐かしいベッドの上にいました。 そこはかつて青年のいた学園でした。 どうやら、師が森で薬草を採取している時、偶然青年を見つけて保護してくれたようでした。 皆、ボロボロになった青年を心配しました。 青年は目に涙を浮かべていました。 青年の容態が安定したとき、師は青年に問いました。 「旅はどうだったんだい?」 青年は苦笑しながら答えました。 「このとおり最悪でしたよ。」 師は言いました。 「君の言う正義は見つかったかい?」 青年は言いました。 「正義なんてものはありませんでした。 でも、僕は最後までこの学園を悪とは思えませんでしたよ。」 師は微笑んで言いました。 「見ない間に随分大きくなったね。 もう、君を青年と呼ぶことはできないようだ。」
恋愛の価値観
皆さんは将来、結婚したいですか。 私の場合、基本的には「いいえ」と答えます。 これから先、“猛烈に愛し合いたい”と思えるような方に出会わない限り、私は結婚したくありません。 私は惚れっぽい性格なので、今まで色んな方に恋に落ちました。 ですが“結婚したい”と思ってお付き合いをすることは、1度もありませんでした。 決して、男あそびがしたいわけでも、他人と淫らな行為をしたいわけでもありません。 というか、私は、今もこれからも、他人と淫らな行為をしたくないのです。 ストレートに言うとするなら、私は他人とセックスをせずに処女として生涯を終えたいのですよ。 少し、気持ち悪いと感じてしまうタチでございまして。 ああ、誤解しないでほしいのが、私は、そのような行為を仕事をする方々に対して、嫌悪の気持ちを持つことはありません。 ただ、“自分と他人がそのような行為をすること”を想像すると「気持ち悪い」と思ってしまうのです。 最初の話に戻しますね。 私の友人たちは、恋愛のゴール、つまり、付き合うことのゴールとして“結婚”や“淫らな行為をして心身ともに繋がること”を指すことが多いのです。 私は恋愛をしたくないわけではありません。 ですが、淫らな行為も結婚もしたくはない。 そんな私が、これから他人と付き合うとき。 その方が、もしも結婚や淫らな行為を目的に、私と付き合うのだとしたら、どちらが不誠実なのでしょうか。 付き合ってなお、相手を拒む私でしょうか。 それらの為だけに関係を持つ相手でしょうか。 どちらもでしょうか。 それとも、どちらでもないのでしょうか。 昔、知り合いに自分の恋愛観を話したところ、 「結婚する気がないのに、結婚したい相手の時間を奪うのは、少々無責任なのではないか。」 と、言われました。 納得できるような、あまり腑に落ちないような。 まあ、何が言いたいのかと申しますと。 皆それぞれの恋愛の価値観があります。 もし私の価値観とは異なる価値観であったとしても。 共感できないとしても。 どうか“どうせ理解できない”と拒むのではなく、理解できないながらも知ろうとして欲しいのです。 「たとえ共感できなくとも、理解したい。」 そう思って欲しいのです。 追記 もし宜しければ、皆さんの恋愛の価値観も教えてくださいね。
桜。
あの日、桜が綺麗に咲いてたね。 私は、その完璧な桜の枝を折って、あなたにあげようとしたの。 思っていたよりも簡単に折れたよ。 でも、いざあなたにあげようとしたら、できなかった。 風に舞う桜の花弁の中にはあなたがいて。 ついさっき、意図的に枝を折られた木だとは思えないほど、桜があまりにも綺麗に輝いていて。 私と萎れてしまった枝だけが、あなたのいる、この美しい世界から切り離されたみたいで。 惨めで、悲しくて、愛おしくて。 ただあなたに見惚れるだけで、私は何も出来なかったの。 いつか、この枝のように私の想いも。 もしかしたら、誰よりも優しいあなたは私を拒絶することすらできないのかな。 なんて、都合の良いことを考えてしまうんだ。 でも、どうせ叶わぬ恋ならば。 今だけは。 この愛おしい桜を、目に焼き付けていたい。
君と抱き枕
どうしても眠れない時は、抱き枕にハグをする。 抱き枕を君と思ってハグをする。 でも、きっと、君の体は抱き枕よりも心地よくて。 私は君にハグをしたことないくせに、ずっと満足できない。 これから先、私は君にハグなんて絶対できやしないのに。 ハグをする以前に、君に会うことすらできやしないのに。 毎晩、私は抱き枕を君と思ってハグをする。 せめて夢の中では、君にハグをし、笑っていたい。 抱き枕、私を君という夢で包み込んでおくれ。
栞
「何の花が好き?」と、私が聞いたときに あなたは“チューリップ”と答えたよね。 それから暫くして、栞を買ったの。 あなたが好きなチューリップの押し花の栞。 花の香り付きだった。 でも、花の香りなんて一切しなかったわ。 本の香りもしなかった。 代わりに、しないはずのあなたの香りがしたの。 あなたのいない寂しさを紛らわすために買ったはずだったのに。 もっと寂しくなったわ。