陽那
12 件の小説ずっと君を見ていた(BL)
一織(いおり)×瑞貴(みずき) いつも通勤する時に見かける男の子。 名前は瑞貴というらしい。 俺はいつもその子の事を目で追いかけていた。 電車内ではいつも眼鏡をかけてラノベを読んでいる。 時折友人らしき男の子に見せる笑顔が可愛くていつも釘付けになってしまうんだ。 今までは見ているだけで満足していた。 でも、もうこのまま他人同士のままじゃ嫌なんだ。 俺は瑞貴くんと同じ駅で降りると彼の後を気付かれないように尾行した。 瑞貴くんの通う学校に辿り着くと、俺は夕方まで瑞貴くんを待った。 「…瑞貴くんって中学生だったのか…」 かなり歳が離れているけどそんな事はもう気にしていられなかった。 そして、決戦の時は訪れた。 「じゃーな、瑞貴。」 「おー。また明日な」 俺は校門から歩いてくる瑞貴くんとわざとすれ違うと予め用意していた本を瑞貴くんの足元に落とした。 「…?あの!そこの人。」 「…俺に何か?」 「いや、何って訳でもないんですけど…本、落としましたよ?」 初めて瑞貴くんと言葉を交わせた喜びを噛み締めながら俺は瑞貴くんから本を受け取った。 「…ありがとう。あの、さ。いつも同じ電車に乗ってるよね?」 「…あー。そういえばいつも居ますね、お兄さん。この近くに住んでいるんですか?」 瑞貴くんから話を振ってくれたのが嬉しくて、ついつい頬が緩んでしまう。 「そうなんだよね。あ、本ありがとう。名前、聞いてもいい?」 あくまでも自然な流れで知り合いたいと考えていた俺は既に知っているのに瑞貴くんに名前を訊ねた。 「支倉瑞貴(はせくらみずき)です。お兄さんの名前も教えてくださいよ」 「俺は立花一織(たちばないおり)って言うんだ。今度電車で見かけたら、声かけてもいい?」 「あはは、良いですよ。俺も見かけたら話しかけますね!」 瑞貴くんからしたら初対面なのに気さくに話してくれる瑞貴くんに俺はますます惹かれてしまう。 「瑞貴くんは、この後予定とかあるの?」 「今日は特に無いですけど…一織さんは?」 俺より少しだけ背が低い瑞貴くんに上目遣いで見つめられ、俺は思わず喉を鳴らした。 「俺も今日は帰るだけなんだ。良かったら…近くの公園に寄って話さない?」 気付いたらそんな事を口走っていた。側から見たら俺は中学生を誘拐しようとしている怪しい大人だ。 「良いですよ?俺ももう少し一織さんと話したいし。行きましょう?」 「え…良いの?俺みたいな見知らぬ大人に着いて行って大丈夫?」 てっきり断られるだろうと思っていた俺は思わず間抜けな顔で訊き返した。 すると瑞貴くんは一瞬目を丸くした後可笑しそうに笑い出した。 「ひゃはは!一織さんから誘っておいてそんな事言わないで下さいよー!あはは腹痛えー。」 「え、ちょ、瑞貴くん?酷いなあ、そんなに笑わなくても良いのに…。」 「だっておかしくって…ふふっ、すいません。それで結局どうします?行かないなら俺、帰りますけど?」 瑞貴くんの問い掛けに本来の目的を思い出し俺は慌てて瑞貴くんの手を取った。 「行こう。俺、まだ瑞貴くんを帰したくないから…。」 「…はい。俺もまだ一織さんと居たいです。」 瑞貴くんが頬を赤らめている事に、俺はこの時気付く事が出来なかった。 近くの公園に着くと二人並んでベンチに座った。 瑞貴くんの横顔は綺麗で抱き締めたい衝動に駆られたけどグッと堪えて話題を探した。 「瑞貴くんってラノベが好きなの?」 「あ、はい。ラノベは好きで結構持ってるんですよ。一織さんは俺の事良く見てるんですね」 そりゃ、見てるよ。だって俺は、 自他共に認めるストーカーだから。 そう言ったら君は怯えて逃げ出してしまうのかな? 俺は何だか怖くなって思わず黙り込んだ。 「…一織さん?どうしたんですか?」 「瑞貴くんは俺が学校の前に居た事に違和感とか感じなかった?」 「…それは…少し?」 「俺…ずっと瑞貴くんを見ていたんだ。今日は尾行までした。」 瑞貴くんは黙って隣で俺の言葉を聴いていた。 「…俺、ストーカーなんだよ。怖くないの?」 こんな言い方、まるで八つ当たりだ。 俺は自分が嫌になって気付いたら目から滴が溢れ出していた。 「それなら、俺も同じです…!!」 瑞貴くんの叫び声が夕暮れの公園内に響く。 「いつも電車でお年寄りや妊婦の方に席を譲っていたの見てて、優しい人なんだなって…ずっと思っていたんです。俺…一織さんが好きです。」 瑞貴くんが俺を見ていてくれた? …瑞貴くんが俺を好き? 信じられない告白に頭が真っ白になる。 「…本当に…?瑞貴くん…。俺、本気にしちゃうよ?」 瑞貴くんと向かい合う体勢になると俺は瑞貴くんを見つめた。 瑞貴くんの頬が赤く染まっているのに気付き俺はそっと瑞貴くんの頬に手を添えた。 「…俺も瑞貴くんが大好きだよ。…やば、めちゃくちゃ嬉しい…!」 「俺も嬉しい…ずっと一織さんの事、見ていたから。あの…ひとつお願いしても良いですか?」 照れ臭そうに笑いながら瑞貴くんが問い掛けてくる。 「ん?どうしたの、瑞貴くん。」 「キス…して欲しい…です。ダメですか?」 上目遣いでねだられ、胸の奥がキュンとした。 「良いよ…キス、しようか。」 瑞貴くんの肩に手を置き、唇を重ねる。 唇の隙間から舌を挿し込み口内を弄ると瑞貴くんの口から甘い吐息が漏れた。 「ん…っ、い、おりさん…好き…」 「俺も…瑞貴くんが大好き…っ…」 唇を離し見つめ合うと瑞貴くんは俺の胸に顔を埋めて話し始める。 「今日から俺達、ちゃんと付き合いましょうね?よろしくお願いします、一織さん。」 「…うん。ストーカーから恋人になれるなんて夢みたいだよ…よろしくね、瑞貴くん。」 これからは君に関われるんだ。 これからは君と愛し合えるんだ。 恋焦がれるだけじゃなくて… 沈みゆく夕陽を眺めながら俺は君との未来に想いを馳せていた。 end.
傘と僕
雨は嫌いじゃない お気に入りの傘を差せるから しとしと降る雨の音 ザァザァ降る大雨の音 僕は嫌いじゃない 涙を流しても 傘が隠してくれるから 傘を差せる雨の日が 僕は好きだ
この胸が叫んでいる
君の優しい笑顔が 忘れられなくて苦しい 君の暖かい温もりが 恋しくて涙が溢れる 僕の全てが君を求めている。 この胸が叫んでいるんだ 君を失いたくないと 君の存在が僕にとっては奇跡だから 生まれてきてくれてありがとう ありふれた言い方しかできないし 君を泣かせてばかりだけど 僕はこれから先も伝え続けるよ 君のことが好きだって…
繋がれていたい(BL)
愛なんて要らない。 僕はあなたのペットで構わない。 ただ、可愛がって。 身体を触って、キスをして。 抱き締めてくれればそれで良いから。 「レンくん…今日は何時に帰ってきますか?」 「んー、サクヤが眠くなる頃かな?ちゃんと良い子で待ってられたらご褒美あげるからな」 そう言って笑うレンくんに僕は思わず縋るような瞳を向けてしまう。 そんな僕の様子には気付く事も無く、レンくんはさっさと支度を済ませて出かけてしまった。 僕の両腕には、玩具の手錠が嵌められている。 首には名前入りの首輪まで付けられて。 −−−僕はレンくんに飼われている。 一ヵ月前、お金も住む場所も失くした僕が街を彷徨い歩いている時、レンくんは僕の前に現れた。 「君、こんな所で何してるの?随分やつれてるけど…まぁいいや、君今暇?暇なら俺に付き合ってよ」 あの時レンくんに着いて行ってなかったら今、僕は生きては居ないだろう。 レンくんは毎日美味しいご飯を与えてくれる。 お風呂にも入れてくれるし、一緒に寝てくれたりもする。 僕にとって最高の"ご主人様"なんだ。 そう、思っていたのに…。 レンくんの居ない部屋は思った以上に広くて。 僕は毎日、レンくんが帰ってくるのを待つしか出来ずにいる。 「やばい…ムラムラしてきた。でも自分じゃ抜けないし…レンくん早く帰ってきて…っ…」 身体の奥底から這い上がってくる熱に身を捩らせていると、突然玄関の扉が開く音が聞こえてきて僕はビクッと身を強張らせた。 「サクヤ、ただいま。今日仕事飛んじゃってさぁ〜もう無駄足踏んじゃった。良い子にしてたか?…サクヤ?どうした…?」 「レンくん…っ…僕…ムラムラしちゃって…どうしたらいいか分からなくて…っ」 両脚をもぞもぞさせながら涙目でレンくんを見上げるとレンくんは無言で鞄を床に置いた。 ゆっくりと近寄ってくるレンくんに淡い期待が胸の奥に芽生える。 「サクヤ…可愛い。一人で我慢してたんだ?偉いなぁ。ご褒美あげなくちゃな。」 レンくんの細くて長い指が僕の顎を掴む。 そして深く唇が重ねられる。 口内に舌が挿し込まれると僕は夢中でレンくんの舌に自分の舌を絡めた。 名残り惜しげに唇が離されると熱を帯びた瞳をしたレンくんと目が合った。 「んっ…ふ、ぁ…レンくん、もっと…もっとエッチなこと、して欲しいです…!」 「ん…良いよ。沢山気持ち良くしてあげる。その前に手錠、外さなきゃな。」 カチャリ、という金属音を立てて両腕に嵌められた手錠を外してくれるレンくん。 優しい手付きで手首を撫でられ僕は胸がぎゅっと苦しくなった。 僕はレンくんに思いきり抱き着き肩に顔を埋める。 レンくんの手が僕の腰や胸を優しく弄る。 乳首を摘まれ親指でクリクリとこねくり回されると僕の唇からは甘い吐息が漏れていく。 「あっ、んぁ、ひぁっ…!レンくん…乳首ばっかり、やだ…下も触ってください…」 頬を赤らめながらねだるとレンくんは僕の乳首に舌を這わせながら僕の熱く震えている欲の塊に指先で触れた。 やんわりと握られると僕はそれだけで堪らなく感じてしまい背中を仰け反らせ甘い声を上げた。 「あっあっ、やぁん…っ!レンくん…レンくん…っ!」 「サクヤ、気持ち良いか?気持ち良かったらちゃんと言ってな…」 僕が既に気持ち良くなってる事くらい気が付いてる筈なのに、レンくんはいつも言葉を欲しがる。 そんなちょっと我儘なレンくんに僕はどうしても惹かれてしまう。 硬く大きくなった僕の欲の塊に舌を這わせそのまま口内に納めじゅぽじゅぽと卑猥な水音を立てて舐めてくれるレンくんが愛おしい。 「あっ、んぁ、ひぁ…!気持ち良い…レンくん、気持ち良いです…っ!」 レンくんの巧みな舌遣いに限界が近付き、僕は無意識の内に両脚を大きく開き腰を揺らしていた。 「…ふっ、サクヤって本当にエッチな子だね?そんな脚広げて腰揺らしちゃって…もう俺のが欲しいの?」 意地悪く問い掛けてくるレンくんの首に両腕を回し僕は静かに頷く。 「レンくんが欲しい…早くレンくんの硬くて大っきいので、突きまくって欲しいです…。」 「サクヤ…ちゃんとおねだり出来て偉いな。ご褒美に目一杯突きまくってやるよ…!」 レンくんの熱く硬くなった欲の塊が僕の濡れてヒクヒクと収縮している秘部に擦り付けられる。 ゆっくりと腰を沈めてくるレンくんの背中に僕はきつくしがみついた。 奥まで激しく突き上げられる度に眩暈がする程に感じてしまう。 「あっあっあっ!んうっ!ひ、ぁ…!気持ち良過ぎ…もうイッちゃうよぉ…!」 「もうイッちゃうの?仕方ないな…良いよ、イケよ…」 最奥をぐりぐりと突かれ、僕は我慢出来ずにレンくんの胸元目掛けて熱い精液を放った。 「はぁ…は、ぁ…レンくん…好きです、レンくん…っ」 「…好き?俺なんかの何処が良いの。俺、適当だし冷たいし、サクヤの事監禁しちゃってる変態だよ?俺なんか好きになるなよ…サクヤって本当バカ…バカで、どうしようもなく淫乱で…可愛くて…俺、お前にハマりそうで怖い…」 レンくんは僕の中を抉る行為は止めることなく涙声で呟くように吐き捨てる。 僕は快感の波に飲まれそうになりながらも初めて聞くレンくんの本音に胸の奥が高鳴るのを感じていた。 「レンくんっ…あっ、ん…僕にハマって…?沢山ハマってください…僕、適当なレンくんもちょっと意地悪なレンくんも冷たいレンくんも…全部受け入れて愛しますから…っ!」 トントンと奥を突きながら深いキスをしてくるレンくんに頭の中がふわふわして意識が遠のきそうになる。 「サクヤ…好きだ…大好き…!こんな俺の傍に居るのは疲れないか心配だけど…精一杯サクヤの事、守るからな…」 入口まで引き抜きすぐに最奥を貫くのを何度か繰り返すと、レンくんは僕の中に温かい欲の証を注ぎ込むと僕の身体をぎゅっと抱き締めてくれた。 「レンくんと両想いになれて嬉しいです…ずっと離さないでくださいね?レンくんに捨てられたら、僕、行くとこ無いんですから。」 「サクヤが嫌じゃなければ…永遠に離さないから、覚悟してな?でも手錠はもう止めるか…サクヤがトイレ行けなかったり一人で抜けないのは可哀想だしな?」 甘くて熱い行為の後、レンくんとベッドで他愛も無い話をする。 レンくんが笑いながら言った言葉に僕は思わず反論していた。 「良いですよ?手錠したままでも。何処にも行けないように…僕をこの部屋に繋ぎ留めていて…。」 「サクヤ…良いのか?そんな事言われたら…俺、本当にサクヤの事…ずっと繋いで離さないよ?」 僕が黙って頷くと、レンくんは熱を帯びた瞳で僕を見つめた。 そして、その後は朝まで互いの体温を分け合う行為に溺れていくだけだった。 end.
あと少しだけ、このままが良い(BL)
彩人(さいと)×奏(かなで) 僕はずっと前から彩人に惹かれていた。 彩人とは小学生からずっと同じクラスで僕らは自然と話すようになった。 この気持ちを彩人に伝えるのは怖い。 でも、僕はもう自分の気持ちに嘘は吐きたくはない。 僕はどうしたらいいんだろう…? 「奏、一緒に帰ろうよ。」 放課後、いつものように彩人が僕に話しかけてきた。 僕はこの声が好きだ。 僕の名前を呼ぶ彩人の低めの声。 この声を聞くだけで身体が熱くなってしまうくらい、この声が好きだ…。 「奏?奏くん?おーい、聞いてる?」 「…あ。うん、聞いてる聞いてる。良いよ、一緒に帰ろ。」 曖昧な笑みを作り席を立つと彩人も何も言わずに立ち上がり手を差し出してくる。 「…え?彩人、何?この手…。」 「繋ご。奏、何か今日ずっとボーっとしてるし、躓いたりしたら危ないだろ?」 そう言って笑う彩人に胸の奥がぎゅっと苦しくなる。 僕はドキドキして汗ばんだ手でそっと彩人の手を掴んだ。 帰り道、彩人といつものように他愛も無い話をして歩いていると、不意に彩人が立ち止まり僕の目を見つめ呟いた。 「奏さあ、やっぱり何か今日変じゃね?何か悩んでるんだったら話聞くし、今から俺ん家行こう?」 彩人に心配かけて何やってるんだ、僕は。 でも…今、彩人の部屋になんて行ってしまったら、僕…どうにかなっちゃいそうだよ…。 僕は頬が熱くなるのを感じながら小さな声で言葉を紡いだ。 「うん…行きたい。彩人の家…お邪魔しても良い…?」 僕の言葉に彩人は少しホッとしたような表情を見せた後、僕の手を握る手に力を込めて早足で歩き出した。 彩人の部屋に入ると僕は思い切って自分の気持ちを打ち明けようと、彩人の隣に腰を下ろした。 すると彩人の手が僕の腰に回され、僕は思わず身体を強張らせる。 「さ、いと…?どうしたの…?」 「奏…俺…奏の事が好きだ!付き合って欲しい…」 突然の彩人からの告白に僕は驚きを隠せなくて固まってしまった。 数秒後、漸く状況を飲み込んだ僕はゆっくりと頷き彩人の首に腕を回す。 そして僕達は、触れ合うだけの甘いキスを交わした。 「彩人が僕を好きだなんて…夢みたい。本当は僕から告白しようと思っていたのに…予定が狂っちゃった。」 彩人の唇に啄むようなキスをしながら言うと彩人は嬉しそうに笑い僕の首筋を撫でた。 「奏が悩んでたのって俺が原因だった?でもさ、俺だっていつ伝えようかずっと悩んでたんだよ?」 「んっ…首、駄目…っ…感じる…」 「奏…キス以上の事、しても良いか?」 ふと彩人の顔を見ると熱を帯びた目で僕を見つめていて、僕は身体の奥がずくんと波打つのを感じ思わず息を呑んだ。 「ん…良いよ。僕も…我慢できなくなりそうだから…して?」 僕の答えを聞くと彩人は幸せそうに微笑み僕の服を一枚一枚丁寧に脱がせてくる。 鎖骨に唇を押し当て強く吸い付かれると腰がビクビクと跳ねた。 乳首をクニュクニュと弄りながら舌で愛撫してくる彩人に僕の唇からは甘い喘ぎ声が溢れ出していく。 「あっ…んっんっ…や、あ…っ…彩人…」 「えっろい声出てきたな…気持ちいい?」 僕は黙ってコクコクと頷くと彩人の首に両腕を回す。 「彩人…キスして…?出来れば…深いやつ…」 濡れた目で見上げながらキスをねだると彩人は余裕無さげな表情をしながら唇を重ねてきてくれた。 ちゅくちゅくと音を立てて舌を絡める。 上顎を撫でるように舐め上げられると身体がゾクゾクと粟立つのを感じた。 「…ん、奏…キス気持ちよかった?ここ、勃ってきてる…触ってい?」 彩人は僕の硬く勃起してしまった欲の塊にそっと指先で触れた。 そのまま形を確かめるように握り上下に扱いてくる彩人に僕はたまらなく感じてしまった。 「あっ、ひぁ!あっ…!も、駄目…出ちゃうっ…!」 「え、もうイクの?早いな…もしかして溜まってた?まぁ良いよ…イきな?」 強弱を付けて扱きながら亀頭に舌を這わせてくる彩人のいやらしい愛撫に堪えきれず僕は呆気なく彩人の口元目掛けて己の精を放った。 「はぁ…は、ぁ…彩人のもしてあげたい…良いよね…?」 彩人の硬く大きくなった欲の塊に触れ、そのままやんわりと握る。 片手で扱きながら裏筋や亀頭を中心に舌を這わせていくと彩人の唇から熱い吐息が漏れ始める。 「はぁっ…は、あ…奏…気持ちいいよ…もう俺、限界…奏の中に挿れても良い?」 彩人は僕の口内から欲の塊を離すと僕の両脚を大きく開かせその中心にある秘部にぐりぐりっと擦り付けてくる。 そしてゆっくりと腰を押し進めてきた。 グチュッズチュッといった卑猥な水音が部屋中に響き渡る。 「あっあっあっ!彩人の…熱くて硬いの…入ってる…っ…!」 「奏…っ…奏の中、俺のを締め付けて離さないな…好き好きって言われてるみたいだ…」 「あっ…んっんっんっ!彩人…大好き…!もっといっぱい…彩人を感じさせて…?」 激しい突き上げに声が涸れてしまいそうな程喘いでしまった。 少し痛みもあったけどそれ以上に快感と幸福感の方が強くて僕は涙ぐみながら彩人を身体中で感じていた。 「奏…奏…!すげー気持ち良い…も、駄目だ…、出るっ…奏の中に出しても良い?」 「んっ…良いよ…いっぱい出して…?」 僕は微笑みながら彩人の手に自分の手を絡める。 彩人は自らの欲の塊を入口まで引き抜くと一気に最奥まで貫き僕の中に欲の証を放ち達した。 「彩人があんなにエッチだったなんて知らなかったな…何か複雑…」 「幻滅した?俺って一見爽やかで明るい健全男子だもんな〜。」 行為後、ベッドの上で彩人に腕枕をされながら先程までの行為を振り返っていると彩人が冗談めかして問い掛けてきた。 「ふふ、そんな事ある訳ないでしょ?僕は後悔なんてしてないんだから。むしろ嬉しいんだよ?彩人と両想いになれた事も、彩人とエッチできた事も。」 「…なら良かった。で?何が複雑なの?」 彩人が僕の顔を覗き込む。 僕は近くに迫る彩人の唇にちゅ、と啄むようなキスをした。 「彩人が他の人にも色気振りまかないか心配なの。言い寄られたりしたらちゃんと断ってよ?彩人はもう僕だけのものなんだから…」 不安気な表情をする僕に対し、彩人は嬉しそうに笑う。 ああ、そうだ。 僕はこの無邪気な笑顔にずっと… 恋をしてきたんだ。 「俺には奏だけだよ。」 その言葉、ずっとずっと信じているからね。 「彩人、大好き…。」 ぎゅっと抱き着くと腰にしっかり回される彩人の腕の温もりが心地良い。 強く抱きしめた腕を離したくなくて、僕は心の中で強く願った。 あと少しだけ、このままが良い…と−−−。 end.
キスより、もっと
那月(なつき)×蒼太(そうた) 「今日めちゃめちゃ暑いよな。なあ、那月、冬にして。」 「無茶言うなよ…てか、暑いなら上着脱いだら良いじゃん?」 幼馴染の蒼太とは、気が付いたらいつも一緒に居た。 蒼太は昔から可愛くて素直で、何度も襲いかけては我慢してきた。 今はテスト前という事もあり、俺の家で勉強するって事になったんだけど…。 「那月がえっちな目で見るから安心して脱げないんだよ…」 蒼太が小さな声で呟いた言葉に俺は思わず息を呑んだ。 ああ、もう…こんな可愛い事言われたら勉強なんてどうでもよくなってくるな。 「…それは仕方ないだろ。蒼太が可愛いのが悪いんだよ」 俺はさり気なく蒼太の隣に移動して、蒼太の髪を撫でる。 襟足を優しく撫でながら徐々に首筋や耳朶をすりすりと撫でると、蒼太の身体がビクッと跳ねた。 「あっ…那月…勉強、しないのかよ…?」 「これも社会勉強…だろ?なあ、蒼太…キスしてもいいか…?」 蒼太の頬に指先で触れながら問い掛けると蒼太は顔を真っ赤にして固まってしまった。 蒼太の瞳をジッと見つめ答えを待っていると蒼太の指が俺の指に触れた。 「那月が…したいなら…良いよ…?」 「本当…?キスだけじゃ済まないかもしれないよ?それでも良い?」 黙って頷く蒼太が可愛くて愛しくて、俺は蒼太の身体をギュッと抱き締めた。 そっと唇を重ねると蒼太の腕が俺の首に回され、俺はすごく幸せな気分になった。 唇の隙間から舌を挿し込み蒼太の舌と絡めていく。 上顎を舌先で撫でるように舐め上げると蒼太の唇から甘い声が漏れた。 「ん…っ、ふ、ぁ…なつき…好き…大好き…」 互いの唾液を吸い尽くすような激しく甘いキスに夢中になっていると蒼太が両脚をもじもじさせているのに気付き、俺はそっと唇を離して蒼太の太腿に指を這わせた。 「蒼太…キス、気持ちよかった?脚もじもじさせちゃって…勃起しちゃったんだ?可愛いな…ね、触ってもいい…?」 「やっ…那月がやらしいキスするから勃っちゃったの…責任取って那月が何とかして…?」 「…うん。めちゃくちゃ気持ち良くしてあげるから、覚悟しててな。」 俺は蒼太が身に付けている衣服を素早く剥ぎ取ると、蒼太の熱く脈打つ欲の塊に手を添える。 片手で根本から上下に扱いていくと蒼太は眉を顰め甘い嬌声を上げ始めた。 「んぁ、はっ…あ、ん…っ…那月…気持ちいい…っ…は、ぁ…っ!」 すっかり硬く勃ち上がった蒼太の欲の塊の先端にチュッと唇を寄せ、裏筋にそっと舌を押し当て舐めてやると蒼太の腰がビクビクと揺れた。 全体を口内に納めジュポジュポと淫らな水音を立て舐め上げると亀頭から先走りの蜜がいやらしく溢れてくる。 それを夢中で吸い上げると我慢できなくなったのか蒼太は腰を激しく跳ねさせながら俺の口内にその欲を放った。 「んっ…く、蒼太…いっぱい出したな?気持ちよかった?」 「ん…めちゃくちゃ気持ち良くて…我慢できなくなっちゃった。口に出しちゃってごめん…」 蒼太は申し訳なさそうに謝ると徐に俺の股間に手を伸ばしてきた。 「…蒼太?どした?俺のが欲しくなったとか…?」 蒼太は俺の質問には答えずにエッチな手つきで俺の欲の塊を揉み始めた。 「…俺ばっかり気持ち良くなってるから…俺、那月にも気持ち良くなってもらいたい。フェラ…してもいい?」 夢みたいだな…蒼太にフェラしてもらえるなんて…。 優しく微笑み頷くと蒼太は少し恥ずかしそうに頬を赤らめながら俺の両脚の間に顔を埋めた。 小さな舌で一生懸命俺の硬くなった欲の塊を舐めている蒼太に俺の興奮は高まっていく。 あー…蒼太まじエロい…ムラムラする…もう今すぐ挿れたい…。 いよいよ我慢出来なくなった俺は蒼太の口から己の欲の塊を引き抜くと蒼太を床に押し倒し両脚を大きく開かせヒクヒクと収縮している蒼太の秘部に指を這わせた。 中に指を2本挿れグチュグチュと卑猥な音を立て蒼太の感じる箇所を探っていく。 ある一点を擦った時、蒼太の唇から大きな嬌声が漏れた。 「んあっ!!ひぁっ…、そこ…やだぁ…!」 「ここ、感じるの?蒼太の良いところ、覚えておくね…」 「ん…っ…気持ちい…ね、そろそろ…那月の硬くておっきいの…挿れて…?」 俺は蒼太のおねだりに誘われるように、中に挿れていた指をヌポッと引き抜くとヒクヒク蠢く秘部に熱く昂る己の欲の塊を擦り付けゆっくりと腰を沈めていく。 蒼太の中は熱くてうねっていて、俺のにねっとり吸い付いてきて凄く気持ち良くて、俺は夢中で腰を振った。 「蒼太の中…っ、締め付け凄い…気持ちいい…はぁ…っ」 「んっんっ…!ひぁ…あ…っ…蒼太の、奥まで当たって…気持ちい…あぁっ…!」 激しい律動の最中、不意に蒼太が俺を強く引き寄せ唇を重ねてくれた。 舌を吸い上げる度に蒼太の中が俺のをきゅうと締め付けてくる感覚が堪らなく気持ち良くて、ずっとこのままでいたいと思った。 「んっ…蒼太…そろそろ出そう…蒼太の中に出してもいい?」 最奥をトントンとリズム良く突き上げながら問い掛けると蒼太は微笑みながら耳元で"いいよ…那月の精液ぜーんぶ、俺の中に注いで?"と甘く囁いてくれた。 その甘い誘惑に耐え切れる筈もなく、俺は蒼太の最奥を激しく突き上げると蒼太の中に欲の証を放ち、蒼太の身体を思いきり抱き締めた。 数秒後、蒼太も身体をビクビクと跳ねさせながら絶頂を迎えた。 「結局、勉強どころじゃなかったね…めちゃくちゃ恥ずかしいこといっぱいした気がする…ま、那月とだから良いけど…」 「蒼太もノリノリだったくせに。可愛かったな〜蒼太…な、またしような?」 激しい行為の後、蒼太とベッドでイチャイチャタイムを満喫していた。 蒼太を膝の上に乗せ甘いキスを交わす。 すると蒼太が不意に俺の唇に人差し指を置いた。 「ね、那月?俺…ちょっと聞きたいんだけどさ。…那月は俺のこと好きなんだよね?」 「…?当たり前じゃん。好きじゃなかったら、こんな事しないよ。」 蒼太の髪を優しく撫でながら言うと蒼太は甘えるように俺の胸に顔を埋めた。 「じゃあ…ちゃんと言って?好きだって…俺、まだ一度も那月に好きだって言われてないよ…」 そうか…蒼太は不安だったんだな…俺、ちょっと順番間違えちゃったかも…。 俺は蒼太の身体をそっと離すと蒼太の瞳を見つめて告げた。 「大好きだよ、蒼太。俺を蒼太の彼氏にしてくれますか?」 「…那月…!ありがと…俺も那月が大好き…だから、えっと…か、か、彼氏にしてあげても良い、よ…?」 頬を真っ赤にしてしどろもどろになりながら俺の告白に応えてくれた蒼太が愛しくて、俺は再び蒼太の柔らかな唇を奪った。 「ん…蒼太…キスもいいけど…もっとたくさんお前に触れたい。いいか…?」 蒼太の胸元に唇を寄せながら訊くと、蒼太は頬を真っ赤にして抵抗してきた。 「あ…那月…っ…待って…さっきしたばっかだろ!もう、今日は駄目…!」 「えー蒼太のケチ〜。じゃあ、キスならずっとしてても良いよな?んー…」 「…もう…仕方ないから、今日はずーっと俺の唇、独り占めさせてあげる。」 この日、俺と蒼太は一日中互いの温もりから離れる事が出来なかった。 「ん…那月…愛してる…」 「俺も愛してるよ、蒼太…」 end.
離してやれない(BL)
薫(かおる)×知紘(ちひろ) これはとある休日の出来事。 普段から仲の良い弟の知紘が突然、俺の部屋にやってきた。 これはまた何かあったんだろうな… だとしたら、この僕が励ましてやらないと! 「知紘?どうしたんだ?突然、僕の部屋に来るなんて。そんなに僕が恋しかった?」 「…薫兄さんに教えて欲しい事があって来た。」 知紘の真剣な表情につられて僕も真顔で知紘の言葉を待つ。 「…俺にキスの仕方を教えてください!」 流石の僕にもすぐにはその言葉の意味を理解する事はできなくて。 でも、知紘の顔が真っ赤に染まっているのを見て漸く状況を飲み込む事ができた。 「……えっと、知紘?それって…僕にキスして欲しいって事?」 僕が優しく問い掛けると知紘は俯いたままコクリと頷き小さな声で話し始める。 「…俺、キスした事無いから…薫兄さんに教えて貰いたくて。初めては薫兄さんとが良いなって…ずっと…思ってた、から…その…」 どうしたらいいんだ、これ…!? 知紘が可愛い…! 頬を真っ赤にしてキスをねだる知紘が見られるなんて…! というか、初めては僕とが良いとか何かエロくないか…!? いやいや、落ち着け薫…冷静になって考えてみよう。 僕は知紘の事が好きだし、知紘のお願いなら何だって叶えてやりたい。 デロデロのとろっとろになるまで甘やかしてやりたい。 ずっとそう思いながら過ごしてきた。 兄弟だからという理由だけで拒絶してしまったら…知紘はきっと凄く傷つくだろう。 目の前に居る知紘は今にも泣き出しそうな顔で僕の返事を待っている。 …よし。こうなったら覚悟を決めよう。 知紘を禁断の世界へと連れて行ってあげようじゃないか。 僕は知紘の顎を掴み数秒見つめると、その桜色の唇にチュッと音を立て口付けた。 角度を変え知紘の唇の柔らかさを愉しむかのように啄むだけの優しいキスをしていると、知紘が物足りなさそうに呟く。 「…んっ…薫兄さん…もっと…激しくして…?」 潤んだ瞳でねだられあまりの色気に理性が途切れてしまいそうになる。 「知紘…もっと大人なキスを求めているの?全く…知紘は欲しがりさんだね。」 知紘の腰を掴み口内に舌を挿し込み知紘の舌と絡め強く吸い上げると知紘の腰がビクッと跳ねた。 「…はぁ、はっ…薫兄さん、聞いて…本当は…キスの仕方を教えて欲しいなんて、真っ赤な嘘なんだ!!」 そんな事はとっくに忘れてしまっていた。知紘とのキスが気持ち良すぎて…知紘が可愛すぎて…。 「…ねえ、知紘。初めては僕とが良いって言ってたよね?それって…どういう意味だったのかな?」 知紘の腰のラインをなぞるようにしながら訊くと、知紘は顔を耳まで真っ赤にして僕を見上げる。 「…もう解ってる癖に…意地悪…。」 「可愛い子には意地悪したくなるのが男ってもんだろ?早く言わないとこのまま襲っちゃうぞ?」 冷静に考えてみたら、僕の部屋で知紘と二人きりでこんな可愛い事言われて、よく僕我慢できてるよな…。 知紘は僕の瞳を睨むように見つめると、今度は自分から唇を重ねてきた。 ほんの3秒の出来事だったけど僕にはそれが無性にキュンときてしまって。 「…ずっと好きだったから、だから初めては薫兄さんとが良かったの!」 「っ…!知紘…」 もう我慢できないーーーー。 この部屋に鍵は付いてないけどそんな事は気にしていられなかった。 今すぐこの目の前の可愛い可愛い知紘を僕だけのものにしたい。 僕はそっと知紘をベッドに押し倒すと知紘の着ている衣服を乱暴に剥いでいく。 徐々に露わになる知紘の艶めかしい肢体に僕は思わず息を呑んだ。 「…あんまり見ないでよ…どうしたらいいか解らないじゃん」 「いや…悪い。あまりにも綺麗だから、ドキドキしちゃってね。…ねえ、知紘は僕に、どうして欲しいの?言ってごらん?」 わざと羞恥を煽るように訊くと、知紘は恥ずかしそうに瞳を潤ませながら脚をゆっくりと開き既に甘勃ちしている自身に指先で触れた。 「…ここ…薫兄さんに見られてるってだけで、興奮して勃起…しちゃってて…何とかしてほしい…っ…」 「…知紘は案外エッチだね。キスして押し倒されて裸を見られただけなのにもうこんなに硬くさせて…いいよ、気持ち良くしてあげる」 知紘の両脚の間に顔を埋めると知紘の硬くなった欲の塊を口内に納めじゅぽじゅぽと淫らな音を立て舐めていく。 根本を手で擦り上げるように扱きながら亀頭に舌を押し当てると先端からカウパーがトロトロと愛らしく溢れ出してくる。 「…ぁっ…んんっ…や、ば…っ…も…う、イッちゃうよぉ…っ!」 「いいよ、イキたかったらイッて…僕の口の中に知紘の精液いっぱい出して?」 「あっ…!そんな、そこで喋られたら…っ…あぁぁーーーッ!」 先端を思いきり吸うと知紘は腰をビクビクと跳ねさせながら僕の口内にその精を放出しぐったりと寝転がった。 「ち〜ひ〜ろ?何寝っ転がってるの?まだまだこれからだろ?ほら、今度は僕のも気持ち良くしてよ」 「…あ…そ、そうだよね…!俺、頑張るからっ…」 知紘はそっと僕の股間に手を伸ばし、やんわりと握ってくる。 恐る恐ると言った様子で僕自身に舌を這わせてちろちろと舐め出す知紘に僕の興奮は高まっていく。 裏筋に指を添えさせながら先端を小さな口で必死に舐めている知紘の姿に僕は堪らなく欲情してしまった。 「んっ…知紘、僕もう限界…知紘が大きくしてくれたコレ…知紘の中に挿れてもいい?」 先程達したばかりでヒクヒクと淫らに蠢いている知紘の愛らしい秘部に指先で触れる。 窪みの周りの皺の部分をそっとなぞるように愛撫すると知紘は僕の髪を掴み可愛らしく感じてくれた。 「ぁっあっ…焦らさないで…薫兄さん…も、挿れ…て、薫兄さんが欲しいよ…っ」 何という事だろう…あんなに純粋だった知紘がこんなにエッチだったなんて…。 知紘の両脚を抱え両肩に乗せると精液と体液でトロトロになった知紘の秘部に自らの欲の塊を押し当てゆっくりと腰を沈めていく。 「…ほら、知紘の中に僕のが入っていくの分かる?僕ら今繋がってるよ…っ!」 「あっぁ…わか、るよ…!薫兄さんの…熱い……っ…気持ち良い…っ…!」 「んっ…知紘、僕も最高に気持ち良いよ…っ…!」 腰を動かす度に知紘の中が僕のをキュウキュウと締め付けるから僕は堪らなく感じてしまった。 「あっ…んんっ…奥…もっと突いてほし…っ…!」 目尻に涙を浮かべながらねだってくる知紘が可愛くて愛しくて、僕は言われるままに知紘の最奥を突きまくった。 「知紘…さっきイッたばかりなのに、もうこんなに硬くさせて…本当に知紘は可愛いね…っ…」 腰を動かしながら知紘の欲の塊に指先で触れそっと握ると知紘は身体を大きく揺らし首をフルフルと横に振った。 「やぁっ…!だめ…っ…二箇所同時とかずるい…っ…!」 「でも気持ち良いでしょ?中も凄くヒクヒクしてうねってるし…もうイキそうなんじゃない?」 わざと意地悪な問い方をすると知紘はそっと手を伸ばして僕の頬に指先で触れた。 「…キスして?キスしながらイキたい…っ…!」 「…知紘…良いよ。一緒にイこう…ん…」 知紘の唇に自分の唇を重ね舌を絡めると知紘の中が激しく収縮する。 その刺激に我慢できなくなり僕は知紘の中に欲望の証をドクドクと注ぎ込むと知紘の身体を思いきり抱き締めた。 数秒後、知紘もビクビクと身体を震わせながら自身から精を放つと僕の胸に顔を埋めた。 「それにしても…まさか知紘がこんなに僕を求めてくれるなんて思ってなかったから…何だか夢みたい…んっ…知紘?」 激しい行為の後、僕のベッドの上で知紘と寄り添いながら話していると知紘が不意に甘いキスをしてくれた。 「…俺はずっと薫兄さんが好きだったんだから…これからも求め続けるよ?薫兄さんは…俺の事どう思ってるの?」 「…もちろん、僕も知紘が大好きだよ。今までは兄弟だからって我慢していたけど…知紘と両想いだって分かった以上、もう遠慮しないから覚悟していて?」 僕の答えを聞き嬉しそうに微笑む知紘に今度は僕から深く口付けた。 互いの舌を吸い合うような激しいキスに僕はまた興奮してきてしまう。 「あ…薫兄さん、もしかしてまた勃って…」 「知紘が可愛すぎるのがいけないんだよ?ねえ、もう一回してもいい…?いいだろ…?」 知紘の腰辺りに熱く昂ぶった欲の塊を押し付けながら耳元で囁くように問い掛けると、知紘は顔を耳まで真っ赤にして頷いてくれた。 その日、僕は夜が明けるまで知紘を離してやる事ができなかった。
感情
感情なんてなければいいのに 僕が泣こうが笑おうが 君には他人事にしか映らないのだから どうしたら笑ってくれるのかな どうしたら君の心を動かせるのかな 感情なんてものがあるから こんなにも苦しくなるのかな でも、苦しくても辛くても 何の痛みも感じない日々なんて 僕は生きたくはないんだ。
自己紹介
初めまして。今更ながら自己紹介してみます。 名前…陽那(ひな) 年齢…非公開。30過ぎてるとだけ言っておきます。 文章を書く練習の場になればいいなと思って始めました。 BLが好きですがBLしか書かない訳ではないです。 若い子多くて緊張してますが宜しくお願いします! それではまた。
何年経っても(BL)
「リュージさん、今日は何時頃帰ってくる?」 コテッと小首を傾げ問い掛けてくるのは、行きつけのバーで出逢った天沢怜(あまさわれい)だ。 諸事情により、現在半同棲中だ。 仕事で忙殺されかかっていた俺を怜は優しく癒してくれて…気付いたら好きになっていた。 「取引先との打ち合わせ兼ねての呑み会があるからな、多分23時は過ぎると思う。怜は先に寝てていいぞ」 「え〜…オレ、一人ぼっちで寝るの寂しいな〜…リュージさんの事、待ってたらダメ?」 またもあざとく小首を傾げて今にも泣きそうな瞳で見つめてくる怜。 思わず抱きしめて頭を撫でてやると、怜は俺の頬に額を擦り寄せてくる。 (…可愛い。こんなんじゃ呑み会も集中できる気がしないな…適当に誤魔化して早めに帰ってくるか…) 「ふふ、リュージさんあったかい…何か元気出てきちゃった。オレ、美味しい夜食作って待ってるから早めに帰ってきてね!」 「…ああ、ありがとう。なるべく早く帰れるように頑張ってくる。…夜食、楽しみにしてるよ。じゃあ行ってくる」 そう言って怜に背中を向け玄関のドアに手を掛けた時、不意に怜が引き留めてきた。 「リュージさん、忘れ物。」 「…え?んっ…ーーーー。」 振り返ると同時に唇が重ねられ、俺は思わず目を閉じてそのキスを受け入れたのだった。 「…ふふ、いってらっしゃい。お仕事頑張ってね」 無性にいやらしい事をしたい気持ちになるようなキスを朝からお見舞いされ、俺は何とも言えない気持ちになりながら会社へ向かった。 その日の深夜。 結局打ち合わせという名の呑み会がお開きになったのは深夜0時を回った頃だった。 急いでタクシーで自宅に帰ると、暗闇の中ソファで蹲って俺を待っている様子の怜を見つけ俺は部屋の電気を点けるとすぐに怜の傍に駆け寄る。 「…あ。リュージさん、おかえりなさい。遅かったんだね?お腹空いてる?今、夜食温めるから待ってて〜」 怜の頬に僅かに残った涙の痕。きっと、先程まで泣いていたであろう事が窺えて俺の胸は張り裂けそうな程痛んだ。 「…怜。夜食はいいから、こっち来い。泣いていたんだろう?ごめんな遅くなって…一人にさせてごめん」 ソファから立ち上がろうとした怜の腕をすかさず掴むとそのまま強く抱き寄せ頬に唇を寄せた。 「…リュージさん…オレなら大丈夫だよ?だってオレ、リュージさんの事信じてるし…リュージさんのお仕事が忙しい事だってちゃんと解ってるもん…」 そう言って怜は笑顔を見せるけど、俺には強がってるとしか思えなくて。 俺はそっと怜の身体をソファに押し倒すとその真っ白な首筋にキスを落とした。 「…もっと我儘言っていいんだ。俺は怜の本音が知りたい…本当は寂しかったんだろ?ちゃんと言ってくれよ…言わないと酷い事するぞ?」 耳朶を甘噛みしながら怜の服の裾を捲り左手を侵入させ乳首を弄ると怜の唇から甘い嬌声が漏れ始める。 「…あ…っ…ん、ぁ…リュージ、さん…寂しかった…ずっとこうして…触れて欲しかった…だから…今だけはオレの事だけ考えてよ…っ…」 怜の欲の塊に衣服越しに触れるとそこはもう硬く張り詰めていて俺は思わず喉を鳴らした。 「…怜、もうこんなに硬くして…若いな…ここも可愛がっていいか?」 「ま、待って…オレ今日まだお風呂入ってないから…汚い、よ…?」 掠れた声で恥ずかしそうに訴える怜の唇を奪うと、舌を絡ませ濃厚なキスをした。 「…怜。悪いが待てそうにない。このままここで怜を抱くけど…良いよな?」 怜が頷くのを確認すると俺は怜の大事な部分を咥内に納め、じゅぽじゅぽと淫らな水音を立てながら舐め上げる。 「…んっんっ…!リュージさん…っ…気持ちいいよお…あ、ぁ…っ…も、ダメぇっ…イっちゃ…うっ…!」 俺の舌で怜が感じているのが堪らなくて更に舌の動きを速め絶頂を促すと、怜は俺の咥内に熱い白濁を放った。 「…はぁ…っ…怜、気持ち良かったか?イク顔可愛かったぞ…俺も怜の中でイキたい…挿れていいか?」 少し甘えるようなねだり方になってしまったがそんな事はもう気にしていられなかった。 ただただ、怜と一つになりたくて仕方なかった…。 「うん…リュージさんのおっきくて硬いので…オレの中ぐちゃぐちゃにして…いっぱい出して…?」 生理的な涙で潤んだ瞳で見上げられ、俺の中に僅かに残っていた理性が崩れていく音がした。 ヒクヒクと収縮し半透明な体液で濡れている怜の秘部を指で押し広げると自らの熱く昂ぶった欲の塊を擦り付け焦らしてみる。 「…怜のここ…ヒクヒク震えてエッチな涎が垂れているな…舐めてやろうか…?」 「…もう…焦らさないで?リュージさんの好きなやり方で…オレを気持ち良くして…」 怜の秘部に舌先を挿れちゅぷちゅぷと舐め解してやると怜は腰をビクビクと揺らしながら感じてくれた。 唾液で充分に濡れそぼった怜の秘部に再び自分自身を宛がうとゆっくりと腰を沈めていく。 前立腺辺りを擦り上げてやると怜の腰が大きく跳ねた。 どうやらイイ部分に当たったらしい。本当に可愛い奴だと思いながら強く腰を打ち付けていく。 「はぁっはぁ…すげえ締め付けてくるな…もうイキそ…っ…!」 「…ぁんっ…はぁっ…んあ…リュージさん…オレももう出そう…一緒にイこ…っ?」 俺の首に両腕を巻き付け濡れた瞳で見つめてくる怜の唇に自分の唇を重ねると、より一層激しく突き上げる。 そしてきつく抱きしめ合いながら俺達はほぼ同時に絶頂を迎えたーー。 「リュージさん凄かった…いつもより数倍えっちだった…オレすっかり翻弄されちゃった…」 「…そうか?怜もいつもよりエッチだったから理性が利かなくてな…無理させてたらすまん」 行為の後、俺の寝室のベッドでありのままの姿で抱き合っていると怜が上体を起こし俺の頬にキスを落としてきた。 「…リュージさんってベッドの上の方が素直で優しいよね。たくさん優しくされたいから、これからももっとえっちな事しようね?約束だよ」 俺としては激しくしすぎて怒られるんじゃないかと不安だったから怜の発言は意外だった。 でも…幸せだとも感じたので俺は怜の耳に優しくキスをして耳元で囁くように言う。 「…いつまでも俺だけのエロくて可愛い恋人で居てくれ。大切に、するから…」 怜は何も言わずに頷くと、照れたように俺の胸に顔を埋めた。 愛してるーーー。 きっと、何年経っても、この想いは変わらない自信がある。 「…リュージさん、だいすき…」 「…俺も大好きだよ、怜」 終