椛・翼月・冬月

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椛・翼月・冬月

本当の一冊分位の小説を読みたい人は自分の小説読んでください✌️ 小説書くのも読むのも好きです 恋愛物大好きです! 私の作品で多くの人の心を楽しませたりできると、とても嬉しいです😊

激蜜恋1

俺は高校2年生の片ノ瀬 春来(かたのせ はるき) サッカー部に入っている そして、物語のたいせつなそんざい 担任でもあり、サッカー部のコーチ(マネージャー)でもある、お世話になっている先生 黒羽 紗夜(くろばね さよ) 小顔で真っ白な肌 耳から顎ラインまでの斜めに切られた綺麗なショートヘア 顔の小ささには反比例した大きくクリクリした優しい目 香水じゃない、柔軟剤のあま〜い、どれだけでも吸いたくなる香り メントスが好きらしく、息はブドウの匂い 息は、匂いたくて臭ったんじゃなく、テストの時、ペンを落としてしまった俺にペンを取ってくれた時、顔を近づけてきてコソッと「すごいねっ!全問正解!最後まで頑張って!」そう言ってきた 別に、黒羽先生を異性として意識してるわけじゃないけど、さすがにあれは意識が飛びそうだった あの匂いに可愛い顔、女の子らしい声にその体制 さすがに、男は誰であっても意識がぶっ飛ぶ 26歳で女も男も近寄っていって、いつもニコニコ笑顔の可愛い先生だ 背は俺よりずっと低くてなんか、先生って感じがしない そこまで頭は悪くない俺にとってはドジな黒羽先生が妹的存在としてしか、見られなくなっているのも事実 先生というよりも、同級生に近い感じで話しやすい でも、周りの男子達とは違って俺は自分から異性に話しかけたりしないタイプだし、あまり笑ったり、心のままに動かない 周りのチャラいやつにはギリギリついていけているという事だ ギリギリの日々を過ごしている俺 そんなある日、事件はおこった サッカー部の全員と黒羽先生と焼肉屋にきた もう、夜の22時 優等生の俺は、22時にはもうベッドの中に入っている時間だ でも、みんなに流されてしまう俺はこの時間まで残ってしまったのだった 黒羽先生は、思ったよりも遥かにビールを飲み続けた もうベロベロによっていて、チークを塗りたくったように顔全体が真っ赤だ しゃっくりばっかりして、何を話してるのかわかんない 1人で座ってられなくて、隣の男子に肩を借りている いつも以上にニコニコヘラヘラして幸せそうだ 大人って、酔うとこうなるんだ。と、初めて大人という生物の、事実を知らされた ここで思った 俺は絶対に酒は飲みたくないと 俺の両親は大手企業の社長(父)と副社長(母) 酒はワイン以外一切飲まないし、ベロベロに酔ったことなんて1度だってない 夫婦仲はそこまで良くないが、それなりに育ててきてもらった 多分、普通の家庭とは愛情の量が違うと思うけど、別に不幸だなんて思ったことは無い この女は、どんな親に育てられてきたんだろう どーせ。愛情満タンで、周りからも愛されて育ったんだろーな。 俺とは全く違って 俺は、両親には言われてないけど、いずれ親の会社を継ぐことになると思う。 それは、確実な話。だから、今のうちに冷静にいようと思う。 本当はこんなこともしている場合じゃない 早く寝て、早起きして、勉強しなきゃならないのに。 すると俺から2つ隣の男子が 男子 「あれ?クロちゃん寝ちゃった?寝顔もきゃっわいぃ〜!」 男子 「それなー?まじ国宝美人だよな?」 男子は、黒羽先生の顔に惚れているらしい たしかに美人だ でも、惚れるまではいかない すると、隣に座っていた先輩、古野 安喜 (この やすき)が 安喜 「んじゃ、もう帰るか。クロちゃんの家に1番近いの誰だっけ?」 黒羽先生は、みんなに、自分の家を教えまくっていた どんな神経で、教えているのかは分からないけど、大体の人が知っている そして、俺の家にものすごく近いことも。。 春来 「あぁ、たぶん俺が1番近いかも。」 と、恐る恐る手を挙げてみると 安喜 「お!そーだった!片ノ瀬、んじゃ、送ってやってくれ!」 ほら。こーなる。言いたくなかったんだ。 めんどくせえ。 結局その話を受け入れることにした俺は、黒羽先生に肩を貸し、家まで送っていった 黒羽先生の家から俺の家まで、20秒で着く すごく近い。 始め知った時は、本当に驚いた 黒羽先生の家の前に着く 先生のバックをあさって、鍵を見つけだす 黒羽先生の住むマンションの鍵を開け、中に入る ソファーに先生を下ろして 春来 「黒羽先生?家、ついたよ?そんなに酔って、明日学校来れんの?大丈夫?」 少し先生の体を揺すってみて声をかける すると 黒羽 「ん、んー。水」 そう言って、目を閉じたまま座り込み右手を伸ばした は?酔って眠るとこんなに手癖悪くなるの? はいはい。そう思いながらコップを手に取り水道水を半分以上入れる 春来 「はい。水」 そう言って、手を伸ばし黒羽先生にコップを渡そうとした、、、、 その瞬間!! ソファーの下に惹かれていた 絨毯に滑りソファーに座っていた黒羽先生にソファーの上で床ドンしてしまった 水はもちろんぶっちゃかされてしまった さ、最悪だァ。黒羽紗夜は目を閉じたままだが、さっきとは違う微笑み方をしている なにかたくらんだような え? 瞬きもできない瞬間。。。 黒羽先生は寝転がったまま手を上に伸ばし俺の腰にその細い両腕を巻き付けた そんなに細くてもこんなに力が入るんだ 黒羽 「気持ちいこと。しよ〜」 色気のある声でまだ目を瞑りながら、笑顔で話す 黒羽先生は俺の返事も待たずに俺のカッターシャツのボタンをそぉっと一つ一つ丁寧に開けていった 何も出来ないでいる俺の顔を見るため にそっと目を開けた黒羽先生 黒羽 「もう、我慢できない」 そう言って、俺の服を全て乱暴に脱がせ、自分の服も脱ぐ 妖精のように軽々と立ち上がる黒羽先生に寝室に手を引かれる俺 ついていく。 色々な行いをし、俺は学校のスター 黒羽紗夜の中に入った その夜は長かった 苦しくて体が重くなった でもそれ以上に気持ちよく、なにより黒羽紗夜を手に入れたことに興奮した いつの間にか朝になっている 早起きが習慣な俺は5:30に目が覚めた いつもより遅い。 白くてなぜかダブルベッド 隣を見てみると昨日の夜を思い出す 夢じゃなかったんだ そこにはちゃんと黒羽紗夜がいた 急激に恥ずかしくなってきた俺はさっさとリビングのソファーに乱れて落ちた服を拾い上げ直ぐに身につける ヤバイヤバイ 今、この家を出るのはなしだ。ダメだ。 どうしよう 思いつかない どうしたらいいんだ! もう一度黒羽先生の寝顔を覗いてみる 人形みたいな綺麗な顔だな。 胸もないと思ってたけど以外に、あったし。 すると、黒羽先生が寝返りをうち、「くぅー」 と、高音を出し、伸びをした やべっ! とっさになって、また黒羽先生の隣に寝転び毛布を被る ・・・また、1からじゃねーか!! どうしたらいいんだよぉ? 黒羽先生に服を一旦着させることにした この人、寝ると何しても起きないタイプだ。 すげぇな。 きちんと服を着させることが出来た。 ぶ、ブラジャーは、もしかしたら上下反対かもしれない。 あの仕組みは全く分からなかった。 まあ、そんなことは置いておいて。。。 どうしよお。 急に ビビギャビッビァビギャー という、変な音楽がどこからか流れ出す え!?!?!? なんだ!?この音! 黒羽 「んー!朝だ!!」 時刻は7:00 どうやらさっきの変な音は目覚ましだったんだ 黒羽先生は何しても起きないタイプだから、あの音なら確実に起きると分かって、あの変な音にしたんだな。 笑顔で起き上がった黒羽紗夜 それと同時に春来は寝ている振りをした なんで俺、こんな事してんだよ。 黒羽先生は俺をすぐにみつけて 黒羽 「え?!えぇ?どゆこと?え?えと、え!?」 その大声に起こされたようにゆっくりと目を擦りながら座り込んだ俺 なんだこのヘナチョコな演技は。 はずぃぃぃ。 黒羽 「春来くん!?ど、どうしてここに!」 そう言って、目がとび出そうなほど目を見開いて聞いてくる 服はお互い来ているから、分からないようだ 昨日は酔いの勢いで遊ばれたんだと少しイラッとした 春来 「先生。酔いすぎて覚えてないんですか?焼肉屋から俺が付き添いでここまで送ってきたんですよ。」 黒羽 「うっそ!ごめんね!!迷惑かけて、、」 春来 「別に平気です」 黒羽 「え?でも、なんでここにいるの?」 春来 「ベッドに寝かしたあと、眠くなって、つい横で眠りについてた。反省してます。」 黒羽 「そんなそんな!反省することないよぉ。ごめんね?ほんと。今日朝練あるよね??一緒に学校行こ!」 そう言って、2人で家を出た 昨日までは2人の記憶 今日からは俺だけの記憶になるんだ。 1人で童貞を卒業したみたいで超恥ずかしい この話は絶対に何があっても墓までもっていこう。 そう心に決めた。 朝練は1番最初ストレッチしてからジョギングする 校庭を何周もする 今日は、なんだか珍しく体が重くだるく、力が入らない 息も直ぐに切れる。 みんなに着いてけない。 はぁ。はぁ、はー、は。はぁっ。 タイマーを持って、ゴールに立ってくれている黒羽先生を目にするともうダメだ あの人の裸が頭に浮かぶ こういうの。ヤダ。 変態じゃん。 疲れきって、ペースが歩きよりも遅くなったその時!! もう俺よりも何周も多くして回ってきた先輩の、古野 安喜(この やすき)が俺の肩に手を置き 息を切らせながら 安喜 「おいっ!お前遅いぞっ。」 俺は古野先輩に 春来 「す、すいませんっ。ちょっと体が重くて。」 安喜 「お前、昨日エッチしたのか?」 春来 「え!?」 自分でも出したことの無いような大きく高いヘンテコな声が出てしまった ふと、昨日の体が重なった瞬間を思い出した 安喜 「うわ。図星かよ。後でしっかり話聞かせてもらうわ。お前な?でも、ヤるタイミングぐらい考えろよ。ヤッた次の日は、体だるくなって、いつもと違って違和感あんだろ?それに、お前わかりやすすぎ。女みてーに、内股歩きになってるぞ。」 最初、何を言っているのか全く分からなかった俺だが よく、足元を見てみると内股で、女子みたいになっている さすがに、鳥肌が立った ヤッただけで、こんなにも調子を狂わされるとは夢にも思っていなかったから。 最悪。 その日はもう、見学することにした ベンチに座る。黒羽先生の隣 黒羽 「今日、体調悪い?」 春来 「うん。」 黒羽 「そうなんだ。実は、私もなんだよね。」 春来 「へー。大丈夫?」 ヤると、女の方も体調狂うのかな? 先輩が言ってたことは嘘じゃなかったんだ。 酔ってて覚えてなくても、そういう変化で気づかれる可能性もあるということだ。 黒羽 「大丈夫!!・・・ねえ、一つだけ聞いていい?」 春来 「なに」 この話の間、まだ1度もお互いの顔を見ていない 前を真っ直ぐ見ながら話ている 黒羽 「勘違いだったらごめんね?、、昨日。、私たち、ダメな関係になっちゃった?」 そんな言い方。やめてくれ。 頭を抱えそうになるのを堪えて無表情を保ちながら 春来 「どういうこと?そんな関係、生徒と先生に出来るわけないじゃん。」 俯いていた黒羽先生は、笑顔になり 黒羽 「そ!そうだよね!!あぁ!よかった!たまたまか!」 春来 「うん。たまたま」 その場に何とか耐えることが出来、あっという間に昼休みになった 昼は、なんとなくサッカー部の同級生といつも通り集まって食べる 滅多に別の学年の人と食べる人は居ない(カップルぐらいだ) なのに、今日は、先輩の古野 安喜が俺を誘いに来た しかも教室の入口で、大声で「春来!!一緒に飯食お!」こう誘ってきた 頭おかしいんじゃないか?と、言いたかったが、我慢して、先輩の元へ急ぐ 2人で来たのは食堂 先輩は親子丼 俺は、しょうが焼き 先輩はチャラ男中のチャラ男で俺のしょうが焼きを1切れとっていった 普通はこんなことしない。 しかも口をつけた箸で 安喜 「親子丼、一口食べてもいいぞ?」 もらったお返しとでも言うようにそう行ってきた 春来 「いっ、いりません!」 そう答え食事に戻る 安喜 「んで?誰としたの?」 しょうが焼きを吐き出すかと思った こんな唐突に聞かけれるとは思っていなかった 春来 「や、ヤッてません!」 安喜 「んじゃ、なんで2年で1番足速いっていうお前があんな体調だったの?それを教えろよ。」 春来 「た、たまたまです。」 安喜 「お前みたいなのはドイケメンなんだから、さすがに可愛い彼女の1人や2人ぐらいはいるだろ?」 春来 「いませんよ。そんなの」 安喜 「・・・まー、いいや。そんなに言いたくないなら言う必要ねーしな。ただ、その子は大切にしてやるんたぞ?お前みたいな、イケメンだけど無愛想なヤツに体を一夜貸してくれたんだから。」 春来は、黒羽先生の笑顔を思い浮かべた 黒羽先生を、、大切に。 か、、、、。 春来 「はい。」 安喜 「俺なんてな?彼女と別れちゃったんだよ。」 春来 「え?先輩の彼女って、3年生で1番可愛いって噂の、、?」 安喜 「そ。」 春来 「さすが。恋愛の事ならなんでもこなせそうっていうオーラ溢れ出してますもんね。」 安喜 「この前まではな。・・・今の俺は全くだよ。」 春来 「そうなんですか?なんで別れたんですか?」 安喜 「浮気。」 春来 「ああ。そこら辺にはいなさそうな顔ですもんね。浮気なんて、やろうと思えばいくらでもできそうだし。」 安喜 「違う。あいつがやったんじゃない。俺が、、やった。」 春来 「え?」 そこまでは、驚かなかったけど、意外だった 安喜 「クロちゃんと。デートに行った。その夜。黒ちゃんの家に入れてもらった」 それを聞いて、ド肝が飛び出でるかと思った 黒羽先生と!? 生徒と先生の関係だからとか、そんなことより、、、え?、、じゃあ、安喜とも一夜を過ごしたってことか? 少し顔が他の奴よりいいからって何人もの生徒とヤッているってことなのか? 信じたくない事実を知らされたな。 少しいつもより暗い顔をしていると 安喜 「ああ!ヤるまでは行かなったけどな!?」 春来 「え?そうなんですか?」 安喜 「うん。恋愛ものの映画鑑賞を2人でしてた」 春来 「そうなんですね」 安喜 「俺が誘おうとしたら、「ダメっ」って言って止められた」 春来 「・・・」 安喜 「クロちゃんは、酔わないと性欲がたまらないらしい」 春来 「え!?そ、そうなんですか?」 飲んでいた水を吐き出しそうになった だからか、、、 安喜 「たぶん、俺はそういう目で見られてない。」 春来 「そんなの、酔わせれば簡単な話じゃないですか。」 安喜 「そんなこと出来るわけねーだろ?だから、そのまま帰った。俺、クロちゃんに本気にさせられた。楽に手に入らないものって本気になっちゃうじゃん?」 春来 「そうなんですかね?」 安喜 「うん!だから、今日、また、ちゃんと彼女と、別れたこと伝えて、デートに誘う!」 春来 「応援してます」 そんなの嘘だ。応援なんてできるわけが無い。 俺は、簡単に黒羽先生を手に入れた。 安喜は、確実にもう黒羽先生の虜 こんな相談、俺には心苦しすぎる モヤモヤして気持ち悪くなってきた、、。 放課後 部活を休めと安喜先輩にも黒羽先生にも進められ、部活はしない事にした 今日一日中ずっっっとに内股だから、立ち上がるのがすごく恥ずかしい 黒羽先生も大袈裟なガニ股だった すごくダサかった 俺は、部活はやらないけど少し見ていこうと思い、今朝黒羽先生と座ったベンチに腰かけた 先輩、同級生、後輩がボールを奪い合う 何試合かしてから、部員がこっちへ向かってくる 水を飲みに来たのだろう ベンチのすぐ後ろには、水道水が何個も設置されている それを飲んだり、浴びたりしながら体を冷やしている もうすぐ夏だから、少しづつ日に日に暑くなっている 10分休憩だ 俺は、そろそろ帰ろうかと立ち上がり、荷物を肩にかけて、校門へ内股を気をつけながら歩いていく ふと、後ろを振り返ってみると さっき俺が座っていたベンチに黒羽先生と安喜先輩が座っていて、安喜が黒羽先生の耳に手を当てて内緒話しているようだ 2人ともすごい笑顔 その光景を目にボーッと立ちつくしていると、いつの間にか安喜がこっちに走ってきていた 安喜 「誘えた!デートに!」 ものすごい幸せそう 俺も笑顔になって 春来 「良かったですね!んじゃ、俺は帰ります」 そう言って、内股なんて忘れて家へ早歩きで帰っていった 嘘だ嘘だ。なんか、、ヤダ。 大切なものを取られた気分。 黒羽先生を、大切にしろって言ったの誰だよ、、、 俺は、目に見えてわかった 次のデートで、2人は完全に1つになると。 別に、取られて悔しいとかじゃ、、、ない。と思う。 初めて繋がって感じることはいろいろあった。 なぜか、いつも以上に黒羽先生と聞くと敏感になるし、笑顔が頭に浮かぶ 匂いも1日中、鼻に残っていて、頭から離れなかった それは寝ても覚めることは無かった それから少したったある日 あまり話したことの無い、最近転校してきた、姫野 瑠娜(ひめの るな)がわざわざ俺の席まで話しかけに来た 瑠娜 「春来くん、っ!」 春来 「あ、ん?なに?」 瑠娜 「わ、私!最近転校してきた、姫野 瑠娜っていいますっ!よろしくお願いします!」 春来 「あー。うん。知ってる。俺は、片ノ瀬 春来。よろしく」 瑠娜 「春来くん!今週の土曜日空いてる?」 春来 「うん。暇」 瑠娜 「そっか!よ、よかったら!私と一緒に、水族館に行かない!?」 そして、2枚の水族館入場割引券を目の前に持ち出された 春来 「え?なんで俺と?他当たればいいのに。彼氏とかいないの?」 瑠娜 「うん!いない!春来くんと行きたい!」 春来 「あー。、なら、遠慮なく。、楽しみにしてるわ」 女子からこんなの誘われたの初めてで少しだけ緊張していた でも、直ぐにいつもの無関心の俺に戻った ちなみに、もう、この時には黒羽先生への想いは消えかかっていた そして土曜日当日 あまり人に普段着を見せたことがなかったから、少し迷ったものの、結局、いつもの普段着で家を出た 黒の動きやすい長ズボン 胸ポケットのある白のシャツ お気に入りのトゲトゲしたベルト 片耳にピアスをし、母さんからのプレゼントの高級ネックレスを首にかけた あまり、アクセサリーや、トゲトゲしたベルトをしている雰囲気が無いと、周りの人から言われるが、以外にこういうのも好きだ スニーカーを履き、斜め掛けする男性用の小さめのカバンを肩から掛けた 俺の家は、マンションではなくてここら辺では、少ない一軒家 執事に門を開けてもらい、家を出た 待ち合わせの水族館前 5分前に着いた俺、辺りを見回して姫野らしい女性を探す すると!? 水色のワンピースを着てサラッサラの胸までの黒髪 白いヒールに細くて長くて日焼けのしていない足 いつもの姫野 瑠娜とは思えないほどの美しさだった しかも気づかなかったが、姫野はすごくビジュがいいんだ 知らなかった まるで、モデルがこっちに向かってきてるみたい 見とれて、突っ立っていると、 目の前まで来ていた 姫野が過ぎ去った後の人々はみんな、姫野の事をみていた 瑠娜 「春来くん!!おまたせ!まった?」 顔をのぞき込むようにお辞儀した時のような体制になる 春来 「う、ううん。全然大丈夫。俺も今来たところだから。」 瑠娜 「それならよかった!それじゃあ、行こっか!」 春来 「おお」 入場割引券を出し、料金を支払った 門をくぐると至る所にカップルが 家族の割合の方が少ない 近場だからこそ逆にこんなところ来ない 家族でもこういうテーマパークのような所は1度も来たことがない まず、家族で集まる時なんて、一切ない そんなことは置いておいて・・・ すごいウキウキな姫野 瑠娜 瑠娜 「ねえ!なにからみる〜?」 春来 「なんでも。姫野が見たいやつからでいいよ。」 瑠娜 「え!いいの?じゃあ!私の大好きなんんクリオネ!!」 春来 「うん。いいよ」 瑠娜 「ヤッター!」 室内の薄暗い部屋にやってきた 人がたくさんいる クリオネの円柱型の水槽に飛びつくように寄っていく姫野 目がキラッキラ 瑠娜 「うわぁ〜!」 春来 「姫野、クリオネ好きなの?」 瑠娜 「うん!大好き!!海の妖精だよ!」 春来 「それ、よく聞く。フワフワしてるからなの?それなら、クラゲも、、、」 瑠娜 「うん!それもあるけど、こんなに、形も可愛くて、小さくて、私の憧れなの!こんなふうになりたいな〜って、いつも夢見てる、、」 春来 「ふーん」 春来は、その魅力も分からないままクリオネと姫野を交互にみていた あっという間にお昼になってしまった 昼ごはんを館内のレストランで食べ、またクリオネを、見に行くことにした 姫野 「ほんと綺麗だよね」 春来 「たしかに」 すると、、、、???!? 水槽の向こう側で、男女がキスしている う、そ!?!? 見ないように顔を背けた ぼやけて見えるが、しっかり顔が近ずいているのは分かる 見えるのは、背の低いショートヘアの小柄の女性に、背の高い男性が、顔を近ずけている光景 女性の背中しか見えないが、あれは多分キスしている なんで、子供がいる公共の場でこんな事するんだよ クリオネに全集中していた姫野もそれに気づき その男女に近寄って行った は?? 姫野を、追う 瑠娜 「せ、先生!?」 ?、知り合いか? 見てみると、、 そこにいたのは、黒羽先生と、古野 安喜だった すぐにわかった、2人の行く予定だったデートは、ここだったんだ 姫野に、誘われた俺も、今日、ここに来てしまって、会ったということだ 最悪、。 黒羽先生は笑顔で 黒羽 「わぁ!2人ともぉ!!偶然だね!」 なんでそんなに、笑顔でいられるんだよ キスしてるとこ見られたのに 瑠娜 「先生!!そちらの方、彼氏さんですか?すごいイケメンですね!」 姫野は、先輩のこと知らないんだ 見たことないんだな 黒羽 「そんなそんな!違うよ!彼氏じゃない!」 瑠娜 「そうなんですね!」 安喜 「昼過ぎたし、お前らはいつ帰るの?」 春来 「いや、決めてないですけど、もう、一応全部見終わりました」 瑠娜 「先生達はもう帰るんですか?」 黒羽 「うん!もうそろそろ帰ろっかって、話してたところ!」 瑠娜 「そうなんですね!じゃあ、私たちも一緒に帰る?」 春来 「ああ。そうだな。いいよ」 黒羽 「じゃあ!みんなで門まで行こっか!」 安喜 「あー、ちょっと待って!俺、トイレ行きたい」 黒羽 「ん、行っておいで!待ってるから!」 安喜 「ありがとう!」 瑠娜 「あー、私も!」 黒羽 「うんうん!行っていおいでー」 無言の、時間、、、 黒羽 「春来くんは、トイレ大丈夫だった?」 春来 「あ、うん。大丈夫」 黒羽 「瑠娜ちゃんと付き合ってるの!?」 テンション上げあげで、飛び跳ねて聞いてきた 春来 「付き合ってない!ただ、遊びに来ただけ。」 黒羽 「あ、そうだったんだね」 春来 「ってか、先輩と黒羽先生、もう付き合ってんの?」 黒羽 「ううん!付き合ってないよ?どうして?」 春来 「2人きりでこんなところにきて、キスまでしちゃってさ。」 黒羽 「生徒と、本当はこういうお出かけしちゃダメなんだよね、、!内緒にしてて?おねがい!っえ?キス?どゆこと?」 春来 「さっき。姫野が話しかけに行く前。」 黒羽 「え?あ、もしかしてだけど、口についてた昼ごはん取ってくれてた時かな?キスじゃないよぉ!」 と、大笑いしている は? 春来 「あー、気のせい?」 黒羽 「気のせいだよぉ!」 春来 「でも、俺と寝た夜は、気のせいじゃないよ。」 思いの勢いで、言ってしまった もうこうなったら全部言ってやる。 黒羽 「え?」 春来 「あの日。俺が隣で寝てた日。体の関係をもった。」 黒羽 「うそ。、、。ふ、ふふ。やっぱりね!」 春来 「え?なんで笑ってんの?」 黒羽 「ご、ごめん!いやぁ、あの日、ブラジャーの向きが上下反対だったんだよねー!んっ?なんで、隠してたの?」 春来 「あ。やっぱり、、、。いや、恥ずいじゃん。そんなの言えるわけない。」 黒羽 「そっか!でも、、ごめんね?怖くなかった?酷いよね、生徒に手出すなんて。初?」 春来 「うん。童貞卒業した。別に、怖くなんかないよ。気持ちよかったし。」 黒羽 「へへ。そうだねえ。私、酔うと性欲モンスターになっちゃうの。それなのに、あの日、飲んじゃってごめんね、、。今は大丈夫だけど、最近、出張周り多くて、体疲れてたんだよねえー」 春来 「そっか。いいよ。謝らなくても。先生に答えたのも俺だし。でも、なんも付けずにシたから、もしも子供が出来たらちゃんと、一緒に育てるから、言ってね。」 黒羽 「うん!ありがとう!」 そのあと、解散した 黒羽先生と俺は、同じ方向に、 安喜と瑠娜は、それぞれ別の方向に帰って行った 春来 「ねえ。先生。安喜先輩のことほんとのところどう思ってるの?」 黒羽 「どうって、生徒と先生の関係。それ以上でもそれ以下でもないよ?」 春来 「先生って男たらし?それとも天然?」 黒羽 「垂らしてるっていうか、、たぶん。断れないから全部受け入れちゃって。。そう思われても仕方ないと思う。」 少し俯いてしまった黒羽 春来 「俺の事もそう思ってるってことか。」 春来も少し俯いた ちょっと期待した自分が馬鹿らしい。 当たり前だこんな美しい人が俺なんかと、、 黒羽 「…」 何も言わない黒羽にムッとして 春来 「先生。俺が今から家行きたいって言ったら?」 黒羽 「え、、。なにしにくるの、、?」 春来 「んなの。一つしかないじゃん。俺だけの記憶にしやがって、自分勝手すぎるだろ」 声を張ってそう言った 黒羽 「それは、、本当にごめん」 春来 「初めて奪った責任とってもらう。1人で卒業したのはヤバすぎる。先生の記憶にも残らせたい」 黒羽 「だめだよお!お酒飲まないと性欲たまらないもん」 焦った黒羽はそっぽ向いて口を聞かない 春来 「じゃあ飲んでよ。お酒」 そこまで言われると思ってなかった黒羽はもちろん動揺中 春来 「とりあえず家行く」 そう言って走って家に帰っていった 夜 黒羽が夕食を作っていると ピーンポーン 嫌な予感しかしないインターホンがなった 出ようか出ないでおこうか迷ったが出ることにした インターホンのカメラに写っているのは、、、、、安喜だった え!?なに? 安喜がいる意味がわからなかった黒羽は走って玄関まで行ってドアを開けた 黒羽 「安喜くん!?どうしたの?」 安喜がニィっと微笑むと手に持っていた白い服袋を黒羽に差し出した 安喜 「今日はありがと!!楽しすぎたよっ。ほんでこれお土産。イルカの人形可愛いって言ってたけど値段みてやめたでしょ?買っといた!!」 すごい嬉しそうな顔で渡してきた安喜に 黒羽 「えぇ!?!?ほんとにっ!!うれしぃい !!一生宝物にするね!!ありがとう♡あ!お金!!」 女の子の喜びを見るだけでよかった安喜は 安喜 「いいよいいよ!俺が渡したくてかっただけだし!」 そう言ってお金を渡そうとした黒羽から逃げるように走って帰っていった イルカの人形は本当に可愛かった 黒羽は凄く暖かい気持ちになってイルカの人形を抱きしめた イルカの入っていた袋に手紙も入っていた なにこれ♡かわいい♡ と思って、手紙を読んでみる 黒羽は読み終わるとなんとも言えない感情になっていた 手紙の内容はこうだった 『先生へ。今日のデート幸せいっぱいだった!!ありがとう!俺わかった。先生と俺は釣り合わなすぎるって。俺がどんなに好きの感情をアタックしても、先生には全くきいてなかった。好きだったのは事実だけど、それ 以上に先生の気持ちが大切なんだ。先生に釣り合う男になるよ。いつかは絶対。お互いおばあちゃんおじいちゃんになっても、まだフリーだったらぜひ拾ってください。自分で言ったら変だけど、俺と居たら絶対楽しめるはずです!笑』 黒羽 「ごめんね、、。またやっちゃった。やっぱり、断らなきゃダメだったよね。春来くんの言う通り。これじゃたらしだよ。本当に申し訳ないな、、、」 1人で呟いていた 少し気持ちが納まった頃 次のインターホンがなった これは確定に春来だ。 察した黒羽は恐る恐るドアを開けた そこにはやっぱり春来がいた 春来 「先生。酒もってきた」 そう言ってたっかそうな瓶に入った日本酒を持ってきた春来 そうだ。春来の家は金持ちなんだ、、 黒羽 「なんでそんなの持ってきたの!?受け取れない」 春来 「2人の記憶にするため」 黒羽 「無理だよお、。酔っ払ったら結局記憶も何も無くなる」 春来 「あ。そっか」 黒羽はおもった。春来は賢くてしっかりしてるが天然なところがたまにある この前も部活でスパイクとトイレのスリッパを間違えて履いてきたことがある 黒羽 「諦めてくれる?ヤッちゃったことは本当に申し訳ないしどう謝っても許してもらえることじゃないのわかってるけど。今から2人の記憶にするのは、それもおかしいと思う、、。」 春来 「先生。俺の事嫌いになった?」 そんな子犬のようなウルウルした目で見つめられると心臓がキューってなってなんにもいえなくなる それを押さえて真剣な顔で 黒羽 「ううん。嫌いにはなってないよ?」 春来 「ごめん。自分勝手に欲みたそうとして、、。でも、、やっぱあきらめられない。1人で卒業は寂しすぎる。黒羽先生とじゃなきゃダメ。」 その決心した勢いで黒羽を部屋の中に押し込んで寝室まできた 無言でベッドに黒羽を押し倒して 自分の来ていた服を脱いだ リビングから盛れ込む明かりで押し倒された黒羽は春来の表情をよく見ることが出来なかった 自分のを脱ぎ終わると次は黒羽の服 丸裸になったふたりは 春来から一方的にキスを交わした 深くて熱いキス 首に這う唇があとを残す 春来 「先生…。好きだっ」 ドキッとする言葉を言われ恥ずかしくなる 春来が胸を揉む ちょっとずつ腰を振り出す2人 息が荒くなってくると 春来 「先生…。やるじゃんっ。酒なんてなくてもっ、、。んっ、、あ」 とうとう声も抑えられなくなってきた だいぶんと奥まで入ると 春来 「押し込むよっ、、ん、、」 黒羽はもう言葉すら出ないほど満たされていた お酒を飲まずにヤったのは数年ぶりだった 久しぶりに記憶に残るセックスをした 黒羽 「き、…きもち、、ぃ、、ん、、」 消え入りそうな声でそう言うと 春来はすごく嬉しそうな顔になった 春来 「2人の記憶。」 黒羽 「ずっと我慢してた、、。ありがとう。春来くん、、、ん、あ、はぁ、っ、」 春来 「これからはいつでも誘ってくれていいから」 半開きのエロい目と顔で頷く黒羽 腰を振る2人 お互いの汗が混じり合う 満たされまくった朝 春来は起きて1番に昨日の記憶が2人のものか不安になった 春来 「先生!!覚えてる?昨日のこと。」 黒羽 「お、覚えてるよォ、、」 恥ずかしそうに布団で顔を隠す黒羽がすごく愛おしかった 春来 「よかったあ…!!」 安心してベッドに全身の重心を任せた春来 また真剣な顔で質問する 春来 「好き?俺の事」 黒羽 「うん…。なった、、。ごめんね、、ダメな先生で」 春来 「ほんと!?よっしゃああ!ダメな先生なんかじゃないよ。立派だよ」 黒羽 「春来くん、、」 春来 「でも、ヤッたら好きになっちゃったってことは、他の奴とやったらそれも好きになるってことだよな!?俺妬くよ?、」 黒羽 「その面は大丈夫だよぉ、意思は固い方だから!!ちゃんと一途でいれる」 春来 「よっしゃ!!ねえ、、先生?…付き合わない?」 黒羽 「今は、、ごめんなさい。かな。」 春来 「やっぱ、、ダメ?」 黒羽 「先生と生徒の関係な以上それは出来ない。今の状況もホントだったら首になるぐらいダメなこと。ただね。2人が付き合えるようになるその日まで今のこの好きな気持ちが続いてれば、、付き合うこと出来る。」 春来 「続けよう!」 黒羽 「でも、、、そんなこと出来ないよ」 春来 「俺の事。好きじゃなくなる?」 黒羽 「ううん。好きだよ?好きだからこそ。ちゃんとした恋愛して欲しい。こんな状態、青春でもなんでもないよ、、、」 春来 「俺はこういうスリル満点の方が好き。ふつーの女の子と好きでもないのに付き合うよりずっといい」 黒羽 「これからさ。春来くんは色んな人と出会うと思うの。その中に運命の人がいるかもしれない。目移りだってきっとする。その時私悲しいよ、、。そんな事になるなら、最初からやめておきたいって思う。」 春来 「なるなんて決まってる事じゃないんだから分かんないじゃん。」 黒羽 「わかるよ、、さみしいよ」 可愛すぎる黒羽がより愛おしくなった 春来 「ほんとに。目移りなんてしない。俺、今まで人を好きになったことなくて。先生だけなんだ。こんな感情いだいてるの。もうこれ以上に現れないって言い切れる」 黒羽 「春来くん、、」 春来 「俺が卒業したら、、、付き合ってくれる?」 黒羽 「付き合えない理由がもうひとつあるの。春来くんはまだ若いから付き合って喧嘩したら別れたらいいってきっと思ってるでしょ?でも私はもう23才で、親にも結婚を急かされてて、タイムリミットの賞味期限が近ずく一方なの、、。もし仮に2年後の卒業した時に付き合えたとしても、その後別れたら、また一からパートナーを探さなきゃダメ。それは仕方ないことだけど、私には時間が無いの、、、。やっぱりその時も思うと思う。最初からやめてたらって、、、」 春来 「うん。わかってる。歳も違うし、経験も違う。でも、これだけは、俺の方がわかってる。別れないと思う。手放さない。こんな可愛い子」 黒羽 「気持ちは嬉しいけど。人って変わるんだよ。少しのことでも影響されちゃう」 春来 「今だけでいい。俺のこと信じて見てほしい。付き合ってない今から卒業までの間もちゃんと、彼女みたいに大切に扱う。付き合ったらしっかり勉強して、仕事して稼げるようになったらプロポーズする。約束する」 黒羽 「…。高校生は夢がいっっっっぱいつまってるね!!信じて、、見ようかな!!」 そうして2人は卒業後結婚前提に付き合うことを決めた 月曜日 春来が、いつもどうり登校して教室に入ると 瑠那 「おはよ!春来くん!!土曜日はありがとうね!楽しかったよ!」 春来 「あぁ、楽しかったね。こちらこそありがとう」 瑠那 「私決めた!!春来くんのこと本気で考えようって!!」 そう言って廊下に出ていってしまった 残された春来の頭に浮かぶハテナ 考えるって、なにを? 朝のホームルームの時間 黒羽がいつも通りザワついている教室に入ってくる 黒羽 「はーい!おはようございます!ホームルームはじめるね!!」 学校のスター黒羽の掛け声にみんな静まってしっかり前を向いた 黒羽 「今日からまた一週間始まったねえ!みんなで楽しく!頑張りましょうね〜」 その後は出席をとったりなんやらしながらあっという間に終わって休み時間になった 黒羽 「今日の黒板消しさん、ここ消してくれるかなあ?」 プリントを整理しながら声をかける 今日の黒板消しは春来だ 前まで行く またざわついている教室 黒羽と春来は2人で話せる距離にいる 話そうか迷っものの、お互い戸惑う 春来が黒板を消していると普通に生徒に話しかける感覚で 黒羽 「春来くん!黒板消しありがと!」 春来 「いえ」 平然を保とうとすると余計変な感じになる 春来 「今日の部活中コートでしたっけ?」 好きだからずっと話していたい 分かりきった話でもなんでもいい 顔を見ていたいから話す 黒羽 「ううん!外コート!もう夏になってきたし暑いから水分補給しっかりしてね!」 笑顔で話す黒羽に見とれていた春来 こんなに可愛い子が俺の彼女になるなんて、、 春来 「うい」 黒板を消し終わると名残惜しいが席に戻る 基本優等生の春来は次の授業の用意をした 春来は成績もよくクラスメイトから嫌われているわけじゃない 親の経営でお金持ちで、将来も約束されている 身長も筋肉もあって頭もある 運動もできる方で実は顔もいい 髪をセットしたりしたら確実に化ける それなのに地味に生きている春来 格好つけない春来を黒羽も気に入っていた 放課後の部活 黒羽はだいたいが部活時間の中盤辺りから見に来ることが多い みんなそれぞれ自主練している 安喜 「休憩~」 その声でみんなは水分補給しに行ったり寝転がったりする 安喜は水分補給し終わると春来の元へ走ってきた しかも真顔 いつも笑顔だけど今日は感情の読み取れない真顔だった しかも、笑顔を無理やり作ろうとしているのか引きつっている できるだけ春来に明るく接するようにしているのは安喜の優しさだ 安喜 「春来!!恋バナしよー!!」 無理に笑った表情で春来に肩を組んだ 春来は部員にも好かれても嫌われてもいないから、話に来てくれるのは安喜ぐらいだ それもありがたいと思ってた 春来 「この前の水族館上手く行きました?」 信頼している安喜にそんなこと聞くのも辛かったが自分の口から言うことは出来なかったし、もし、いい感じになってたなら黒羽は完全な男たらしで春来と安喜の両方を手に入れようとしていたということになってしまうからそれを知るのは避けたかった 安喜 「んー、まあ、上手くいったかって言われたら上手くいった。けど、自分から辞退した!」 半泣きでも笑って話す安喜 春来 「え?」 安喜 「俺じゃ、、釣り合わないって確信した。好きだけど、、大好きだけど。先生はそうは思ってない、、。それってさ。結局上手くいっても、、一生報われない。片思いなんだよ、、、そんな気持ちで黒羽先生を困らすのも嫌だ。だから伝えた。この気持ちを終わらせるって。、、」 とうとうこらえていた涙を流し出した安喜 春来が安喜の背中をさする 一旦隅っこのベンチに移動した 安喜 「好きでもない彼女。学校のトップ女子を手に入れたくて、、告白して。付き合って。いい気でいた。黒羽先生が現れたら一気にトップが黒羽先生に変わった。そのトップも奪おうとしてただけなのかな。俺って。結局。トップなら誰でもいい。そんな感じで好きになっちゃったのかな。。自分の気持ちがいまいち分からない。」 春来 「そんな、、。そんな、軽い気持ちだったんですか?違うと思います。彼女のこと好きだったでしょ。先輩。…今まで積上げてきた思い出、壊すようなこと言わないでください。先輩と話す度に彼女との惚気話聞かされて。それを話す時の先輩。本当に幸せそうで。、、だから。なんていうか、その、、先輩はトップを奪いたい。とかそういうんじゃなくて、トップになる人を見る目があるんです。そして、引きつける力が。だから、彼女だって出来たし、普通の男子じゃ振られてるところですよ?先輩はしっかり愛情を持った人です。彼女さんも、先生も絶対わかってるはず、。今は取り返しがつかない事もあるかもしれない、、。けど、これから取り戻していけばいい。次に行くことだって出来るんだから、、。」 天音 「うん。そうだよ。ほんとにばかなんだから、、。安喜ったら」 木の影からでてきた天音(安喜の元カノ)(学校一の美少女) 抜群の細長いスタイルで微笑む天音 涙を一瞬で拭く安喜 安喜 「あ、天音!?」 春来 「え、、いつから。」 天音 「んーと、ふたりがベンチに座り出した頃かな。私のこと好きじゃなかった。みたいな所」 笑顔で話す物だから、言ってることと行動が真逆過ぎて驚く 好きじゃなかったことを知ったらきっと悲しむはずなのに、、 悲しくないのか、、、? 安喜 「…」 あとから謝っても意味無いことは目に見えてわかっているから謝ることなく俯いて黙っている安喜 焦って一生懸命誤解をとく春来 春来 「天音さん!違うんです。先輩、は天音さんのこと好きでした。絶対に。近くで見てきた俺は何より分かります。天音さんもわかってますよね!?」 早口でそう言うと ケラケラ笑い出した天音 天音は安喜の横に座り込んで 天音 「うん。わかってるよ!分かってるから、もうそんな顔しないでよ!!はははっ」 天音の態度に2人は驚く 天音 「正直、、悲しかったよ?今の安喜の話も。うわきされたことも。」 安喜 「ごめん。」 天音 「でもね?春来くんの話でわかった。安喜は私のことが好きで!!私としか釣り合わないってね!!へへへ!」 天音は可愛く笑った 無邪気な女の子だ 安喜 「天音、、、?」 天音 「許すよ?安喜のこと。一時の恋じゃん。許すよ。これからしないならね?」 安喜 「ありがと、、う。ありがとう、、ぁりがとお、、、!!」 泣いて泣いて泣きじゃくって天音を抱きしめた 暖かい関係を見ていると春来も黒羽を今すぐ抱きしめたい気持ちになった 大切な人が幸せになるってこんなにいい気持ちになるんだって初めてわかった春来だった 泣き止んで部活を最後まで終え、また天音さんと合流した 部活中天音は黒羽と日陰で話していて 部活終わりに4人になった 春来だけがおもうこと・・・今、ダブルデートみたいな感じだな。 天音 「お疲れ様!安喜!春来くん!」 安喜 「おお!つかれたああ」 春来も軽く頭を下げる 安喜と天音。2人でじゃれ合う姿が愛おしくて愛おしくて、、 部員たちも「あれが学校一の美少女なんだっ」と足を止めてみていた 春来 「そういえばなんで天音さんここに居たんですか?」 安喜 「たしかに。あーお前!俺のストーカーか!?」 からかうように言うと 天音 「あー!!友達がサッカー部に彼氏出来たって言うから付き添いで来ただけ!安喜いるから木の陰に隠れてたら、ベンチに2人が来て。盗み聞きしたみたいになっちゃったの!」 安喜 「あーそゆこと」 天音 「友達は彼氏ともう帰ったから、安喜!!久々一緒に帰ろ!」 安喜 「おお!!ほんじゃあな春来!!」 近くまで来て肩をとんとんとしてから耳元で 安喜 「ありがとな。…黒羽先生と上手くやるんだぞ」 それだけコソッと言って天音と手を繋いで帰っていった 立ち尽くした春来 え?、、最初から。知ってたのか?、、 急に恥ずかしくなると共に、安喜の優しさをまた感じてしまった春来だった ボーっとしている春来の肩をトントンした黒羽 黒羽を見る。周りを見て人がいないか確認する。 誰もいないと分かると黒羽を思いっきり抱きしめた 春来 「あれからまだ2日しか経ってないのに。もう久々に感じるよ。だいすき、」 照れくさいけどこれぐらい伝えなきゃ黒羽はわかってくれない気がした 驚いた黒羽は春来を抱きしめ返して 黒羽 「うん、そうだね!幸せだね」 と囁いてくれた 2分ほど無言で抱きしめあっていると 黒羽 「それじゃあ、暗くなっちゃうし。私達も帰ろっか」 春来 「そうだね」 帰り道 黒羽 「安喜くん。幸せそうだったね。」 春来 「だね」 黒羽 「天音ちゃんはすごくいい子だね。やっぱり見た目がいい子って中身も磨かれてる。」 実質。黒羽は自覚がない安喜の浮気相手だ。 普通だったら嫌いな気持ちがみい出るはずなのに、、 春来 「そうだね。いい子だよね」 あっという間に家に着いた 春来 「ねえ?先生。今日家行っちゃダメ?」 黒羽 「いいけど、、、?お酒は飲まないし変なことしないからね?お話したりご飯食べるくらいなら、、」 春来 「うん!それでもいい。長く一緒にいたい」 黒羽 「わかったよ!」 愛くるしいことを言われ嬉しくなった 約束の時間に春来は家に来た 一緒にご飯を食べてカードゲームをして沢山笑った沢山話せた お互いの知らないこともどんどん知っていけて幸せな時間を過ごした ふっと春来が黒羽に聞く 春来 「先生ってさ??元彼とか、何人いるのか聞いてもい?」 黒羽 「いいよー?2人!」 春来 「思ったより少ないな?」 黒羽 「でしょぉ!中学の時遊び感覚で付き合ったのと、高校から大学卒業まで付き合ってた彼氏がいた」 春来 「うわあー。聞くんじゃなかったあ。」 耳を塞いで後悔する春来 黒羽 「ははははっ!そんなに??」 春来 「やじゃん。好きな女の元好きな人とか。」 黒羽 「今は違うじゃん?」 春来 「信用出来ない。…なら、もう1回。あの日の朝みたいに好きって言って」 2人が両思いになった日の事だ 黒羽 「…」 だんだんと顔が真っ赤になって俯く黒羽 春来 「スーキ。言って?」 ほら、っと急かす春来はどんどん顔を黒羽に近寄せる 春来 「ほーら。」 黒羽 「す、、、すき、」 目を合わせられない黒羽 春来はニヤリと笑って「よく出来ました」そう言って頭をポンポンと大きな手で撫でた 黒羽 「春来くんって、、たまーにドSな時。あるよね、、」 春来 「え?」 自覚のない春来はとぼけた顔をする 少し沈黙が続いて黒羽がまだ照れていると 春来 「ねえ。先生? キス。してもいい?」 黒羽のショートカットの横髪を耳にかけ顔を近ずけてそう言った 黒羽 「だ、ダメだよォ!!変なことしない!って約束だったでしょ?」 春来 「でも、、。いいじゃん。キスくらい」 黒羽 「よぉーくなぁいの!」 そう言うともっと近距離にこられもう唇が重なりそうだ 春来 「先生?いい?」 黒羽の目と唇を交互に見る 唇を見た時の表情が美しすぎた 返事を待たずにやさしいキスをした 黒羽は何も言えない。顔が真っ赤だ 春来 「ありがとう」 それだけ言って帰って行った また数日後 春来は気づいた 黒羽の歩き方がおかしいことを 極端なガニ股 まさか!!??と思い黒羽の元に駆けつけた 春来 「先生。放課後話ある。」 懇談の時のように教室で話すことにした 黒羽 「春来くん、、」 なにか言おうとしてるのを止めて自分の口から聞き出す 春来 「先生…。もしかして、、誰かと昨日ヤった??」 悲しそうな顔で聞く 黒羽は申し訳なさそうな顔で 黒羽 「春来くん、、。ごめんなさい」 頭を下げてきた 春来 「そ、そんな、、。先生。一途だから安心してって言ったじゃん。好きって、、、俺が目移りした時悲しむよって。そう言ってくれたじゃん、、、。今、俺が悲しいよ、」 黒羽 「本当にごめんなさい、」 涙を流して深くお辞儀する 春来 「ヤった事に変わりは無いけど、、、。理由だけ聞く。」 黒羽 「うん、、」 机と机を合わせて対面になって座った 昨日あった出来事を話し出す 昨日PM19時 黒羽の元彼(高校生から大学生まで付き合っていた人)も教師をしていて 今も仲良くて、たまにこうやって2人で集まって悩み相談やアドバイスなどし合う 英語の科目も同じで気が合うのだ それが昨日だった 黒羽の家に集まって夜ご飯を食べた 春来くんがいるのにこんな事まだしてていいのか少しは頭によぎったが、悪魔でも『友達として』だし、という事で家に入れた 相手もそういう気はないはずでいつも通り話してくれた 2人は本当に気があって一緒にいる時間は本当に楽しくて お互いにとって心から『頼れる』存在で時間を忘れて話が出来る存在だった 変わりはいないと言うぐらいのレベルで仲良し 愚痴を言ったり楽しかった話をずっとしているともうあっという間に23時になっていた 元彼 「ねえ。コンビニ行かない?お菓子食べたくなってきた」 黒羽 「おー!いいねぇ!!いこいこ!」 コンビニでは色んなものをたくさん買って彼が何を買ったのか詳しく見ずに家に帰ってきた 家に着くとお菓子を机一面に広げて幸せ空間だった 食の好みも似ているから全部好きな食べ物 次に袋から出したのがお酒だった・・・ 黒羽は一瞬戸惑ったが もっと本音で語りたい!と言うのもあったりしてお酒を飲むことにした もちろん酔うと性欲が溜まることを彼は知っている 彼なら意思が無くなった自分も預けられると思った でもそこが間違いだった 彼は何も悪くない。もっと楽しもうとしてただけ。悪いのは黒羽。 飲んだあとの記憶はほぼほぼ消えてるけどこの記憶だけあった 2人で薄暗い寝室のベッドに寝転ぶ 黒羽の上にまたがる彼の顔がリビングの電気の逆光で見えない 春来の時と同じだ 黒羽 「やりたい!けど、もしもの事あったら、、ヤダな。」 その『もしも』は春来に知られて悲しませるのは嫌だなって意味だった 春来の事はさすがに生徒と先生の関係だから彼にもいえなかった でも普通傍から聞いたら『もしも』なんて妊娠しか思い浮かばないから 元彼 「大丈夫だよ。さっきコンビニで買ったから」 ポケットからコンドームを出してきた元彼に微笑んで抱きついた黒羽 その後は本当に思い出せない でも確実にヤッた 今朝隣に元彼が居たから お互い全裸で いつも会う時はこんなことなら無い。なったこと無かった。 でも、昨日は違かった どう考えてもタイミングが悪すぎる、、。 春来という存在がいるのにも関わらず、、 避妊をした所まで隠すことなく全部春来に伝えると 春来は、何度か深呼吸して自分を落ち着かせるように目を閉じた 春来 「わかった。教えてくれて、ありがとう」 黒羽 「振られても仕方ないことわかってる。ごめんね。いつもどこまでも酷くて最低な先生で。」 春来 「待てよ。誰も振るなんて言ってない。酒を飲んだのは怒ってるけど意志でヤッたんじゃない事がわかったから許すよ。」 黒羽 「うそ、、。ありが、、とう」 また泣き出す 春来 「今度ヤッたら覚えてろよ。地獄の底までおいつめるからな」 そう言って笑った 春来だって辛い。 でも、一時のタイミングの問題で揉めて付き合うことが無くなるのは嫌だった もうしっかり好きだから。 仲直りした2人は一緒に下校して行った この学校の夏のメイン行事と言えば体育祭だ クラスで種目決めなどの打ち合わせの時間 黒羽 「ここはみんなで青春したいからみんなが一つになって他人のこと思いあって決めていきたいと思います!学級委員さん進めてください!」 先生が横にはけると学級委員の男女二人が前に出てきた どんどん決め事を進めていく 種目は全員リレーになった 学年対抗で2年生は4クラスある中の1クラス出る それが黒羽の持つこのクラスだった 足が遅い順から始まるのがこのクラスの作戦になった 真ん中辺りに瑠那そしてどんどん遅い順に並んでいく 春来は運動得意中の得意な方だから最後から2番目だった 陸上部のトップにはさすがに勝てないがそこそこ早い人たちには勝てる それをカッコつけることも無くふつーに順番に並べるのも黒羽は好感を持った 一方瑠那もそれに対して春来への好感度がアップしていた 次にクラス種目が決まった 男女混合ペアダンスだ カップルはいいとして普通に気まずすぎる競技 腕を組んだりボディータッチは当たり前 これは相手が重要だ ロマンティック好きの黒羽はとろけそうな笑顔で 黒羽 「いいねぇ〜楽しそう!青春じゃあん!」 と言ってペアを組んでいるクラスメイト達を暖かく見ていた 無責任な先生だ そんな黒羽を見ていたひとりのやんちゃ男子が大きな声で言った 男子 「先生そんな羨ましいならやればいーじゃん!!相手は俺にしとく!?」 その言葉でクラスが笑いで盛り上がる 黒羽 「いやいやぁ!私がやってたら変でしょ!やらないよぉ!」 男子 「いいから!俺にする??俺にしとく?」 黒羽も笑った いつもだったら真顔かみんなに合わせて笑っておく春来だが 今回はなんだかカッとなった 盛り上がる教室から一人出ていく みんなは気づかなかったが瑠奈は気づいた 午後の授業中でお日様が夕日に変わろうとする暖かい時間帯の誰もいない廊下 当てもなくあの場から逃げ出したくなった春来 こんな自分が嫌だった 誰かをずっと気にしていたり依存したり。取られそうになると取られたくないって気持ち 疲れる。 こういう感情は今の今まで出てこずに生きてきたから余計むしゃくしゃする それを黒羽に伝えるのもそれはそれで嫌だ もう自分でどうしたらいいのか分からなかったからその場から離れて自分の耳に入れないように逃げてきた 黒羽をとられる。その感情さえも自分じゃないみたいで、、辛い、、。 今の時間は全学年全クラスが体育祭の話し合いを教室でしているはずだ だから、音楽室や調理室、PC室などがある教室のない棟へ移動した 今の時間はサボろうと考えた 今までサボったことのなかった春来は少しワクワクもしていた 縛られずに自由に生きるのも案外悪くない 長い廊下を歩く 振り返ると誰もいない廊下がある。と思い込みながら振り返った でも、そこには瑠那がいて 思っていた光景とは違かった 少しガッカリしながらここに居ることも驚き 春来 「はぁ。なんで居んの?」 瑠那 「追ってきた。どうしたの?抜け出したりなんかして」 春来 「あの空気に居られなかった。それだけ」 瑠那 「そういう時、あるよね!!…戻んないの?」 春来 「終わりのチャイムまでサボる。」 と、その場に座り込み壁にもたれ込む 体育座りの乱れたバージョンで座っていると 横に瑠那も体育座りして壁にはもたれず座り込んできた 春来 「サボんの?」 瑠那 「うん!サボるの付き合うよ」 ちょっと1人にもされたかったが、まあいい 春来 「ん」 瑠那 「ねぇえ?春来くんって好きな子いるんだっけ?」 黒羽って胸張って言いたいけど今は形にすらなってないから 春来 「いない。」 と答えた 瑠那 「そっか!!私とか、、いいんじゃない!?なんちゃって!!へへへ」 照れながら言ったものの誤魔化されて何が言いたいか分からなかった春来 瑠那は春来に気があること、少しは分かってくれたんじゃないかって期待した 話を続けるには自分からも質問しなきと思い 春来 「瑠那は?」 と質問した。瑠那は少しは気になってくれてるんだと勘違いを起こしてしまった 瑠那 「いるよ、!」 別に興味が無い春来はそれ以上聞くことなく「そっか」と答えた 少しの無言の時間 瑠那 「好きな人ね。サッカー部で同じクラスなの。」 春来達のクラスにサッカー部は春来合わせて3人 春来 「へー」 瑠那 「誰か当てて見てよ!!」 春来 「んー山田?」 瑠那 「ううん!」 春来 「後藤?」 瑠那 「ぶっぶー!」 春来 「え?あといたっけ?サッカー部」 瑠那 「いるよォ?今、話してる人。」 自分の爪先を見て顔を赤らめながらそう言った 蒸し暑い廊下に窓から吹いてきた柔らかい風が2人を包む 春来 「え?」 瑠那 「好きなんだよ。?春来くんのこと、、」 今よりもっと真っ赤な顔でそう言った まさか過ぎる答えでなんて言っていいか分からない春来 でも春来の頭の中は完全に『黒羽一筋』だから、なにも心に響かない 沈黙が続く 瑠那 「だからね!何が言いたいかって言うとね、、、!あのね!少しは私の事見て欲しいなって!ゆっくりでいいから両思いになれる日夢見てる、、!頑張るから!私!!」 春来の目をしっかり見てそう言った 春来がなにか言おうと口を開けた瞬間チャイムがなった 瑠那 「あ!ほら!!チャイムなったし、もう戻ろっか!」 そう言われるがまま2人は教室に戻った 家 春来は家に帰ってずっと、考えていた 夜の23時 あの瞬間から頭から離れなくなった瑠那の言葉 寝る準備完了の姿勢でベッドに寝転んでいる 片腕を額にのせて考え込む 春来 「『両思いになれる日を夢みてる』。か、、」 春来は思った 俺もそうなのかもしれない。黒羽先生。好きとは言ったものの。言わせた。みたいな部分はあるし、もし本当に俺のことが好きなら、誤魔化しだとしても今日みたいに男子に誘われた時ヘラヘラしていないはず。 薄々気づいてる。黒羽は本当に心から春来が好きなわけじゃないこと。 俺も同じだ。いつか、、両思いになれる日を夢みてる。 なれてない今も自分に言い聞かせて夢見てるんだ。 瑠那も、、、こんな気持ちなんだ。 可愛そうでこの気持ちから解放してあげたいと思った 瑠那にメールを送った 自分から連絡するなんてほとんど無いけど、今日は特別 思いの勢いで送ってみた 春来:「明日、放課後言いたいことがある。会える?」 その頃、瑠那は春来にもっと見て貰えるように美容ケアしていた パックしていると、スマホが震える 見てみると春来からだった 瑠那 「うそ!!」 今こんなにも頭の中にいる人から連絡が来るなんてテンション上がる、、!! 直ぐに返信したらキモがられるかなあ? 既読つけようかまだ待とうか迷っているうちに10分たっていた 瑠那 「そろそろ、、、いいよ、ね?」 通知をタップすると明日話したいことがあるとの事だ 瑠那は飛び上がった え!え!えええ!?うそ、うそでしょ!?言いたいことってなんだろお…!! 告白?告白されるの!?もうこの段階で!! 春来くんったらァ!!早いよぉ! やばいやばいどうしよう。 明日はしっかり可愛い髪型で行かなくちゃ、、! やばああい!引っ越してきてそうそう彼氏かぁ~♡ 困ったもんだなぁ!!しかも相手は学校1のお金持ち!顔もそこそこいい方だし、なんでも出来ちゃうのもいいね 付き合ったら何買ってもらおう! 家族の人とも仲良くしてもらって夜ご飯は毎日呼ばれよう!ご馳走が出てくるんだろぉなあ~♡ やったああ!! 瑠那:「うん!会えるよ!」 それだけ送って明日の準備をして眠りについた そして次の日の放課後 ワクワクした気持ちを最小限に抑えて春来と会った 瑠那 「言いたいことって、なに?」 春来 「ごめんね。呼び出したりして。」 コメカミをかいて言った春来 瑠那 「ううん!大丈夫だよー!」 満面の笑みを見せる 春来 「瑠那さ。俺のこと気になってくれてるって言ってたじゃん、?」 きたきたきた!!告白くるぅー!! 瑠那 「うん!気になってる、よ?」 照れてるように言うと 春来 「あの、さ。」 春来くん照れてる!!ふふふ!早く言っていいんだよ?答えはひとつしかないじゃん!! 春来 「あの、俺はやめといた方がいい」 瑠那は春来の言葉を聞かずに「はい!!」という1歩手前で止めた 瑠那 「…え、?」 思ってたのと違う。こんなこと言われるためにここにいるんじゃない、、、!! 春来 「俺はいつまで経ってもなにがあっても瑠那をすきになることは無い。だから。やめた方がいい。夢見るだけ、期待するだけ、時間の無駄だと思う。それなら、ほか当たった方がいい。」 瑠那 「…」 春来 「瑠那モテるだろうし、俺なんかやめた方が」 春来が言いかけると 瑠那 「なんで…!!なんでそんなの決められなきゃ行けないの、、!?私は決めたんだから。これからもアタックする!!」 そう言って教室から走り去っていった 春来 「はぁ…」 ため息を着くしか無かった 瑠那のためを思って言ってるのに 瑠那は涙を流しながら家まで走った なんで、、なんでそんなの決められなきゃ行けないの。 私が思ってたのと、、ちがうよ。こんなの。私が惨め。私が可愛そう。 ほしいものもたくさんある。その夢を叶えてあげられないのは、、かなしいよ。 自分のことばかり可哀想に思って春来の優しさには何も気づいていなかった 体育祭に近づく日々 ダンスペアが決まってきた 春来は女子からの誘いはあるわけなく、瑠那からはたくさん依頼があった でもそれを全部無視して余った女の子が居ないか探す。 瑠那は3人ほどの男子から依頼されていたがお金のない男なんて相手していないから態度はよく、無視だ 結局その3人の男子も諦めて別の女の子とペアを組んだ 余ったのはもう春来と瑠那だけで 仕方なくペアを組むことにした ダンスの振りに手を繋いだり軽く抱きしめたりする部分がある 最後にはおんぶの部分も 春来は少しだけたくらんだ 期待はしていないが、瑠那との行動で黒羽が嫉妬するんじゃないかっ!て だから、放課後も体育の授業時間もどのチームよりも練習した それもまた、瑠那に勘違いを引き起こしてることもしらずに、、、。 そして迎えた体育祭前日の放課後 部活が終わり、黒羽と春来は久しぶりに一緒に帰ることにした 黒羽 「明日はいよいよ体育祭だねえ」 春来 「そうだな」 黒羽 「春来くんペア放課後まで残ったりしてダンス練習してるから、楽しみ!!ちゃんと見てるね!」 やっぱり。嫉妬されるわけなんか、、ないか。 春来 「先生。今日家行っちゃダメ?」 黒羽 「今日は友達が来てくれて女子会するからダーメ」 春来 「静かにしてても?」 黒羽 「ダメに決まってるでしょ?生徒が家にいたら怪しまれる以外ないって!」 と、お腹を抱えて笑う 春来 「そっか」 寂しそうに答えた 黒羽 「またさ!なんも無い時にきなよ!」 その一言で笑顔になって頷いた 少し歩いて立ち止まる 春来 「全員リレー。勝てるかな。?」 黒羽 「かてるよぉ!!だって無敵の岩本くん(陸上部のトップ)と春来くんがいるんだもん!!」 春来 「そっか!頑張るね。」 黒羽 「うん!見守ってるね!」 春来 「俺のゾーンで1位取れたらさ。ご褒美ほしい」 黒羽 「いいよ!!なにがいい?暑いしアイスかな?」 春来 「先生。」 黒羽 「え?」 春来 「もう1回先生がほしい。先生の中に入りたい。」 黒羽 「ん…。…わかった!1位とれたらね!」 悩んでフリーズした末OKした 春来は不安になりたくなかった。もうこれ以上 頼み事はなんでもよかった。けど、これしか安心できるものはなかった こればっかだとこれだけの関係になるみたいで嫌だけど。それでも、!! それでも繋がっていたかった 好きだから。 体育祭当日 いつもよりみんなテンションが高く、賑わう 自分で作った衣装やコスプレをしている人も多々 2年生の最初の競技はペアダンスだった 春来と瑠那は今までの練習の成果を最大限に活かすことを目標に種目に挑んだ 瑠那 「春来くん!今日はがんばろーね♡」 ぴょんぴょん跳ねながら女の子らしく可愛くそう言った 春来 「うん。そうだね。がんばろう」 相変わらず興味が無い塩対応・・・ 音楽が流れだし入場する2年生 腕を組んで入場する 向かい合い手を握って額を合わせてスタートだ 観客席にいる1・3年生と、2年生のほかのクラスの生徒がキャーキャー言っている この振りにしたのは、思春期男子の一軍だから遊び半分で選んだに違いない。 自分たちで選んだものの、その男子達も恥ずかしくて顔が真っ赤になっている 春来と瑠那はやり慣れているからまだ大丈夫なほうだ どちらも本心で恋愛感情は無いから、恥ずかしくもならない 瑠那は心の中でこんなにマジカで女の子を見たら惚れちゃうでしょ。なんて思っているぐらいだ 歌が始まると一斉に動き出す 体が近ずいたり離れたりして見ているとハラハラドキドキする 手を繋いで走り出したりして曲の中半になってきた頃 瑠那がしゃがみ込んだ 春来が瑠那に寄り添う 春来 「瑠那?どうした??足ひねったか!?」 2人を気にせず曲は続く 瑠那 「い、いたい…っ!!捻った。ごめんね、春来くん」 痛いのと、ここまで練習してきたのにお披露目できないことが悲しかった瑠那 春来 「あやまらなくていい。立てないか?保健室まで連れてく。触れるぞ。」 返事を待たずに瑠那を軽々とお姫様抱っこして保健室に連れていく その姿にも他クラス他学年の女子男子からキャーキャーと言われる そんな声も聞こえていない春来は保健室にいそいだ 春来 「もうすぐ着くからな。自分攻めなくていいから。痛いだろうに。大丈夫か、、」 足をひねる経験はサッカーで何度もある 気持ちは凄くわかるから優しい言葉をかけてあげる 瑠那はそれにときめく 私!お姫様みたい、!!と。。。 ペアダンスは終了し、瑠那は救護の椅子に座って見学となった 次に春来が出るのは全員リレーだ 人数が多い分回ってくるのも遅い 最初のスタートで春来のチームが再開位だった それから少しずつ逆転していき3チームある中の2位だった ここで春来の出番が来て逆転すれば1位だ いよいよ回ってきた春来の出番 1位は断トツで2位と3位が比べ合ってるところだ 3位は1年生 1位は3年生だ 3年生のアンカーを走るのは安喜だった さっき、リレーが始まる前に安喜と少し話した時、安喜が1位とったら彼女と箱根旅行に行くらしい やっぱり賭け事があっての勝負だからそれぐらい無いとダメだと春来も思った 安喜を応援しつつ自分のターンだけでも1位を目指す 2番目にバトンが回ってきた 絶対にこの3年生を抜かす という全力な気持ちで走りきった 結果はそのままの状態、、、。 1位は3年生 2位は2年生 3位は1年生だ 春来は絶望に陥った 今回の体育祭は、、何もこなせてない。 ペアダンスだって中断して、リレーも現状キープしただけだ。 『1位とったら』なんて、恥かくようなこと言った自分がバカみたいだ もう、閉会式には出る気になれなくて教室の隅っ子に座り込んで顔を失せる 黒羽と合わす顔がない…。と、色々考えていると誰かの足音が近ずいてくる 顔を上げてみると・・・ 笑顔で春来の前に立っている黒羽 春来と同じ目線までしゃがみこむ 黒羽 「春来くん!今日はよく頑張ったね!特別に!!先生もここでサボることにします!」 そんな優しさ、、、今のこの気持ちだと同情にしか聞こえないよ、、 春来 「いいのかよ。先生が閉会式サボるなんて。」 黒羽 「いいんだよぉ!今日くらい!特別にだもん!後で怒られたらなんか言い訳するからさ!」 春来 「…そっか…。先生…」 黒羽 「どうしたの?」 春来 「俺、1位取れなかった、、ごめん。」 黒羽 「謝らなくていいんだよ!!頑張ってる姿ずっと見てた!お疲れ様!」 春来 「俺、なんもしてない。」 黒羽 「そんな事ないよ!今日は仕方なかったんだよ!相手も相手だし!!ご褒美上げるね!」 その言葉で顔を上げるとにこにこしている黒羽 黒羽 「好きなお菓子!買ってあげる!!」 春来はてっきり1位とった時のご褒美をくれるのかと思っていた、、 春来 「・・・」 黒羽 「なにがいいかなぁー!帰りコンビニ寄ろっか!」 1人で会話を進めている黒羽に強く当たる 春来 「あのさ。先生さ。俺のこと、いつも子供扱いしすぎ。言っとくけどそんなに子供じゃないから。もう先生と同じぐらいなやめるし考えれるから。」 黒羽 「春来くん?」 春来 「先生は。俺が1位取らなくてホッとしてるんだろ?!!ガキに体奪われたくないもんなぁ。そんなもんなんだろ?俺への気持ちって。」 黒羽 「ちがっ」 言いかけるとまた続ける 春来 「もういいよ。期待すればするだけ無駄に悲しい気持ちになる。報われないってわかった」 自分への怒りとどうしようも無い黒羽への気持ちと、黒羽の嘘かホントか分からない優しさ、全てに腹が立ってとうとう怒鳴りつけてしまった 黒羽のうるうるしたら悲しそうな顔を始めてみた春来はまたムカついて教室から飛び出してしまった 最近、自分の情緒を取れない時がある。 今まで人にも自分にも無関心に生きてきた春来は、こんなにも人のちょっとした行動で気持ちが左右されることに驚いていた 残された黒羽 黒羽は自分を自分でこらしめたくなった 黒羽 「もう…やだ。」 涙を流して泣き崩れた 体育祭中。ずっと春来を見ていた 春来から目を離さなかった 最初のペアダンスだって、瑠那と手を繋いで出てくるなんて見るのに少し気が引けたし、抱き合ったりするシーンなんて、手が震えるほど嫌だった あの日、2人の記憶にした行為をする時の、春来が黒羽だけを見つめる目を瑠那にもしていたから。 正直…とても嫌だった 演技とわかっていても、特別な表情は自分だけにして欲しいし、他の誰にも触れて欲しくなかった 瑠那が足を捻った時もとっさにしゃがみこんで瑠那をお姫様抱っこした 本当に心配そうな顔で保健室に向かっていったから、頭の中は真っ白になった それから、リレーまでの間、何も考えられなかった リレーが始まる前に春来に話に行こうと、春来の近くまで行ったものの春来は安喜と話をしていたから会話に入れなくて結局話すことが出来なかった このまま話せないまま今日が終わるのは嫌だって思った また春来を自分の中に入れるのは生徒と教師の一線を超える罪悪感として少し抵抗もあるが、その結果はどちでも良かった 今すぐ春来と話して愛を知りたかった 自分だけを1点に見つめてくれる春来のそばにいたかった リレーの結果は残念だったけど頑張ってる姿はこの目に焼き付けたし、相手が強敵すぎて仕方ないとも思ったけど、悲しんで教室の隅っこに逃げ出した時は本当に可愛いと思って愛おしくなった だから話しかけに行った 今までは春来にこんな気持ちなくて、瑠那と仲良くしていることにもなんにも気にしていなかった でも今日は違った。確実に違った 自分の気持ちの変化に気づいた 春来はほかの女の子を女として見て欲しくないっ。そう心から思った 今日。体育祭の種目が、黒羽の春来へ対する気持ちを好きに変えてくれたのだった 黒羽 「好きなのに…。傷つけちゃった…」 この気持ちを伝えることなく2週間が経過した あれから、学校生活に必要なこと以外は春来に距離を置かれた黒羽 やけに瑠那と会話をしているのを見かけるようになった その度に心が沈んでるように重くなって悲しい気持ちになった 春来はもちろん、黒羽が嫉妬するわけない。と思って生活しているから、瑠那がグイグイ来るままそれに応えていた お互いに、もう2人の関係は終わってしまったのかもしれない。と、納得しだした 来週から夏休み 夏休みに入る前に生徒と教師での懇談の時間が設けられる 1人1回は確実に済ませなくちゃ行けなくて、これからの進路や成績渡し、夏休みの過ごし方について話したり、悩み相談などを聞く時間 たまに恋バナを聞いたりする時もある 春来と黒羽は久しぶりに2人きりで話す時間だ ド緊張な黒羽 黒羽 「最近どう?勉強とか。色々悩んでることない?大丈夫?」 優しく聞いてみるが「うん」とだけ返される まるで、早くこの時間が終わらないかな。と言うように。 黒羽 「あ!そっか!!良かった!…!!最初に成績表渡そうかな!その後進路について話してから夏休みの過ごし方っ」 春来 「うい」 背もたれにも垂れてだるそうな顔をする 成績表は見なくてもわかる。オール5の優等生だから 開けて春来の方に向けると 社会だけ4だった 春来はそれを見ると焦った表情に変わって成績表にくらいつくようにじっくり見た 春来 「先生?なんでこれ、4だと思う?、、」 黒羽 「全部いい成績!!流石だね!」 春来 「4があるなんて信じられない。」 ガッカリしてしまった春来 オール5はこんな自分も満点なんだっていう自信に繋がるから1つでもかけていたら自信がなくなってしまうのだ 黒羽 「次!次オール5にしよ!!ね!」 それに返事を返すことは無かった 黒羽 「…。じゃあ次に進路希望聞こうかな!」 春来 「…」 黒羽 「将来したいこととか!あるの?」 春来 「ない。父親の会社継ぐから、あっても意味無い夢」 黒羽 「そっかぁ。お父さんの会社継ぐのはすごく立派で責任重大で大事な事だと思うし。そういうのも憧れるけどさ?自分がやってみたい!!とか、好きな事とかさ。夢を持つのは全然意味無くないと思うな。それも大切な事だと、私は思う。」 春来 「…」 黒羽 「あ!ごめんね!個人の感想!!じゃあ大学は行かない??」 春来 「大学には行くつもり。その後継ぐ」 黒羽 「そうなんだね!!応援してるからね!」 本当だったらそばで応援できたはず・・・ 黒羽 「じゃあ、またなにかあったら、いつでも相談してね!」 春来 「うん」 黒羽 「えーっと次で終わるからね!夏休みの過ごし方講座!!」 パンフレットにされた紙を1項目ずつ読んで説明していく こんなのいらないって、黒羽も思っていたがやるしかない 春来 「あのさ。もういい?こんなの言われなくたって守れるし」 黒羽 「いやぁでもね?」 春来 「だから、この前も言ったじゃん。そんなガキじゃないって」 黒羽はそんなこと思って説明してるんじゃない。 黒羽 「学校のルールだからさっ」 春来 「先生。俺の事なんも分かってないのによく口出しできるね」 黒羽 「え?」 春来 「もう覚めちゃったかも。なーんか違うよね。釣り合って無さすぎるって言うか、、。」 黒羽 「春来、、くん?」 春来 「もう、高校卒業したらって話。自然消滅でいいよね?」 冷たい口調でそう言われたら「わかった、」としか言えなかった 言い出した春来はその返事に絶望した 最後の少ない期待の中で大切にしてきたものが全部壊れた感覚だった。 やっぱり黒羽は、俺の事を何も考えてないんだって実感した 黒羽は、なんでもっと早く春来をちゃんと好きにならなかったんだろう…これじゃあ、片思いのすれ違いだ、、、。と、大後悔中 お互い自分の考えばかりで相手の本当に思っていることや行動を見ていないのは事実 このままじゃダメだと分かっていてももうこれ以上前へ進めない 本当に終わってしまうのか… 家に帰るとお互いそのことばかり考えた 春来が気晴らしに散歩に行こうと家を出た 家の前のもんをくぐって道に出る その同時のタイミングで、マンションの階段を降りてきた黒羽 細い歩道を挟んだ向こう側だ黒羽の姿を見つけてしまった春来は、そっぽ向いて当てもなく歩き出した 黒羽 「はっ、春来くん!!」 大きな声で呼ばれ春来が振り返ると 黒羽 「ど、、、どこ行くの?」 話す内容も考えずに呼び止めてしまったから世間話しか出来なかった 春来 「べつに。行くとこはないよ」 黒羽 「もう夕方出しさ!!一緒にコンビニとか、、、?どこでもいいけど。行かないかなぁー、、って」 春来 「先生は?なんで外出たの?」 黒羽 「なーんとなく。散歩しようかなって、、!」 春来 「そっか。俺もだから、一緒に歩こっか」 黒羽 「うん!」 嬉しくてつい満面の笑み 少し歩いたもののずっと沈黙、、、 付き合っていたカップルが今日別れたのに一緒に散歩している。みたいなものだからどうにも空気が重い そんな時に春来が口を開いた 春来 「アイス。買ってくれるんでしょ??」 黒羽 「そうだね!!ご褒美だもんね〜」 お互いこんな曖昧な関係に頼ってこれ以上は悪化させないようにした コンビニに着いた アイスを買って外で食べる もう日が沈みきる寸前の涼しい時間帯 黒羽 「春来くんさ?言いたくなかったら大丈夫なんだけど、瑠那ちゃんと最近結構仲良いよね?気のせいかなあ?」 春来 「あー。うん、」 黒羽 「付き合ったりしてるのかな〜?って!!思って…」 散々嫉妬したあげく、聞いてしまった・・・ 春来 「え?そう見える?」 黒羽 「うん…」 春来 「ぜん絶対付き合ってない。向こうが一方的に話しかけてくるだけ。」 黒羽 「な、なーんだ!!そういうことか!」 春来 「なんで?」 黒羽 「ずっと、、気になってたから。かな?」 春来 「嫉妬?」 少し重たい空気を和ますために冗談を言ったく その冗談は黒羽には伝わらず、真っ赤な顔で頷いた 春来の予想外。空気はさっきよりも重くなった 春来 「え…」 先生が、俺に??嫉妬!? いやいや、有り得ない。なんとも思ってないはずだ。 自分に言い聞かせる 黒羽 「ごめん、、。もうこんなこと気にしても遅いのにねっ」 優しく笑った黒羽 春来 「おそくない。どういう事??」 しっかり話を聞こうと聞き直す 黒羽 「あのね。黙ってたけど…。」 瑠那と接する春来に嫉妬していたことを心の底から全部吐き出して、春来に伝えた 春来はもちろん驚いて、本当に好きになってくれたことも嬉しかった 春来 「やりなおそ。俺、黒羽先生しか無理だ。他の人を女として見れない。」 黒羽 「春来くん…」 両思いのままだから、お互い納得して今までの関係に戻ることにした 春来 「ごめんね。先生に強く当たって。自分の情緒はしっかり取れるようにしなきゃダメなのに。黒羽先生のことばっかり頭にあって。そんな自分を先生は本当は好きじゃないってこと、薄々気づいてたから、ムシャクシャして。全部当たっちゃった」 黒羽 「ううん!大丈夫だよ。全部心からの言葉じゃなくてよかった!私も。本当にごめんなさい。これは、ちゃんと謝らなきゃ行けないことだよね。本当のすきじゃ無かったこと。私も心のどこかで気づいてた。春来くんが気づいて傷つくのは当たり前。本当にごめんなさい。でもね!!もう本当なの。信じて欲しい。好きです!」 春来 「くぅ!、、。この言葉。ずっと待ってた!!先生からくれる好き。」 どちらともなく抱き合った 春来 「なんか、、。もうカップルみたいだな。」 黒羽 「カップルでしょー!!(仮)だけど!」 春来 「本当に、瑠那とはなんもないから。安心していいよ。」 黒羽 「うん!分かった、春来くんを信じるー!」 夏休みに入る。 夏休みなど関係なく、県大会のためにサッカー部は練習を積み重ねる 気温、40度近くまであってもそれは続けられた 日焼け対策バッチリで部活を見に来る黒羽 大会まで後少しで、今は追い込みの時期だった 春来は別にサッカーに専念していた訳じゃないから、それなりに頑張る 向かえた県大会 熱い戦いが終わり、結果は最下位位にほぼ近かった 優勝チーム、〇〇高校は、コーチが凄いらしい 閉会式が始まる前 春来と安喜と黒羽が話していると後ろから声をかけられた 男 「紗夜!!」 見ると、若い男の人が笑顔でこっちを見ている 黒羽 「星成(せな)くん!」 2人とも会えて嬉しそうな顔になった 星成は背は低めで茶髪の爽やかイケメン 安喜 「え?だれー?」 黒羽 「高校と大学同じだった人なの!」 安喜 「えー!すごー!」 星成 「初めまして!〇〇高校サッカー部顧問の北見星成(きたみせな)です!よろしくね」 安喜 「〇〇高校って今日も優勝した??」 星成 「そうですそうです!」 黒羽 「さすが星成くん!高校でもサッカーの神って呼ばれてたもんね!!」 星成 「まーたそうやってからかってぇー」 黒羽 「へへへっ」 じゃれ合う2人 星成 「じゃあね!部員たち待ってるから!」 それだけ言って向こうへ行ってしまった 安喜 「やっぱ強いチームって凄いよなー!なー?春来!!」 春来がちょびっと黒羽に嫉妬したことが分かり慰めるように大きく肩を叩く 春来 「ですねー」 いったい何を見せつけられたのか分からないままその日は終わった 夏休みが開けても、黒羽と春来はラブラブのままだった 始業式で珍しいことに学校に新しい先生が来る事になった 紹介された時は驚いた あの日の大会であった北見星成だったのだ 黒羽は嬉しそうにしている よりによって、2年生の副担任になった イケメン先生が来た!と、女子は休み時間も星成に付きっきり 黒羽と本当はどんな関係なのか。 もしかしたら元彼かもしれない。そんな疑問が春来の頭に浮かんだ 元カレだったら、相当厄介だ。 付き合ってないのに、酔っ払してヤろうとするような奴だから ただ、元カレでは無かった場合、高校と大学が同じだったって言っていたから、黒羽と元カレについて聞くことが出来る 過去やなぜ別れたのか、について・・・ 未だに聞きたくても聞けていないことがあるから、全部を知りたいと思った 今日からは北見先生が来てくれたから、サッカー部の顧問は黒羽も快く北見に任せた これで北見先生と話す機会ができた 練習は思った10倍キツくて辛かったけど、本当に一人一人の戦闘技術が上がった気がした 北見はフレンドリーですぐ部員に馴染めた たまたま、春来と北見の2人きりになった時 春来 「北見先生!お疲れ様です、先生って、黒羽先生の同期なんですよね?」 不審に思われないように笑顔で接した 星成 「あー!そうだよ!片ノ瀬くんだよね?」 春来 「はい!」 星成 「紗夜はかわらないねえー!相変わらずスターって感じがする」 春来 「そうですね、この学校でスターですね。昔からですか?」 星成 「モッテモテだったからなあ、紗夜は」 春来 「すごいですねえ。でも、彼氏いたんですよね?その彼氏もすごいなあ」 さり気なーく聞いてみる 星成 「知ってるんだ!そうそう、もう別れちゃったけどねえ。」 春来 「大学も一緒だったって言ってたから、北見先生も同期なんですよね?」 星成 「あーまあね?」 この曖昧な態度はどういう意味だろう、。 北見が元カレって言うことか? 春来 「元カレさん。どんな人だったんですか?」 星成 「いいやつだったよ。今もだけど。クールで賢くて。でも、紗夜にはベタベタしてたなあ。俺が1番近くで見てきたんだ!!紗夜の元カレの親友だからな!!」 懐かしい話をするように語り出した 北見がそういうなら、北見が元彼では無いことがわかった これはチャンス 色々聞き出せる!! 春来 「へー。別れたのって喧嘩したんですか?黒羽先生と」 星成 「喧嘩じゃないなあ、アイツらはちゃんと愛し合ってた、、けど、、あ。これ以上話したら紗夜に怒られるな!!やめよう!」 あと少しでききだせたのに、、、。 でも、喧嘩では無いことがわかった じゃあなぜ??別れても2人で会うほど仲がいいってどういう事だ? 復縁する気はないのか? その日から春来と北見はよく恋バナをするようになった 普段は学校の生徒の恋愛事情や噂話をして会話が盛り上がっていた ある日またさりげなくきいてみる 春来 「黒羽先生と元カレって、本当はなんで別れたんですか?」 星成 「話したら紗夜に怒られちゃうよォ。でも!!片ノ瀬くんは気が合う!!特別だぞ?内緒にしとけよ?」 春来 「はい!」 星成 「喧嘩別れじゃなくて、元彼にはもともと持病があって余命宣告されたんだ…」 は?!?意味がわからない じゃあ、黒羽の家で夜を過ごしたのは誰なんだ?? 春来 「え、、、」 星成 「紗夜を悲しませたくなくて、アイツは別れようって言ってたけど、そんな事で別れるわけなんてなくて、付き合ってたんだけど。やっぱり2人で話し合った結果別れることになって、別れたんだ」 春来 「…」 星成 「でも、今はアイツもちゃんと元気にやってる!」 春来 「え?」 星成 「別れたあと、アメリカで大きな手術をしたんだ。成功する確率はすごく少なかったけどなんとか生きた。とことんついてるな」 春来 「じゃあ、じゃあ!!なんで!?なんで、、より戻さないんですか?」 星成 「紗夜はアイツが生きてること知らなかったんだ。アイツが周りに固く口止めしてて、。だから、紗夜に情報が回ることは無かった」 春来 「そんな…」 星成 「でもやっぱり運命ってすごいことにさ、出会ったんだよ。同窓会で。会えたことに2人とも号泣しててさ。周りは温かく見守ってくれてた。それからは、本人から聞いた話になるんだけど、紗夜の家に何回か遊びに行ったりして、仕事の愚痴を言ったり昔の楽しい話をしたりして、何度目かの夜、やっぱりどこかつながっていたいっていうアイツの欲望に負けて体の関係を持ったらしい。けど朝起きたとき確信を持ったみたいだ。「紗夜の隣にいていいのはもう俺じゃないんだな〜」って。悪いことをしてしまったり顔をしていて、もうあの頃みたいには戻れないって思ったんだろうな。紗夜は「大切な人が出来た」と申し訳なさそうな顔で言ってきたんだって、、。」 春来 「大切な人…」 会えたのに、もうその頃には春来がいて、これ以上不安にさせたくなくて、振り回したくなくて、運命の人から離れた 春来は絶望的に心が沈んだ 自分さえいなければ、現れなければ 全部上手くいっていたのに、、。 星成 「でもね?アイツ、喜んでたよ。ちゃんと紗夜にも運命の人が現れたのかなー!って!!」 そんなの、強がりでしかないことは聞いててわかる 春来は今すぐにでも黒羽と関係を切りたい。元カレの元へいって、幸せになって欲しいと心から思った 焦った様子の春来に北見は気づいた 星成 「ねぇ、片ノ瀬くん??まさかだけど。大切な人って、、」 春来 「俺が、、、。全部ぶち壊してるんだ。まだ間に合うはず、、!!今すぐ黒羽先生に元カレのところ行ってこいって言ってくる!」 頭をワシャワシャして、走り出そうとしたのを止めた 星成 「大丈夫だ!!ゆっくり解決させよう。今すぐどうこうじゃないだろ。?落ち着け」 春来 「でも!・・・」 星成 「だから、こんなに詳しく聞いてきたのか。出会った時から不思議だった」 春来 「好きだから、、、。気になるんです。」 星成 「紗夜はいい人にめぐりあえる運があるんだなあ」 春来 「いい人、、、?!俺はちがう。自分のことばっかり。黒羽先生の過去も知らずに、自分の思いを押し付けて、、、」 星成 「ちがう。片ノ瀬くんだけのおもいなんだったら、紗夜はアイツの前では、嘘をつくはずだろ?「大切な人なんていない。やり直したい」って」 春来 「・・・」 星成 「紗夜が片ノ瀬くんを選んだんだよ。自覚もて」 春来 「申し訳なさすぎる、、、」 星成 「報われないことって。いっぱいある。特に恋愛なんて、、。1人って決められてるわけじゃないけど、絞らなきゃ行けない運命になるし、間違った選択をしてしまったり、選ばれなかったりする。、、、選んでもらえただけ、喜べよ。ありがたいと思え。どんなに思っても、、どんなに好きでも。報われない人だって、いるんだから・・・」 歯を食いしばるようにそう言った北見 春来は気づいた 春来 「北見先生、?もしかして、、、。先生も・・・」 星成 「うん!そう、。紗夜にずっと片思いしてる。いまもずっと、、、」 春来 「先生・・・」 星成 「気づいてるのか気づいてないのか分からないけどさ。紗夜ってなんか天然な部分あるじゃん??だから、たぶんバレてない。」 春来 「それで、、いいんですか?」 星成 「最初から決まってたポジションなんだよ。今でも関われてることに感謝しなきゃいけないぐらいだ。紗夜が高校の教師になりたいって言うから、俺も頑張った。離れたくなかったから。…。高校に入って最初に話したのは俺で、友達になったから紗夜の元彼と3人でよく遊ぶようになって、放課後集まったりしてて、、、。ずっと好きだったのも俺の方で、、、。でも、選ばれなかった。それでも好きだから、近くにいたかったから、、。辛くても2人の関係のサポートを全力でした。自分の、敵を自分でしてたんだ、、、。こんなポジション、本当は嫌だよ。だけど、選ばれなかったのは事実なんだから、。選んでもらえたことにありがたいと思えよ。」 今にも泣きそうにムシャクシャした様子で思ったことを吐ききった 春来 「…。先生のことが、好きだ。でも、、終わらせたいって今本気で思ってる」 星成 「そっか。」 春来 「うん…」 星成 「なんで人間って、絶対に幸せになれる道をわざと選ばなかったりするんだろう…」 春来 「たくさん考えるからですよ。過去の出来事、未来の予想。それによって選択肢も変わる。今さえ良ければいいんじゃない。自分さえ良ければ住むことじゃないから、、。」 星成 「そうだね。やっぱり、片ノ瀬くんとは気が合う!」 泣いていた顔を笑顔にして春来に肩をくんだ 『同窓会第2弾』という事で、集められた同期たち その中に春来も混じることにした 来てくれたメンバーには全てを伝え、黒羽と元カレのよりを戻す作戦を実行することにした 黒羽と元カレだけ、少し遅れた時間を設定して案内を送った 皆がワイワイして集まっている中、黒羽は現れた 春来が、北見に背中を押され、黒羽の元へ行く 頭を下げ 春来 「先生。もう、この関係を終わりにしよう。」 そう言った 今日来てくれたメンバーの中にもやっぱり生徒と先生が、そういう関係だと言うことをお気に召していない人もいた 黒羽 「え、春来、、くん??どうしたの?そんなこといって!しかも、、なんでここにいるの?」 星成 「俺が呼んだ」 黒羽 「星成くん…」 シーンとした空気が思いこの中 元彼が現れた 聞いていた通りクールな人だった 星成 「大和!!ちょうどいいとこに来た」 大和 「よっ」 頭を下げている春来と困っている黒羽を目にして状況の理解が追いつかず止まった 大和 「え?これは、、??お取り込み中だった?」 黒羽 「大和。」 春来は頭を上げて、次は元カレの大和に頭を下げた 春来 「申し訳ありませんでした…。俺のせいで、黒羽先生との大切な時間を奪っていました。本当にすいません、」 頭を下げられて動揺している大和 大和 「え、?あ。もしかして、紗夜の大切な人、?」 黒羽 「そう」 大和 「そっか、なんか、邪魔してごめん。今日はもう帰ろうかな」 星成 「まてよ!にげるな!!」 春来 「黒羽先生との関係は終わりにします。だから、、、!もう一度黒羽先生とよりを戻してください。お願いしますっ」 大和 「…。」 黒羽 「春来くん。私は大和に戻りたい!っなんて思ってないよ?」 春来 「いや、おもってるだろ!!思ってなかったら余計ムカつく。」 星成 「ここにいる全員が、大和と紗夜の関係戻って欲しいと思ってる。この気持ちに素直に応えろよ。片ノ瀬くんだって、関係を切りたくてこんなこと言ってるんじゃない。分かれよ。2人のことを考えてくれてるんだ」 黒羽 「…」 大和 「こんないい女。手放すなん頭おかしいな。」 切れたトーンでそう言い睨みつけられた 一気に場が冷たくなる 大和 「俺に似てる!!」 爆笑しだし、周りのみんなも笑い出す 爽やかに笑う大和 春来は何が面白いのか全く分からなかった 星成 「ほら、紗夜?ちゃんと答えなきゃ。関係を終わらすのか。このまま意地でも続けるのか。大和とやり直すのか。やり直さないのか。」 いつもこのポジションをしてくれている星成はもう慣れた 黒羽 「うん。そうだね…。春来くん。本当にいいの?」 春来は優しい顔で頷くだけだった 黒羽は何も言わずに大和に抱きついた 涙を流しながら 大和は驚いたあと、微笑んだ クールな人が微笑むとなんだかホッコリして見とれてしまう 黒羽 「ずっと寂しかったよォ、、」 失恋した星成と春来は肩を組んで慰めあった こうして、春来の高校二年生の大きな恋は終わった 3年生になり、担任は北見先生になった ラッキーなこともあるものだ ただ、クラスメイトの中に瑠那もいて、未だに春来に猛アタックしてくる 北見に瑠那、いいと思うけどなあ。と言われ、少し瑠那を見直してみる 瑠那からのもう何度目かの告白で、いつも口癖になるほど言ってきた 「他当たって」をやっと「よろしくお願いします」に帰ることが出来た 春来も感じていたが、瑠那はかなりのナルシストで、ぶりっ子だ でもそこそこ、可愛いしモテるし人生の邪魔になるとは思わなかったから付き合ってみることにした 初めての彼女は瑠那だった 半年前の春来は考えも付いていなかっただろう こうしてたくさんの経験をしていくんだ。と、自分で成長を感じていた春来だった その後、瑠那の金遣いの荒さで揉め事になり、高校卒業前に2人は別れた 今では立派な大人になり父親から譲り受けた仕事の跡継ぎは上手くいっている 黒羽と大和が結婚し子供が出来たというニュースも小耳にはさんで北見先生とよく飲みに行ったりもしていた

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激蜜恋1

先生。私・・・っ

高校1年生の真奈は、今から、先生と教育相談だ 2人で対面になって話すのは真奈の不得意 いつも、うつむいてしまう 真奈は、ごく普通の高校生 すっごく可愛いわけでも、ブスなわけでもない 整った方の顔だ 性格も、特別優しいとかじゃない 女の子らしさは、勿論あるけど、その中でも、少し男っぽさもあって 自分の思いを伝えられる性格だった 教育相談でイケメン先生と2人っきり 「付き合おっ」 と、ベタベタキャラでそう言われた 彼女と別れた理由も話された 何日か断り続ける うざこくではない ただ、すれ違った時などだけだ ある日、真奈にキャンプを誘った先生 真奈はオーケーした 真奈は、お母さん、お父さんがもうずっと仕事で家に帰ってきてないらしく、何年も出かけるなんてしていなかった だからだ 当日 テントを2人で張り上げ、近くの川で魚釣りをした お昼過ぎ 人がすこっぉーしずつ増え出してきた そのなかに、先生がみつけたのは、先生の元カノだった 元カノと別れた理由は「ケリマー」だったからだ 男の玉を蹴るのが性癖の、人をケリマーと言っていた しかも、その元カノは、横に男を連れていて、その男は、黒いシャツに白文字で「蹴ってください」と、大きくかかれていたのだ それをみて、本当にうんざりしてしまう先生 先生に気づいた元カノは、先生に近寄ってきた ちょっとした嫌味を言ってからまた、どこかにいってしまった 夕方になりかけな時間、2人はマキを探しに行く事にし、別々になった たまたま真奈がマキを拾いにいった先が、先生の元カノと蹴られたい男性のじんちだった 真奈は、その場から動くことができなかった どう考えてもいたそう 苦しそうだけど、どこか嬉しそうで、気持ちがよさそうで 満たされている感じもするが、そんなことより痛そうと言う感覚 それを見られていることに気づいた2人は、真奈をにらんで(元カノが)2人もそれぞれマキを拾いに行くことに 見て見ぬふりをした真奈は、森の奥へ進む 少しして、マキを拾っていると 後ろから声がした 元カノ 「あんた、生徒なんでしょ?2人っきりだなんて、校則違反じゃん。ちくってあげよっか?そしたら、〇〇(先生)どうなっちゃうかなー?あんた、〇〇のこと好きでしょっ!先生守ってあげたいよねぇ」 そうだ 真奈は、先生にツンツンしているだけで、本当は世界で1番大好きなのだった 2人が合流する マキを焚き火の、中に入れていく 2人、焚き火を囲うように座る 先生 「さっきさぁ。蹴られたい奴とバッタリあって、話した」 真奈 「なんて?」 先生 「俺と元カノが別れたのはお前が元カノにそういうことされてるの見たからだぞって。愛し合ってたんだってことを本気で伝えてきてやった」 真奈 「そ、そっか」 少し話していると 向こうから元カノと蹴られたい男が歩いてきた 元カノ 「私たちもいれて!」 先生 「は?」 先生、立ち上がり一歩前へ 元カノ 「いいよね!真奈ちゃんっ」 真奈 「あ、えと。はい」 先生 「真奈っ」 言いかけた途中に 元カノ 「やったぁ」 蹴られたい男は、元カノの横で立っている 元カノは、遠慮なく、先生の席に座る 真奈と向かい合わせだ どっからどう見ても美人な元カノ 先生と、つりあうと、真奈は思ってしまった 少し、和らいできた空気になった瞬間 元カノは立ち上がり 先生に 元カノ 「〇〇‼︎今日、一緒にねよっ!」 先生 「え?は?!」 蹴られたい男&真奈 「え?!!!」 元カノいいでしょ?と、今夜先生と真奈が泊まろうと思っていたテントを細長い指で指差す 先生 「バカなこと言うな。俺らはもうなんの関係もない、赤の他人なんだぞ?しかも!生徒の前だ!」 元カノ 「そう言う時だけ先生ぶるのやめて。」 と、顔を少しだけ下向けて、目を細くしながら睨むように先生を、みた 先生は黙り込む すると、その瞬間 元カノは先生を優しく抱きしめた それと同時に先生のアソコは勃つ 先生は、一気に目が開き固まってしまった 元カノに耳元で色気を出しながら囁かれる 「あぁ〜ぁ、〇〇ったらぁんっ!こんなにすぐに興奮しちゃってぇ。もぉ〜♡これだけですぐにビンビンじゃなぁい♡」 先生は、呼吸が困難になっていく 上を向いて白目になる 肺が大きく動くたびに、元カノの大きな胸が、体にあたる 元カノはそれをいいことに 「やぁろっ?♡」 先生は、とうとう頷いてしまい、もう、2人の世界 真奈と蹴られたい男のことなんて0.1ミリも見えていない様子だ テントの中は、想像しないようにする 変な効果音が聞こえても無視 焚き火をひたすら眺める 空気を和らごうとしたのか、それとも2人になるチャンスを狙っていたのかは分からないが、真奈は蹴られたい男からあるパンフレットを渡される まるで、別人のような顔つきになった 元カノに、蹴られている時とは別人 シャキッとした整った顔 真奈にこのパンフレットは、高校に行くんじゃなくて、就職してみないかの宣伝だった スカウトだから、絶対に仕事ができると言う契約を持ち出された でも、真奈は断った 先生と会えなくなるのは嫌だからだ 朝 ずっと、話をしていた2人と 気持ちよくテントの中にいた2人が起き、トーストの朝ごはん 2日目もマキを4人で拾いに行った あまり、真奈に目を合わせてくれない先生 恥ずかしすぎるのだろう  そりゃぁ 今度は団体で山奥に 体力のあるはずの若者が疲れたように、うしろを歩き 体力は、衰えてきたはずの先生達が先をどんどんあるく 蹴られたい男 「真奈ちゃん?」 真奈  「はい?」 け 「仕事、するか決まった?」 真奈 「いえ。まだ」 け 「そっか」 真奈 「はい」 ようやく、先頭の2人が真奈達の方を気にかけ振り向き止まってくれた 落ち葉がいっぱいで、急な山道だから木を持って支えなければ登ってくることはできない 先生 「大丈夫か?手、かすよ」 と、先生が片手を木にもう片手を真奈に差し出した時だった‼︎ 真奈はバランスを崩し山のふもとへ勢いよく落ちてしまった それを助けようとした蹴られたい男も一緒に 幸い、木に捕まっていて助か先生 先生が手を真奈に差し出した瞬間、「そんな子に手なんて差し伸べないでよっ」と、意地悪を言った それは、ハッキリと真奈に聞こえていた ふもとへ転がっていった2人 真奈は、怪我はしていないが泣いていた 蹴られたい男が真奈に怪我したのか確認する 怪我はたくさんの落ち葉があったためつかずに済んだのだ 泣いている原因が分からず、迷う とりあえず抱きしめる 抱きしめられた真奈 真奈 「私を・・・わたしを‼︎抱いてくださいっ。」 涙が止まり、何かを思い出したかのように真っ直ぐ蹴られたい男を見つめていった この決意は、先生が大好きだけど、仕事もしたくて、その仕事をするには学校に行けなくなる🟰先生とあえなくなり、片思いを諦めてしまわなければならないと言うことだ でも、そんなのすぐにはできるわけない だから、蹴られたい男にだいてもらえば、それは、先生への愛もなくなる気がし、 それを目撃した先生は、真奈を拒絶し、ひどい態度にでてくれて、そんな先生を真奈じしんも嫌いになれると思ったのだ け 「えっ?い、いいの?」 真奈 「はいっ。お願いします」 そして、ゆっくりと落ち葉のその上で2人は体を添えた 初体験の真奈 先生と元カノが下まで降りてきた頃には もう、2人とも意識はもうろうとしていた 先生は生徒のそんな姿をその目で見てしまったのだ 学校 次の日学校 先生とはなかなか話せなくなると思っていたが 普通 プライベートであうことは、行っいなくなった 先生と元カノは復縁したみたいだ 噂ですぐ流れてきた そんな日々が続いた4ヶ月 ある日、ふと思い出した ずっと、生理が来ていない しかも、お腹に違和感を感じて、少し歩いただけで息苦しくなるのが早い 酷い時は吐き気さえもある すぐにイラついてしまう時も多くなった それに、なにより、気持ち悪くなるからと言って、食事をしてなかったのにも関わらず、お腹が大きくなっていく それは、胃を潰しながらでも自分のスペースを精一杯取って、大きくなっていくのだ 女の子は、デリケートなため、太ったと、気づかれるのは死んでも嫌なことなのだ だから、暑い日でも、分厚い服を着て、歩いていた ある日、先生の授業が終わり、帰宅しようとした時だった ざわついた教室 もう、自由に帰ってもいい時間だ 先生が丁度、隣の席の男子と、提出物について、話している そんな先生をひと目見て、帰ろうと、先生の方を振り向いた時だった 急激にお腹がいたくなり、1人でたっていられなくなった 足に力も入らず、そのまま倒れ込む その時、丁度先生は、話が済み、真奈が帰る前に、ひと目見ようと振り返った瞬間に、真奈が倒れ込む直前だった キャッチされた、真奈は、冷や汗をかいていて ゆっくりとした感じだが荒く呼吸困難、 けいれんを起こす直前だった ざわついた教室は、そんな真奈のことなんか、目に入らない ただ、叫び「大丈夫かっ⁉︎」 と、悲鳴をあげている先生の声 それすらもこの大人数の生徒の小さな声が一つづつ集まった教室では、かき消されてしまった 5秒経った時‼︎ 真奈は、普通に戻り、お腹いたも消えていった 先生 「よかった」 真奈を腕で支える 今、膝をついたお姫様抱っこのような体勢だ 真奈 「先生?私、急にお腹痛くなっちゃって。」 と、不安そうに、今まで1人で隠してきたことを先生に初めて言う 先生 「いつからだ?」 真奈 「2週がぐらい前から。かな。生理も最近きてなくて。病院に行ってないんだけど、もしかして、病気なの、、かな?」 先生 「うそ。だろ。?」 真奈 「え?」 呆然とした顔でいう先生 真奈の手を引いて、走る 真奈は、引かれるがままに、足を動かすが、やっぱりお腹が少しだけ痛くなって、気持ち悪い そんな、真奈のこともしらずに、先生は、自分の車の助手席に真奈をのせ、勢いよく車を走らせた 真奈 「はぁっはっはぁっ。え?先生?どこいくの?仕事、まだ終わってないよね?先生?」 先生は、真奈に返事もせずに、ただひたすら車を運転する 真剣な表情で 着いたところは大きな病院だった 真奈 「先生?」 先生 「検査しよう。」 待合室 お腹に気持ち悪い液体を塗られて、機械でお腹の中を見られた真奈 先生は、隣で、祈るように力強く座り込んでいた 真奈は、何をしているかわからなかった 真奈 「先生?私。子供。できたの?」 先生 「わからない。違うかもしれない。」 真奈 「そうなのかなぁ〜?って、思ってたけど・・・」 と、涙が出てきた 病院の先生が出てきて 「おめでとうございます!お子さん、です!」 先生 「ま、じかよ、、。」 真奈 「うそだ。」 先生 「今から下ろすこととか、出来るんですか?」 真奈は、大きく何度も頷いて、病院の先生を見つめる 病院の先生 「それは、もう、遅いと思われます。」 と、一礼して、行ってしまった 2人は、力が抜けて、椅子に座り込む 車の中 静かな空間 先生 「あの男は。真奈のこと、ちゃんと愛してくれてるのか?」 真奈 「わからない。」 先生 「ちゃんと。子供を育ててくれるのか?」 真奈 「わからない。」  先生 「嘘だろぉ。なんで、あんな男と・・・」 真奈 「先生。どうしよう。私、無理だよ」 先生 「とりあえず、明日、学校に呼び出せるか?」 真奈は、暗い表情で頷いた 次の日 呼び出した時間まで何分かあるから、どう話すか、作戦会議をした その時間は、すぐにきてしまい 子供ができたことを話す 教室の真ん中 先生は、教卓の下で隠れている その間、蹴られたい男のことを、SNSで調べてみた すると、驚きのニュース 2人はまだ話している様子 真奈 「お願い。一緒に育てることを約束して」 男 「それは、できない」 真奈 「そんなっ、、どうして?」 男 「真奈は立派な女性だ。1人でもきっと育てていける」 真奈 「え?そんな時だけ、大人扱いしてほしくない。大体、どうして?どうしてデートも何もしてくれないの?」 そこで、先生登場 先生 「お前、他にも女いるだろ。」 男 「はっ、聞いてたのかよっ」 先生 「お前のことなんて調べりゃ一件落着」 男 「なんだよ。ばれたのかよ。」 先生 「バレバレだ」 真奈は2人がなんの話をしているのかわからなかった とりあえず、SNSで、男の名前を調べる すると、衝撃の事実が⁉︎ 男は、政治関係の職業で、全く大きな会社の社長なんかではなかった ただの下っぱ 今、政治はコソコソと日本人を増やす活動をしていたのだ 男は、真奈以外にも子供を作るだけ作って、女1人で育てさせているみたいだ だから、外デートは拒否されていたのだ もし、見つかったら、おろせる段階の場合おろされてしまうから 男 「〇〇(先生の元カノ)もいい女だし。あんなドSだから、あいつにも作りたかったな」 先生は、ブチギレ 「あぁっ?」 先生は手を出そうとするがなんとか自分の意思で止める それを知った真奈は男を思いっきりおおふくビンタする そのすきに、先生の手を引いて走った 先生に手を出さなかった事について怒ると、「ありがとう」と、言われた その後、先生と子供を育てていくことが決まった 幸せな話だ

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先生。私・・・っ

アイドル

ストーカー 熱狂ファン 運営 グループのセンターを取るほど可愛くて、歌もダンスも美味かった 彼氏にいつも守ってもらってた ストーカーの正体が!! は、高校の同級生!? ずっと女の子を好きだった男の子だった 話し合い、昔、告白したら、無視し続けたことも謝って、仲良くなっていくうちに 男の子が、彼氏が浮気している写真をいくつも撮ってきた 女性と2人きりで 笑いあったり、キスしたり、抱き合ったり、手を繋いだり 2回目までは、大丈夫だと思い込んだ が、 流石に3回目からは涙が止まらなくなってきた それは、何日も続いた もう、彼氏が浮気していることを知ってしまったからには、別れようとしか、思えなかった 別れることを決意するときに、男の子が隣にいてくれた 別れたあとは、俺が大切にしてあげる そう言ってくれたのだ 別れたあと、男の子と連絡がつかなくなる 彼氏の連絡先は全て消してしまった 男の子は、女の子の彼氏とイチャイチャ♡ 男の子は、女の子と彼氏が浮気していることを知っていた だから、別れさせて、女の子から何もかもを奪った 男の子と彼氏の愛は、なによりも熱く結び集まていた お互いを愛し合っていたのだった 女の子には足りないものを分かちあっていたのだ

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アイドル

好き

昔好きだった人なんて、きっとこの世に一人もいない どういう意味かというと 1度好きになってしまえば、もう、何があっても、どんな事されても嫌いになることは出来ないということ 好きになるということは、その人のいいところばかりを簡単に探し出してしまえる その人の悪い所も、可愛いと思ってしまう 大嫌いと思えば思うほど、自分が失恋したと自分に言い聞かせればいい聞かせるほど、涙は止まらなくなる 心が苦しくなる 心を傷つけてきたその人を、どんなことがあっても嫌いに離れていない 久しぶりにその人に会ったとすれば、顔を見るだけで、匂いを嗅ぐだけで、声を聞くだけで、その人の形だけで、なにかしら、心が動くものだ 以前好きだったなんて、この世には無い 『好き』に過去形なんてないのだ 1度すぎになってしまえば、忘れられない、その人への『好き』という気持ち 同じ音楽を聴くだけで 同じ物を食べるだけで その人の笑顔を見るだけで 一瞬でも考えが一致しただけで また、その人のことが少しの間は頭から離れなくなる もっと話したいと思う その人をみていると とても悲しくなる その半分、嬉しくて、無意識に笑顔が浮かぶ 近い距離なのに、手の届かないほど離れたところにいる どうしたって届かない そんな存在 なんとなく、自分の気持ちが伝わっているはずなのに その人は、そんな気持ちを無視してくる 酷いよね でも、もう取り返しはつかない 『好き』になってしまえば、たとえ、別の人を『好き』になったって、その人のことをみると、また、心を揺さぶられる 遊ばれた恋心 それもまた、良いふうに受け止めてしまう恋心 大好きって伝えたい

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好き

ドナードナー

彼女 「他に好きな人ができた。別れよ。」 彼女に振られた男 大好きだった 結婚も考えていた でも、振られた 一緒にいるだけで、幸せで、生きがいだった彼女は、もう、僕の前には現れてくれない 完全に嫌われているから 病んで病んで病みまくって、泣いて泣いて泣きまくった 1ヶ月後 久々に外を歩く チラシを配っているお兄さん チラシを受け取って、見てみると ドナーお願いします だった 生きる価値がなくなった僕は、ドナーになることを決意した 心臓ドナー 他の臓器や髪の毛もだ 僕は、彼女の顔を思い浮かべて、一部ずつが、知らない誰かのものとなった 泣く涙さえも誰かのものになったのだった

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ドナードナー

GAKI&BOY

1人の小学生の女の子が、いつも通り、誰もいない、平日の昼間の公園のベンチで座っていた まだ、背も高くないため、足はもちろん床についていなくて、両足を交互にぶらぶらさせている それをボーと眺めている このこは、好愛(このめ) そこに、今日もやってきた チャラい優しい黄色の頭の男子高校生が 好愛はソイツを否定的に見ていた 好愛 「今日も来たし。」 と、睨みつけて、視線を別のところに変えた 男子高校生の名前は龍羽(りゅうは) 龍羽 「よっ!今日もここにいた」 と、片手をあげて、好愛の座っているベンチまでやってきた 好愛の少し開けた隣に座ると 龍羽 「お前、今日も学校いかねぇの?」 と、真正面をみて、真顔で言う 好愛 「そっちこそ。」 好愛は、ランドセルを背負っているが、 今は昼の12:00 もう、給食の時間の頃だ 2人は、毎日ここでこうしてあっている 龍羽 「俺はいいんだよっ」 好愛 「は?じゃ、私もいいし。勝手にさせてよ。」 と、いつも起こり気味の口調 それにたいして、龍羽は、ゆる〜く返す 龍羽 「だな〜。一緒だな」 どうにかして、仲良くなりたい龍羽だった 好愛 「私は、あんたとはちがう。行こうと思ってるけど、なぜか、足癖でこの公園にきて、ベンチに座ってボーっと過ごしちゃう。親には、学校行ってるふりしてる。」 龍羽 「俺も。遅刻は遅刻なんだけど、なぜか、Uターンして、この公園にきちゃう」 好愛 「あんたは、友達ぐらいいるでしょ?学校楽しいんでしょ?なんでこんな、なんもすることないところで、こんなつまんない私に構うの?」 龍羽 「つまんなくねぇから」 好愛 「いやっ、意味わかんないんだけど。」 龍羽 「わかんない?」 好愛 「うん」 龍羽 「だって、お前、初めて会った時から、こんなゴミ対応じゃん」 好愛 「何が悪いの?」 龍羽 「悪くねぇよ。」 好愛 「何が言いたいのかわかんない。分かろうとも思わないけど。」 龍羽 「弱点、しりたいな〜って。」 好愛 「キモい。」 龍羽 「ごめん。…お前、名前は? いい加減教えろよ。」 好愛 「なんで教えんなきゃいけないの?意味わからない。」 龍羽 「俺は龍羽‼︎高校3年生!!」 好愛 「知ってる。何回目?」 龍羽 「初めて名前聞いた時、お前が「相手の教えてもらいたいときは、自分から名のれって」いったからだろ?」 好愛 「あんたが名のったからって、絶対私が言うとは限らないじゃん」 龍羽 「はぁ?なんだよっ!それ。っじゃ、何年生?」 好愛 「言わない。」 龍羽 「ガキのくせに」 好愛 「何がわるいの?生まれてきたくて、生まれたわけじゃないんだけど。」 龍羽 「どーゆーこと?」 好愛 「「産んでくださいっ」なんて、親に一度でも頼んだわけ?私は頼んでない。こんな、世界に生み出すなんて、親は、酷すぎるよ。」 龍羽 「うわぁ〜!俺も、そんなこと思ったことあったわっ!丁度!お前ぐらいの歳の時‼︎」 好愛 「思わない方がおかしいよ。」 龍羽 「それな。」 好愛 「学校行きなよ」 龍羽 「お前に言われたくない」 好愛 「何か嫌なことでもあるわけ?」 龍羽 「ないよ。全然ない。でも、なんか、やなんだよな。」 好愛 「私にはわからない。勉強がやなの?」 龍羽 「ううん。勉強は、追いつけてる」 好愛 「じゃ、なに?」 龍羽 「しらん。」 好愛 「なにそれ。」 龍羽 「強いと言えば、お前と今、こうやって話せるようになったからかなっ」 好愛 「は?暇つぶし?」 龍羽 「それもあるけど。お前と話してる時間だけは、俺だけの時間だから」 好愛 「いや、あんただけの時間じゃないんだけど。私もいるんだけど?」 龍羽 「ごめん。言い方間違えた。お前が、俺と2人でいる時間は、俺にしかない時間だし、お前にしかない時間。2人だけしか知らない時間だから。男ってさ?一つのことに集中すると、一途になりすぎて、周りが見えなくなるんだ。」 好愛 「ふーん」 龍羽 「だから、学校に行きたくなくなった。部活に占領されてた。」 好愛 「そうなんだ」 龍羽 「うん。」 好愛 「聞いて欲しそうだから、聞く。何部?」 龍羽 「ははっ!ありがとっ!サッカー」 好愛 「ふーん」 龍羽 「あ‼︎そーだっ!!今からアイス食いに行かね?俺、さっき、アイス無料券、2枚拾ったんだよっ!」 すると、ムスッとしていた好愛が目を輝かして、 好愛 「食べたいっ!」 と、子供の一面を見せた 2人でアイスを食べている 好愛は、嬉しそうな顔 すると、 龍羽 「ガキだなぁ」 いつもの好愛に戻ってしまった好愛 好愛 「はぁ?」 龍羽 「アイスで喜ぶなんてさっ」 好愛 「滅多に食べられないもん」 龍羽 「そなの?」 好愛 「うん。親は、こんなの買ってくれないよ。」 龍羽 「そなんだ」 好愛 「さっき、頼んでもないのに、親が勝手に私を産んだって言ったけど、それ。親にも当てはまるんだよね。」 龍羽 「え?」 好愛 「親も、「あんたみたいな子、早く出てってほしい」って」 龍羽 「マジかよ。」 好愛 「なんにも、悲しくないけどね?私も恨んでるわけだし。」 龍羽 「俺は。俺だけは、お前が誰から産まれてきてくれて本当ありがとうって、思ってるよ。」 好愛 「え」 一瞬、涙目で龍羽のことを見た が、すぐ視線を別のところに移し、ムスッとした顔にもどった 好愛 「そんな嘘。いらない。誰にも必要にされない人生生きてくんだから。」 龍羽 「それは、無理かな。もう。俺に必要とされてるから。」 好愛 「キショイ」 龍羽 「うわっ、出た。口癖。毎日毎日それ、言ってくるよね?何か他に意味深な内容があるの?」 好愛 「・・・」 龍羽 「一つだけ、思ったのは、「キショイ」って、「やめて。」って意味なのか?」 好愛 「は?」 龍羽 「そうだろ?絶対。「やめて」って言う場面で、いつも「キショイ」って言ってくるもん」 そう言った瞬間、近くの小学校(好愛の通う小学校)のチャイムがなった キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン 小学生達が、公園を通って近道して下校していく その子達は、みんな、好愛を見て、少し笑っている それに対して、好愛は、みんなの顔を見ることなく、うつむいていた 少し気になった龍羽は、知らんぷりして、ベンチの手すりに、肘をたて、その上に顎を置き、足を組み、好愛のいない方をボーだと眺めた それにしても、すごく長い下校の列だなぁ やっと、最後尾 遅れて、キノコ頭の男の子が好愛に恐る恐る近寄ってきた 好愛は、まだ少しだけうつむいている 男の子の足元が、視界まで入ってきて、やっと、男の子と目が合った 好愛と同じクラスの男の子だった 彼は煌河(こうが) いじめられっ子だ 好愛 「な、なに?」 と、いままでの龍羽に対しての対応では、なく、普通の女の子として、接した 煌河 「こ、好愛ちゃん、久しぶり。い、いつもここにいるね?」 好愛 「あ、うん。学校いく気になれなくて。」 煌河 「そっか。」 好愛 「も、もうすぐ夏休みだね。夏祭り、行くの?」 好愛 「え?あ、そうだね。行くかは、まだ決めてないかなっ」 煌河 「そうなんだ!ぼ、僕とどうかな?」 好愛 「え。いいの?」 煌河 「うん」 と、深く頷いた 好愛 「楽しみにしてるねっ」 煌河 「じ、じゃぁね‼︎また‼︎」 と、嬉しそうに走っていった その背中を目で追っていると、隣にいることを忘れていた龍羽が、ニヤニヤして、好愛を見ていた 龍羽 「告白じゃんっ。てか、モテてるじゃんっ、こ・の・めっ‼︎」 好愛 「も、モテてないっ‼︎あ‼︎なんで、名前っ・・・」 龍羽 「さっき、呼ばれてた」 好愛 「うわぁ、、。煌河くん。。」 龍羽 「夏祭り、俺も行こっかなー?」 好愛 「行かないの?」 龍羽 「ん?たぶん、男子軍に誘われるけど、一緒にいると、正直疲れるんだよねー」 好愛 「それなら、行かなきゃいいじゃん」 龍羽 「人間関係大事‼︎」 好愛 「そんなの、私は捨てた。」 龍羽 「そろそろ、彼女つくろかな。」 好愛 「そんなの、私に相談しないでよね」 龍羽 「相談なんてしてませ〜ん‼︎独り言ですぅ」 好愛 「あっそ。興味ない」 それからも、毎日、公園であっていた 少しは、仲良くなってきた方だ 夏祭り、当日 夜 好愛と煌河は、お祭りにピッタリの浴衣を着ていた 2人はお昼から、出店の一つも寄らずに、ただ、フラフラしているだけ ずっと煌河に黙ってついていく好愛 もうすぐで、花火が上がると言われるほどに、暗くなった頃 人通りの少ない、公衆トイレの後ろに2人きりでいた 煌河 「ここだと、花火が綺麗にあがる」 と言ったから、ここで、立って待っていることにした 人目がつきにくい いよいよカウントダウンが始まった 5 4 3 2 バーン‼︎⁉︎ キャッ‼︎‼︎ 煌河は、好愛を崖から突き落とした‼︎ と、思いきや、突き飛ばされた好愛の手をとってくれたのは、まさかの‼︎⁉︎ 龍羽だった 龍羽も袴を着ていて、いつもよりもかっこよくなっていた 命を助けてもらった好愛 好愛の小さな体を片手で持ち上げて、抱っこした 驚いた顔をしている煌河 走り去っていった 龍羽は、煌河に何も言わなかった 睨むことも 好愛は、半泣き 強がって、声は出していない 電灯やチョウチンや屋台の灯に照らされているところに移動させてもらい、そこで好愛は地面に降ろしてもらった 花火の音がする 龍羽 「大丈夫かよ。怪我ない?」 好愛 「うん。助けてくれて。。ありがと」 龍羽 「素直でよろしい」 と、好愛と同じ目線の高さにしゃがんで 好愛の頭を大きな龍羽の手でポンポンと撫でた 龍羽は優しい表情になった 龍羽 「学校行きたくないのって、あーいうのが原因?」 好愛は、悔しそうにうつむいて、両手に拳をにぎってゆっくり頷いた 龍羽 「アイツじゃないだろ。」 と、低い声で好愛に聞いた 好愛は、また頷くだけ 龍羽 「やらせてるやつが、他にいるのか」 また頷く 龍羽は、好愛に優しく抱きついた 龍羽 「もう強がらなくていいよ。お前の内心なんて、分かりきってんだよ。小学生なんだから、まだまだ甘えろ。お前、小学何年だっけ?」 好愛 「5年。」 龍羽 「んなら、6〜7ぐらい歳の差あんな?まだまだ甘えれる歳だろ。特に、俺には。好愛なんて、可愛いもんだよ。」 好愛 「私。わかってたの。」 龍羽 「ん?」 好愛 「煌河くんが、こういうことするために、私を夏祭りに誘ったって。煌河くんを操ってるのは、マヤト君。本当は、すごく優しい子で、大好きだったの。マヤト君も、私を好きって言ってくれてた。でも・・・」 龍羽には、いじめの原因がすぐにわかった 好愛は、早く言えば、超美人顔 だから、からかい程度で、龍羽は近づいたのだ 今は、ただ、別の思いがあるから 龍羽 「ただのチョッカイのハード版かよ。」 男は好きなこに、チョッカイを出して、自分をアピールしたがる奴がいる それだ 好愛 「やばい。涙でそぉ」 龍羽 「ははっ!泣け。いっぱい泣け。声出して、いっぱい涙だせ。」 と、言って、さっきよりも強く、優しく、抱きしめてくれた 声を出して泣くなんて、物心がついてからは、していなかった だから、気持ちがスッキリした 泣き終わって、ヒックヒック言っている好愛の背中をトントンして、慰めてあげる龍羽 あぁ、好きだ。大好きだ。 2人がそう思った 好愛の目の前に、女の人がたった (龍羽の後ろ) 女  「龍羽…?」 女は、浴衣を着ていて、抜群なスタイル 綺麗な顔立ちに、優しい声、少し離れていても、伝わってくるいい匂い 龍羽の言っていた彼女だろうか? いろいろと考えだした好愛 好愛から離れて、立ち上がった龍羽 龍羽 「あ、ごめん。便所から戻ってたわ。」 きっと、トイレに行ったときに、たまたま見つけてくれて、助けてくれたんだとわかった この人は、龍羽と一緒に祭りに来ていたんだ 女  「そうなんだ!えと、その可愛い女の子は?」 龍羽は、好愛を見て 龍羽 「ん?あぁ、妹‼︎」 と、笑顔でごまかした その時の笑顔は、美しく見えなかった好愛 大好きな人に妹と思われていることは、正直嬉しかったけど、悲しくもあった いくら、歳が離れてても、理想の『付き合う』ことは、できないと、現実的に思い知らされたからだ こんなこと思っているのは、好愛だけだったのかもしれない と、1人で恥をかいていた 女  「そうなの⁉︎すっごく可愛いね!お名前は?」 と、笑顔で、好愛に近づき、しゃがむことなか、腰をまげて、手を膝に垂直に乗せて、好愛の視線に合わしてきた 確かに綺麗だ でも、気に食わない好愛は、フンッと、ソッポ向いてしまった 女は、そうとう人に恵まれてきたのだろう、好愛の反応は、初めてされたのか、「えっ」と、驚いていた 龍羽 「あーごめんな?コイツ、俺にしか甘えない奴だから」 と、頭をポンポンされた 龍羽の左足を掴んで、足の後ろに隠れる まるで、人見知りの子供が、お母さんの後ろに隠れる時のように、した 龍羽は、笑っていた 好愛 「もう、帰るね。ありがと」 と、言って、走って家に帰った 龍羽 「気をつけろよ‼︎」 と、後ろから声をかけてくれた 追いかけてこないことは、想定していたが、それも悲しかった 女も後ろから「バイバイっ!」と、手を振っていたようだ その後の2人は、好愛のいない2人の世界に入り込んでいた それは、女だけだったのかもしれない が、、、。 数日後、やっと2人は公園でお昼ごろ会うことができた いつも、通りには接せられない ベンチの端と端に座る 龍羽 「なぁ?好愛?」 いつもの上から目線の態度のキャラはもう卒業したため、本当の弱虫な好愛を見せた 好愛 「なぁに?」 龍羽 「好きだよ。」 そんなことを言われるとは思わなかったため、顔を真っ赤にして「えっ!」と、龍羽をみた 龍羽も十分な程に、顔を赤くしていた 好愛は、こんなの、妹としてしか、見られていないんだから、自分の本当に求めている『好き』とは、違うことはわかっていた 好愛 「うん。ありがとう」 龍羽 「うん。。」 好愛 「夏祭りの時に、一緒に来てた女の子って、彼女?」 龍羽 「ううん。アイツは、ただのクラスメイト」 好愛 「嘘つかなくていいよ。バレバレだよ。」 龍羽は、あの後何があったのか、好愛に見られていたのかと、驚いた 龍羽 「はっ!え?いや、本当に‼︎」 好愛 「そうなの??」 龍羽 「うん!」 好愛 「そうなんだ。」 龍羽 「俺が好きなのは、歳の差半端ねーけど、お前だもん。好愛」 好愛 「実は。私もなんだよね。叶いっこないって、ちゃんと分かってるけど、そらでも伝えたい」 龍羽 「うん?」 好愛 「好きです」 と、言って、その後、唇をくっつけにいった 何秒か時が止まって、その後、好愛を膝の上に乗せて、抱きしめた さすがに、ハードすぎるキスや体の関係は絶対にもてない だから、今の2人にとって、最高レベルのハグをした 愛してることがお互いに伝わるように、優しく優しく抱きしめあった ちなみに、夏祭りで好愛が帰った後、 2人きりになった、女と龍羽 女が、許可なく龍羽に飛びついて、抱きついた そして、告白された イケメンすぎて、何度も告白されたことのある龍羽は、上手く断った 無事、女が泣いて帰ることなく、振ることができたのだ このまま2人の愛が解けないよう、龍羽が安定させていってくれると信じよう

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GAKI&BOY

夏の日の贈り物

バスケ部の夏休みは ない バスケ部には、理想のイケメン🏀BOYがいる 休憩時間には、帰宅部なのに夏休みに来てまでイケメンくんを見ていたい女の子達に囲まれている それを他の部員が羨ましそうに見ている だが、1人の男子は違うかった その1人の男子生徒には、めちゃめちゃ可愛い、 イケメン男子と同じぐらいモテモテ女子がついていたのだった それだけで、嬉しいはずなのに、 つんつんし続けた男子 その子は、絶対と言えるほどに、その男子のことが好きだ もちろん、裏で、男子も女子のことが大好きだ 今日も、わざわざ、男子のところに来てくれたのに、ウザイというような態度 「お前、今日も来たのかよ。俺は、そういうの、いいって。しっしっ」 と、手で追い払う が、 天然なのか、自分がモテていることを分かってないような女子は、 「へへっ!来ちゃった!お疲れ様ですっ!これ、飲んで元気になってね!!」 と、スポーツドリンクを渡してくれた みんな、イケメン男子にそうやっているから、真似しているのだろう それも、一生懸命で可愛すぎる そろそろ、汗も引いてきて、あまりの可愛さで、起ちそうな男子は 「俺んとこには、来なくていい。これ、サンキューなっ」 と、行って、スポドリだけ持って行ってしまった その男子の背中に「げんばれ〜」と、自分なりの大声で叫ぶ 可愛すぎる とうとう限界の男子は、後ろを振り向くことなく、トイレにむかった その日は何日も続いた 周りの男子からは、いいな〜と言われる が、ウザイだけだ と、返していた だが、本音を語り合える、1人の友達には、自分の気持ちを全て話していた 二人で話しあった結果、今日もきっと、部活の応援に来ると思うから、そのとき、告白する ということにした その時は、すぐにやってきた いつもより、少し暗い顔の女の子 笑顔がくもっていて見えない 「あ、お疲れ様です」 と、無理な笑顔 「おお。なんかあったのか?」 「あ、うん。まあね。話したいことがあって。。ごめんね。大切な部活の休憩時間に、いつも私に構ってくれて」 反省する部分がメンコイぃ やばい、また起ちそう と!心の中で思っている男子 「いまさら?」 「うん。もう、やめようとおもう。」 え!?!?!?!?!?!?!? なんでなんでなんで??? 「あっそ。」 「やめたくない。」 よかった。え?なんで?やめようと思ったの?俺、この空気で告白なんて、できる気がしねぇ 「どっちだよ。」 と、ムカついた顔でいう 「私と付き合って欲しい。矛盾してるよね。わかってる。でも、お願いします。」 えーーーーーーー!!!!!!! ??????? まさかの展開!? 「は?」 なんで俺は、素直にオーケーできないんだぁ!!?? 「お願い。」 「むり。俺なんかより、あいつにしろよ。」 と、イケメンモテモテ男子を顎で示す 「○○くん(イケメン君)に、告白された。でも、断った」 「は?バカなの?」 「好きな人がいるって断った。今日、告白するって言いきったら、「振られたら、俺のところに来て」っていう約束しちゃったの。」 「マジかよ。」 「ごめんね。利用するようなことして。でも!ずっと前から!!気づいてたかもしれないけど、本当に大好きです!!」 大好き。。。俺もだァ 「なんだそれ。」 「お願い。私!○○くん(モテモテ男子)なんて、好きじゃないって」 「勝手にしろよ。」 「………」 少しの無言が続き 休憩時間が終わった 「もう行くわ。」 と、コートに戻っていこうとした男子 に、 「わかった。……もう、来ないからね。安心してね。ごめんね。今まで、迷惑ばっかりかけて。本当に大好きでした。」 そういって、体育館から出ていってしまった その後、モテモテ男子とモテモテ女子のカップル成立の噂がどんどん広まっていった 本当にお似合いなカップルだ 俺には、到底叶わない女子だったのだ あのとき、オーケーしていれば。 こんな、悔しい思いをすることは無かった それからは、もう、モテモテ男子の周りに集まっていた女子は、遠くから見守るようになり、モテモテ女子(彼女)が、モテモテ男子の応援に来ていたのだった それを、遠くから愛おしく眺めることしかできなかった男子

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夏の日の贈り物

幼馴染フラグ

浩輝 「お前の体あったかいぃ」 と、部下の香代にべったりくっついている 全裸の2人はラブホテルでやり終わりゆっくりしている最中だ 香代 「あぁ。ずっとこのままならいいのに。浩輝先輩、奥さんに怒られちゃいますよぉ」 そうだ 浩輝には、最愛の妻がいるのだ 浩輝 「バレなきゃいいんだよっ。バレなきゃっ」 香代 「離婚されちゃうよぉ〜?」 浩輝 「その時はその時っ。その時は、香代っ。よろしくなっ」 香代 「奥さんに嫌がらせされちゃいますぅ」 浩輝 「あいつには、そんな勇気ねぇーから大丈夫。」 香代 「そうなんだぁ」 と、また、抱き合い、ふっかいキスをしあった 浩輝 「ただいま。」 疲れた様子の浩輝は、家に帰って来た こんなに、夜遅くになっても必ず待っていてくれる妻、爽香 現在01:40 爽香 「おかえりっ、お風呂沸いてるよっ?」 いつでも笑顔をキープ 浩輝 「うん」 と、深いため息をつき、面倒くさそうな目つきで、廊下に立っていた爽香の横を歩いて行った すると! 2度大きく匂いを嗅いだ爽香 爽香 「んっ?」 その声に 浩輝 「なに?」 と、足を止めて爽香を見た 爽香 「ひろくん。なんか、香水の匂いする。誰かといたの?」 浩輝 「っ、はっ?誰とも。ってか、隣の席の女性OAの香水がうつったんだろ。」 もちろん、浮気相手の香水の匂いがうつったのだ 爽香 「そっ、そうなんだ。」 なんとなく気がついていた爽香は、今日こそ言いたいことを言おう!と、決心していた でも 浩輝 「お前がこんな生活できてるのって、誰のおかげか分かってるよな?」 そうトドメを刺された 爽香 「えっ、、。」 浩輝 「なぁ?」 爽香 「う、うん。」 こうして、いつも言えずにいる 浩輝は、一流企業のエリート 雑誌にも載る様な「できる」会社員だ 次の日 現在07:35 05:30〜起きて豪華な朝食を作って浩輝が起きるまでずっと待っている爽香 ようやく、浩輝が起きてきた 爽香 「ひろくん!おはようっ」 今日も笑顔キープ 浩輝 「今日は、朝飯いらない。もう行ってくる」 爽香が朝早くから起きて頑張って作った朝食は浩輝の言葉で一瞬にして、無駄な努力となった 浩輝は、今日も不機嫌に家を出ていった 浩輝が向かった先は・・・ やはり、愛人 香代の家だ ピーンポーン 綺麗にお化粧した香代が家から出てくる 浩輝 「おはよ。お待たせっ」 と、浩輝は、香代を優しく抱きしめた 香代の香水の匂いは、ここから浩輝へと移るのだろう 香代 「おそいよっぉ」 可愛こぶりっ子でそう言うと 浩輝 「本当に香代のこの匂い大好きっ。落ち着く・・・」 さっきよりも強くもっと優しく香代を包み込む 浩輝 「まだ、電車来るまでに時間あるし、家入っていい?」 2人は顔を見合わせる パッと赤い顔になった香代は 香代 「そう言うと思ってたよ!」 と、家の中に浩輝の手を引いて入って行った 香代のマンションのリビングまで行くと 昨夜したようなふっかいキスを交わした 何度も訪れたことのあるこの香代の家 部屋の位置だって、冷蔵庫の中身だってわかりきっていた 浩輝は、香代の部屋のベッドに香代を押し倒した 香代 「ん、んんっん・・・」 朝のエッチ 出勤時間08:05 2人は同じオフィスで働いている だから、一緒に出勤するのだ 仕事仲間達はもちろん 浩輝が爽香と、結婚していることを知っていた エリートの結婚は持ち上げられやすく 無駄で家にプレゼントが送られて来たり 無駄で家に立ち寄られたりする まさか、オフィス内の隣席の香代と愛人関係なんて誰にも言えない だから 香代 「室田さん。この資料確認してもらってもいいですか?」 浩輝 「あぁ、そこに置いといてっ」 同じ仕事の、先輩後輩関係を保っている そして、帰社11:50 普通は、このまま帰る でも、下の階のロビーで05:30〜待ってくれている香代がいるから そのまま帰宅することはできない 2人で会社を出て 香代の家へ 浩輝 「んんっ〜っ!香代ぉ〜‼︎毎日香代がいて、俺本当に幸せだわ〜」 爽香には見せたことのない甘えん坊な浩輝 エプロンをつけて晩ご飯を作ってくれている香代 の、腰に腕を回し後ろから抱きついている浩輝 爽香が見たら絶望するだろう 香代 「私も浩輝先輩が毎日いてくれて、本当に幸せですよっ」 2人は本当に恋の真っ最中なのが伝わってくる 浩輝 「ごめんな?俺が、既婚者で。」 香代 「ううん。私が未婚者だから、浩輝先輩さえ、奥さんにバレなきゃ、それでいいんでしょ?」 浩輝 「まぁ。それは、、そうだなっ。」 香代 「できたよっ!」 と、揚げたてのカツをお皿に並べて2人用のテーブルの真ん中に運ぶ 浩輝 「おぉ!美味そぉ〜」 香代 「わたし特製ですよっ」 浩輝 「いっただっきまぁ〜すっ!」 香代 「そぉーいえばっ」 カツを噛みつきながら「ん?」と、聞く浩輝 香代 「奥さんの手料理、もうどれぐらい食べてないですか?」 浩輝 「んー?あぁ、そーだなぁ?3ヶ月?とかっ」 香代 「先輩って、意外と酷いところありますよねっ!」 浩輝 「香代は、そう言うところが好きなくせにっ」 香代 「あはっ!バレちゃいましたっ?」 浩輝 「あたりまえだろ?ってか、寂しいなぁ」 香代 「え?」 浩輝 「ほらっ、明日から福岡に出張行けって、朝の打ち合わせで話し合っただろ?運悪く。ってか、俺しか行ける人がいなかったんだろーけど、頼まれたんだよなぁ」 香代 「うそぉ•••。いつからですか?」 浩輝 「明日からっ」 香代 「寂しすぎますっ。いつ帰ってくるんですか?」 そんなにウルウルした目で見られたら、帰ってすぐは香代のこの部屋に行かない理由がなくなる 浩輝 「3日っ。」 その後はもちろん夜のエッチ これが浩輝と香代の日常 浩輝が帰って来たのは02:35 今日も寝ずに待っていてくれた爽香 爽香 「おかえりっ!夜ご飯あるよ?」 浩輝 「んなもんっ。いつもと同じっ。食って来たに決まってんだろ?」 爽香 「ご、ごめん。私っ、上手く作れちゃったから、、食べてほしくてっ」 浩輝 「満腹」 爽香 「だ、っだよねっ」 と、苦笑いする 浩輝 「あ、そうだ。俺、明日からまた、出張」 爽香 「えっ。そうなの?いつまで?」 整ったいい顔をしている爽香も少し寂しそう 浩輝 「んー。3日って聞いてたけど、4日かもな」 もちろん、3日に変わりはない でも、帰って来てすぐに香代の家で待ち合わそをしてしまったからには、4日としか、言いようがないのだ 爽香 「ほ、本当⁉︎ちょうど4日後、なんの日か、覚えてるよねっ?お祝いしよっ!」 興奮気味にそう言ってくる爽香を少し憎らしく思った浩輝 浩輝 「は?何の祝い?」 その言葉で一瞬にして目を見開いて動きが止まってしまった爽香 爽香 「え、、。あ、、う、ううん。なんでも、ない。」 絶望的だったその反応 それもそれでムカつく浩輝 爽香 「ごめんね。ちょっと、先に寝るね。本当にごめん。おやすみ」 そう言って寝室に入って行った爽香 浩輝 「なんだ。あいつ」 そういうと、また、ドアを開け 爽香 「そ、そうだ。明日、小学校の同窓会があるんだけど、行ってもいいかな?」 浩輝 「勝手にすりゃぁいいじゃんっ」 爽香 「ありがとう」 いつも通り、爽香が起きる05:30 もう、浩輝は出張に行ってしまったらしい 意外と爽香は浩輝がいない日の方が楽しめることもある まずは、同窓会に来ていける様なドレスがたの服 選び終わったところで ナチュラルの、化粧 爽香はワクワクしていたのだった みんな、どうなってるかなぁ? 久しぶりすぎる地元、秋田県のど田舎に足を運ぶ いつもヨークシャテリアのポムと散歩していたこの、どこを見ても田んぼしかない道をこんな高級なドレスで歩くなんて、あの頃は夢にも思っていなかった 少し、いや、結構場違いすぎる気もして、たまにすれ違う住民さん達と上手く顔を合わすことができなかった タクシーは、ど田舎にやってこない 徒歩しかないのだ 電車の一本も通ってない すると⁉︎ たまったま通りかかった白い軽トラの運転手さんが窓を開け 男  「石塚?」 と、声をかけられた 爽香 「え?えと、あ‼︎さっくん⁉︎」 さっくん!と言うのは幼馴染で大の仲良し組の中の1人だった 名称 さっくん=佐野悟! 悟  「久しぶりだなぁっ!同窓会だろ?乗ってくか?まだ、遠いぞ?大人の体力じゃ、疲れ切る」 爽香 「うわぁ!ありがたいっ!」 悟  「あぁ、同窓会、爽香が出席するなんて、珍しいよな?東京行って以来だもんなぁ」 爽香 「そうだよっ!夫が出張だから、家、1人でいるのも嫌だし、3日間、実家に帰ることにしてさっ」 悟  「そーゆーことねっ!ん?何年ぶりだっけ?」 爽香 「20の時だから、5年前だ‼︎」 悟  「うわぁ!久しぶりだなぁ」 爽香 「なんか、新鮮っ!さっくんは、実家継いでんの?」 悟  「まぁーなっ!綺麗な奥さんと可愛い子供に毎日癒されてるよっ」 初耳の爽香 爽香 「えっ⁉︎嘘でしょ?さっくん、結婚してんのっ⁉︎」 悟  「そんな、驚くなよー。あの時の、野球にしか興味ない坊主頭の俺とは違うんだよっ」 爽香 「いや、いまも坊主じゃんっ」 と、笑い合えた こんなに新鮮な時間、久しぶりすぎて、涙が出そうだった爽香 悟  「まぁなっ?ははっ!お前なんてさ?俺らに結婚式の招待状も送りつけてこないんだもんな?あん時は、幼馴染メールの爽香だけ、抜いたグループ電話でグチいいあったもんっ」 爽香 「そんなことがあったの⁉︎ごめんね?いや、招待状、家族分しかなくてさ?」 悟  「あんなん100枚もあんのに⁇」 爽香 「うん、夫が全部使っちゃってさ?」 悟  「嘘だろ?」 爽香 「知り合いが多いからねっ。ごめんね?本当に」 悟  「さすが、エリートだな?」 爽香 「うん!」 悟  「子供は?」 爽香 「先が見えてないよ」 悟  「最近、いつした?」 爽香 「もう、2年か3年はやってない」 悟  「1人でやってんの?」 爽香 「ううん。手もつけてない」 悟  「え⁉︎よく我慢できるな?」 爽香 「我慢とかじゃないよ。できるだけ、悲しいこととかは考えない様に、見ない様に、避けて通ってるだけ。現実から逃げてるんだよ。私なんて。」 悟  「久しぶりに、爽香の正確理論聞いたわぁ〜。なんか、いいなっ?」 と、微笑んでくれる悟 爽香は、その悟の横顔をただ、ボーと、眺めることしかできなかった 会場 悟と爽香は、みんなよりも遅れて入って来た すると、集まって来てくれたのはた 昔と何一つ変わってない姿の 香月  真里 朝陽 だった 爽香が誰よりも会いたかった香月 なにも変わっていなかった いつもそばで支えてくれる様な優しい眼差しのまんま 爽香達幼馴染は、爽香、香月、真里、朝陽、悟 の、5人だった 香月と目が合うとお互い優しく微笑みあった 香月とは楽しくて幸せな思い出ばかりだ もともと、爽香の「初恋」は、香月なのだ 香月には、とてもじゃないけど、言えるはずがないから、これは、過去の私の恥ずかしい思い出となって消えていったのだ そして、大親友、真里と朝陽 3人は、一気に抱きつきあって 幸せ顔でお話しした 少し、落ち着いたところで 真里 「そーだ!爽香っ‼︎あんた!私達を1人も結婚式に呼んでないでしょ⁉︎」 と、つっこまれた さっき、悟に話したことをそのままみんなにも伝えると、みんなは、浩輝へ怒り心が出て来たらしい 朝陽 「なんなの⁉︎その夫‼︎自分のことしか、考えてないじゃんっ‼︎」 香月 「確かに。爽香のこと何も考えてないっ。」 爽香は、いつも通りだとほおって置いた 香月 「今、夫は?」 爽香 「ひろくんは、今出張中っ」 真里、朝陽、悟は、2人のいい感じな雰囲気を壊すわけにはいかないと、2人を置き去りにし、食べ物をお皿に取りに行ってしまった 香月 「エリートって言ってたもんな?」 爽香 「うんっ」 香月 「寂しく無いのか?」 爽香 「ちょっとは寂しいよ?っでも、もう慣れちゃったみたい」 香月 「今日は、実家?」 爽香 「うん!実家で泊まって、ちょっとしてから、帰ろうと思ってるよ!」 香月 「俺も、そーしよーとおもってるっ」 爽香 「あれ?香月も県外で住んでるの?」 香月 「うんっ、東京」 爽香 「あれれ?どっかですれ違ったことあるかもね?」 香月 「かもな?」 爽香 「みんな、ここに残ってるんだと思ってた。みんな、変わったね?どこも変わってないと思っても、どこかは、変わっちゃってる」 と、少し寂しそうに言う 香月 「悟なんて、「パパ」だもんな?」 爽香 「そうだよね?ビックリしちゃったよ!あの、試合で負けたら一日中泣いてたさっくんがだよ⁉︎」 と、2人で笑い合った 香月 「真里は、毎日合コンだってさ。見つかんないみたい。パートナー」 爽香 「ふふっ!なんか、真里っぽいよね?」 香月 「まあな?朝陽は、仕事の先輩と婚約ってよ。」 爽香 「嘘っ!呼んでくれるかなぁ?式!」 香月 「俺は、呼ばれても、爽香は呼ばれないかもな?」 爽香 「え⁉︎なんで⁉︎」 香月 「爽香が呼ばなかったからっ」 と、からかって笑った 爽香は、唇を尖らして可愛く後悔する 爽香 「あ!香月は?彼女とかいないの?」 香月 「俺にいる訳ないだろ?」 爽香 「そうなんだ」 香月 「爽香は、夫とお見合い?」 爽香 「ううんっ!ひろくんとは、映画館だよ!」 香月 「え?映画⁉︎」 爽香 「うん!ホラー映画で、隣の席だったの!」 香月 「え?それだけ?」 爽香 「ポップコーンをね?私がこぼしちゃって、隣の席だったひろくんにぶちまけちゃってさ!映画、最後まで見れなかったから、私から「よかったら、もう1回一緒に見ませんかっ?」て、チケット買って、頭下げたの!そしたら、「じゃあ、お言葉に甘えてっ」て!それで、映画見た後、すっごい豪華なディナーに誘われちゃって、連絡先交換して、あって2回目で、キスして、付き合うことになって、いろいろ楽しいところにデート行って、結婚したのっ」 香月 「ロマンティックだな?爽香、昔から、金持ちのイケメンと結婚したいって、ずっと言ってたもんな?」 爽香 「そうなの!でも、今思うと、やっぱり、お金より、愛だよね?」 香月 「やっとかよ。」 爽香 「学校の授業で、どっちに手をあげてもいいっ、て言うやつ!お金か、愛かって。それ、なんでか私だけがお金に手を挙げてたんだよねー」 香月 「そうそうっ!お金と顔さえいけてれば、結婚するってな?」 爽香 「そのせいで、彼氏にも振られちゃったりしてさぁ」 2人で、思い出話に浸っていた 実の話、香月もずぅーーっっーと、爽香のことが好きだったのだ 小学校までは、両思いだった 爽香が始めて男の子から告白されて付き合うことになるまでは、爽香もずっと・・・ 香月 「爽香さ。彼氏なんて作るなよ。」 ちょっといじけ出した香月 爽香 「え、。」 香月 「爽香の人生、だい無しにされてた時だってあったじゃんっ」 爽香 「あぁ、そんなこともあったねぇ」 香月 「あったねぇ。じゃ。ないでしょ。爽香、こんなにいい子なのに、アイツのせいでっ」 怒りを表している目と、強く握る拳 爽香 「もう、あの人の話はやめよっ?ね!」 と、香月の怒りをおさえようとしていた爽香の後ろから・・・ 男  「爽香っ」 香月の目は、さっきよりも怒り狂う 爽香は、耳元で囁かれたその声に鳥肌を立てた 振り返るとぶつかってしまうような、その近距離 爽香 「も、しかしてっ。上沢くんっ?」 上沢 「おっ。覚えててくれたんだぁ」 少し、震えている爽香 そんな爽香の手を引っ張って、上沢という男から離した香月 爽香 「香月。ありがと」 そんな声も聞こえていないような様子で、ずっと、上沢を睨んでいる香月 上沢政野は、香月よりも10〜20センチほど、背が高い 小顔に細いメガネ 少しだけつま先立ちをし、両腕を後ろで組み、90度のお辞儀に顔をクィッと上げたような体勢 香月 「爽香に近づくな」 爽香を守るように、自分の後ろにして、両手を広げる 上沢 「香月か。久しぶりだな」 香月 「黙れっ」 上沢 「相変わらず、お前は爽香好きだな?いい加減、ヒーローぶるのやめろよな?」 香月 「お前には関係ないだろ」 上沢 「まだ怒ってるんじゃないだろーなぁ?爽香の全てを俺のものにしたこと」 その意味は、この3人にしかわからない言葉だ 上沢は、爽香の元彼 中学最後の修学旅行で事件は起こった 香月 「黙れって言ってるのわからないのか」 上沢 「黙って欲しいなら、爽香を渡せ。少し話をしよう。爽香」 爽香 「上沢、くん。」 香月 「お前と話をするわけがないだろうが‼︎」 怒鳴る香月に盛り上がっていた会場が一瞬にして静まり、注目を浴びる3人 上沢 「おいおいっ、そんなに大きな声を出すなよっ」 と、少し笑いながらそう言う 香月 「お前があの日なにをしたか、この場で暴露したっていいんだぞ⁉︎」 ざわつく 上沢 「そんなことしたって、困るのは俺じゃないっ。爽香、お前だ」 爽香 「えっ」 上沢 「あん時、写真撮ったろ。」 右頬がピクっと上がり、嫌な笑みを浮かべた 香月 「爽香・・・?」 愕然としてしまった香月 爽香 「終わりだ。」 と、床に膝をついてうつむいた そんな爽香に続くように、上沢が爽香の目線までしゃがみ込み、爽香に顎クイをして、唇を重ねた そこから、舌を無理やり入れ込み ディープキス 爽香は、嫌で嫌でたまらなかった やられっぱなしだったのが反撃 何度も入ってくる上沢の舌を思いっきり噛んでやったのだ すると、一気に上沢との距離が離れた 上沢 「いってぇー!この女っ‼︎」 爽香 「はぁっ・・・はぁっ・・・はぁ」 香月 「爽香‼︎」 と、上沢の胸ポケットに入っていたケータイと爽香の手を掴み、その場から走り去る 爽香 「はぁっ・・・はぁっ・はっ、はぁっ」 2人とも息切れが激しい 香月 「ここ。」 爽香も周りを見渡すと そこは、むかし、2人だけでつくった、緑の枝垂れカーテンがある洞窟 秘密基地だった いつの間にか2人の足が自然とここに向かっていた なかの、ボロい机の上に2人の幸せそうな顔の写真 アルバムがあった それを懐かしそうに、何分か見ていたら 緑のカーテンを開けた子供が 「おじさんたち誰だよっ!?」 小3ぐらいの男の子と女の子 「ゆうくんっ、怖いヨォ」 眉をひそめて、爽香達をにらむ男の子の後ろで、その男の子の袖を引っ張って後ろに、隠れている女の子 「ここに何か用かよ!」 大声で精一杯叫ぶ 香月が、その男の子に優しい顔で 「君達こそ、ここになにかよう?」 と、男の子と同じ目線までじゃがんであげる 「は?ここは、俺たち2人だけの秘密基地だ!」 「ここが?」 「そうだよっ!」と、女の子が、後ろから出てきたと思いきや、息を大きく飲み込んだ 「もしかして!!王子様と王女様!?」 と、目を輝かして、男の子の後ろから前へ出てきた 2人は、同窓会だったため、爽香 は、ベージュ色のドレスに香月は、ピッシリしたスーツ これは、物語で出てくる 王女様と王子様だった しかも、2人とも美形 男の子が女の子に怒鳴るように 「そんなわけないだろっ⁉︎」 女の子 「ねぇ?王子様?ここは、王子様の秘密基地なの?」 香月 「うん。昔はねっ」 女の子 「今は?」 香月 「今は、君たちの秘密基地でしょ?」 と、優しい眼差しをむけてあげる 男の子 「ここを作ったのって、王子様達なのか?」 男の子も王子様、王女様と、認めたようだ 女の子 「私達で‼︎一生大切にしますっ!」 そう言った女の子の頭に香月の大きな手を乗せて「頼むなっ」と、また優しく微笑んだ 香月 「この、アルバムだけ。もらっていってもいいか?」 女の子 「それも、王子様達のなの?」 香月 「おおっ!」 男の子 「持ってってもいいよ。」 と、机の上のアルバムを手渡してくれた 香月 「ありがとっ」 と、男の子からアルバムを受け取り、男の子の頭を2度ポンポンっとして、優しく微笑む 香月 「んじゃ、俺達は、もう行こっか」 爽香 「うん!」 香月のそばまで小走りでいく爽香 2人が子供達に手を振ると、子供達も手を振替してくれた やがて、秘密基地が見えなくなると、 爽香 「香月‼︎すごいね!子供相手で優しく話せるなんて!」 香月 「なんも、すごくないだろ」 爽香 「すごいよっ‼︎いいお父さんになれそう‼︎」 香月は照れて、ポケットに手を突っ込む すると、自分のではないケータイが 香月 「あ。これ、上沢の」 と、ケータイを、爽香にみせる もし、本当にあの時の写真が残っているなら、それを香月が見るわけにはいかない 爽香がケータイを受け取り、ケータイのアルバムアプリを開く 上から順に見ていくが、一つも爽香の裸写真はない 何度か見直すがやっぱりない ダウンロードアプリものぞいてみるが、0件 爽香は香月にケータイを返し、みてもらう やはり、ない 香月 「ケータイが変わったとか?」 爽香 「わからないけど。私と付き合ってた時に持ってたケータイと同じ」 香月 「なら、もうないのかも。」 爽香 「よかったぁ。」 と、ため息をつく 香月 「変な奴と付き合うからだ」 爽香 「香月に本当迷惑かけっぱなしだ。ごめんね?なんか、お詫びしなきゃだ」 香月 「お詫び?なら。・・・。一度でも、俺のこと好きだった時あった?」 急に聞かれ、ビックリしてしまった爽香 爽香 「えっ⁉︎あ、いや。それは・・・。うん。」 香月 「本当にっ⁉︎いつ?」 このことは、自分だけで納めておこうと、思っていたが、お詫びとして。 言うしかない 今、好きって言ってるんじゃないし! いいよね? 爽香 「小学生の頃」 香月 「うわぁ・・・。俺、両思いだった時あったんだ。」 恥ずかしくなり、 爽香 「もっ‼︎もうこの話はやめやようっ?ね!」 香月は、嬉しそうに「おぉっ」と、笑顔で返してきた なんで喜んでいるのか全くわからない香月 歩いて、また会場に向かった 上沢を下に見るように、睨みつけ、香月は、上沢にケータイを返した 上沢 「ふっ、バカだなぁ。爽香は。」 香月 「は?」 上沢 「爽香の裸の写真は、別れる時、一緒に消しただろ。」 香月が爽香を、衝撃の目で見た 爽香は、「え?そうだっけ?」と、言うように目を逸らした 上沢 「爽香は。なんも変わってないね。俺は爽香を愛してるよ」 爽香は、無視 自分がなにをしたか、覚えていないようだ まるで、付き合って、恋人ホヤホヤの時と、全く同じ対応 こういうのは、もう、わかる 付き合い慣れた頃、悲惨なめにあうと 香月 「爽香は、お前のことは愛さない」 上沢 「おいおい、なんでお前が答えるんだ」 爽香 「香月の言うとおりだよ。上沢くんは、もう愛さない。愛したくない」 上沢 「何を言ってるんだよ」 爽香 「上沢くんさ。自分がなにをしたか、覚えてる?」 上沢 「あたりまえだろ。」 爽香 「中学生最後の思い出に。上沢くんがいるせいで、私は、最悪の思い出になったよ」 上沢は、その場にいることが恥ずかしくなり、パーティーに戻っていった 香月 「今の爽香。カッコよかったよ。」 爽香 「香月。ごめんね。忘れてた。そう言えば、一緒に消してたわ。」 香月 「お前なぁ」 爽香 「ごめん。」 香月 「いいよ。あいつにはもう爽香の写真は見れないってわかったから」 爽香 「香月は優しいね」 香月 「俺達もパーティーにもどろっ」  爽香 「うん‼︎」 それから、2日間も、2人は、実家に帰り、それぞれの時間を過ごした 帰りのバス、電車は、全く同じで 仲良く、帰ることができた また、東京でも会おう!と、約束し、2人は、それぞれの家に帰った 爽香は、明日のために、買い出しへ 最強の手料理を作ろうとしている まぁ、浩輝は、覚えていないようだけど 2人の結婚記念日 1年で1番大切にしたい日だ それなのに、忘れてしまうなんて そして、結婚記念日に‼︎ 疲れた様子で夕方に帰ってきた浩輝 爽香は、夕方に帰ってきてくれたこと自体を嬉しく思えた 爽香は、いつも以上の笑顔でお出迎えする 爽香 「おかえりっ‼︎」 そんな、爽香の満面の笑みを惨めな目で見つめた 浩輝 「なに。なんでそんなニヤけてるの。」 諦めずに爽香は 爽香 「今日!なんの日か覚えてる?」 と、ワクワクした気分で聞く 浩輝 「わからない」 爽香 「自力で思い出してほしい」 浩輝 「俺さぁ。疲れてるんだわっ」 と、呆れた表情 爽香 「お願い」 真剣な表情に負け、しかたなく考え込む浩輝 浩輝 「お前の誕生日?」 首を横に振る爽香 浩輝 「夫婦の日?」 爽香 「お‼︎近い‼︎」 浩輝 「え?近い?なに?夫婦?」 爽香 「うん!夫婦‼︎」 浩輝 「あ、結婚記念日だ」 爽香は、その答えを待ってました‼︎と言わんばかりに、浩輝に抱きついた 浩輝は、「香代」という、愛人がいるから、爽香に抱きつかれるのは、少し気が引けたが、結婚記念日ぐらいは、夫婦らしい事をしてやってもいいと思い、爽香を抱きしめ返すことにした 抱きしめ返された爽香は、久しぶり過ぎることに、嬉しくて嬉しくてたまらなかった 爽香 「私ね‼︎豪華な夕食を作ったのっ‼︎一緒に食べよっ!」 浩輝 「うん、じゃあ、着替えだけしてくるわ」 爽香 「うんっ‼︎」 浩輝が部屋着に着替えているあいだに、全ての夕食を机に並べた 浩輝 「豪華だな」 爽香 「頑張ったんだよっ!」 浩輝 「いただきます」 約3ヶ月ぶりの爽香の手料理 爽香は、ドキドキしながら、浩輝が料理を口へ運ぶ瞬間を見届けた 目で「どう?ねぇ?どう?」と、訴える 浩輝は、よく噛んで、飲み込んでから 浩輝 「ん!うまいっ!」 と、微笑んでくれた 爽香は、この時幸せでたまらなかった いくら、夫婦とは言え、夫婦っぽいことは、何1つできていなかったから その後、笑顔で食事を終えた 爽香が毎週見ている、恋愛ドラマを2人でソファにくつろいで寄り添いながら見た後 それぞれ、お風呂に入る そして、寝室で寝る時間になった 爽香は、「そういうこと」をもうずっとしていないから、タイミングがわからないし、向こうにその気があるのかすら分からない だから、いつも通り、ダブルベッドに寝転び、毛布をかぶって、「おやすみ」そう言って目をつぶった 隣には浩輝 浩輝は、爽香の「おやすみ」の返事に 目をつぶった爽香の首に慣れた口でキスマークをつけた さすがに、目をつぶって2秒では寝られていない爽香は、それに気づき、そっと目を開けて、すぐ横で片腕の肘を立てて、手に自分の頭を乗せて寝転がっている浩輝を見つめた やっぱり、有名になるぐらいのエリートで超イケメンだ その妻になれた事を今まで後悔してきた でも、今は違うのかもしれない これから変わっていくのかも・・・ 2人はもちろんその夜を無駄にはしなかった 浸っていく2人は本当の愛を持った夫婦だった 次の日、爽香が早起きして作った朝ご飯をしっかり食べて、「いってらっしゃい」のキスをし、仕事に向かった浩輝 爽香は、それが嬉しくて嬉しくて そんな、爽香の気持ちが浮かれている時 そのまま寄り道せずに仕事へ向かった浩輝 オフィスに着いて、15分後 隣の席の香代が来た 不機嫌そうだ さすがに、この場で浩輝と話すわけにはいかないから、手元にあるケータイで、文字を打ち出し、それを浩輝に送る 香代《今日、なんでウチに来なかったんですか?💢》 それが送られてきた浩輝は、真顔でその文字を見る 隣で大きくため息をつかれる 結構怒っている事が伝わってくる 浩輝も返事をする 浩輝《もう、こうやって会うのはやめたい》 香代《どういうことですか?》 浩輝《妻に、また恋をした》 香代《何言ってるんですか?とぼけないでくださいw》 浩輝《本気だ》 香代《奥さんの悪口、あんなに言ってたのにですか?w》 浩輝《うん。》 香代《意味わかんない。》 浩輝《ごめん》 香代《それで謝ってるって思ってませんよね?さすがに》 浩輝《もう、2人きりでは会わない》 香代《酷すぎる》 浩輝《もう、別れよ》 香代《そんなのやです》 それを送った瞬間、香代は自分のデスクを蹴った 浩輝《頼む》 香代《無理です》 浩輝《俺は、今、妻を愛してる》 香代《どうせ今、この女と付き合わなきゃよかった。遊びだったのに。めんどくさい奴だって、思ってるんでしょ?》 浩輝《そんなこと思ってない》 香代《じゃあ、浩輝先輩の中で、私は今、どんな奴なんですか?》 浩輝《仕事仲間》 香代《私は、浩輝先輩が好きです》 浩輝《ごめん》 香代《手放したくありません》 浩輝《別れる。仕事に戻ろう。》 香代は、それに返事をしなかった 香代は、もてあそばれた気分でいた 浩輝は真顔でデスクに向かい合わせになり、資料をまとめている そんな、気まず過ぎる環境に浩輝がいる中、久しぶりに街中に買い物しにきた爽香‼︎ 大興奮状態 田舎者が初めて都会に来た時ぐらいに ビルの1番上を見上げながら歩いていると、誰かに後ろから肩を掴まれた 男  「爽香?1人?」 この声は‼︎と、振り向くと香月 爽香 「香月‼︎こんな街中で会えるなんてね‼︎」 と、目を輝かせて言った 香月 「1人だけ上見てもたもた歩いてる奴がいるなぁ〜って、みたら爽香だった」 爽香 「久しぶりに街中に来たんだもんっ!」 香月 「田舎者がっ」 と、からかうように、微笑んだ香月 さすが美形 街ゆく人が爽香に向けた香月の笑顔に胸を惹かれていく 爽香 「香月もでしょっ‼︎」 と、笑い合う こんな幼馴染 大親友がいて、本当に良かったと、今頃思う爽香 香月 「夫は?仕事か」 爽香 「うん!」 香月 「ん?どうした?なんか、機嫌いい?」 さすが幼馴染!! 爽香は、昨日あった全てを香月に話した 「良かったじゃんっ」と、言ってもらえたものの、心からでは無いのが丸見え なぜか分からない爽香だったがあまり気にしなかった 香月 「また、ディナーでもどう?」 爽香 「行きたいっ‼︎」 香月 「じゃぁ、また誘うね」 爽香 「嬉しい!ありがとっ」 香月 「ん」 と、別々の道を歩いて行った その日の夜 10:32 玄関のドアが開く音がした え?と、不審に思い、爽香が恐る恐る玄関をのぞくと・・・ 爽香 「浩輝くんっ⁉︎今日は早かったね‼︎」 ご飯を食べていた爽香は、まさか、この時間に浩輝が帰ってきてくれるなんて、思ってなかった 爽香に反応した浩輝は、疲れた様子だが、いつもとは、少し違う 和らいだ表情で、爽香の元まで歩いて行った 浩輝 「丁度、食事中?」 爽香の食べかけの皿などを見て言う 爽香 「うん!あ、ひろくん。もうなんか、食べてきちゃってるよね。すぐお風呂沸かすね!準備遅くてごめんっ」 と、お風呂場に走って行った爽香 その爽香に 浩輝 「今日は、食べてきてない」 もちろん、香代の家に入っていないから、何も食べてきていない 爽香 「そうなの?なら、先ご飯用意するね!待っててね」 そう言って、次はキッチンへ走っていく キッチンで、お皿に綺麗にご飯を盛り付けている爽香の後ろから、浩輝は、バックハグして 耳元で囁いた 浩輝 「爽香。愛してる」 色気のあるその声質にドキッとしてしまった爽香 爽香は、とたんに笑顔になり 爽香 「ありがとっ‼︎私も愛してるよっ」 そう言って、お皿を置き、浩輝と向かい合わせになる もっともっと満面の笑みを浩輝に向けた そして、抱き合う2人 幸せそうに、向かい合ってご飯を食べる 浩輝 「爽香。ちょっと、最低な話になるけど。いい?」 暗い表情でそう言われる 爽香 「うん」 浩輝 「食べながらでいいから。聞いててほしい」 爽香 「なに」 浩輝 「多分、気づいてたと思うけど、俺。浮気してる。相手は、1人。仕事のオフィスの、隣の席の森下香代っていう女性と」 真剣な表情になる爽香 爽香 「うん。それで」 優しく聞く 浩輝 「俺、仕事が上手くいかない時期があってさ。そん時、仲良くなった香代に悩み聞いてもらったり、向こうの悩みを聞いたりして、どんどん距離が縮まって行った」 爽香 「そう。なんだ」 浩輝 「うん。いつの間にか、爽香といる時間より、香代といる時間の方が多くなって。「夫婦」でまとめられない、自由な関係を保ててて。それがどんどんエスカレートして。体の関係を何度も持ったことのある愛人になった」 爽香 「・・・。そっか。大切な人なんだね」 浩輝 「ごめん。」 爽香 「ううん。」 浩輝 「でも、昨日の結婚記念日であぁやって、爽香と楽しいことできて、マジで幸せだった。愛おしいと思えた。香代には、この気持ちは、生まれなかった。本当だ。」 と、焦りもせず、自分の罪を認めるように、自分に言い聞かせるように、語ってくれた浩輝 爽香 「ひろくんが私じゃない誰かを愛してることは、知ってた。分かってた。香水の匂いとか、スーツのポケットに、愛人さんの嫌がらせなのか、女性用のリップが入ってたり、パジャマの時、首元のキスマークが着いてたり、ケータイに着信がくるたびに、すぐその通知をチェックしたり」 浩輝 「すごいバレてるな」 爽香 「そりゃぁ、バレるよ。今更って感じだよ。好きな人には、いつのまにか、目線がそっちに行っちゃうの。大好きだから、気になっちゃうし、心配になるし、嫉妬するし、一緒にいれたり、話したりするだけでも、幸せなんだよ?喧嘩の時でも、嬉しいんだよっ」 爽香は、怒らずにゆっくり浩輝に教えてくれた 浩輝 「好き。」 爽香 「うん。ひろくんのことが私は、大好き。ずっとずぅ〜っと‼︎」 と、満面の笑みで場を緩ましてくれた 浩輝もつられて笑顔に 浩輝 「俺もっ‼︎」 爽香 「・・・香代さん?とは、今はどうなのかだけ、知りたいかも。」 浩輝 「「別れよう」って、言ってきた。でも、返事が来ない。「無理」としか」 爽香 「そりゃ、そうだよね。好きなのに、そんなに急に「別れよう」なんて言われても「いいよ」なんて、なかなか言えるもんじゃないもんね。」 浩輝 「でも、安心して?もう、俺は、別れたつもりでいるから。向こうがどうこうじゃない。もちろん、香代には申し訳ないし、すっごく悪いことしてるって分かってる。でも、これまでもこれからも愛さなきゃいけない。愛すべきなのは、爽香だから。もう、香代とは、いや、女性とは、2人で会うことなんてしないし、仕事以外の時間は、できるだけ、1分でも1秒でも長く爽香と過ごしていたい」 爽香 「ひろくん。嬉しい」 浩輝 「大好きだから」 寝る時間 今日も2人の、時間に浸った お互いの体を自分のものに分け合う 次の日の夜‼︎ 10:55 浩輝《爽香。》 爽香《はい!もう帰る?》 浩輝《ううん》 爽香《そっか、今日は残業?》 浩輝《そ。片付かなくてさ。ごめんな?》 爽香《大丈夫だよっファイト!》 浩輝《声、聞きたい》 浩輝:通話 急にかかってきた電話に驚き すぐに出た 浩輝 『つかれたぁ〜』 爽香 『お疲れ様ぁ』 浩輝 『部長酷すぎない?資料山盛りにして置いてったんだ』 爽香 『えぇ、酷い』 浩輝 『お腹すいたぁ』 爽香 『今日は、ハンバーグだよ‼︎ちゃんと待ってるから!頑張って!』 浩輝 『おしっ‼︎やるしかないか‼︎元気でた!ありがと』 爽香 『うん!頑張ってね!』 浩輝 『もう遅いし、先食べててもいいぞ?誰か一緒に食べに行きたいなら行ってもらっても構わないからな?』 爽香 『こんな時間から誘える人なんていないヨォ!待ってるね!』 浩輝 『そっか!ありがと』 そして、数分後 今度は 香月:通話 だった こんな時間になんだろう?と、爽香が電話に出ると 香月 『もしもし?』 爽香 『どうしたの?こんな時間に』 香月 『いやぁ、ごめんな。今だけ、男としてじゃなくて、ただの友達としてみてほしい』 爽香 『ん?どゆこと?ずっと友達としてしか見てないよ?』 電話の向こう側でガーンと、首を落としてしまった香月 香月 『いや、うちのマンション、水も出ない、停電、で、今めちゃめちゃ困ってて、マジで泊まる所も見つからなくて、もう何件もホテルに電話してるんだけど、どこも満員だし、住民もみんなホテル取ってるから、空いてないんだ。それで・・・』 爽香 『あ、周りに頼れる人もいないから、ウチに来たいと』 香月 『まじで、無理なら全然大丈夫なんだけど、できたら。。。』 爽香 『いいよ!来てほしい‼︎今日、夫の帰りが遅くなるみたいだから、寂しかったの!そのうち、夫も帰ってくるけどいいなら!』 香月 『本当に⁉︎ありがとう』 そして、住所を伝えて、やっと爽香の家へ到着 香月 「本当にごめんな?」 爽香 「ううん!全然‼︎入って入って!」 香月 「ありがと」 と、家に入っていく 香月をソファに案内して 爽香 「マンション、大変だったね」 香月 「丁度風呂入ってたから、ビックリした」 爽香 「それは最悪だねっ!」 と、笑い合った 香月 「にしても、いいマンションに住んでるな?さすがエリート」 爽香 「意外と部屋も広いんだよね」 香月 「夫と、仲、直ったんだよな?」 爽香 「うん‼︎」 香月 「ふ〜ん」 爽香 「棒読みぃ」 香月 「いや、本当に今日、帰りが遅くなったのかなぁ〜?って。」 爽香 「え?どういうこと?」 香月 「女がいたりして」 爽香 「もう、その件については終わった話なので」 香月 「本当かな?」  爽香 「不安になる言葉、言わないでよね」 香月 「ごめんごめんっ!」 爽香 「あ!ご飯食べた?」 香月 「あぁー、実はまだ。」 爽香 「一緒に食べよ!」 香月 「え!いいの?」 爽香 「いいよいいよ!」 香月 「料理出来るんだ」 爽香 「出来るに決まってるよ‼︎職業は、主婦だもん‼︎」 香月 「そっかそっか!」 そして、ハンバーグを香月に出して、2人で食事 香月 「んんんんん‼︎‼︎‼︎うっまぁー‼︎」 爽香 「え⁉︎本当に⁇嬉しすぎる!」 香月 「爽香!めっちゃうまい‼︎いい奥さんだなぁ」 爽香は、照れる 香月 「まじでうまい」 と、本当に美味しそうに食べてくれる 爽香 「香月も結婚すれば、そこら中に、いい奥さんになってくれる人、いっぱいいるよ!」 香月 「パッとしないからヤダ」 爽香 「他の人にくらべたら、私、パッとするより、ドンヨリしてるよぉ」 香月 「爽香のどこがドンヨリしてるんだ?」 と、食べる手を止めた 爽香 「全部だヨォ。」 と、少し暗い表情になった 香月 「こんなに部屋綺麗にしてて、料理上手で・・・。それに。。。美人でスタイルバッチリなお前なのに、、か?」 こんなに真っ赤な顔をした香月を始めて見た爽香 爽香 「え・・・!そ、そんなに褒めてもらえるとは、思わなかった」 香月 「本当の、、話。」 爽香 「なんか、自信もらっちゃった!ありがと」 香月 「自信持っていいんだよ。」 爽香 「うん!」 香月 「俺、嫌いな奴は、とことん嫌うこと、知ってるだろ?」 爽香 「うん!好きな人には、とことん好き!って、感じだもんね!」 香月 「自分にとって、普通なんてない。」 爽香 「香月っぽい!そう言うとこ好き‼︎」 香月 「爽香とこれまでずっと一緒にいたのは、爽香が好きだからだ。」 爽香 「嬉しい‼︎」 香月 「もちろん、朝陽も、真里も好きだ。」 爽香 「うん!」 香月 「でも、それは、ライクで。」 爽香 「え?」 香月 「爽香だけは。。。ら、ら、ら、ら」 すると 玄関のドアが開き 浩輝 「ただいまぁー」 浩輝が帰ってきたのだ 爽香は、浩輝の元に走って行って、「おかえりっ」と、言う 香月は、自分の中で、人妻に何告白しようとしてるんだ と、自分の頭を自分で小突いた 2人がリビングに入ってきて、爽香が香月を紹介する 香月は、椅子から立ち上がり、一礼する 爽香 「ひろくん!紹介するね!私の幼馴染の香月‼︎」 香月 「お邪魔してます」 と、軽く頭を下げる 爽香 「住んでるマンションがトラブル発生しちゃたみたいでね?今日は、泊まらせてあげることになった」 香月 「すいません」 浩輝 「あ、いえ。爽香がいつもお世話になってます。俺は、爽香の夫の浩輝です」 香月 「知ってます。爽香から、浩輝さんのことは、よく聞いているので」 浩輝 「そうなのか?」 爽香 「うん!」 そして、爽香が浩輝のハンバーグも用意している間 浩輝と香月は、向かい合わせ 無言 目を合わせるわけにもいかない 中心にいなきゃいけないはずの爽香がいないと、なにもできない 浩輝は、そんな状況に絶えられず、爽香のいるキッチンへ 浩輝 「なんか、手伝うことある?」 爽香 「あ!いいの!じゃぁ、お風呂入れてきてもらおうかな‼︎」 浩輝 「わかった」 と、浩輝は、浴室へ向かった 香月は、そこから、一歩も動く事ができなかった やっと、爽香が浩輝のご飯を盛り付け終わり、机に運んできた 爽香 「おっまたっせ〜」 浩輝 「ありがと」 爽香 「あのね!このハンバーグ‼︎香月は、美味しいって言ってくれたの‼︎自信作なのかも‼︎浩輝も食べて見て!」 浩輝 「ん。んっ!うまい!」 爽香 「本当に⁉︎うわぁ‼︎嬉しい‼︎‼︎‼︎」 これは、極普通のハンバーグだ 浩輝は、もちろん、爽香が好きだから、なにを作っても美味しいとしか、感じなくなっているのだ 実は、、香月も。 初めて出会った時から爽香に一途な香月 爽香のことが大好きだった だから、叶いっこないが、浩輝にライバル心があった お風呂は、香月→浩輝→爽香 の順で入った 寝室の隣の客間に、敷布団を敷き、香月を寝かせた さすがに、客が来ている中では、2人の世界に入ることは出来ない 「愛してる」のキスを交わし眠りについた 朝ごはんを出し、2人を仕事へ送り出した爽香 香月のマンションは、やっと工事が済んだようで、今晩は、ちゃんと家に帰れるようだ 数日後 お詫びと言って、爽香は、香月にディナーに誘われた 浩輝が1人でご飯を食べられるように用意してから、家を出た 同窓会の時と同じ服を着て行った こんな高級ディナー店に予約してもらえるなんて! 待ち合わせ場所で、ウキウキ待っていた、爽香 5分後ぐらいに、香月も到着した 香月が到着したとたん 爽香のスマホにメッセージが届いた 見ると、浩輝からだった え!?もしかして、ご飯の用意、置いてくるの忘れた? とも、思ったが、いつもこんな時間に帰ってくることないし、と、メッセージを見てみる 浩輝《ごめん。最後の1回、不倫相手と、会うことになった》 え?どういうこと? 会って、なにをするの? そんなので、決着がつかのかな? 心配しすぎかな? 不安になり、隣にいた香月にこのメッセージを見せた 香月 「は?あって何する気だ?」 香月も、やっぱそう思うんだ 爽香 「わかんかい」 いつの間にか涙目になっていた 爽香の顔を見た香月は、爽香のスマホを取り上げて 文字を打ち、送信した 爽香 「え⁉︎」 爽香はスマホを取り返し、何を送ったか見る 爽香《会ってなにをするの?》 送信取り消しを押そうとすると、もう遅かった 既読はついていた 爽香が絶対送ってくる と、思う文章じゃない文字が送られてきた浩輝は、驚いた 爽香は、きっと《わかった!決着つけてきてね!》と送ってくると思っていた 爽香も本当にそう送ろうとしていた 『最後の1回だからね?』や『2人きりで会うのはやめてほしい』とは、絶対に送らない 自分を押さえた文字しか送ることはない だが、今は違った 香月の打った文字は、爽香の気持ちを表していて、それについて悩まされた2人 でも、爽香は嬉しかった 自分の気持ちを言えたから 言ってもらえたから。 香月ももちろんわかっていたのだ、爽香が自分の気持ちを主張しないことを 浩輝《彼女が、行きたいところに最後行く。いいか?》 いい。と、言うしかなくなったが、爽香は、いっそ、このまま自分の意思を伝えようと思えた 爽香《彼女は、どこに行きたいと思う?》 すぐ帰ってきた返信 浩輝《ホテル。かな。2人で行く場所って、そこしかないから》 爽香《そっか。分かった。》 これを送ったあと、2分後、返事はなかった だから 爽香《これで最後にしてきてね。》 浩輝は、このメッセージに「いいね」マークをつけて会話を終わらせた 香月は、爽香の不安をかきけすために、店に入って行った 夜景の綺麗な店 しっかり下まで見える このレストランの向かい側は、ラブホテル 初めて、浩輝と行ったあの・・・ その入り口から中へ入っていく男女がちょこちょこ その中に、見覚えのある人が 爽香 「え」 浩輝だ。 浩輝の横には、爽香と浩輝よりも若そうなほっそりした、可愛いめの女性 爽香の声で、向かい側に座っていた香月も爽香の視線の先を見る 爽香は、それを眺めて涙を流していた 香月は、勢いよく立ち上がり、爽香の背後に行く 爽香は、それさえも気づかない 香月は、爽香を後ろから抱きしめ、右手で、「みるな」とでも言うように、爽香の目に大きな手のひらを優しく当てた それでも泣き続ける爽香 この部屋が個室でよかった 爽香の泣いてる姿なんて、俺にしか見せないでほしいから レストランの、1番高級コース 予約も料理も個室もすべてが 一食だけで15万 2人合わせて30万 爽香は、香月にとって、それ以上の価値があった もちろん、浩輝へのライバル感も 浩輝なら、こんなの、1週間続けても、お金はなくならないだろう こんな香月だけど、爽香に好かれていたかった 香月 「爽香。」 爽香は、とうとう声を出して泣き始めた 息もしっかりできない様子 吸う時に、声が出てしまう 爽香 「香月ぃ」 香月 「会うな。って、言えなかったのか?」 爽香 「そんなこと言えば、「お前だけの俺じゃない」って言われちゃうかもしれないから。」 香月 「言いたいこと言えるのが夫婦だろ?」 爽香 「でも。。」 香月 「あの男は、爽香のこと。本気で愛してるよ。」 爽香 「うぅ…」 香月 「だから大丈夫だって!な?泣くなよ」 香月のその、優しすぎる慰めで涙もようやくとまった 香月に家まで送ってもらって いつの間にか、朝になっていた 1人きりのダブルベッド 今頃、浩輝は、彼女と仲良くモーニングタイムなんだろうな そんなこともなかったみたいだ 玄関のドアが開く音が聞こえて、その足音は、そのまま、爽香の寝ている寝室までくると止まった とっさに寝ているふりをする と、寝室のドアが開き、爽香の目の前まできて、しゃがんだ様子だ きっと浩輝だということは、分かっているが、面と向かって顔を合わせることなんて、まだできない爽香 浩輝 「爽香。ただいま」 と、爽香の額に手を置き、頭を撫ぜる 独り言を続ける浩輝 浩輝 「ごめん。俺がこんなクズで」 爽香から、手を離した 浩輝 「もう。大丈夫だからな。ずっと待っててくれて。ありがとっ。いっぱい傷つけたな。もう、彼女とは、合わないように、約束してきたからな。安心していいから」 爽香は、この話を寝ている(フリの)間に聞かされていいのかわからなかった さすがに、今、目を開けるわけにはいかない 浩輝 「爽香を俺の人生の1番にしたい。彼女とは、もう会わないことを誓ったから、遠くのイギリスにでも、出張にいかないか?俺、爽香以外の女性には、もう、興味ないからっ」 そう言って、浩輝が立ち上がって、寝室を出ようとした瞬間 爽香は、浩輝に抱きついた 爽香 「いくっ!いきたい‼︎」 イギリスへの出発日 もう、みんなにさようならを言いに行った2人は空港へ 香月が空港までお見送りにきてくれていた 少し話して、「絶対に幸せにする」という男の約束を交わし、出国する 途中⁉︎まさかの展開に 急に、爽香の顔面をビンタしにきた女 浩輝が目を大きくして「香代っ‼︎」と、叫ぶ 香代 「浩輝先輩のバカっ‼︎」 そういって、2人を睨みつけると、浩輝に襲いきった 勢いよく何度も叩かれる浩輝 だが、一切仕返しはしなかった 最後の一発‼︎とでも言うように、ビンタが拳になり香代が勢いよく振り上げた瞬間 後ろから、香代の右手を掴み、左手もきつく握って、動けない体制にしてくれた香月 香代 「ちょっと‼︎あんた‼︎離しなさいよっ‼︎なにするの‼︎ちょっとぉ‼︎行っちゃうじゃない‼︎」 お構いなしに、香月は 香月 「飛行機、乗り遅れるぞ‼︎早く行けって」 そう言って、くれた 爽香は、浩輝の手を握り、飛行機ゲートへ走る この2人に「ありがとう」なんて、いらなかった ただ、幸せで元気に生きていれば、それだけで十分だった 後ろで、香月と香代が空港警備員に取り囲まれている ふっと、後ろを見ると、警備員に取り囲まれてまで香代のことを押さえつけてくれている香月 目が合うと、2人は心が通じ合っているかのように、目を細め、微笑みあった イギリスでは、楽しいことばかりあった 夫婦の愛はいつまでも続くことだろう こんど、香月に会うときは、大きな声で、気持ちを込めて『ありがとう‼︎』そう叫びたい

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幼馴染フラグ

日々⇨確かめ NO.2

ある日 また、今日も智輝に朝早くからメイクしてもらっている花 花  「本当にいつもごめんね?また何かお返しするよっ。何かあったら言って?」 智輝 「あー、なら、今度、僕と2人きりでデートしてほしいかもっ」 花  「えっ⁉︎デート?」 智輝 「うんっ」 深くうなずく 花  「あー、私と歩いて恥ずかしくないなら、全然いいんだけど、、、」 智輝 「恥ずかしいわけがないじゃないですかっ!自慢ですよ‼︎」 花  「そういってもらえるとうれしいなぁ」 智輝 「いい?」 花  「いいよっ!でも、どうして?」 智輝 「好きだから。」 少し顔が赤くなった智輝 花は、それに気づいて本当だということがわかった 智輝 「本当は、初めて会った遊園地でのホテルの時から好きだったんだ」 花  「え、、、。」 智輝 「本当なんだ。水樹ちゃんが初めての彼女だったんだけど、水樹ちゃんにはな気持ちになれなかった。きっと水樹ちゃんも、、、」 花  「そっか。教えてくれて、ありがとう。私、、今年こそはモテ期かなぁ?」 ニヤついてみると 智輝 「俺は、今年じゃなくても、絶対に好きになってた」 花  「うれしいっ!ありがとっ」 智輝 「今は、まだ付き合って欲しいとかは言わ俺が、花さんに対しての気持ちは知っておいて欲しくて」 花  「うんっ!そうだねっ、ありがとうっ」 そして、デート当日 花と智輝は、花の家から出発した 花  「今日、どこ行くの?」 事前にも聞いていたが、その時は「俺に任せてほしいっ」と、言われた 智輝 「あぁ、今日は、水族館に行こうと思って!水族館は、嫌?」 花  「ううんっ!大好きっ!特に、クラゲが大好きなんだっ!」 智輝 「へぇ!クラゲが好きなんだ!どうして?」 花  「クラゲって、とっても綺麗で、ふわふわ泳ぐでしょ?だから、私もクラゲになりたいなって小さい頃から思ってたの!私は1人顔面が・・・、、。だから、クラゲみたいにきれいになりたいなって!あ!でも、今は、智輝くんのおかげできれいになれたよ!本当に感謝しかないぃ」 智輝 「そっか!」 花  「後は、クラゲって、「海」「月」って、書いて、「海月」でしょ?だから、その字が好きっていうか・・・」 智輝 「わかる気がする!」 そんな楽しい話をしていると、ついていた水族館 花は、入場ゲートのすぐ側に、ペンギンがいて、そこに目を輝かせていた そんな姿を見るたびに智輝は、花を好きと言う気持ちが大きくなっていった いろいろな生き物を見て回り、いよいよ室内のさっき見ていた中で、1番大きな水槽の前にやってきた 花  「クラゲだぁああ!」 智輝 「この水族館でよかったっ」 花  「ありがとぉ!きれぇーいっ!」 男  「おーいっ!隼人ぉ〜早く来いよっ」 隼人 「なんで、こんなに、リア充いっぱい、子持ち、家族いっぱいな「水族館」なんてこなきゃなんねぇーんだよぉっ!」 今、隼人は、大きなクラゲの水槽の前で一緒に来た7〜8人ほどの友達といる 友達 「イィーじゃんっ!たまにわさ?」 隼人 「こんなことなら、花と来ればよかった」 と、小さな声をこぼす ギリギリ誰にも聞こえていなかったようだ そんな、聞き覚えのある男子の会話が耳に入ってきた花と智輝 花は、それを見て「あ、、」と、声を漏らした すると、その声を耳にしたその中の男子が 友達 「おぉー!花ちゃんっ!えぇっ!彼氏ぃっ⁉︎」 「花」という言葉が、いや、「彼氏」という言葉で隼人は、みんなと同じ方向を見る 隼人もいることに気づいた花 花  「あ!隼人くんもいたんだ!いやいや!こんなイケメンで、優しい子、私の彼氏なわけないでしょっ?」 友達 「そっか!」 花  「あ〜!失礼なっ!」 2人の会話で一緒に笑う こうして、いつもみんなを笑顔にさせている花 そんなところが好きだ!と思う隼人と智輝 でも、隼人、智輝とこんなところに2人でけているのに、付き合っていないなら、どうして、2人きりなのか? っという疑問が頭から離れなくなっていた 考えている間にいつの間にか、場所が移動していて、片手にクレープを持っていた 長テーブルで、隣に花いる そのもう一つ隣に智輝 目の前に七斗(隼人の世界でいちばん の大親友) (客観的に見ると、隼人の方がイケメンだけど、七斗の方も負けないぐらいにイケメンで性格が良すぎる、上に2人のおねぇちゃんがいる、長男だ。智輝と七斗は同レベルの可愛い系イケメン男子) その横に、ダラダラと座るいつものグループ 花は、美味しそうにクレープを食べていた 隼人 「花。それ美味しい?」 花  「うん!おいしぃ〜」 隼人 「そっか、よかったなっ」 と、いつもみたいに髪をワシャワシャした いつも通り花は、「やめてよぉっ!」お、言いながら喜んだ すると、無関係な智輝が 智輝 「花さん、可哀想に。せっかく整えてきたのにっ」 と、ポケットからくしを取り出して、花の髪を整えた 智輝は、隼人にライバル意識を持ったのだろう まるで隼人が花にしたことは、花が嫌がっているかのよつに 花  「智輝くんっ!ありがとうっ!でも、可哀想じゃないよ?私、隼人くんのワシャワシャすっごく好きなんだぁっ!」 智輝は、「だから?」とでもいうような顔をしてそっぽ向いてしまった 花は気にせずクレープを頬張る そう言ってくれた花に嬉しい気持ちになった隼人 そのなんとも言えない状況の中、男子達が智輝の機嫌を直すために 友達 「智輝くん、さっきのは、マイクシ?さっき、花ちゃんの髪整えて上げてたけど」 智輝 「あぁ、まぁ。」 友達 「あ!そうなんだ!花ちゃんがねぇ?いっっつも、朝早くから家に来て、メイクしてくれる子がいるんだぁー!って、いつも自慢してるんだよっ!それってもしかして?」 それを目の前で言われた花は、 花  「あ!それ、本人の前で言わないでよぉ〜」 智輝 「本当なの?」スタイル 友達 「そうだよ!」 すると、アナウンスが入った 放送 「まもなく、アシカショーが始まります。どうぞ、見に来てください」  花  「アシカショー⁉︎行きたーいぃ!」 隼人 「花、一緒に行こっ」 智輝 「花さん、俺とっ」 友達 「智輝くんっ!ここは、先輩に譲る時だよぉ〜?」 智輝 「え?」 友達 「はい、行くよぉー」 と、6人がかりで智輝をアシカショート、反対方向に連れて行った 残された2人 隼人 「行こっ」 進んでいく隼人の後をヒヨコのようにもっていく花 アシカショーは、子供が見て喜ぶようなしょうもないものだった それでも楽しそうにする花を見ていると、隼人も自然な笑顔が出た 帰り みんなは、さっさと、退場門を出てしまっていた 花と七斗以外は・・・ 七斗と、花はあまり2人きりで話したことはなかったが、何度か隼人を通じて話したことはあった それに、七斗は、隼人の恋のお悩み相談を聞いているから、隼人の花への気持ちも知っていた これを知っているのは、隼人本人と、花と、水樹と、七斗だけだ 七斗 「花ちゃんは、隼人と付き合う気ないの?隼人の気持ちも、もう知ってるんでしょ?」 花  「あ、ううん。私はあるんだけどねぇ?」 七斗 「え?」 花  「隼人くん、誰とも付き合わない理由があるみたいで・・・」 七斗 「ッッ!それって昔のこと⁉︎」 花は、七斗が隼人について何か知っていると分かった 花  「隼人くん、昔何かあったの?」 七斗 「あれ?聞いてない?もしかして言っちゃいけないやつ?」 花  「ううんっ、言わないっ!だから教えて欲しいっ」 七斗 「う、、ん。わかった、教える。・・・あいつ、何人家族が知ってるか?」 花  「ううん。自分の話になると、機嫌悪くしちゃうからっ・・・」 七斗 「そっか。あいつには3つ下の弟がいたんだ」 花  「え?過去形?」 七斗 「うん。他にも、母親と父親がいた」 花  「それも、過去形なの?」 七斗 「そうなんだ。」 花  「・・・」 七斗 「本当に仲の良い家族だと思ってた。でも、違うかったんだ。母親は、父親と離婚前提のつもりで浮気してた。子供の前では愛情表現してたけどね。隼人、中学3年生で、弟、明人が、入学式、当日の朝、母親が、妊娠していることに気づいた父親が、問い詰めると、母親は「離婚」を求めた。明人は入学式でワクワクしていたけど、親はそうじゃないって知って、悲しかっただろう。学校が休みだからって、ゴロゴロしてゲームしていた隼人も驚いただろうに、母親は、浮気のことを全部話した。すると、耐えられなくなった父親は、キッチンに合った包丁をいきなり振り回した。まずは、母親を切り刻んで、次に弟の明人。もう母親も明人の意識がないはずの状態だった。それにもかかわらず、次は隼人に襲い掛かろうとした父親。隼人を殺し終わったら、自分も死ぬ気だったんだろう。父親。すると、母親が最後の意識を振り絞って「隼人、明人大好きだよ・・・ごめんね・・・。隼人、お願い・・・逃げてっ!」と、隼人に叫んだ。きっと、子供のことも父親のことも愛してたんだろう。本当に。でも、もう1人愛する人ができたんだろうな。隼人は、母親の言う通り、母親と、弟をを置き去りにして逃げた。行く場所あったはずだ。近所の俺ん家にもくれたはず。でも、隼人は、俺ん家にも身内の家にも行かなかった。もし追いかけられてきたら、大切な周りの人まで殺されるかもしれないからなぁ。小さいながら考えたんだろう。結局、1週間後、隣町のゴミ捨て場で見つかった。ずっと何も食べずに座り込んでいたみたいだ。泣きじゃくって。多分、花ちゃんも1度は、ニュースで見たんじゃないかな?日ごろから暴力を受けてたとか、デタラメ書かれてるけど、全部嘘っ。ほんといい家族だった。父親は、あんなに優しかったのに、カッとなったら、周りが見えなくなって、いつの間にか殺人をしていた。だから、今、本当に好きな人と付き合って、もし、浮気とかされてたら、自分も父親の血を受け継いでいるから、もしかしたら・・・だから、付き合わないみたいなんだっ。なら、他に好きじゃない子と付き合えばいいじゃんって言ってみたんだけど、それじゃあ恋愛する意味がないちゃって!おかしいよねっ!」 と無邪気に笑う七斗 七斗にりに明るい話に持っていってくれたのだ もうすでに涙が止まらなくなってしまっているのを見て「ごめん。」 と、また真顔に戻る七斗 花は、2人で立ていられなくなった そんな花を支えたのは隼人だった 花  )    )−−−「えっ⁉︎」 七斗 ) 2人同時に言葉が出る 隼人 「黙って聞いてりゃ。七斗はちょっと、話しすぎる癖。直せよなっ」 七斗 「ごめん。勝手に・・・」 隼人 「まぁら俺が言った言わなかった。悪かったから仕方ないっ。許すっ」 隼人のぬくもりを感じている花は、2人は本当に仲がいいと改めてわかった きっと、七斗以外の人が勝手に話し ていたら、絶好レベルだっただろう 隼人 「花、大丈夫か?」 船は、隼人に抱かれながらまだ、涙を流している 花  「う、ぅぅぅぁーぁぁっ」 とうとう声を上げて、泣き出した花 隼人 「わかったわかったっ、強かったな?もう大丈夫だから。泣くな。な?」 花  「隼人くん、そんな辛い過去があったんだ・・・ね。」 隼人は、微笑みながら「もう大丈夫だから」と、花の頭を撫でた 七斗 「花ちゃんは珍しいね?」 花  「えっ?どういうこと?」 隼人 「確かになっ」 すが 隼人もそう共感した 七斗 「隼人が、そんな境遇にあった時、みんなは、避けたり、笑ったり、嫌がらせやいじめのターゲットにしたりしてたんだ」 隼人 「七斗は別だけどな?」 七斗 「まぁね?1番の親友なら当たり前っ。普通は、仲良くなくても、一緒の気持ちになって悲しむだろう。普通は」 隼人 「んんっ・・・」 納得しない様子の隼人 まぁ、避けるのが普通だと思ってしまっているから仕方ないのだろう 隼人 「花の七斗も、本当にいい奴でよかったっ。ありがとうっ」 七斗 「その「ありがとう」は、花ちゃんが泣いてくれたからぁ?」 七斗は、隼人にからかうように、そういった 隼人 「それも、一応だな?」 七斗と、隼人は2人同時に爆笑した 花には笑うところがわからなかったが、本当に心を許している相手なんだと、わかった だから、花の自然と笑みがこぼれた 帰りは、智輝がみんなとは別の電車に乗って帰っていった アシカショーの合間に、もうすっかり男子軍団に慣れてしまった智輝 みんないい人でよかった 他の人にも無事に帰ることができた 花は、今日も朝早くから智輝にメイクしてもらってから学校に向かった いつも通り、花は、席に着くまでにすれ違うクラスメイトに挨拶をしていた いつもと違う気がするのは、3人目に挨拶した時だった 笑顔で挨拶するのが花にとっての日課で、花は、誰がどうやって、挨拶するかは把握していると同時に楽しみにしていた でも、教室に入ってすぐ近くにいた女子に挨拶をすると、顔はあったものの、すぐにそらされてしまい、返事は返ってこなかった 2人目もそうだ 3人目なんて余計だ・・・ 3人目の女子は、鼻が挨拶すると、花をにらんで、近くにいた女子グループの元へ走っていって その女子軍団に何かいい、その女子軍団は花を見て笑い出した コソコソと・・・ 花はわからなかった そんな避けられる理由が••• 花はたまたまかと思い 昨日、水族館であった男子にも挨拶した すると、その男の子は笑顔で挨拶を返してくれた でも、ある男の子は、笑ってさっきの女子軍団のもとにかけていた その後は見ないことにした花 きっとまた、理由がわからなく笑われているだろうから よく、その女子軍団が、人の悪口を言っているところを見るからだ きっとターゲットにされてしまったのだろうと、花は思った さっき挨拶して逃げていった男子は、あの女子軍団の真ん中にいる、学校1美人な方の(姫神より下)スタイルが良い、学校に1人はいるような、性格は、最悪な男たらしの女子のことが好きだ どれだけ鈍感な人でもわかるだろう これも、学校に1人はいる女子に支配されて、ターゲットにされないようにこびを売っている弱い男子 陽キャなふりして、ひとりでいるときは、人見知りで笑顔もなく、大人数でいるときは、人の悪口をめちゃくちゃ言って大笑いしているようなやつだ 花はそんな男子はめっちゃクチャ嫌いだ だから、見る気にもならなかった 何なんだろう、今日は、みんなに嫌われている気がする もしかして隼人くんも!? それだけは嫌だと思っていると 教室の入り口から友達数人と笑顔で話している隼人と七斗が見えた すると、七斗が見えなくなった 原因は女子だ 今気づいた花 七斗はこのクラス いや、学年 いや、学校 いや、街全体 に、好かれていた モテモテだ 花は、七斗くんもかっこいいけど隼人くんの方がかっこいいじゃんっ と、心の中で叫んだ そして、 こっちに向かってきている隼人に、 目線を向けた ドキドキが止まらない花 隼人は、構わず 隼人 「おはよっ、花」 いつの間にか「一ノ瀬」から「花」と呼ばれていたことを嬉しく思った 花  「おはよっ!昨日はありがとっ楽しかったっ」 隼人 「おおっ、俺もっ!」 予鈴がなり、朝の「おしゃべり会」が始まった これは、担任の先生が考えてくれた、新しい友達を作ろうかいみたいなもので、1ヶ月に1回ほどで各班で話す時間だ 花は、姫神のように軍団でいないで、人かま話しかけてくれたら「話す」みたいな方が好きだな と、思った まだ、やったことのないこの会はこのメンバーでも少し緊張してしまうものだ でも珍しく 線  「あ、、の。」 なにか言いたそうな線に気づいた隼人 隼人 「ん?どーした?」 線  「ちょっと、朝、本を読んでたら、耳に入って来ちゃったんだけど、、。」 姫神 「何か聞いたの?」 線  「うん。•••花ちゃんのことで•••」 花  「わ、わたし、、?」 心当たりはないが、朝の無視されたことに関係がありそうだ 線は、いつも斜め下を向いているから、少し悲しそうな話に聞こえるが、今の線は、本当に暗い話っぽい 線  「なんか、花ちゃん、男の子と昨日大人数で遊んでた?」 花は、昨日の水族館のことを、思い出した 花  「お、うんっ。隼人くんもいたけど、、、?」 隼人 「あぁ、遊んだな?」 線  「やっぱり?花ちゃんが七斗くゆともつるんでたみたいで、七斗くんのことが好きな女子が見ちゃったみたいで、嫉妬してるみたいなんだ。嫌がらせとかされてないよね?ちょっと、心配になって、、」 花  「そう、だったんだ。ありがとっ!うん、ちょっと、無視されただけだからっ!気にしないでねっ!」 「つるんでる」と、言うのかはわからないが、、 姫神 「そんな、嫉妬感で、花ちゃんを無視するなんて最低っ」 自分のことのように怒りを表してくれている姫神 花  「ありがとっ!姫神ちゃんもっ!」 隼人は、少し沈んだ顔からもちなおして、花をしっかりみた でも、まだ眉をひそめているようだ 隼人 「誰だ。」 いつもよりも低い声に驚いただろう花達 花  「えっ?」 隼人 「誰が、花に嫌がらせしたんだ?」 花  「大丈夫だって!」 隼人 「言えっ。」 花  「何もしないって、約束してっ?」 隼人 「それは、、無理だ。」 花  「なら。無理。何しでかすかわからないんだもんっ」 隼人 「じゃぁいいっ。線っ。誰がその噂してた。?」 線  「えっ⁉︎あ、えと、、。里奈ちゃんっ。」 ビクビクして答えた線 「里奈」とは、女子軍の悪口をよく言うリーダー的存在の子だ 隼人は、音を立てて席を立ち上がった 幸い、ザワザワしていた教室にその椅子の音は、消えていった 里奈の目の前までいって、立ち止まった わずかに聞こえる2人の会話 止めればよかったと、今頃後悔する 里奈 「え?どうしたの⁉︎隼人から来るなんて珍しぃーねっ‼︎」 2人は、中学校が同じだったみたいだ 隼人から来てくれて盛り上がって、興奮している里奈 イケメンの方から寄って来てくれると、そりゃぁ、嬉しくもなるだろう 隼人 「今日、誰かに嫌がらせした?」 里奈の興奮も遮るようなひっくく図太い声を出した 里奈 「え?なんで急にっ⁉︎」 里奈は、思わぬ質問に動揺した 隼人 「いいから。」 里奈 「え?そんなん、私がするわけないじゃんっ!何言ってんのっ‼︎もぉ〜!」 と、1人で大爆笑している 隼人 「から、本人に聞くか?」 里奈 「はっ?」 さっきの砂糖対応とは、真逆 隼人 「自分から言ったほうが大事にならないかもな?」 そう聞いて、里奈は、ブルブル震えながら立ち上がった きっと、みんなから認められていたいのだろう その欲望が多すぎて、真逆にまた、みんなから嫌われてしまったのだろう 里奈 「わっ、わかったからっ!今日ら、むかついた子に無視したっ」  隼人 「誰?」 里奈 「は、花ちゃんっ。」 隼人 「あやまらないの?嫉妬ごときで、そんなことしていいと思ってんの?自分が上手く話せないから七斗に好かれないだけだろ?あと、人の悪口言い過ぎ。自分の悪いところも、っちょっとは見ろよ。いくら女子だからって、花に意地悪する奴は、容赦ないからなっ?」  早口でこんなにも重たい言葉を言われたから少しだけ青ざめている里奈 隼人の表情の怖さに里奈は、花の元へ駆け寄ってあやまり続けた 里奈 「ごめんっ、私、そんなにたいしたことしてないよねぇ?ねぇ?」 「あやまる」と言うよりも「訴えかけてくる」里奈 花  「あ、、、」 すがりついてくる里奈になんと返せばいいかわからない花 すると、姫神ぎ急に机に両手をバンっと叩きつけて立ち上がり 姫神 「大したことあるでしょっ⁉︎」 そう言った 花  「あ、姫神ちゃん、大丈夫だよっ」 驚いた花は姫神にそう言った 姫神 「花ちゃんっ。それは、大丈夫で済ませちゃいけないことなんだよっ⁉︎分かってるっ⁉︎」 あまりにもいらだったのだろう、花にも里奈と同じような口調でそう言い返す 姫神も里奈と同じ中学校だったらしく、話すことに、少しだけなれていた 里奈は姫神の怒りを大きくしないように、 里奈 「ひ、姫神っ、、?わっ、分かってるヨォっ‼︎私、悪いことしたってわかってるからっ‼︎ね?姫神が怒ることないよっ‼︎」 姫神 「そうだね?ごめん。私が口を出すことなかった。反省してるのならちゃんと花ちゃんにあやまって?」 まだ、少しだけ上から目線な姫神 里奈 「わかった。•••花。ちゃん。私。七斗くんを取られたと思い込んで•••あなたに嫌な思いさせてしまったわ。ご、、ご。ごめんなさい。」 「ごめんなさい」の一言も言いたくなかった様子だ 花  「あ、う、うんっ!大丈夫だよっ」 花がそう言うと何も言わずにその場からムスッと去っていった 話を聞いていた隼人は 隼人 「大丈夫か?早く気づいてやれなくて、ごめんな?」 そう言って席に座った 線に向かって 隼人 「線!おてがらだっ!」 そう言うと、線は満面の笑みを浮かべた 授業が終わり休み時間になると、教室が一斉に騒ぎ出す 今日は、すでに神経を使って疲れている花は、席でぼーっと過ごすことにした すると。 里奈 「ねぇ?1人なのぉぉ?」 花  「え?あ、うんっ」 遊山 「え〜まじぃ⁉︎ウケるっ!ゆさ、1人とか悲しすぎて死ぬわぁー」 遊山は里奈のうしろについて回っている同じクラスの女子生徒だ 里奈 「もぉ〜!遊山ったらぁ〜!ノート貸してほしーんじゃないのぉ?」 遊山 「あっ!そうだった!ねぇ!花ちゃん、ノート貸して欲しいっ!」 花  「え?あ、うん。いいよっ」 そう言って引き出しからノートを出し、遊山に渡そうとした 奪い取るように受け取った遊山は 遊山 「うわぁー!嬉し‼︎ありがとねぇ〜」 と、花のノートを持ってスキップしながら去って行ってしまった 昼休み 昼休みは今日は、1人で食堂に行きたい気分だった花 花は!焼きそばパンを買って、空席に座った いつもなら、無理にでも隼人の腕にすがりついて、2人っきりの昼休みを過ごしていた でも、今は、そんな気にはなれなかった 焼きそばパンを食べ終わった花は、ゴミ箱に焼きそばパンの入っていた袋を捨てに行った すると⁉︎ 見覚えのありすぎるノートがグチャグチャに曲げられて、ゴミ箱の中に捨てられていた 花は思わず、声を出した 花  「え?これって、遊山ちゃん達に貸したノート?だよね?」 ザワついている食堂内は、花の声を一瞬にして掻き消してしまった 花は、ノートを、手に取って確認する 花  「やっぱり、わたしのじゃんっ。。。」 ノートは、水で濡らされたのであろう、シュワクチャで、「花」という字がボヤけて見える シュワクチャのまま乾いてしまったノートは、なんとも無惨な姿だった この学校では、ノート点検という、ノートをかいているか、かいていないかによって、点数がつけられる方式だった ノート点検に出せないという悲しみと悔しさ 貸さなかったらよかった、という後悔で、胸いっぱいになり、涙が込み上げてきた 花に、なぜか、怒りの心はなかった それだけでも、褒めてあげたい花だった 花は、ノートを持ってその場を走って後にした 次の授業はサボった ずっと、校舎裏で泣いていた 6限目の休み時間 里奈と遊山 他の女子も、花の元へ駆け寄ってくる 囲まれてしまった花 里奈 「あ!花ちゃーんっ!さっきどこに行ってたの?そうだ!ノートなんだけとさ?無くしちゃった!ごめんねぇーっ!」 と、近距離でウィンクし、笑顔で両手を合わせて軽くあやまってきた そんなの嘘だってわかっている でも・・・ 花  「ううんっ!大丈夫だよっ!」 と、微笑んだ 里奈は、「チッ」と、舌打ちし さっきとは、真逆の表情で花を睨んだ 怖くて、また泣き出しそうになった花だが、お腹に力を入れて 笑顔をキープし、我慢した 里奈達は、そのまま花を睨みつけながら、去っていった その頃・・・ 花がそんなやり取りをしているのを見ていた 隼人と姫神と線 隼人は、もう、これ以上俺は口出ししないと言った様子だ 姫神も、・・・ 線は、口を出す、出さないの前に、友達や普通に話せる人がいないから、見ていることしかできないし、線は、もっと酷い事をされたことがあるから、その悲しい気持ちは誰よりもわかってあげられる 放課後にもなると、いじめたい放題だ まずは、カバンに吸っては行けないタバコを勝手に入れられる もちろん、里奈達だ 里奈達は、未成年なのにも関わらずタバコを吸っていた 里奈は、花がタバコ臭いと、先生にチクって、持ち物チェックをされ、いつのまにか入れられていたタバコを見つけられ反省文を書かされた もちろん、花は里奈達が入れたということは分かっていた 帰ろうと校舎から出て、校門に向かう途中、運動場で隼人がサッカー部に紛れて、サッカーをしているのに気がついた 隼人は、運動神経が良すぎて、なんっでもこなしてしまうから部活の引っ張りだこなのだ 隼人いわく、部活に入る気はないそうだ そんな隼人は花が立ち止まってこっちを見ていることに気がついて、プレイしていた男子達になにか言い 花のところに駆け寄った 隼人 「あれ?花、まだ帰ってなかったのか?」 花  「・・・」 うつむいて何も言わない花の事情は、すでに把握している隼人 なにか言わせようと、隼人は続けた 隼人 「あぁー!俺を待ってたのか?あぁっ!なら、早速帰るかっ!送ってくよっ」 花  「え。あ、、いいの?」 隼人は「おおっ」と、言いサッカーをしていたみんなのもとに走っていき、またなにか言い、手を振りながら、カバンのある場所へ、走って行った カバンを肩にかけ、また花のもとに戻って行く隼人 サッカーをしていた運動場は、サッカー部のフリータイムらしく、少しのスペースを使っているサッカー部の、カバンは運動場の1番端っこに置いてあるので、隼人は、三角形を走って花の元へ戻ってきたのだ 隼人 「お待たせっ」 花  「よかったの?」 隼人 「うんっ」 そして、無言のまま2人は校門を出た その瞬間! 泣き出してしまった花 もう、隣りにいる、隼人くんにしか弱音を見せられない花は、学校を出たことと隼人は隣りにいてくれることに安心しきって泣いてしまったのだ そんな花を隣で頭を優しく撫でてあげる隼人 花は、隼人に抱きついてとうとう大泣きし始めてしまった 隼人は、ただ、大丈夫だからと言わんばかりに包み込むように強く抱きしめてあげた その温もりでもう、涙は止まらなくなってしまった花 そんな2人を異常なほど真っ赤な夕焼けが優しく見守ってくれていた 花が少し泣き止めば、抱きしめていた隼人がポンポンと花の背中を叩き、それを合図に2人は少し離れ、花の家まえま歩き出した 帰り道の途中、公園があった 隼人 「お前、あそこで顔、洗ってこい」 と、公園のトイレを指差して、花の顔をなるべく見ないようにしていた隼人 花  「え?」 隼人 「顔、スッゲェー事になってっから。泣きすぎて、化粧が落ちて、変な感じ。」 花  「あ、そっか!ごめんっ、じゃあ、洗ってくるね?」 花は、これ以上隼人に迷惑をかける訳には行かないと思い、いつもの明るさに戻った トイレから帰ってきた花は、スッピンだ久しぶりのように感じた隼人に、笑みが浮かんだ 花は、少し恥ずかしくなった メイクをしたままの自分には自信があったからだ なるべく見てほしくなかった花は、隼人の笑みの意味がわからなかった 花  「え?なに?」 隼人 「いや、俺は、今のままの花が好きだなぁ〜って!」 花  「え?」 隼人 「嘘じゃないよ?メイクの姿ばっか見て来たから、久しぶりだなぁ〜って思っただけ」 からかっているのかとも思ったが、それは、ちょっと違う気がしたし、そうだと思い込んでしまったら、自分が情けなくてしかたがなくなってくるから、そう思うのはやめておいた やっぱり、顔がいい人は、見る目がないとそう思う事にした 完璧な人は、この世には、いないと改めて思った 今まで、散々バカにしてきたし、自分でもバカにしてきたこの顔を、「好きな人」に「好き」と言ってもらえることが嬉しくてたまらなかった 花の家につくと 花  「え?智輝くんっ?」 智輝は、花の家の玄関の前に立っていたのだ 智輝は、花と隼人が一緒にいることが心の底から悔しかったけど、笑顔で隼人が見えないかのように、花にだけ話をし始める 智輝 「おかえり?遅かったね!」 花  「あ、うんっ!ただいまっ」 智輝は、花の異変に気づいた 智輝 「花ちゃん。何かあったの?もしかして、その人になんかされた?」 真顔で問い詰めてくる智輝 隼人のことを指差した 花  「えっ?ううんっ!違う違うっ!隼人くんは、慰めてくれただけだよっ!」 と、微笑む花 花は、思いついたことをそのまま発した 最悪な事になるということを考えずに 花  「あ!今日はね?両親が出張でいないから、夜ご飯、家で食べない?2人共‼︎」 2人は驚いたが、ここで、断ったら、どちらかが残る事になり、花と2人きりにさせてしまうことになると考え、どちらも譲る事なく「食べるっ!」と、答えた 花は、笑いながら、玄関の鍵を開けて、「どーぞー」と、2人を家に入れた 男2人対女1人の気まずい空気になることも知らずに 既に、花と隼人は両思いだ 智輝が花と一緒になれる確率なんて50%もあるかないか 花にとっては妹の元彼・メイクしてくれるイケメン男子としか見えていないのだから 隼人 「花。水樹は?」 花  「あぁ、水樹、最近新しい彼氏と遊び回ってるみたいで、帰ってこないんだよね」 と、花は、エプロンをきて料理を始めていた 隼人 「マジかよ。相手、どんな奴なんだ?」 花  「んー、わからない。ちょっと、心配になっちゃうよね。」 智輝 「水樹ちゃんが、みんなに自慢してました。相手は、二十歳のチャラ男らしくて、いい人で、一緒にいて、楽しい人らしいですよ?水樹ちゃんがその話をするたびにみんなの目線が俺に集まるから、困っちゃいます。」 花は、素早く動かしていた包丁を止めて 花  「えっ⁉︎⁉︎二十歳っっ⁉︎」 智輝 「みたいです。」 隼人 「水樹、やるなぁ。」 花  「そろそろ帰って来なさいっ!て、怒らないとっ」 と、また、包丁を動かし出した 花がキッチンにいる間、椅子に座っている2人は、無言で目線は睨み合いのバチバチ ようやく花が出来上がった料理を持って来た 花  「おまたせー!グラタン好き?アレルギーとかない?」 2人の大好物はグラタンだった 智輝と隼人はまた同時に「大好きっ!」といった 同じ人を好きになるなど、好みが、似ている2人だった そりゃあ、珍しく花のことが好きになるはずだ 花はあんがい、いや、最強レベルで料理が美味しかった 好きだから、何を作っても美味しく感じるのではなく、誰が食べても美味しいと感じさせることができるような味だった 2人は、これ以上無いというぐらいに花を褒めてくれた これも、一つの花へのアピールだった どっちの方が、多く具体的に褒めることが出来るかの、男の熱い勝負だった もちろん、女の花にはその勝負を理解していなかった 3人は、美味しく食べ終わった後、 智輝 「今日来た理由は、花さんの顔見たくなっちゃったからなんです。」 隼人は「なんだ?こいつ。」という気持ちだった でも、花は違うかった 花  「うれしいっ!でも、ごめんね?メイク崩れちゃってたしさ?」 智輝 「それはいいんだけど、崩れた理由は?泣いてたの?」 花  「うん・・・。」 花は思い出したようにうつむいて、言いたく無いようだ 智輝 「・・・俺には・・・いいたく・・・ない?・・・」 不安のこもった声で智輝が尋ねると 花  「ううん・・・。そうじゃないの。でもね。思い出したら、涙出ちゃいそうで。。。」 智輝 「そんなに悲しいことがあったんだね?」 花  「たいしたことでは無いんだけどね?・・・でもやっぱり、悲しくなっちゃって。へへっ!こんな姿も、弱音も打ち明けてるだけの今でも、あの子達が見たら何言われるんだろうなぁ。こんな姿、・・・。2人にも見られたくなかったよぉ・・・。。。」 どんどん小さくなる声と、背中 智輝は、そんな花の肩を抱きにいく 隼人は、嫉妬のあまり、智輝と花を引き離そうとしたが、見て見ぬふりをしてなんとか堪えることができた なにしろ、花と隼人は、両思い中の両思いだから、少しは、心の支えになるのだ 智輝 「詳しく聞くよ。いっぱい泣いていいからさ?」 花  「うん・・・。ありがとう。ごめんね?」 と、花は智輝に顔を沈めた 智輝 「ううん。大丈夫だよ? だから、そろそろ帰ってくれますか?隼人さん。」 花から目線を隼人に向けた智輝 一瞬にして、隼人が邪魔者のような目つきになった智輝 さすがに面と向かってそんなことを言ってくるとは思わなかった隼人は花が何も言わなかったので 隼人 「わ、わかった。花、明日、学校一緒に行こう。迎えにくるからっ」 花は、智輝から顔を離し、「うんっ」と、それだけ言ってから、また智輝に、顔をおさめた 隼人は、帰り道、多分、きっと、絶対に、泣くだろう こんなに好きで好きでたまらないのにこんな対応されるなんて・・・ 隼人が、家を出ていくと、智輝と花は、花の部屋へ向かった 花の部屋では、今日の話をしてたくさん泣いた 智輝の腕の中で・・・ やがて、花は、泣き疲れてしまい、そのまま寝てしまった そんな花に気づいた智輝は、花をベットに寝かせ付け、そのまま智輝もウトウトし、花の隣で爆睡してしまった 朝 隼人は朝早くから、花の家にやって来た 昨日のことは、頭から一旦消し、今日、花を楽しませてあげることに集中していた チャイムを鳴らしてみるが、出てこなかった 10分以上待つ が⁉︎ 出てこない。 すると、ドアの鍵ご空いていることに気づいたのでなかに入る 花の部屋の前で 隼人 「花ーっ、起きてるか?おーいっ!」 何回目かのチャイムの音で2人同時に起きてしまった 花と智輝はマズイことをしてしまったという罪悪感感に包まれてしまった 花は、場を和まそうと、いや、何でここにいるのかと聞くために、口を開いた 花  「えっ、あ、え?あの、ど、どうして、ここに?え?と、?昨日、、、?ここ、えっ⁉︎」 顔が近距離のせいで、顔が真っ赤な2人 「うわっ!」と、顔を同時に遠ざける 智輝 「ご、ごめんなさいっ、、!っ。俺、昨日の、そのまま、、。」 花  「慰めてくれて、私、寝ちゃったんだっ‼︎」 智輝 「そうっ、俺、寝ちゃっただけで、なにもしてないっ!だから、大丈夫っ‼︎」 花  「あ、うんっ、もちろんっ!疑ってないから大丈夫だよっ⁉︎⁉︎っ‼︎」 智輝 「あ、うんっ!えと、、。とりあえず?ベット干そう‼︎お風呂入ってないからっ!」 花  「そ、そうだねっ!」 花と智輝は、ベットの端と端をセーノッで、持ち上げて、ベランダまで運ぶ事にした すると、途中で、隼人が花を呼ぶ声が聞こえた 丁度、窓の外と、部屋の真ん中の境目だった 花  「智輝くんっ!押入れに隠れて‼︎隼人くんに見られたら・・・」 小声でそういうと、智輝は、言われた通りに押入れに隠れた さすがに、一晩過ごしたことを知られるのは、2人にとって悪影響でしか無いから 花は、智輝が、隠れたことを確認すると、「はーちむ!隼人くん?おはよっ!」と、隼人に聞こえる声で言った ドアを開ける隼人 隼人 「おおっ、今、大丈夫か?」 花  「う、うぅ、大丈夫じゃないかもっ、ちょっと、助けてくれない?」 隼人は花の持っていたベットの反対側の端を持ってようやく、ベランダに干すことができた 隼人 「なんで、ベットなんて干そうと思ったんだ?」 花  「昨日、お風呂入らないで寝ちゃったんだよね・・・っ」 隼人 「あぁ!それでかっ。ってか、女1人でよくここまで運べたな?」 花  「まあねっ」 隼人 「え、そういえば、お前1人なら、寝る前、玄関の鍵閉めろよ?何かあったら、どーすんだよっ」 花  「あ、忘れてたっ!これから気をつける!」 隼人 「わかったなら、風呂入ってこいっ。待っててやるからっ」 花  「あっ!そうだねっ!入ってくるっ!」 花は、そう言いながらも、智輝が気づかれないかが心配だった その頃、智輝は、 花の部屋の押入れの中で窮屈に時が過ぎるのを待っていた 押入れの中は、花の私服や、下着などがハンガーにかけられていた 焦っていたからとはいえ、よくこんなプライベートなものがいっぱい置いてあるプライベートの固まりのところに異性を隠せたなぁと、1人で感心していた あまり、ジロジロ見れないし、押入れの、外の様子を把握しておかなければならないから、困っていた 窮屈で、そろそろ体勢が崩れて来た頃だった 部屋のドアが、開き、人が部屋から出ていった 智輝は、思わず気を抜いてしまい、押入れから飛び出てしまった するとそこには・・・ 暇つぶしに、スマホをいじろうとしていた隼人がっ! 隼人は驚きのあまり、飛び跳ねてしまった  智輝も、誰もいないと思い込んでいたので、驚いていた そんなあり得ない状況ご起こった中、隼人が口を開いた 隼人 「えっ?なんでいんのっ⁉︎」 智輝 「あ、え、と、それ、は・・・。」 隼人 「答えらんねぇーの?お前、それをなんて言うか、知ってるか?そんな、下着の山に閉じこもってること。」 智輝の飛び出て来た少しの隙間から下着が見えている 智輝 「えっ、なんですか?」 智輝は、倒れた体勢のまま、尋ねる  隼人 「盗聴、もしくは、空き巣、下着泥棒。」 智輝 「いやっ!許可ならもらってますよっ⁉︎」 焦って立ち上がり必死に反論する智輝 隼人は、昨夜何があったかは、もちろん知らなかったから、驚きを隠し通せない 隼人 「はっ⁉︎どーゆーことだよっ⁉︎あっ!わかった!いつもどーり、化粧しに来たんだなっ」 1人で納得している隼人 智輝 「昨日の夜からずっといました。ほら、服だって変わってない。それに、普通に考えてわからないんですか?あんな大きなベット。花さんが1人であそこまで運べるわけがない。」 隼人へのライバル意識が強すぎる智輝は、一晩、ここで過ごしたことを隼人にら言ってしまった 隼人 「は、、、。なら。お前らもう・・・」 智輝は、ここでも、嘘を突き通す 智輝 「はい。付き合ってますよ・・・」 隼人はその嘘をもちろん知っているはずもなく、信じ込んでしまった 隼人 「そ、。そっか!悪いことしたな。俺っ。ごめんな?なんか。ははっ。え?いつから?」 智輝 「水族館の時からです。2日前。」 隼人は、悔しいとかの前に、昨日、は花が泣いているところを慰めるために、抱きしめてしまったという罪悪感に包まれてしまった てっきり、昨日は、嫌がらせをされていたから、いつもみたいに、俺に「隼人くんっ!大好きっ」と、言ってこなかったんだとわかった もちろん、嫌がらせされてて、それどころじゃなかったから、昨日はなにも言ってこなかったのだ 智輝は、それ以上の罪悪感に苦しめられた 自分がついた嘘なのに、バレたらどうしようと言うよりも、自分の醜さに苦しくなった 2人が両思いだと分かっていて、自分は隼人には勝てないと分かっていたから、こんな嘘をついてまで、隼人と花を無理やり引き離そうとした自分にムカついて、ぶん殴ってやりたかった 隼人 「そ、そうだったのか。ごめんな?花に帰ったって、適当に理由つけて伝えといて?」 と、引きつった顔でそう言った いつもの通りの顔を保ち続ける智輝 智輝 「わかりました」 そして、少ししてから 花がお風呂から戻ってきた 花は、ここにはいない設定の智輝がドアを開けたらいたので驚いた 智輝 「あぁ。隼人さんなら、友達に呼ばれたみたいで、帰っていきましたよ?」 花  「えっ?そうなの?」 智輝は、ただ、笑顔を保ってうなずくことしかできなかった 智輝 「メイクしましょうか?」 花  「あ、うん!でも、智輝くんも家に帰ってお風呂入らなきゃだからっ」 智輝 「あ、俺は大丈夫だよっ。今日は、もともと中学校、休みだからっ」 花  「ほんとっ⁉︎」 智輝 「だから、メイクしようか?」 花  「うん!あ、今日は時間あるなら、いつも私にしてくれてるメイクの仕方、教えて欲しい‼︎」 智輝 「それは、構わないけど、そうなると、覚えちゃったら、俺は、花さんに会いに来る理由がなくなっちゃうねっ」 智輝は、さっき、隼人を誤解させて、花から距離を取らせることができたのに、自分から花が離れていくことが怖くなった そんなことも知らない花は 花  「ううんっ!そんなすぐに、覚えれっこないだろうし、ほらっ!なにか、家に寄って行けない時とかあったら、自分でできたら、迷惑書けなくて済むなっ!て、思って‼︎」 智輝 「それならっ!」 と、1時間以内にいつものメイク法を教えたが、あまりわかっていない様子の花にホッとする智輝 いっそう、本当に、自分のものにしたくなった 智輝 「今わからなくても、大丈夫だよっ!また、教えるからねっ!」 花  「うんっ!ありがとっ」 花が学校につくと、昨日と変わらない風景の教室 視線が、昨日よりも、よりいっそう怖くなった気さえした でも、班の人は、みかたでいてくれる そう信じて、挨拶してみる 姫神と線は、笑顔で挨拶してくれた でも・・・ 隼人と智輝の間に何があったか知らないのに、被害を1番受けるのは花 隼人に無視された意味がわからなかった 目はあったものの、ためらった隼人は結局、見て見ぬふりをして・・・ 無視してしまった 花は、学校で唯一のみかたを1人失ったことが悲しくて仕方なかった 世界一大好きな人が、まさか、離れて行ってしまうなんて・・・ そん日もあるだろう。と、3時間目をむかえた 3時間目は理科の授業だった 理科室 クラスのみんなは、先生が教室に入ってくる前に着席をしていた すると、3人の男子生徒が、「みんな聞けぇ‼︎」と、大ニュースがあったとでも言うような、大声で教室の前にでてきた みんなが注目する 注目されている男子達は、満面の笑みで、しかも、いつも里奈にこびを売っている男子だ 花もそのまま、その男子達を見た すると・・・ 男子 「みんなー!これなんだと思う⁇」 と、ポケットから出してきたものは、一枚の紙 その紙は、見るからに「写真」 「えっ?」と、いう声が周りからどんどん聞こえてくる よく見ると、1人の女と2人の男 しかもその家は、・・・花の家っ⁉︎ さっきよりもザワつく教室 花の家の前で、花と隼人と、智輝が写っていたのだ 昨日の夕方、盗撮されていたんだ 花が立ち上がる前に、隼人が先に立ち上がり、小走りで男子達の元へ向かっていった 花は、何を言い返してくれるのかと、少しだけ期待した でもその一瞬の、ほんの少しの期待も破壊されてしまった 隼人は、満面の笑みで 隼人 「おいっ!俺まで写すなよぉー!ほら、返せーっ!」 と、じゃれあっている 花は、そんな姿を見たくないと思い、隼人に歩み寄った だが・・・、花は、隼人のそばまで行くと、頭がくらくらし、久しぶりに高熱を感じた 花  「隼人く・・・。・・・ほ、保健室。行ってくる。」 と、頭を抱えて保健室に向かった

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日々⇨確かめ NO.2

一目惚れ⇨両思い⇨別々⇨確かめ NO.1

私、一ノ瀬花は、高校生の入学式で、桜の木下の、花びらが舞う優しいその笑顔の君に心を奪われた 一目惚れだった 花のコンプレックスは顔だ 人生で一度も「可愛い」とは、言われたことがなかった 自分でも思わない いくらなんでも「ブス」過ぎる どのパーツもいいのなんてなくて 目は細いわけじゃなく、大きい方だが、可愛くない 気持ち悪いわけではないが、可愛いわけでもない この世に「ブス」と言う言葉があるのは、「花だけのため」と、言えるぐらいの「ブス加減」だった そんなコンプレックスを皆んなにカゲでコソコソ言われるのは、嫌だし傷つく だから、花は顔を使って皆んなを楽しませた 思いの通り、皆んなは毎日のように花の周りに集まってきてくれて、カゲ口なんて、聞こえなかった むしろ、花の目の前で 「おいっ!ブスが変顔しても意味ないじゃん!」 とか、普通に聞くと、イジメの言葉だけど、花や花の周りにいる人から聞くとツッコミを入れてくれているような感じで 笑いがもっと大きくなって、花にとっては嬉しかった ありがたかった 初めて教室の席に座る 教室の真ん中の列の1番後ろの席だ 1番先生に見られるとは思うけど、花にとっては絶好の席だ 中学校の時もこの席を狙ってクジを引いたら、当たった経験があった “やったー!“ なんて、1人で思っている花だった “えーと。横の席の子は、弱くてイジメられそうな男の子“ “えーと。前の席は・・・⁉︎嘘でしょ⁉︎さっき、数分前に、一目惚れしたあの男の子だ!同じクラスというのも、十分嬉しいことだけど、まさか、前の席でいつでも眺められるなんて・・・⁉︎“ “まあまあ!後で話せる機会を・・・!えーと。斜め前の子は“えー⁉︎めっちゃくちゃ可愛いー!女の子ー!!!“姿勢も良くて、短い髪の毛がよく似合う。やっぱり、可愛い子は短い髪の毛でも似合うんだよね(花は、背筋ぐらいまでの長い髪の毛を少し茶色くして毛先だけ巻いている)え⁉︎待ってよ⁉︎こんなに可愛い子、絶対男子の獲物じゃんっ。このクソイケメン私の一目惚れ男子も・・・⁉︎あぁー!終わった。私の初恋。終わったヨォー。” なんて、1人で頭の中で話を進めている花だった ふと、隣の弱弱男子と、目が合った 彼はすぐに、花から目を逸らす でも、花は、別に人見知りじゃないから、体を限界まで彼に近づけて 花  「よろしくねっ」 と、先生の話を遮らないように、コソッという 弱男 「よ、よろしくっ。」 勝手に弱男と、名付けている花は、ハッキリ言って最低だ “後で名前を聞こう!“と、思った そしは、班のこと仲良くなって欲しいので、班で、自己紹介など、何か話してみてください。これから一年、席替えはしないのでね」と、先生 “やった!一年もクソイケメン私の一目惚れ男子と、一緒にいられるんだ!“ と、彼の性格もわからないまま、1人で喜ぶ花だった 班を仕切ってくれたのは、とっても綺麗で美しい彼女だった 美女 「じゃぁ、私から自己紹介するね!私の名前は、宮野姫神です、仲良くなれたらうれしいです!よろしくねっ」 花は、頭を軽く下げた 美男 「じゃぁ、次は俺。俺は、伊藤隼人」 花は「伊藤」と、聞いて、思わず自分の下の名前と、組み合わせた「伊藤花」まあまあな、名前ができあがった 女の子はきっとみんなやるだろう クソイケメン私の一目惚れ男子は、「隼人」と言った 隼人は、名前をいって自己紹介が終わったようなので、弱弱男子は、最後にして、次は、花が自己紹介する 花  「えと、私は、一ノ瀬花です!私も、みんなと仲良くできたら嬉しいです!」 弱男 「ぼ、僕は海道・・・海道、線。」 みんな、思わず顔を固めた でも、声には出さない そこで、隼人 隼人 「線か!いい名前じゃん!仲良くしよーな!」 男のノリだ すごく優しくて、いい人だなぁ〜と、ベタ惚れ中の花だった 続いて姫神 姫神 「そうだね!いい名前!」 花は、何も言わなかった 同じ言葉を続けても良かったが、やめておいた それは、違うと思ったから、べつに、確かに面白い名前だけど、笑っちゃいけないと分かっていたからだ 線  「え。本当に?」 隼人 「いい名前じゃん!親が海道線で合わしたんだな!ネーミングセンスある親でいいな!」 線  「いい、名前。?初めて言われた。僕、これが嫌で嫌で、友達にもバカにされて。自己紹介って、怖かったんだ」 隼人 「隠すことじゃないだろ?」 線  「そうなのかも」 隼人の一言一言で、線落ちた。がどれだけ救われたか 花はますます隼人のことを知っていく 線  「ありがとう」 初めて見せたホッコリ笑顔は、とても優しくて本当に優しい強い子なんだって、今わかった花だった花 隼人 「姫神。マリと離れたんだな。」 姫神 「そうなんだよね。本当残念。」 花  「え⁉︎待って待って⁉︎?2人、同じ中学だったの?」 姫神 「そうだよ!◯◯中!」 花は、安心できた 中学が同じで、恋愛関係に発達しなかったってことは、高校になっても変わらないと思ったから まあ。なにかあったら、「恋」に発展していく可能性もあるけど、それは、花の頭には入れなかった 隼人 「一ノ瀬は?どこ中?」 初めて名前を呼んでくれた幸せさが花の中にジワジワ広がりながらも、花は、笑顔で答える 花  「△△中だよ!」 隼人 「あー、康太って子がそこだったなぁ」 花  「あ!康太しってるんだ!」 隼人 「運動友達。最近あってないけどな?」 花  「そうなんだぁ」 少しでも会話を長引かせたかったけど、「そうなんだ」を使うと、相手しだいで、会話は、終わる その後に、何かを付け足せばよかったのに 質問とか・・・ 花は、そんな1人反省会をしていた 次の日 隼人 「なぁ。線、今日お前も遊びに来ないか?」 隼人は、いろいろな人と遊びに行くので、線もそこに入れて遊びに行こうと、思ったのだ 線  「ぼ、僕がいると、みんなに迷惑かかるかもしれないからやめておくよ…」 隼人 「んなわけねーだろ?知ってたか?人数が多い方が楽しいんだぜ?」 線  「でも…」 隼人 「もし、迷惑かけてしまったなら、謝れば済む話だろ?俺なんて、イツメンに、どれだけ迷惑かけてるか…」 すると、 友達 「おいっ!隼人、まだかよ!」 と、教室の端っこから男子軍団の1人が隼人を呼ぶ 隼人 「わりぃー!あ!そーだ!今日は、線も一緒に行ってもいいか?」 友達 「はぁー?いやだ!そんな奴ほっとけって!気味悪い!」 笑いながら、線が傷つく言葉を叫ぶ、友達 どうやら、この隼人と絡んでいる男友達は、線と同じ中学校で線をいじめていた、張本人だったらしい 隼人 「でも、線はいいやつだぞ?」 ポカ〜ンと、隼人がそういう 線  「隼人くん、ありがとう。僕、帰るね?」 線は、隼人にしか、聞こえない、小さな声でそう言った。 が⁉︎ 隼人 「んじゃー、俺、今日は、線と遊びに行くから、お前らは、いいや。」 そう言ったが、実際、顔がいいのも、(他のブスがナンパするため。隼人は、そういうのには、興味ないからスマホをイジりながら、友達がしているのを待っている) 隼人は、ナンパには、興味ないが、友達は、隼人の顔をうまく利用して、女の子が近づいてくるようにしているのだ 場を盛り上げるのも、隼人しかいない。 だから、 友達 「わ、分かったよぉ!線と仲良くするから、一緒に来てくれよぉ」 隼人 「いいよ。線と2人でも、十分楽しいからっ。無理に仲良くしろとは、言わねーよ。」 友達 「いいからっ。遊ぶぞっ」 と、男子の1人が隼人と、線の肩に手を回し、「行くぞっ!」と、教室を出て行った それが、線にとっては、とてもうれしかった 隼人 「わりぃー!勝手に話、進めてっ」 線にこっそりと謝るが、線は、嬉しくて、たまらなかったから、笑顔でうなずいた そんな状況を花と、姫神は、ほほえましく見ていた 今は、早くも5ヶ月の中旬 今日は、中学3年生が社会見学で、この高校見学しに来る しかも、その小学校は、花の母校だ 花も、1年前、ここに来た 花には、妹がいて、ちょうど中学3年生だ 花は、妹思いで早く妹と会いたい (今朝あったばかりだ) もう、ここ最近、花は、ずっと隼人にべったりくっついている。隼人を見つければすぐに、隣にいて、無理をくみに行く こんなふうに 花が、隼人にくっつく 隼人 「お前なぁー、くっつくなって!」 花  「だって、好きなんだもんっ」 隼人 「あのな?今日来る、中学生に、悪影響だっ」 花  「大丈夫、大丈夫っ!あの中学校内、リアコが多いみたいで、周り、ほとんど、カップルで、教室で、キスしてることか、普通にいたもんっ」 隼人 「花の母校なのか?」 花  「うんっ!」 隼人 「へぇー」 そんな話をしていると、向こうの方から、男子たちがワーワー騒いでいる声が聞こえてきた 花  「ん?なんだろう、行ってみよっ」 隼人 「お、おぉっ」 花に電話引っ張られて、ついていくしかない隼人 男子に囲まれているのはなんだろう? 中に入っていくと 花  「水樹っ!」 そこにいたのは、花の妹の一ノ瀬水樹だった 男  「えっ!何⁉︎花ちゃん知り合い⁇」 周りにいる男子たちが駆け寄ってくる 花  「あ、うん!私の妹‼︎」 みんな驚いている様子だ 水樹は、普通の人よりも飛び抜けて可愛い顔をしている だから、よくモテる 水樹 「お姉ちゃん⁉︎」 花  「どうしたの驚いた顔して」 水樹 「その、イケメン男子誰?」 花が無理やり腕を組んで連れてきた隼人に気づいた水樹 隼人 「どーもっ」 水樹 「こ、こんにちはっ!私、水木っていますっ!姉がお世話になっています」 隼人 「お姉ちゃんとは違って、礼儀正しいね!どうも、隼人っていますっ!お姉ちゃんをいつもお世話してます!」 花  「ちょっとぉー!世話されている時もあるかもしれないじゃんっ」 隼人 「例えば?」 意地悪そうな顔をして尋ねる隼人 花  「それは…」 水樹 「ちょっと!2人だけの世界入らないでよっ!」 花  「ごめん!」 水樹 「お姉ちゃん、こんなにかっこいい彼氏いたんだー?」 花  「かっこいぃ〜でしょ〜!」 隼人 「おい、否定しろよっ!俺達付き合ってなんかないんだから」 水樹 「そうなの⁉︎なら、ワンチャン私も狙えるってことだよねぇ⁉︎」 花  「え?どういうこと?」 水樹 「私、隼人くんに、一目惚れしちゃったから‼︎」 花  「え⁉︎ちょっと待って!今の彼氏クンは⁉︎」 水樹 「別れるっ!」 花  「え⁉︎」 それを横で聞いていて、隼人は内心「姉妹揃って⁉︎」と、驚いた なんとなくの流れで、1泊2日の花と隼人 水樹とその彼氏の智輝(ともき)の、4人でダブルデートをすることになった とうとうやってきたこの日 隼人 「俺、別に来なくても良くないか?」 水樹 「良くない!」 智輝 「はじめまして。智輝ですっ」 とってもおとなしそうで、誰にでも合わせられるような、優しいタイプのイケメン 花  「はじめましてっ、水樹がお世話になってます!」 水樹、本当に智輝君と、別れて、隼人くんと、付き合うなのかなぁ? 水樹 「自己紹介とか、マジいらないから。早く行こっ!隼人くんっ!」 と、隼人の腕にしがみついて、遊園地に入っていく、水樹と隼人 花  「あっ!ちょっとっ?智輝くんはっ?」 花が水樹を呼び止めると 水樹 「勝手にくればいいじゃんっ、お姉ちゃんもっ」 と、知らん顔する水樹 そんな水樹に引っ張られる隼人 花の時と同じで、逆らえない様子 花  「彼氏でしょっ⁉︎」 水樹はもう遠くに行って聞こえていない様子 花は、隣にぽつんといる智輝に 花  「ごめんね?わがままで。いつもあんな感じ?」 智輝 「あ、まぁ。いつもは、もっと気にかけてくれるんですけど、高校の見学で、隼人さんに会ってから、ずっとあんなです。やっぱり、モテる水樹ちゃんは、生きている世界が違うんだなぁ。すぐに、別の彼氏ができちゃうんだから。」 智輝が悲しそうに言うものだから、 花  「はははっ、そうだねっ」 と、苦笑いしておく そして、2人も遊園地に入っていった 早速、隼人と水樹は、アトラクションに乗っていた それを見て、智輝がつぶやいた 智輝 「きっと、今日か、明日かに、別れるんだろうな。俺なんて、隼人さんみたいにかっこよくないし。」 花  「そ、うだね。」 それに関しては、否定できなかった 別れることも、隼人くんの方が、かっこいいことも もちろん、普通の男の子よりは、かっこいい智輝くん 智輝 「花さんも、隼人さんのことが・・・?」 花  「あ、うんっ!」 智輝 「姉妹の戦いですねっ。あぁ。でも、あんだけかっこよかったら、他の女の子も隼人さんのこと、好きな人いるかっ」 と、ブツブツと独り言を言っている 花  「でも、戦いは私の負け確定だよ。」 智輝 「え?どういうことですか?」 花  「姉妹なのに、こんなに顔が似てないんだよ?本当に、姉妹か、分からなくなる時あるもんっ」 智輝 「あぁ。 でも、本当の姉妹じゃないんだから、当たり前じゃないですか?」 その言葉の意味が理解できない花 花  「え?ごめん。理解が追いつけないっ」 智輝 「水樹ちゃんから聞きましたよ?」 花  「何を?」 智輝 「本当の姉妹じゃないこと」 花  「え?水樹から?私、そんなに水樹から嫌われてたんだ。ブスだからなぁ」 智輝 「え?あれ、嘘だったんですか?結構真剣な顔で、言ってたけど・・・。あれ?そういえば、お母さんとお父さんに内緒で教えてもらったとかなんとか。お父さんとお母さんは、水樹ちゃんの本当の親で・・・あれ?なら、花さんは知らない?ん?なら、言っちゃいけないんじゃ⁉︎」 また、智輝がボソボソと独り言を でも、その内容は、しっかりと意味がある 水樹は、父親と母親に内緒で、花と本当の姉妹ではないことを教えてもらったのだ それを彼氏の智輝に真剣に話、今になって花の君に伝わってしまった 花  「そ、そうなんだ。私・・・知らなかった」 智輝 「すっ!すいませんっ!」 深く頭を下げる智輝 花  「あ、いいのいいのっ!なんとなくそうだろうなぁ?って、思ってたし、うん!納得もできるしねっ!ほらっ!全然顔も似てないじゃん?あ!ほんとに大丈夫だよ⁉︎水樹 には言わないから」 智輝 「ほんっとうに、すいませんでした!」 花  「大丈夫だから!気にしないで!」 笑顔で、そう言う花に対して、智輝は、まだちゃんと、反省しているようだ そんな事実を知る、花のもう一方は、悲しみで満ちていた それでも、微笑続ける花 智輝のためではなく、自分のためだった 花たちが、話している間に、もう何個も乗り物乗り回している水樹達 水樹 「お姉ちゃん達、何もならないつもりなのかなぁ?」 そう言って、隼人と腕を組んで花たちに近づく水樹 水樹 「お姉ちゃんと、智輝は、何もいらないの?」 上から目線にそう言ってくる水樹 花  「私はいいとして、智輝くんと行きなよっ」 水樹 「そんなの、姉ちゃんが、隼人くんを独り占めしようとしてるしか、思えないんだけど?」 上から目線な、水樹 智輝 「花さん。大丈夫ですよ。僕は、水樹ちゃんが楽しいなら、それでっ」 水樹 「ほらっ!本人も言ってるっ!隼人くんっ!行こっ!」 と、手を引っ張ってまた乗り物に誘い込む水樹 でも・・・ 隼人 「あぁー。俺、酔ってきた。わりぃー。治るまで、智輝と乗ってきてくれっ」 と、きつそうな顔をして、ベンチに座り込む隼人 それを見て、 水樹 「えぇー?もう!わかったぁー。智輝っ、行くよっ」 と、めんどくさそうな顔をして、コーヒーカップに乗りに行った水樹と、智輝 花  「大丈夫?お水買ってこようか?」 隣の隼人に聞くと 隼人 「大丈夫。嘘だからっ!ってか、やっと行ったか」 花  「え?もしかして、2人で行くように、嘘ついたの?」 隼人 「おぉ。俺、あんまり酔わない体質だからなっ!」 花  「そっか!ありがとう!ごめんね?わがままな妹で・・・」 隼人 「いや、お前の方が、相当わがままだぞ?」 花  「え⁉︎うそでしょ?」 隼人 「あー、ちょっと言い過ぎたっ、まだ、一ノ瀬の方がお姉ちゃんらしさがあるなっ」 と、花の頭をポンポンした隼人 花は、嬉しくて、たまらなかった そこで初めて聞いてみる 花  「ねぇ?隼人くんは好きな人はいるの?」 隼人 「うん。まぁなっ」 花  「やっぱりね。・・・その子と付き合わないの?」 その時点で、花の心にぽっかり穴が空いた 隼人 「俺と付き合ったら、ろくなことない。だから付き合えないんだよ。誰とも」 花  「どういうこと?」 隼人 「言わない。」 声のトーンが急に低くなり、うつむき始めた隼人 花  「なんで⁉︎誰にも言わないよぉ?」 煽りがてらに、隼人の顔を覗き込む、花 隼人 「うっせぇっ!人のプライベートに.無理矢理入ってくるなっ」 にらむような目つきに、大声でそう言われた花は、驚きで言葉が出なかった 隼人はその場から逃げるように 隼人 「飲み物買ってくる。水樹と乗り物、乗ってた方が良かったわ。智輝く と交代なっ」 花は、その言葉が何よりも悲しかった 水樹と本当の姉妹じゃない事実を知った時よりも・・・。 少しして、智輝が駆けつけてきた 智輝 「隼人さん、反省してましたよ?」 智輝は、花の隣にゆっくり座った 花  「え?」 智輝 「何があったのかは、知りませんが、隼人さん、きっと花さんのこと好きなんじゃないですねっぇ?」 花  「いやいや!それはない!さっき、隼人くんに聞いたら、「好きな人いる」って言ってたもんっ」 智輝 「そうなんですか?好きな人って誰ですか?」 花  「それは、わからないけど・・・。」 智輝 「まぁーいいやっ!俺は、今、低気分なんですけどねぇっ!」 無駄に明るい笑顔で上を向いていた智輝 まるで、涙をこらえているかのように。 花  「え?何かあったの?」 智輝 「水樹ちゃんにふられました。割と、あっさり。」 花  「え⁉︎さっき?」 智輝 「はい。水樹ちゃん、もうすっかり隼人さんの虜になってて。よほど、自信があるみたいで、今日中に告白するみたいです・・・」 花  「そ、うなんだ・・・」 今は智輝をなぐさめる余裕もない花 チラっと花の顔を見始める智輝 それに気づいた花は、思い切って声をかけた 花  「ん?どうかした?」 首をかしげて聞いてみると 智輝 「あっ!動かないでっ!」 と、ジィーっと、花の顔を見つめる 花は、呆れて 花  「なぁに?そんなに私の顔、変ですかぁ?」 智輝 「いや、1つずつのパーツが、ものすごくいいっ!」 まるで、独り言のように花の顔、見つめて、そういう智輝 花は、思ってもみなかった、その答えに驚いて、智輝の顔を見つめ返してしまった花 改めて見ると、クリクリで大きな目 プリンっとした唇に筋の通ったきれいな鼻 小顔なエラのはっていない輪郭 花  「え⁉︎智輝くん、イケメンすぎない?それっ!ノーメイク?違うよね?」 智輝は勢いよくいくつもの質問をされたため、戸惑ったが 智輝 「いえっ、夜のスキンケアだけです」 花  「私、スキンケアとか、顔のマッサージとかしているけど、そんなにきれいにならないよ?」 智輝 「まぁ、それはやり方しだいなんですけど。僕のことよりも花さん!すっごい、顔のパーツがいいですね⁉︎」 また、意味のわからないこの言葉を言われた花は、戸惑う 花  「さっきから、何を言ってるの?」 智輝 「あの!迷惑じゃなければなんですけどっ!僕が、今からメイクしてもいいですか?」 花  「えっ?いいんだけど、メイク道具持ってないでしょ?」 智輝 「持ってますよっ!」 花  「え?もしかして、そのバック?」 智輝ほ、トートバッグともう一つ、手さげバックを持っていた 智輝 「はいっ!これ、いつも持ち歩いててっ!」 花  「え?どうして?」 智輝 「俺、昔からにメイクさんになりたくて、ずっと練習したり、技術を上げるさんに1人で勉強したりしてて」 花  「そうだったんだっ!知らなかった」 智輝 「はい!」 まぁ、振られて落ち込んでいるよりはいいかっ 花  「水樹も知ってたの?」 智輝 「いえ、水樹ちゃんは、自分のことを話してくれるので、俺のことを話す事は、あんまりなかったので」 花  「えぇ〜!智輝くん優しいねぇ?」 と、近所のおばさんみたいな声で智輝のことを褒める さすが今のは、ひかれたなっ。と、思い 花  「あっ!さっそくメイクしてもらおぉーかなぁー?」 と、2人で移動して、フードコートのテラスでメイクをしてもらうことにした あまりにも近いこの近距離は、花にとってドキドキが止まらなかった 花  もう、緊張しすぎて、体が固まってしまったぁー と、一瞬動いただけで、強い口調で 智輝 「動いたらずれるっ。動かないでっ」 と、もう顔の1点しか見てない智輝 花  「ご、ごめんなさぁいっ」 智輝 「うっ、動かないでっ」 ただ、黙るしかない花 もう、何分何時間たっただろう? 智輝 「はいっ!お疲れ様でしたっ」 花  うぅー。    きつかったぁー。    一応    「あ、ありがとう」  智輝 「鏡見てくださいっ!すごい可愛いですっ!」 花  大げさだなぁ と、柄思いながら、鏡に好きでは無い顔をうつす すると知らない誰かが映った 花  「え?これ、私?」 思わず頬に触れてしまう 智輝は、道具を片付けている メイクは、濃く見えず、パッチリとした目、タルミのあった輪郭は、小顔になって(見えるようにしているだけ)鼻筋は、女優さんのようだ 花  「す、すごい・・・」 言葉を失う花 智輝 「カワイイっ」 花  「うれしいぃー!信じられないよっ!」 智輝 「それは、よかったですね!」 花  「智輝くん!魔法使いみたいっ!こんなにすごいんだから、きっと絶対すごいメイクさんになれるよっ!」 智輝 「がんばりますっ!」 花  「応援してるっ!こんなに変わるなんて、夢にも思ってなかったから、うれしぃよぉ・・・」 生きてきた中で、1番夢見ていた顔 あまりの嬉しさに涙が溢れてきた 智輝 「あの、水樹ちゃんには、「こないでっ!」て、言われるかもしれないけど、花さんにメイクしに毎朝、喜んで向かいますよ?」 花  「いや!私は嬉しいけど、そんなの智輝くんに迷惑だよっ!」 智輝 「いや!ぜひ行きたいですっ!」 花  「あ、水樹にあうついでってことだっ!あぁ!わかった!じゃぁ、遠慮なくお願いします!」 智輝 「あ!違います!本当に、花さんをきれいにしたいだけですっ!何なら、花さんが俺ん家来てもいいですよ?」 花  「私の・・・ため・・・?」 智輝 「はいっ」 花  「嬉しい!ありがとうっ」 こうしている一方(少し前) 水樹 「え?お姉ちゃんたちなんであんなに近距離なのぉ?」 隼人 「あ、・・・本、当、だな。」 水樹は隼人の様子の変化に気づいていたが、見て見ぬ振りをした そして合流した4人 水樹は、隼人とずっと一緒にいることができて気分は最上級 2人に褒めてもらいまくった花も気分が絶好調だ もう、隼人とは仲直りできたようだ 智輝も褒めてもらって嬉しそう 水樹は、「なんで教えてくれなかったの?」と、智輝に怒っていた 水樹にずっと、腕を組まれていた隼人は、もうヘトヘト 水樹 「今から、予約しといたホテルに出っ発ぅー!」 ホテルに着いた4人 水樹 「えぇーっとねぇー、2部屋2人ずつだからっ」 花  「じゃあ、私と水樹でいいよね?」 さすがに、男の子と、寝たいっ!なんてことは、言えない花 隼人と同じ部屋がよかったぁー。と、思いながら・・・ 水樹 「違うよっ!私と隼人くんっ!」 隼人 「えっ⁉︎」 あまり意見を言わなかった隼人もさすがに驚いたようだ 水樹 「それで、おねぇーちゃんと、智輝」 智輝 「・・・分かった」 これまでも、水樹のわがままをこうやって聞いてきたのだろうと、花と隼人は、思っていた 水樹 「おねぇーちゃんは?いいよね?」 花  「わかった・・・」 隼人 「・・・しかたねぇーか。」 水樹 「やったっ!」 花  「あのね?水樹。わがままばかり、全部通るわけじゃないの。」 そういいかけると 隼人 「花。いいよ。いまは、小さいから許される。」 水樹をかばったのを水樹の理解が遅れていたみたいで 水樹 「私達、1歳差なんですけど?」 隼人は、「わりぃわりぃ」と、笑って過ごしてくれた やっぱり優しい 部屋についた 花と、智輝 水樹と隼人 それぞれ隣同士の部屋だ 水樹と隼人は部屋について 水樹は、真剣な顔をして 水樹 「ねぇ、隼人くん?」 隼人 「ん?どうした?」 水樹 「私の気持ちに気づいてるんでしょ?」 隼人 「ん。まぁ、水樹が自分で言ってたしな。」 水樹 「うん。」 隼人 「俺なんて好きにならないほうがいい。」 水樹 「好きっ!今日1日一緒にいて、改めて分かったの‼︎私の運命の相手は、智輝じゃなくて、隼人くんだって!」 隼人 「・・・そうかっ」 水樹は、自分に、自信がありすぎて隼人には、絶対にオーケーをもらえると思い込んでいる 水樹 「じゃあっ!後で返事聞きに帰ってくるねっ!」 そう言って部屋を出て行った水樹 取り残された隼人 部屋に入った花と智輝 花  「ごめんね?水樹のわがままばっかり。いっつも聞いてあげてくれてるんだよね?本当にありがとうね?本当にごめん。」 智輝 「いえ。俺がしてあげられることは、これぐらいしかないのでっ」 花  「やっぱり優しぃ〜ねぇ?」 今回2回目 もうそろそろ智輝も笑いに堪えられなくなってきた 智輝 「はっはっはっはっ!どうして急におばさんみたいになるんですか?はっはっ!」 花は、急に恥ずかしくなって、目を逸らしてしまった 花  「あ、いやっ・・・つい、その、近所のおばさんのマネになっちゃうって言うか、、、。」 智輝の返事も待たずに窓の外を見た花は、興奮した 花  「うわぁ〜!夜の海だぁ!」 窓の外には、砂浜に広がる海 大きな満月が、海に反射していてすっごく綺麗な光景だった あとから覗き込んできた智輝も思わず「うわぁ・・・」と、口に出してしまった 花  「私、海見てきてもいいっ?」 そのキラキラした目に「どうぞっ」としか言えなかった智輝 智輝は午前中と何か違うと感じた 智輝は水樹に振られて、花のことを・・・ 大事な人がいなくなったから、いる人を好きになったんじゃなく、智輝はもっと早くに花と知り合っていたら、絶対に端を好きになっていたと確信があった そう、智輝は花のことが好きになってしまったんだ 花がホテルの廊下を歩いていると、 水樹 「おねぇーちゃーんっ!」 ご機嫌な水樹がスキップしながら寄ってきた 花  「あぁ、水樹っ」 水樹 「おねぇーちゃんっ!遅かったねっ⁉︎もう、隼人くんに告白したんだっ」 勝ち誇ったように言う水樹 花は、悔しくて悲しくて、自分を殺してやりたいと言う気持ちを抑えて 花  「そうなんだ!答えはどうだった?」 水樹は、てっきり花が悔し涙を流すんじゃないかと、期待していた 水樹 「返事は今から聞きに行くところっ‼︎絶対オーケーもらえる気がするんだ!」 花  「そっかっ!じゃーおめでとうだねっ!」 水樹 「ありがとぉ〜‼︎」 そう言って、隼人の待つ部屋へ駆けつけて行く水樹 花は、それを見送ってから、泣く寸前を暗闇に入るまで我慢して歩いた 浜辺に落ちていた、丸太に腰かけて、大きなため息をついた こんなにいい場所なのに今だけの花だけの貸し切り状態 花の気持ちはごちゃごちゃだった 水樹とも本当の姉妹じゃないことも発覚するし、おまけに両親とも血のつながりはなかった 隼人くんへに初めて怒鳴られるし 水樹と智輝が別れたのにもかかわらず、慰めてあげることができなかった 智輝にメイクしてもらって、こんなにも可愛くなれるし・・・水樹と、同レベルぐらい 水樹に隼人を取られるし もう、最悪で、最低な1日だったけど、ずっと夢だった可愛い顔になることができた、幸せな1日でもあった でも、どうしても嫌なことが思い出に強く残ってしまう もう、何分経過しただろう 花がまた大きなため息をついた時だった 後から 隼人 「どーした?ため息なんかついて」 隼人は花の隣に腰かけた 花  「あ、隼人くん。っおめでとっ!水樹から聞いたよ?」 隼人 「え?何が?」 花  「もう返事したんでしょ?告白の」 隼人 「あ、あぁ。でも、断った」 花  「え?」 隼人 「俺が好きなのは、水樹じゃないから」 花  「そ、そう。なんだ」 どうせ、姫神ちゃんなんだろうなあ すると、駆けつけてきた水樹 水樹 「おねぇーちゃん‼︎この人、まじ最低‼︎」 花  「急にどうしたの?」 水樹 「返事、振ってきたのっ!なんかね?おねぇちゃんのことが好きとかどうとかっ!」 半泣きな水樹 花  「え?いや、それはないよ。隼人くんは、私のことを好きにならないっ。私が一生片思いし続けなきゃいけないんだから」 水樹 「だってホントに言ってたんだもんっ。お姉ちゃん、高校の入学式で隼人くんに告ったんだって?一目惚れで。その時は振ったみたいだけど、入学式でお姉ちゃんが告る数分前から隼人くんは、お姉ちゃんが好きだったんだよぉ⁉︎ホント、意味わからないぃ‼︎」 そう言って、泣きながら、怒鳴り散らす水樹 早とは何かを考えているようだ 花は、その嘘みたいな話に頭が混乱させている 花は、やっと気づいた これは、隼人が水樹の告白を断るために、私が使われたってだけだ! 気に止めて、私が勝手に「隼人くんも私のことが好きっ」なんて、勘違いしちゃだめだ! 花は、困った顔からパーと、笑顔になって 花  「そっか!なら、水樹は、諦めてねっ!」 本当の話ならどれだけよかったか・・・ 水樹 「オネェーちゃんもそんなこと言うんだっ。もういいや。隼人くんなんて大嫌いっ‼︎‼︎」 花  「水樹、そんな言い方ないんじゃない?」 水樹 「お姉ちゃんがそんなこと言えるのは、隼人くんの本当の気持ちが嬉しいからでしょ?ちょっとは、こっちの気持ちも考えてよっ。」 そう言って、その場から、走って去っていく水樹 そんな水樹をホテルに着くまで見送った花と隼人 隼人 「嘘じゃ・・・ないからっ。」 こめかみをかいてそういう隼人は、水樹から花に視線を移し変えた  花  「え?」 隼人 「水樹が言ってたこと。本当だから」 花は、私を使って告白を断ったんだと思い込んでしまっている 花  「そっか!」 隼人 「まだ信じてないなぁ。好きなんだよっ!花のこと。」 花  「え・・・」 隼人 「あの時、お前が告白してくる前から、俺はお前を好きだったっ」 花  「嘘。」 隼人 「本当だ。ずぅーっと前から好きだっ」 花  「いやいや!嘘だってわかってんのからねっ!」 そう言って、隼人を1人置いてホテルに向かった花 を⁉︎⁉︎⁉︎ もう一度振替させ、そのまま唇を重ねた ほんの3秒ほどの出来事だった 花は驚いて、メイクで大きく見せている目をもっと見開ける 隼人は、怒られた子犬のような目で 隼人 「これで・・・わかっただろ・・・?」 隼人は、誰とでもキスするような人じゃない。 そう思った花 花  「・・・信じていいの?」 花も同じように、怒られた子犬のような目で尋ねた 隼人 「うんっ」 花  「私ね?本当は水樹と実の姉妹じゃなかったんだっ!今まで知らなかったなんて、・・・本当バカらしいよねっ?」 隼人 「え?そうなのか?どおりで、似てないわっ」 花は、悲しそうに深くうなずく でも、隼人は意地悪で言ったんじゃない 花の性格と水樹の性格が全く正反対だからだ もちろん、花の方がいい。 無理に微笑んで話している花に気づいた隼人 花  「お姉ちゃんだから、1つしかないお菓子を譲ってあげたりしてたの。それで当たり前だって思ってた。でもね?違かったみたいなの。いつも、1つしかなかった理由やっとわかったんだ。それは、私がもらう権利がなかったってね?譲ってたんじゃなくて、水樹の分しか、無かったんだよ。」 もう、今にも泣き出しそうな花 隼人 「そっか・・・ごめんっ。俺、慰めてやれるような、いい言葉言ってやれないっ。だから、こいっ。抱きしめてやるからっ。」 そう言って、両手を広げて、優しく微笑んでくれる隼人 花は、その言葉に甘えて、隼人に抱きついた 花  「大丈夫。大丈夫だよっ。人並の事は、ちゃんとさせてもらってたからっ」 そう、隼人の胸に顔を押し込めて、自分に言い聞かせた 端の背中を優しく、大きな手でさすってあげる隼人 どこまでも優しい。 花  「今、隼人くんの気持ちを知れて、ちゃんと私を認めてくれる味方がいるんだって思えたっ。ありがとうっ!」 そう言って、花は隼人から離れた お互いが笑顔で見つめ合い、納得できた 隼人 「そろそろ、戻るかっ」 花  「そうだねっ」 ズボンのポケットに手を入れて歩き出した隼人の足を止めるように 花  「ねぇっ!私達、・・・付き合うってことでいいんだよね?」 聞いてみると 隼人 「あぁ。それは、ごめん。いろいろ事情があってさ?」 花  「本当は彼女でもいるとか?」 隼人 「いやいや!そういうんじゃないからっ!昼間にも聞いて欲しくないって言っただろ?それだ。」 花は、少し期待したものの まぁそんなにうまくいくわけないよねぇ と、納得して、隼人の後を歩き出した 綺麗な海を背景に・・・ 次の日 遊園地に2日連続で行くのもありだったが、水樹のわがままを聞いて、大きなショッピングモールに行くことになった 花は、当然、浮かれていて、智輝の気持ちなんて1ミリも気づいていなかった 朝早くから、メイクしてもらったのに、ウキウキしすぎて智輝の顔はまるで見えていない様子だった それでも智輝は、花のことを考えて、真剣にメイクもしたし、好かれるような内容の話も繰り出して頑張っていた 水樹は、ここ何年も彼氏の移り変わり生活で、フリーの日はなかったから、久しぶりすぎて、苛立ちがおさまらない 同じ部屋の隼人への苛立ちだとわかっていたから、なるべく水樹と同じ部屋にいないことにしたようだ 買い物は2人組に別れることになった 強、水樹のわがままを通りこすほどのわがままで、花が決めた 花&隼人 水樹&智輝 の、グループだ 気まずい智輝と水樹 花と隼人のは、服屋に到着した 花が隼人に似合う服を探し、隼人は、嬉しいけど、いつも通り、嫌がる そんなカップルみたいな2人の前に割り込んで入ってきたのは、智輝だった 智輝と水樹は、一緒に買い物するはずだったが、いつの間にか離れ離れになっていた そんなことも気にせずに、花のことで、頭がいっぱいな智輝は花に似合いそうなあるものを買った 今から走ってもっていくのだ 花は、いつの間にか後ろにいた智輝くにびっくりした 花  「あれ?水樹は?」 隼人 「相変わらず、妹想いの優しいおねぇーちゃんだなぁ」 花  「水樹はカワイイからそりゃぁ心配になるよっ」 智輝 「はぐれちゃって・・・あっ!これ、端さんに渡したくてきたんですっ!」 花  「えっ⁉︎私に?嬉しいっ!開けていい?」 テンション爆上がりの花は、智輝から手渡された、小さな小袋から取り出したのは! キラキラと輝く、そこそこの値段はかかるだろう。ピアスが入っていた 花  「わぁっ!ピアス⁉︎つけてもいい?」 そう言って、目を輝かせる花に智輝が 智輝 「俺につけさしてほしいですっ!」 自信ありげに、そういう 花  「え?いいの?」 そう言って、ピアスを智輝に渡す 花の両耳にそっとつけたピアスは光を放って輝いていた 花  「どう?似合う?」 キラキラおめめで、そう聞く 片耳ずつ往復させて智輝に見せる すると 智輝 「うん!思ったとぉーりぃ!メッチャクチャ似合ってるっ!」 花と同じ位のテンションで、そう返すと、花はとても喜んだ そんな2人を目の前にしてみている隼人はどうしていいかわからなかった 智輝がある1枚のオシャレ着を目にした 智輝はさっきまで端と盛り上がっていたのにもかかわらず、その服に、一直線に進み始める 取り残された花と隼人 花は、智輝くんは少し変わっている部分があるんだなぁと、微笑んでいた 隼人は、意味不明な状況で、意味不明な行動をされて、横でニヤついている花 隼人 「え?なに?」 いろんな意味で 花  「わからないっ」 すると、戻ってきた智輝は手に1枚だった。腹が何着も増えていた と、智輝は花にその服を合わせていく 智輝 「花さんは何でも似合いますね!」 花  「ほんと?ありがとうっ‼︎」  すると、智輝の携帯から着信音が鳴った 智輝は、「ちょっとすいませんっ」と、電話をし始めた 聞こえてくる大きな声は多分水樹だ 水樹 「智輝⁉︎今、どこにいるわけ⁉︎」 智輝 「あ、ごめんごめんっ!はぐれちゃったっ」 水樹 「噴水の前で待ってるから今すぐ来てよねっ!」 そう言って、電話を切った水樹 少し嫌そうな、怯えてそうな、楽しそうな、言葉に出せない顔をして、「呼ばれちゃったので、行きますねっ!」と言って、持っていた服を素早く下にあった場所に片付けて「じゃあまたあとでぇー!」と、足早に去っていった 智輝が行った後 隼人 「あんなに早く服片付けられるんだな?場所覚えてたのか?」 花  「智輝くんは何を考えているかわからないから、まだまだ知らないことがたくさんありそうだねぇ」 隼人 「だな。」 少し不機嫌そうな隼人に気づいていない花 その後は、いっぱい楽しんで、最高の時間を過ごすことができた4人

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一目惚れ⇨両思い⇨別々⇨確かめ NO.1