秋月椛悠(あきつきなぎゅ)

24 件の小説
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秋月椛悠(あきつきなぎゅ)

こんにちは!秋月椛悠です!椛に悠でなぎゅと読みます!小説家になりたい普通の人間です!仲良くしてくれるととっても喜びます!! 僕のことは気軽になぎゅとよんでください!初見タメの方大歓迎です!タメで話してくださった方がこちらとしては話しやすいんですよね…(*´-`) 此処の皆様が本当に優しくて…超絶インキャな僕でもちゃんとお話できます(о´∀`о) このアイコンメーカーの作者様のTwitter @cerezalicor

椛悠のおすすめの本!

こんにちはっ!今日は、というか今日も蒼月海里さんの作品を紹介させていただきます! 今回紹介する作品は「幽落町おばけ駄菓子屋」です! 本当にこの作品は大好きです…この前紹介した、「幻想古書店で珈琲を」に並ぶレベルで大好きなんですよ。蒼月海里さんの作品の主人公って、成長していくんですけど、数あるキャラクターの中でも凄い成長したと想っております。この作品の主人公、御城彼方くんは。この続きの作品である、「華舞鬼町おばけ写真館」にも出てくるのですが、やばいです。なんかもう、涙が出てきました。 さて!この作品のあらすじですが、大学進学とともに上京してきた彼方くん、不動産屋に行ったところで出会った「猫目ジロー」さんに、「ゆうらくちょう」をすすめられます。純粋な千葉県民である彼方くんは“ゆうらくちょう”と言葉だけを信じて猫目さんについていきます。猫目さんについていった先にあった光景とは___? といったあらすじです!本当に僕はあらすじ説明が下手なので、面白さが伝わらないかもですけど、本当に読んで欲しいですっ‼︎ 読み終わった感想としては、ちょっと消化不良だな(?)って感じでした。しかし‼︎(オタク特有の力強いしかし)華舞鬼町を読み、完全に胃の中のものが消化された感じでしたね!(?)華舞鬼町では、主人公は彼方くんではなくなるのですが、それでも彼方くんが出てきて彼方推しの僕はこれに頬が緩むのを感じました。 そして、表紙もとても綺麗なので、ぜひ、読んでみて欲しいです!!

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とある少女の物語

あら、いらっしゃい。うふふ、そんなに怖がらないでちょうだい!…なぁに?帰っちゃうの?つまらないわねぇ。もし貴方に時間があるのなら、よければこの夏にぴったりの怖い話、聞いていかない? あらあら、そんなに警戒しなくても大丈夫よ!今、気まぐれでこの物語を開いた貴方も、ぜひ、楽しんでいってちょうだい。 それでは。楽しい物語のはじまり、はじまり ーあるところに、病弱だけど、とても可愛らしい女の子がいました。その子は最近都会に引っ越してきました。もちろん、引っ越すということは、学校も転校する、ということ。転校先の学校では、あんまり少女は馴染めませんでした。 それはそう。なぜなら少女の見た目はこの世のものとは思えないほど儚く、愛らしい。しかも病弱ということもあいまり、余計近寄りがたい存在でした。 ある日、女の子はゴミ箱の中のゴミを捨てに行くために、ゴミステーションへ行きました。その帰りに、教室で同じクラスの女の子たちが、自分について話してるのを聞きました。 「ねぇ、あいつの事どう思う?」 「あいつって?」 「決まってるでしょ。最近きたよそ者よ」 「あぁ!あいつか〜!私、あいつ嫌いなのよね」 「わかる〜!なんか、クールぶってるのか知らないけど、ムカつくのよね!」 「そうそう!」 笑い声が教室に響き渡りました。 女の子はとても惨めな気持ちになって、スカートの裾をぎゅっと握りしめていました。話が終わったらしく、陰口を言っていた子が教室から出てきました。 「……あんた、聞いてた?」 女の子は答えます。 「き、聞いてないです!」 「ふーん、そう。」 陰口を言ってきた子たちは女の子を少し睨んだ後、帰っていきます。 その日から。女の子へのいじめは始まりました。 「あんたさぁ‼︎ほんと、ムカつくんだよっ!」 女の子は殴られ、蹴られ、踏まれ。 身も心もボロボロになっていきました。 ある日。 またも殴られた女の子。ぼんやりとしながら歩いていたら、突っ込んできたトラックに気づきませんでした。 キキーーーッ 耳障りな音があたりに響きました。 「嗚呼、私、死んじゃう…?」 女の子は頭の片隅でそんなことを考え、その後に意識が途切れました。 「起きて、起きて、」 「………だぁれ?」 女の子は誰かに起こされて目が覚めたーはずでした。 「此処は…?そうまとう…ってやつ?」 「走馬灯な訳ないでしょ!君は死なないよ!」 女の子の問いに答えたのは、妖精のような小さな子です。 「貴方はだぁれ?」 「僕?僕はねぇ!ふふっ」 妖精のような子はこう続けます。 「僕は、レン!君のパートナー…になるかもしれない妖精だよっ!」 「かもしれない?」 女の子は問います。 「うん!今から僕が言うことに君が納得したら、僕は君のパートナーになるんだぁ!」 「どうしたら、貴方は私のパートナーになってくれるの?」 妖精…レンはこう言います。 「あのさ!君は、君をいじめてくる人たちのことを、どう思う?」 「どう…って…怖いな…って。」 いきなりあの子たちのことを言われ、女の子はびっくりします。 「うんうん!そうだよねぇ!…実は、あの子たちが君をいじめるようになってしまったのは、あの子達が洗脳されているから、なんだ。」 洗脳?と、女の子はまたも問います。 「そう!洗脳!実は、世界征服を企む“悪魔帝国軍団”っていうやつらが、その子たちを洗脳してるの!」 「そうなの?」 「僕が嘘をつくわけないだろー!」 それは、出会ったばっかだからわからないけど…という言葉は、口内で噛み砕きます。 「あ、それで、話を戻すねっ!」 「う、うん。」 「それで、君にはその子たち、いや。“悪魔帝国軍団”に洗脳されてしまった子たちの洗脳をといてほしいんだ!」 「わ、私に、できるかなぁ…何も力を持たない私に…」 女の子は心配になりましたが、すかさずレンが 「そのために僕がいるのさ!」 と言い、指パッチンをして魔法のステッキと、魔法のリボンを取り出しました。 「これを使って!このリボンで、相手の動きを封じ込めて、ステッキで、頭を思いっきり叩けば、洗脳はとけるの!」 「し、死なないよね…?」 「だぁいじょうぶっ!!あ、そうだ!実は君、今病院で寝てるんだ!僕の力を少しあげるから、そしたら早く退院できるよ!」 「あ、ありがとう!レンくん!」 そう言って笑い合う2人。 ーパチリー 「ん……」 見渡すと、真っ白い天井が。それが病院の天井と気づくのに、そう時間は入りませんでした。 「あ、目、覚めたし、ナースコール…」 ナースコースを鳴らしてすぐ、看護師さんとお医者さん、そして警察の人がきました。 そして、女の子は医者から体調を聞かれ、警察から事情聴取を受けました。 警察からの事情聴取を終えて。 女の子はさっき見た夢を思い出しました。 「…やっぱ、夢…だよね。」 そう思いながら、ふとベッドサイドを見ると、魔法のステッキと魔法のリボンがあります。 「…!夢じゃ、なかった!!」 そしてそれから。妖精、レンが授けてくれた力のおかげか、女の子は早く退院できました。 そして、女の子が退院したと知って、いじめっ子たちはまたいじめを始めました。 しかし、もう女の子は怖くありません。 だって、レンから授かったステッキとリボンがあるから。 ある日、女の子は学校裏に呼び出されました。 これはチャンスだ!と思った女の子は懐にステッキとリボンを忍ばせ、学校裏に行きます。 「あ、きたきたぁ〜」 「遅いよぉ〜」 いつもの女の子なら、ここで謝っていました。 謝る代わりに、女の子は呪文を唱えます。 そして、リボンを操り相手の動きを封じ込め、ステッキで頭を叩きます。 すると、いじめっ子の体から黒いモヤが現れて空高くに舞っていきました。 「勝てた…の、かな?」 そう呟くと、 「やぁ!よくやったね!ほんと、ありがとう‼︎」 「れ、レンくん!」 「ふふふっ!じゃあ、あの黒いモヤは僕が回収するね!あれを封じないと、また“悪魔帝国軍団”はまた悪さをしちゃうから!」 「ありがとう!レンくん!」 「うん!僕にまっかせて〜‼︎」 女の子とレンはそういった会話を交わして別れました。 その日の夜。 女の子の家に、警察がやってきました。 警察から話を聞いた女の子のお母さんは血の気の引いたような顔をしながら女の子を見ています。 「?お母さ_」 「お嬢さん、ちょっと、僕らと一緒にきてくれない?」 警察の人がそう言いました。 女の子は訳が分からず 「な、なんでですか?」 と聞きます。 「いいから、行きなさい。」 冷たい声でそう言ったのはお母さんでした。 お母さんにそう言われては、行くしかありません。 そうして警察に連れて行かれた女の子は、警察から取り調べを受けました。 どうやら女の子は、何か罪を犯したらしいのです。 「何か心当たりはある?」 と聞かれた女の子は、本当にないので 「ない」 と答えました。 「そっか…あくまでシラを切るつもりなんだねぇ。」 「へ?」 「ねぇ、こっちは証拠ぜ〜んぶ揃ってんの。」 警察の人は言います。 「君が“殺人”を犯した証拠を。」 そう言われた瞬間、思い浮かんだのはレンあの言葉。“大丈夫” 嘘つき、嘘つき、レンくんの嘘つき。死んじゃったじゃん、あいつら!なんで?どうして?と、取り敢えず、この事を警察の人に理解してもらわないと…! そう思った女の子は、病院で見たことを警察の人に言いました。 「違います!私は、世界を救う手伝いをしてるんです!“悪魔帝国軍団”が世界征服を企んでて、あの子達は洗脳されてたから‼︎私が、このステッキで…え、ステッキは…?」 「ステッキ…って、この凶器のこと?」 そういって警察の人は一枚の写真を見せてきました。 そこに写っていたものは、到底魔法のステッキとは、魔法のリボンとは言えないものでした。 血がこびりついた鉄パイプ、被害者の皮膚がところどころについたチューブ。 「なんで…?ステッキじゃない、リボンじゃない、なんで、なんで、レン…くん、レンくん⁉︎」 「どうしたんだい?」 「…‼︎レンくん!ねぇ!私の無罪を主張して!私、何も悪いことしてないのに…!」 「うん、うん、君は世界を救うヒーローなのに…でも、ごめん。僕は、君以外は見ることができないんだ…」 「そん…な…」 「さてと、イマジナリーフレンドとのお話は終わったかな?」 警察の人は言います。 「実はね、監視カメラにも映ってんだ。君が被害者たちを“笑顔で”殺してるところ。」 嗚呼、いつから、いつから女の子の人生は狂っていったのでしょうか。この地に引っ越してきたとき?陰口を聞いてしまったとき?トラックにぶつかってしまったとき?それとも…生まれた瞬間から?ー うふふ、おしまいよ〜楽しんでくれたかしら?ん?“ちょっとモヤっとした”?あらあら!そう言ってもらえて光栄だわぁ!あら、もうこんな時間!それでは、また会える日まで…

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とある少女の物語

夢を見ないゆめを見た

「最近な、妙なゆめを見るんだ。」 私の幼馴染であるシノはそう言った。 「どんなゆめ?」 私は聞いた、 「人が、夢を見なくなるゆめ」 …?最初、シノからそのゆめの話を聞いたとき、理解できなかった。 「ゆめを見なくなるゆめ?じゃあ、みんなぐっすり寝てるってこと?」 そう問うたら、シノはこう答えた。 「違う、違う。ユアの言う“ゆめ”じゃない、“夢”を見なくなるんだ。」 「嗚呼、将来とかの“夢”?」 「そうそう、」 「ふーん、でも、夢を見なくても、支障はなさそう」 「全人類が見なくなるんだぞ?ユアだけじゃない。ウチも、ユアの友達も。」 シノにそう言われ、考えてみる。 __全人類が、“夢”を見なかったら、どうなるんだろう。 無意識に口から紡がれていたらしい。シノはこう言った。 「目指すものが無くなるって事だろ?…今みたいに、楽な生活じゃあ無くなるんじゃないか?」 なんでだろう? 「だってさ、今、ウチらがこうして楽に生活できてる理由って、先人たちが“少しでも楽に生きたい”っていう夢を持ったからだろ?」 そっか、確かに。 今、私に夢はない。けど、少しは、夢について意識してみよーかなー、なんて思った今日の昼下がりのお話し。

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夢を見ないゆめを見た

平凡な私と天才なあの子

クラスのあの子は、なんでもできる、言わば天才だ。きっと、あの子は苦労していないんだろうなぁ… 反対に。私は何もできない。テストの成績は中の上か、中の下か。上位に入ったことなど、一度もない。平凡で、つまらない奴。 今日もあの子はテスト勉強か90点以上。 体育の実技テストも文句のつけようがない。 なんで、あんなになんでもできるのだろうか。 神様は不平等だ。 私たちは、こんなに苦労してもあの子に近づけないのに、あの子はなんの苦労もせず涼しい顔をして上を行く。 ある日。あの子の家の近くを通った。 「なんでこんなこともできないのっ⁉︎」 そんな、怒声が響いた。 今は夏。窓はあいていて、そのせいで大きな声を出した、あの子のお母さんらしき人の声が聞こえてきた。 外にいる時点でこんなにも大きく聞こえてきたということは、部屋の中はもっと大きな声で満たされているのだろう。 なんてことをぼんやりと考えながら家に帰った。 あの子の家の前を通ったあの日から、あの子が気になるようになった。 そして、わかった。あの子は天才なんかじゃない。 放課後、図書室の目立たないところで1人、手垢で汚れた参考書を開いて勉強をしているのを見かけた。 朝早く、公園を通りかかったら1人、鉄棒の練習を必死にやっているのを見かけた。 やっぱり、あの子は天才じゃあない。 人よりも頑張っている、唯の頑張り屋さんだ。 「私も、少しは頑張ってみようかな。」

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夏の夜、風鈴の音と…4

ーチリン チリン チリン チリンー 風鈴がなり続ける。 なり続けるたびに、俺の心に恐怖が積もっていく。 怖い、怖い、怖い、怖い。 部屋に戻って布団を被りたくとも、その風鈴があるのは自分の部屋。 戻りたくても戻れない。 ーチリン チリン チリン チリンー 聞き続けていると目が回って、頭がぐらぐらしてきた。 「え………っ?」 そこで、意識が途切れ__

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夏の夜、風鈴の音と…4

夏の夜、風鈴の音と…3

「ごちそーさまでしたっ!」 「はい。お粗末さまでした。」 ご飯を食べ終えて。 お風呂に入って。 ベッドに潜り込んで眠る。 しかし。何故か寝付けない。 眠った!と思ったらすぐに意識が浮上して。時計を見ても寝ついてから1時間しか経っていない。 そんなことを繰り返していたら丑三つ時__午前2時になった。 「わぁ…なんか、不吉だな。」 喉が渇いたからお水を飲もうと思い、ドアノブに手をかけた。その瞬間、 ーチリンー 「⁉︎」 凛とした風鈴の音がなった。 今回はしっかりと思った。 おかしい、と。 だって、だって、 “風は少しも吹いていないのに”

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夏の夜、風鈴の音と…3

夏の夜、風鈴の音と…2

ーチリンー ーチリンー 「ふふっ」 窓の近くに飾った風鈴を指でちょんちょんとつつく。小さく地味でも、風鈴が奏でる音はとても綺麗で。 「はぁ…」 思わずため息をついた。 とても綺麗な風鈴。 俺は風鈴をまだつつく。 ーチリンー ーチリンー 「そろそろご飯よ〜」 母さんの声でハッとなる。時間を見れば、もう七時だった。 「今行くね〜」 ーチリンー おかしいな。今、風、ふいてないのに。

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夏の夜、風鈴の音と…2

夏の夜、風鈴の音と…1

ミーン ミーン ミーン … 蝉の声がふりしきる夏の坂を走って登る。 じわぁ 。 汗が流れてきて、Tシャツが肌につく。 それでも俺は、気にせずに走る。 ー風鈴祭りー それは。その名の通りたくさんの風鈴が飾られているお祭りだ。風鈴を買えることもできる。人生初の風鈴!俺の少ないお小遣いでは、小さく、地味な風鈴しか買えなかったが。それでも、幼い俺はとてもはしゃいでた。 ーそれが。あの、永い永い悪夢の始まりとも露知らずにー

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夏の夜、風鈴の音と…1

椛悠のおすすめ本!

皆さんこんにちは〜。そろそろお名前に読み仮名をつけようか迷っている秋月椛悠(あきつきなぎゅ)です!今回は、エッセイ…で、いいのかなぁ?僕が読んでハマってしまった本を紹介いたします! 今回は…「幻想古書店で珈琲を」です。 こちらは、著者が「蒼月海里」さんで、僕のおすすめの小説家様の一人ですっ! 大体のあらすじは、就職1年目の会社が倒産。社長は夜逃げしてしまい、完全に路頭に迷ってしまった主人公「司」と司が偶然に入った新刊書店に勝手に軒を置いている“自称”魔法使いの「亜門」の友情のお話です! ………僕の説明のせいで面白さがイマイチ伝わらない気がする… と、取り敢えず!この本を読んだ感想なのですが…読み終わった後、本当にもう…司と亜門が……ッッッ‼︎となりました。(感想とは)なんか、1巻から、最終巻までの司の成長が本当にすごくて、母親のような気持ちになれました。(学生です)亜門は、普通の人間と違うのですが、司は亜門とずっと一緒にいれないと分かっているので、亜門が寂しくならないように。ととった行動が本当に泣かせてくるんです…!あと、個人的に好きなところなんですが、実はこれ1巻から最終巻の3話までずっととある仕掛けがあるのですが、僕は1番最後に、やっと気づきましたwそのとある仕掛けというのは、ぜひ皆さんの目で確かめてみてくださいっ!

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人気なあのコ

人気な子にくっつけば、いじめられない。 そう悟ったのは、中学の頃だったか…。 私は、中学の頃、いじめられていた。 スクールカースト上位の、人気者のあの子に。 私は、高校生になった。 私をいじめていた子は、私とは違う高校に入った。 その子は、顔は良いが頭は悪かったから私よりも下の高校に入った。 私の入った高校は、そこそこ頭が良い高校だ。 しかし、そんなところにもスクールカーストというものは存在しているらしい。 チラリ。と、あの子を見た。 あの子_竹原理葉(たけはらりいは)ちゃんは、とっても可愛くて、頭も良くて、クラスの人気者。 理葉ちゃんの周りには、理葉ちゃんのとりまきがいる。 そして、つい最近私もその中の1人になれた。 他のとりまきの人達よりも、理葉ちゃんと仲良くなった時間が遅いから、わからないことは沢山あるけど、頑張って理葉ちゃんについて行ってる。 今日も、理葉ちゃんと、その周りの子達のために水を買いに行ってる。 水を買い終わって、教室に戻ったら、聞こえてきた。理葉ちゃんと、そのとりまきの人達が話してる声。 「ねぇ、理葉ぁ〜」 「何?」 「最近私たちの仲に入ってきた、あいつ…えっと、名前、なんだっけ?」 「あぁ…あいつ…いやぁ…名前思い出せない…」 「やっぱ理葉もそう?あの子、影うっすいよねぇ〜」 理葉ちゃんのとりまきの1人が、ゴテゴテのネイルを光らせながら言った。 「あ〜…確かに、」 「だよね〜、てか、結局あいつの名前って何だっけ?」 「えぇ〜知らない。興味ない。」 「______っ‼︎」 ガタッ。 水を冷たい廊下に、落としてしまった。 「……誰ぇ?」 「あっ、」 声が出てしまった。 とりまきの1人が出てくる。その前に、落ちた水もそのままに、逃げ出した。 「あっ、おいっ‼︎」 とりまきの1人の声が聞こえてくる。 それでも振り返らずに走った。 屋上まで走って逃げて、呼吸を整えた。 整えたら、涙がでてきた。 「ふっ、うぅっ、」 あの子にとって、私は空気…いや、空気未満だ。 空気は、授業で習うから、名前は知っている。 しかし、私は? 授業で習うほどのこと、名前を覚えられるほどのこともやっていない。 空気未満の私は、今日も私より上のランクである空気を吸って、生かされている。

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