まるにくろ

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まるにくろ

3秒ルール

僕の家では、兄と喧嘩しても母が3秒カウントしたらケンカをやめなければならない。それがこの家のルールだからだ。 僕の家では、父と母が喧嘩しても3秒で終わることはない。しかし、今日は3秒で終わった。めずらしいこともあるようだ。

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3秒ルール

責任

審議会の円卓の中央には、二つのボタンが据えられていた。 赤いボタンを押せば、医療革命で数億人を救うとされる「千年に一人の天才」が生き残る。青いボタンを押せば、名もなき「一般人十人」が助かる。「計算は明白です」と、最新のアナリストが端末の数値を指し示した。「天才がもたらす未来の総利益は、十人の生涯価値の数百万倍に達します。全体のために、答えは一つしかありません」 しかし、議論は難航した。人権団体が叫び、倫理学者が頭を抱え、世論は二分された。「命を価値で選別するのか」「いや、未来の数億人の命を見捨てるのか」 言葉の応酬が何日も続いた。 そして、ついに運命の期限が訪れた。 議長は苦渋の表情で立ち上がり、決断を下した。 「我が国は、人間性の尊厳と平等を守る。誰一人生贄にはしない」 委員会は満場一致で拍手喝来に包まれた。誰もが「正しい決断」をしたという高揚感に浸り、自分たちの倫理観の高さに涙を流した。 こうして誰一人ボタンを押さないまま、タイムリミットのベルが鳴り響いた。 システムが作動し、二つの部屋の双方に毒ガスが注入された。天才一人と一般人十人、計十一人全員の命が等しく消えた。 翌日、新聞の首脳陣は誇らしげに社説を掲げた。 『我々は最後まで、誰の命も選別しなかった』

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責任