東仁社

40 件の小説
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東仁社公式アカウント。東真直が短編の元となる着想用に詩を投稿しています。

怪物

君が嫌っていた人は 僕がみんな食べてしまった 君を嫌っていた人は 僕がみんな食べてしまった 君が独り寂しく泣いていても 僕も独り寂しく泣くしかない

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空腹

お腹を壊しても食べる 吐いちゃっても食べる 食べていないと不安になる 食べていないと悲しくなる 空っぽな私を満たすため 空っぽな私を忘れるため

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迷宮

明るく振る舞う笑顔の仮面も 死に惹かれた文字並ぶ画面も 全ては迷宮への入り口 光の届かない奥底で 膝を抱えて啜り泣くのは いつか見捨てた幼い子供

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行ってらっしゃい私の娘 愛を当たり前のように扱う そんな恐ろしい世界へと 立ち向かってゆく貴女に対して 私が送れる唯一の言葉 「愛してる」

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背教者

神様なんて信じちゃいない 神父の話はよくわからない ただ教会に響く讃美歌が 恋とか夢とか金とか喚く 奴らの声より心地良い 私は幸せの背教者

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図書館

新たな物語を求め 今日も図書館を訪れる 輝いて見えたその一冊は どこか懐かしい香りがした 表紙を変えて旅路を変えて またあなたと対話する

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悲鳴

随分と耳が遠くなり もうあまりよく聴こえない 辛かったのか苦しかったのか 痛かったのか悲しかったのか どうしてこの手は震えているのか

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余白

白いノートが眩しくて 黒いペンを手に取った 全て塗り潰した黒いノートに もう私を書き込む余白は無くて 白いペンを手に取った

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何から捨てる?

これは僕が小学生のとき 実際に参加した道徳の授業の話だ 自分は気球に乗っていて
その気球には たくさんの荷物が積んである 
気球はどんどん上昇していくが
やがて荷物の重さに耐えかねて
落ちてしまいそうになる
助かるには荷物を 捨てなければならない
何から捨てる?というものだ 荷物はたくさんあった
食べ物
お金
友達
家族
恋人
クラスのみんなは食べ物を最後に
残す人が多かった 
「生きられなきゃ意味ないじゃん」 
そんな中 僕はお金や食べ物は早々に捨てて
誰も残していない物を最後に残した
クラスのみんなに笑われた
「ロマンチストだね」
「速攻死ぬじゃん」 
僕が残したのは
愛だった 「大切だけど  生きられなきゃ意味なくない?」 
そう言われたけれど 僕は逆だと思った
生きる意味が無ければ
なんのために生きるのだろう
僕はロマンチストとやらなんだろうか
だが大人になった今でも
やはり同じ答えを出す自分がいる ただふと、考えることがある 
愛とはなんだろう
愛するとはなんだろう

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渋谷の氷

俺は渋谷で何でも屋をやってる 今回の依頼はある男からの依頼だ 「殺して欲しい男がいる」 指定されたビル その地下駐車場で待っていると スーツ姿の男は現れた 「白髪に黒のパーカー。渋谷の氷、噂には聞いていたが実在したのか」 なんだ俺を知ってるのか 流石汚れたお役人は違う 「だが調子に乗ったな、ここをどこだと思ってる?」 んなもん決まってるだろ 警視庁の地下駐車場だ 「ただで帰れる訳がない」 「どうだかな」 俺は袖口からナイフを取り出した 「お前が思ってるより、この国の悪は根深いぜ」 仕事を終えると 俺は堂々と警視庁を後にした 今回の後処理は内部で済ませてくれるそうだ 世の中悪役ばっかりだな 俺は依頼達成の報告をする為 今回の依頼人に電話をかけた 「もしもし氷さん?終わりました?出張お疲れ様ですー」 「まさか警視庁に入ることがあるとは思わなかったぜ」 「それで、仇を討ったご感想は?」 「くだらなかった」 「えー酷い!ここまで準備大変だったのにー!」 うざったくて電話は切った 俺はヒーローじゃない 手段を選ばない悪役だ いつか死ぬそのときまで 守りたいものだけ守る もう何も溢さないように 電話が鳴った 次の依頼か 「もしもし、俺だ」 渋谷の氷だ 完

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