夏の雪
11 件の小説最悪な一日
雨から始まる一日は憂鬱だ。 布団から出るのが辛い。寒い。眠い。 土曜日だっていうのに。 ショッピングモールで服買って、美味しいもの食べてしたかったのに。 地球が滅亡するぐらいの隕石でもおちてこないかなぁ。 そしたら雨なんて関係なくなるのに。 宇宙人が世界征服してこないかなぁ。 そしたら雨なんて関係なくなるのに。 “パリンッ” 窓が割れた。破片に気をつけながら外を見た。 雲が真っ赤に染まっていた。 屋上に登ると雲に穴が開く。 無数の円盤がこちらに来るのがわかる。 その後ろに隕石が。 「あぁ、終わるんだ。」 顔を出す宇宙人。徐々に大きくなる隕石。家から飛び降りる自分。 “ガクッ” 窓から見える景色は雨。アラームを止める。 「隕石降るよりマシか。今日もがんばろ。」
恐怖症
この世界では必ず皆恐怖症を持っています。 なぜなら、前世の人間の死に方が恐怖症になっているという言い伝えがあるからです。 高所恐怖症? 隙間恐怖症? 先端恐怖症? 海洋恐怖症? この世界では、恐怖症の克服は不可能とされています。一生抱えて生きていかなければなりません。 もしも、あなたが高所恐怖症だったのなら、 あなたは前世の人は「自殺」もしくは「吊り橋から落ちた」とではないかと考えるでしょう。 言い伝えが本当ならばの話ですが、、 高所恐怖症のあなたは死ぬ時に気づくでしょう。 恐怖症はあなた自身の死に方だと。
恐怖の音
深夜0時 コンコンでも、ドンドンでも、ズシズシでもない、言葉では表せないような音が私に喰らいつく。 その音は次第に大きくなり、私を中から蝕んでいく。 この音は私以外の誰にもわかることはない音だと思う。 私はその音に飲み込まれ、体全体が発熱し、汗をかき始めた。 「やーめた」 その言葉と同時にペンを置き、机から離れた。 9月1日に提出する、私にのしかかるものを放棄して眠りについた。 朝起きた私は、昨日の自分を恨みながら地獄へと歩き出した。 鬼が怒る顔を想像すると、また恐怖の音が、私を中から蝕んでいく。
おばあちゃんと猫
一緒に住んでいる僕のおばあちゃんは猫を飼ってるみたい。 「よしよし」「かわいいねぇ」 いつも餌をあげてるみたいだし、可愛がってるみたい。 おじいちゃんが死んじゃったときから ずっーーと可愛がってるみたい。 でも、僕の家に猫なんていない かあちゃんが猫アレルギーだから。 おばあちゃんには見えてるのかな? その猫が。姿が。足跡が。
ベルが鳴りましたよ
この島のルールは1つ “ベルが鳴ったら次の行動に移ること” だから、この島の住人の生活は全て 島の真ん中にある大きなベルに管理されているようなもの。 −チリリリリリリリリリ 1回目のベルで目覚め、用を足す 2回目で朝ごはんを食べる 3回目で学校または職場に移動 4回目で授業、仕事を開始 5回目でお昼休憩 6回目で授業、仕事を開始 7回目で家に移動 8回目、9回目、10回目で 入浴、食事、就寝まで行う 大人から子供まで誰一人として文句を言わず生活し続ける。 この島はそうすることによって保たれていたのだ。 ある日その島の心臓と言えるベルがならなかった。理由はわからない。 その島の住人は当たり前のように 起きることはなく、 その島は動くことはなく、 死んでしまった。
夢は夢なのか?
私 はいつも通り夜遅くに家についた。 ここのところ通り魔事件がこの近くで起きているらしい。 だからしっかり鍵を閉めて手を洗いに行った。 例年ならまだ6月は梅雨の時期だが、 梅雨は終わり、毎日のように30℃を超えている。心身ともに疲れ切っている。 エアコンを効かすために窓に鍵をかけ、カーテンを閉めエアコンをつけた。 夜ご飯は外で済ましてきたので、歯を磨いて寝るだけだった。 布団に入り電気を消して、エアコンの温度を少し上げて眠りについた。 その夜の夢を見た。 頭に流れてきた映像は、上から見た寝ている私だった。 その私はとてもうなされていて、苦しそうだった。 するとドアの方から “ドンドンドンドン“ ドアを叩く音が響いていた。 少し経ってから静かになった。 次の瞬間 “ガシャン“ 窓が割れる夢をみた。 すると黒い人影が窓から家に侵入してきた。 その人影は何事もなかったように、私の胸のあたりに赤いペンキを塗りたくり 出ていった。 夢の中で、パトカーの音が鳴り響く 私はパトカーのサイレンで目が覚めた。 今までのことが夢であったことにとても安心した。 “ドンドンドンドン“ ドアを叩く音が聞こえた。 かすかに警察と名乗る声が聞こえたので ドアを開けた。警察が言った。 「大丈夫ですか!!」 「胸にナイフ刺さってますよ!!」 布団とパジャマは赤い血が塗りたくってあった。 夢は最後まで現実だった。
わくせえ
ある小学校で小さな爆発がおきた。 4年1組の教室は静まり返った。 その教室で爆発が起きたからだ。 皆は、爆発後の空気を吸わないようにハンカチで口と鼻を押さえている。 爆弾を爆発させたのは3号車の3列目の 田中だった。 隣の席の鈴木は、大きな声で言った。 聞いた田中は顔を真っ赤にした。 「わぁ、クセェ」
稲妻にうたれたい
俺は見た。 “仰天ニュース”という番組で紹介されていた 1人の男を。 男は大雨で雷が鳴る夜、酒を買いに行った。 近くのコンビニだからといって、傘もささず走って出かけた。 コンビニの手前、 「 」 雷が落ちた音と共に男は倒れていた。 雷に打たれたのだ。 すぐに救急車で運ばれ、 一命は取り留めた。 男は幸い後遺症もほぼなく、退院することができた。 しかし、その男に異変が起きたのだ。 ピアノが弾けるようになったのだ 男は一度もピアノに触れずに生きてきたのに、たまたま実家にあったピアノを前に、弾けることが判明したのだ。 その後、男は “サンダー ピアニスト” として一躍、時の人となったのだ。 それを見た俺は、考えた。 俺も稲妻に打たれたいと。 そして、大雨の稲妻が走る夜、外に出て雷を待った。 俺も生まれ変わりたい。 有名人になりたい。 ピアノじゃなくたって、何でもいい。 そんな思いで雷を待った。 「 」 うたれた。 そして俺は、生まれ変わっていた。 ベットの上で、 新しい親と 新しい体で。新しい子供として。
天然
「お前って、天然だよな」 俺がよく言われることだ。 自分は言われないように努力している。 親友の0122が言うには天然は珍しいらしい。みんなとちょっと違うだけなのに。 そもそも、この学校自体が変だ。 給食もまずいジュースだけだし、楽しみにしてたプールの授業もない。みんな足速すぎるし、空だって飛んでる。極め付けはトイレがない。 世界の10%は天然と言われている 友達を見てると思うよ。 「俺って天然なんだな」 やっぱ、人工には敵わないな。
友達100人目
今日新しく友達ができた。記念すべき100人目だ。 自分は友達が多い方だと思う。 男子だけじゃない、女子だって多い方だと思う。 高校生活は充実している。 けどまだ彼女ができない。親友にだって先を越された。好きな人はいた。 そう振られたんだ。 何人も好きな人ができた。でも全員に振られた。成績も悪くないし、顔だってそこそこだと思う。身長だって175センチはある。 今日だって振られたんだ。 そしたらさその女の子がさ 「まずは友達から…」 101人目の友達だ