アベル
10 件の小説2人の桜道
題名:2人の桜道 主人公カナメ[あの人のことが好きで、でも...] ユウキ[カナメが好きな幼なじみ] カナメ:この道も久しぶりだよねー、何年前だっけ??2人でこの道をさ、歩いてたの、覚えてるかな? ユウキ:...覚えてるよー?あの時はカナメが僕の手を引っ張ってくれてさー。嬉しかったのをまだ覚えてるよー カナメ:あ、あれ??そうだっけ? ユウキ:...そうだよー、逆に忘れたのー? カナメ:あははー...ごめーん ユウキ:そっかー、僕は今でも覚えてるし、カナメが付いてきてくれて...少し悲しいかなー カナメ:...ごめんね、迷惑だった? ユウキ:...いや、嬉しいし、今でも大好きだよ カナメ:ありがとう... ...時を遡り... カナメ:ユウキ!おっはよー!今日も1人で学校行ってるのー?一緒にいこーよ! ユウキ:カナメー、朝から大声でうるさーい カナメ:あははーごめーんw 2人で入学式から毎日通る公園 そこで何人かにすれ違うけど私にはみんな挨拶してくれるのに、ユウキの事は無視する... 挨拶してくれる方は好きだけど、なんでユウキの事は無視するの....? ユウキ:...気にすることないよー カナメ:だけど... ユウキ:大丈夫...ありがとうね、僕のこと、ずっと思っててくれて そうしてユウキは私の頭を撫でる... 2年前の...あの時みたいに... カナメ:.... あの時から変わらない彼を見て私は、まだ思いを伝えられずにいる。 いつも笑顔のユウキ あの時と変わらないユウキ いつも...私の後ろを歩くユウキ 私は隣であなたと... カナメ:ねぇ!ユウキ!! だけどもう彼はいない、あの時から、もう。 誰も彼の姿を見れない、私がみんなに一生懸命「ここにユウキはいるっ!!」て言っても、悲しそうな顔をして、涙を流して、おかしい奴を見る目で...私を見てくる。 ユウキ:ねぇ、カナメ ふと気が付くと、横にユウキが居て私に笑いかけてくれる。 私が返事をする前に、ユウキは ユウキ:カナメも分かってるでしょ?2年前のあの時、カナメが車に轢かれそうになってさ、それを... カナメ:知らない!!!そんなの覚えてない!!!なんでそんな事言うの!?ユウキはここにいるじゃん!!今!目の前に!! ユウキは悲しそうな笑みを浮かべ私を撫でてくれる。 ユウキ:泣かないで、僕はカナメの笑顔で、僕を引っ張ってくれる、そんな所が好きだよ? カナメ:また、子供みたいに、なんで... あの日から何も変わらない、私の中でユウキの成長は止まったままで... ...少し間を置き... 家に帰ると母がご飯を作ってた。 私はただいまといい2階にかけ上がると、ベットに潜り込み、そのまま眠りについた。 母のご飯が出来たよーという声で起き 下に降りる。 そこにはいつもと変わらず母と父とユウキが席に着いており。 私はユウキの横に座る。 私がユウキと話をしていると、母と父は悲しそうにこちらを見て、ついに母は泣きながら私に言う。 カナメ、もうユウキ君は... カナメ:知らない!!!! そういい私は玄関に向かい、外に駆け出した。 ユウキ:ねぇ、カナメ カナメ:.... ユウキ:夜に見る桜も綺麗だねー、覚えてる?あの時、2人で入学式に行く時も桜の舞う綺麗な晴れた日でさ、カナメは笑顔で僕の手を引いてくれたよね。 あの時からカナメは何も変わらないよね。 カナメ:そんなことない...背も胸も、ユウキより全然成長したし、髪だって伸びてる... ユウキ:そうかな?僕はあまり変わらないように見えるけど... 満月が私たちを照らす中裸足で私は夜の桜道を2人で歩く カナメ:ねぇ!ユウキ! でもそこにはユウキは居らず、ただ寂しそうに桜が待っているだけ.... それならもう、いっその事、こんな苦しい、1人の世界なんて.... ...... カナメ:この道も久しぶりだよねー、何年前だっけ??2人でこの道をさ、歩いてたの、覚えてるかな? ユウキ:...覚えてるよー?あの時はカナメが僕の手を引っ張ってくれてさー。嬉しかったのをまだ覚えてるよー カナメ:あ、あれ??そうだっけ? ユウキ:...そうだよー、逆に忘れたのー? カナメ:あははー...ごめーん ユウキ:そっかー、僕は今でも覚えてるし、カナメが付いてきてくれて...少し悲しいかなー カナメ:...ごめんね、迷惑だった? ユウキ:...いや、嬉しいし、今でも大好きだよ カナメ:ありがとう... ユウキ:うん、こちらこそ、ありがとう。 2人であの桜道を歩いてる。 周りの人は誰一人として私たちには気づかなかったが。 道に添えられた花束が、悲しそうに揺れるのを私達は手を繋いで通り過ぎた。
コーヒー(ただの雑談話)
皆さんコーヒーは好きですか? 私は好きです。 んー、と言うより毎日飲んでるんで好き?になった?んー?まあ、仕事のお供みたいな感じですかね? そんなコーヒー、甘くしたりミルクを入れて滑らかにしたり、子供も飲みやすいようにしてますよね。 ブラック派の私でもたまに甘いものが飲みたくなりますもんね。 皆さんはどうですか?是非コメントで教えてください。
クリスマス
人は自分が生き残る為に人を簡単に傷つける。 なぜなら相手もそうだから。 戦争中、相手兵士と交戦状態になった。 顔を出すと途端に銃撃される。 それは寒い冬の1日。 今日も隠れながら相手を殺すため潜んでいた。 だが気がつくと1人の兵士が両手を上げこちらに歩みよってくる.... 私は狙いを定めながら銃口を向け、引き金を..... 引かなかった。 なぜなら相手兵士は銃を捨て笑顔でこちらに歩みよってくるからだ。 私は自然と涙が流れ出した。 向こうはつい昨日まで友達だった仲間を撃ち殺していた奴らだ、なのに.... 私は銃を捨て両手を上げ笑顔を作り、歩みよった。 馬鹿らしくなったのだ、何のために戦い、何のために苦しみ。 何のために命を散らさなければ行けないのか、分からなくなったのだ。 私は相手兵士と向かい合い握手した。 「....jgな@"らpa16'な?」 「なんて言っているのか分からないよ...」 気がつくと仲間達と向こうの兵士達は皆銃を捨て抱き合っていた。 その後、皆は言葉も通じないのに抱き合い談笑し、ゲームをし、スポーツをし、楽しみ笑い、歌いあった。 日が暮れる前、皆が自分の基地に戻る時。 「なあ、アイツらが言っていた言葉の意味、分かったか?」 「いいえ、分かりませんでした。だけど...」 私は言葉の意味はわからなかったけど、今日が無意味な争いを終わらせれる特別な日だと覚えている。 「私はもう、彼らと戦えません。」 「...あぁ、私もだ、兵士失格だな」 仲間は苦笑いをしながらそういった。 そして魔法の言葉を呟いた。 「発音が難しいですが、彼らの言っていた言葉は魔法の言葉ですね。無意味な争いを終わらせられる言葉です」 そう、確か.... 「メリークリスマス」
いい子
「ねえ、 エレン、いい子ね外は怖いから扉を開けちゃダメよ?」 「いいかいエレン?外は危ないんだ。だから扉を開けたらダメだよ?」 「はい、おとおさま、おかあさま、エレンはいい子だからおそとにはでません」 そういうとおとおさまとおかあはまはなでてくれる。 でも.... “本日未明15年間行方不明だった少女A(18)さんがとある一軒家で発見されました。体には複数の打撲痕が有り少女A(18)さんは病院に運ばれ家族と15年振りの再会を果たしましたが、一軒家で夫婦と思われる2人の遺体が確認され事件の関係性を調べています、次のニュースです.....”
タイムイズマネー
お金がある人は、時間が何よりも大切だと思う。 なぜならお金があってもそれで時間は買えないから。 だから自分を不幸だと嘆く。 お金がない人は、お金が何よりも大切だと思う。 なぜなら時間はいくらでもあるのにお金が無くて何も出来ないから。 だから自分を不幸だと嘆く。 なら、お金も時間も少しだけある人は? それでも自分を不幸だと嘆く。 ...どちらも足りないと思うから。
苦しい
「ねえ、あきくんって苦しくて死にそう...!!ってどんなことがあると思う?」 「ん?苦しい?んー、溺れた時とか?...あっ!焼け死ぬ時とか!苦しそうじゃない?」 「あー、たしかに苦しそう...あとトイレ我慢してる時とか?」 「便秘w」 「あとは落下死したけど微妙に生き残った時とか!」 「あー、それは苦しそう、てかぐろい」 などなど、私はあきくんと話してたけど。 ......私は好きだと伝えられない今が....一番苦しいよ...
ボカロ好きの異世界転移物語
3.敵 一閃 瞬きをする間もなく通り抜ける一筋の剣 唐突の、何も先触れなどない一太刀をスローモーションでアベルは見ていた。 確かにアベルは初対面の相手に対し失礼な態度を取っていたと自覚はしていた。 だが、それはいつもの事だ。 お偉いさんなどには敬語で、仕事中なども敬語で接するがアベルは大体どんな人に対してもよく言えばフレンドリー、悪く言えば馴れ馴れしい態度で接する。 それが今回は相手の気に触ったのかもしれない。 “あー、まずったなー....いつもと同じ感じで喋ってしまった....” 今更気に病んでも遅い。 切られると認識した瞬間喉の奥がヒュッと息を吸い込むと同時にまぶたを閉じた... そして10秒...20秒経過し....さすがにおかしいと思い薄目を開けると。 「あれ?」 そこにリョウは居らず、ただ先程焚いた焚き火がパチパチと音を立てて揺られていた...そして後ろで鉄がぶつかり合うような音が聞こえた。 振り返ると、先程目の前で雑談していたはずのリョウは見知らぬ男と剣を合わせていた。 リョウは必死の表情で剣を振るっているのとは裏腹にその男は薄らと笑みを浮かべ剣を合わせている。 いきなりの状況にアベルは状況が読み込めず口を開けたまま...カタカタと身体を震わせた。 誰だってそうだろう、見ず知らずの森の中に自分がいて、それでいて見ず知らずの人に会い、気がつくと自分の真後ろで戦いが起きていたのだ。 現代日本に住む誰しもが、恐怖するはずである。 「くっ....」 「おいおいー?それじゃあお姫様は守れねえぞぉ?人種の剣はその程度なのかァ?もっとたのしま「おひっ!?たしかに今の私は可愛いけど!お姫様だなんて!やだ!嬉しい...!!でもでも!ダメだよ!そんな、私は1人しか愛せないのに...私のために戦うのはやめてっ!!」」 「「.......」」 ...これがアベルである。 空気を読めとはリョウも敵らしき男も言えない。なぜならちらりと横目でアベルを見れば本当に嬉しそうに身動ぎしていたから... こっちは真剣に打ち合っているのに.... 「...おい、人間...このエルフは...なんだ?」 「...知らん、さっき知り合った...」 「...マジかよ.....」 敵の男も僅かにリョウに同情してしまった。 そしてリョウは心の底から思った...あぁ...帰りたい...と.... そんな事を考えているとはつゆ知らず、アベルはうねうねしていた。 あぁ、可愛くてごめんなさい、だって神様がー...などと呟いている。 それが聞こえたリョウは血管が浮かび上がり、 敵の男は少しやる気が削がれていた... アベルの所為かお陰か先程のピリピリとした殺気漂う空気は、何とも言えない微妙な空気に変わり両者共にやる気をそがれていた... 「んで、君誰?リョウの知り合い?私アベル、よろしくぅー」 「「.......」」 一応言っておくがまだ剣を合わせた状態だ、だが片方は剣先がプルプルと振るえ、もう片方は力が抜け... そう...何度も言うが、アベルとはこう言う人である....。
生き残り
「おい!生き残りはいたか!?」 「ダメです!瓦礫で塞がれててこれ以上行けません...」 その日、住んでいるアパートが崩れ落ちた。 私は娘と2人でくらしていて今日は娘の誕生日だった。 なので娘が好きなチョコレートケーキを買って、今日は家でお祝いするつもりだった。 「いっつもお父様はお仕事が忙しくて...でも大好きっ!お父様ー!!」 「ははは、はしゃぐなはしゃぐな、転けたら危ないだろ?」 そう言い、娘は笑顔で私に抱きついた。 その笑顔は貼り付けたような...だが妻を失った時に比べればいくらか感情が着いたようだ。 その日の夜物凄い轟音とともに私は飛び起きた。 ものすごい地震だ、周辺瓦礫の山になっていた。 .....娘が居ない。 私は必死で瓦礫をどけて娘の部屋の方へ向かった。 すると 「おい!生き残りはいたか!?」 「ダメです!瓦礫で塞がれててこれ以上行けません...」 救助隊だろうか?助けが来た。 「おーい!!ここだー!助けてくれ!娘がこっちに居るんだ!!」 私は必死で叫んだ。 妻が居なくなってから私の宝物は娘だけだ、娘のためならどれだけ辛くとも仕事を頑張れる。 その願いが届いたのか。 「あぁ...ここに居たのか」 「そうか、生き残ってたか」 その...願いは... 「あ、あぁ....ああああああああぁぁぁ!!!!!!!」 男達は娘“だったもの”を持っていた。 私は咄嗟にいつも身につけている拳銃を抜いて男達に向けて発砲した。 そして当ったかも確認せず崩れかけた窓からその身を投じた。 3階の高さだが仕事に比べればどうってことない。 後ろから乾いた破裂音が鳴ったが振り向かず、真っ直ぐ逃げた。 右手に鈍痛が走る、銃弾が当たっていたのだろう。 まあ仕事に比べればかすり傷だ。 そのまま私は路地裏に消えていった。 「はぁ...また宝物を見つけるか...」
ボカロ好きの異世界転移物語
2.森の怪物 目を開けるとそこには、なんと! 「....森?」 森だった。 王国でも国ですら無くただただ生い茂った森、見渡す限り木、人口建築物の欠片も無かった。 「まあ...しょうが無い!歩こう!」 Avelはポジティブに森を突き進んで行った。 歩きやすいなーと思って自分の足を見てみると見慣れない靴で、服装も少し黒みがかった質素な灰色のローブと中にこれまた質素なシャツとズボン、スーツもブーツも無くなっていた。 そして極めつけは 「あれ?声高くなってない?あーーー、あーーーーー.....うん、高くなってる、それに背も低い...??」 若返ったような??と首を傾げているが実際若返っていた。 今年で28だったはずなのだが傍から見たら16~18歳くらいにしか見えなくなっていた、だが自分で確認の仕様がなく「まあ...いいか」で済ませてしまう。 川など水溜まりなど近くにあればまだ分かったかもしれない。 自分が既に人間ではなくてエルフになっていたことに。 だがAvelがそれに気づくのはまだ先のお話である。 森...と言うよりジャングルをさまよっていると“ガサガサ”と物音が聞こえてき出した、動物か、異世界だから魔物かもしれないと思ったAvelは音が聞こえた瞬間に全速力で走った。 だが、かなり走ったが後ろの気配は一定の距離を保って付いてきており、どう振り切ろうと考えていたとき。 「そうだ!チート!!」 思い出したのだ、やっと。 普通は転生ものだと最初に“ステータス!!”と叫ぶのが常識であるが(それは知らないが)いきなり目の前森だと実際テンパるらしい。 でも、とりあえず歩こうとは誰もならないと思うが... チートを思い出したはいいがどのようなものを貰ったかを教えて貰えなかったためどうやって知ろうか考えながら走っていたら 「ふぇっ!?.....ブフェ!!!!」 木の根っこに引っかかり思いっきりずっこけた。 今度は頭を打って死にはしなかったが足を思いきり挫き歩くことは出来ても走ることは出来なさそうだ。 「いったーー....やばい、どうしよ」 その言葉を聞きつけたかのようにガサガサ音は近ずいてきて....その姿を現した。 「ん?エルフ....か?」 「ん?人間....だ」 それは人だった、多分20代後半くらいの、髪は赤色の綺麗な短髪で切りそろえており顔はかっこいいと強そうの中間くらいの、少し顎髭は出てるが十分イケメンと名乗れるくらいの高身長....180くらいかな?の男性だった。 ここでゴブリンとかオークと言った魔物に襲われて食べられるんだーと思ってたAvelはそれこそ口をへの字にし、男性は男性で感じたことの無いほどの魔力を感知し近ずいたらエルフで口をへの字にし。 たっぷり30秒程その顔で見つめあっていた... 「...っ!いたぁ」 「おい、大丈夫かよ...」 私の声でその変な空気は無くなり心配したのか男性が近ずいて脚を触る。 その瞬間私は何を血迷ったのか言い放ったのだ。 「くっ!殺せっ!!」 「いやなんでだよ....」 オークなどなら成立したであろう異世界恒例の“くっころ”を言い放ったのだが帰ってきた言葉は酷く困惑したような物言い、可哀想なものを見るような目で私を見てくる!やめて!!結構恥ずかしいから!!...自分で言ったんだけどね...まあ、たしかに心配して駆け寄ったらいきなり睨まれてそんなこと言われたら“頭でも打ったのか?“ってなるかもだけど...いや、悪いの私だけど....でも言ってみたかった好奇心が勝ったんだもん... 「これでいいかな...よし!」 そんな馬鹿な独り言劇場を脳内で繰り広げていると足の痛みが無くなっていることに気づいた、なにか塗り薬を塗って布で足を巻いてくれていた。 気づかなかった...なんという早業! 「あ、ありがとう!私はカナメ...いや、Avel!あなたはなんて言うの?」 「おう、俺が追っかけ回してたみたいだしなすまなかった、俺はリュウだ。アベル?でいいか?少し聞き取りずらくてな」 「え?追っかけ回してたって...リュウって変態の難聴なの?」 「いや、変態じゃねえし!お前みたいなちみっ子相手にするかよ!それに難聴でもねえよ、そのアベル?の喋り方が少し不思議なだけだっ!」 助けてくれた相手にいきなり変態発言をしたアベルは自分の喋り方がリュウと少し違うことに気づいた、だが明確に何が違うというのは分からなかった。まあ、初めてあった異世界人が難聴の変態ではなくて良かったと少し安堵したアベルであった。 それとは別に。 「ちみっ子??どこがよ!もう20後半のレディよ!」 「いや、エルフで20後半はまだガキだろ...」 リョウは呆れた顔で手をやれやれというふうに顔の横で振り地面に腰をつけた、話が長くなりそうだと言うのと私が足を怪我してるため座ったのだろう。 「...エルフ?」 「...まさかお前、自分の種族知らねえのか??そんな馬鹿な...」 リョウは“ウォーター”と言い地面に水溜りを作ってくれ、そこを覗いてみると。 「え...誰この美少女...」 「いや、お前だよ、あと自分で美少女ゆうな」 そこに居たのは肌の決めが細かくとても整った顔をした自分だった、ほっぺをペチペチしてもグ二ーって伸ばしてもやっぱり自分だ。 「いひゃい...」 「.......」 そんな私をとても可哀想なものを見る目...いや、何かを諦めたような目でみるリョウは何も言わずこちらを見つめていた.... 「....惚れた?」 「惚れるかっ!!!!」 思わずと言った感じで叫び頭をペシっと叩かれたアベルは「やっぱりいたい...」とぽつりとこぼすのだった.... 「そんで、どうしてこんな所にアベルはいるんだ?」 ひとしきり顔をペシペシし終わり現実を受け止めていたところにリョウが疑問を問いかけてきた、でもそれに答えることは出来ないので。 「私も知りたい、てかここどこ」 真顔で返した。 リョウはため息を吐きここは魔獣の森という事と自分は調査のためにここに来たが異常な魔力を検知したため近ずいたらお前がいたと言うふうに説明してくれた。 「え、じゃあここにいたら危ないんじゃないの!?異常な魔力って何!怖い!どこよ!?」 と叫ぶと私に向けて指を向けるリョウ、その顔は面倒くさそうな、とても気だるそうな顔であった。 「え!?後ろ!?何も無いじゃん!!脅かさないでよ!!」 「いや、お前」 「私が何!?」 異常な魔力の魔物が近くに...いやすぐそばに居るかも!?てか普通の魔物もいるかもじゃんー!!やばー! 「いや、異常なのお前だから、魔力も、頭も」 「あ、頭は関係ないじゃん....」 まさかの私でした(笑) 確かにチートスキルって言ってたけどどういうものか聞いてないまんまだったし、もしかしたらとは思ったよ??でも自分で「あ、それ私の魔力だわ」とか言ったらさすがに自意識過剰じゃん???何言ってんだこいつってなるじゃん??(多分もうなってる) それに頭は関係ないじゃん.... 正常だし...世界が私について来れてないだけだし... そんな感じで悶えているとリョウが立ち上がり剣を抜きこちらに構えた、一瞬の事で焦り思考が追い付いていなかった私は悪くないと思う 「ふぇ...リョ」 私が喋り切る前にリョウは剣を振り下ろした。
ボカロ好きの異世界転移物語
(この話は著作権ガン無視の所が多々有ります。それでも良いという方はお読み下さい。) 1.世界を動かす歌 雨が降りそうな空を会社に遅刻しそうな私は走っていた、曇り空のくせに湿度が高いせいかものすごく暑い。 「もう、ほんっと最悪!昨日充電してたはずなのになんでケータイ起こしてくれないのよ!!」 寝相が悪いせいだろう。 いつも枕元で寝落ちしながら充電しているはずだが今日は暑さも相まって布団を蹴破っていた、そして地面には音を鳴らし続け助けを求めていたであろうケータイが息を引き取ったかのように落ちていたのだ。 急いで充電して時間を見てみれば遅刻の30分前である。 とりあえず化粧を済ませてはいたがそれでも間に合うような時間では無い、スーツを着て走って外に出た時には残り時間はあと24分で駅に向かうも電車はもうそこにはいなかった。 仕方なくタクシーを使おうと思ったがなんと財布を忘れていた、この時点で残り10分程。 今日は大事なプレゼンがあったのだが暑いせいで頭が朦朧としていたからか、もう間に合わないと悟ってしまったからなのか自然と走るスピードは落ちていき、しだいにとぼとぼと歩きになっていった。 (おわった....) 心の中で諦めが確信に変わると同時に時刻も10時ちょうど、プレゼンの始まる時間となっていたのだった。 「まあ、しょうが無い!明日めっちゃ謝ろう!よし!帰ってYouTube見よっ!」 絶望の縁を歩んだのはほんの一瞬の出来事で、次の瞬間にはポジティブに考え出していた、というより考えないようにしてたとも言えるが... 途中立ち寄ったコンビニでP○yPa○を使いお茶を買い来た道を戻っている途中、だが暑すぎて少し日陰で休む事にした。 会社の連絡等をしないのかと疑問に思われるかもしれないがそんなことをすれば絶対 (遅刻してでもいいから出勤させられる...そしてめっちゃ怒られる...) と思い、連絡も通知もoffにした。 確信犯である。 日陰でも暑すぎて胸元のボタンを外しパタパタしているが全く涼しくならず、逆に頭も痛くなり手足が痙攣しだした、吐き気も催すがそこは乙女(自称)それだけは耐えた。 「んぁー、これやばいかもらー、やすんでせいかいだったかも、キツイ」 熱中症と自分で自覚しつつも救急車を呼ぶ程でもないと自分で割り切り休んでいたがさすがに我慢の限界だったのだろう。冷たいお茶を頭から被って持っていたハンカチで拭いてまた歩こうとしていた。 誰が見ても「大丈夫ですか!?」というような光景と状況だが、生憎か幸いかこの道は人通りがものすごく少なく普段もすれ違う人がいないような路地裏だ、誰かいたらこの時助けてくれたのかもしれないが誰も居なかった。 だから 「あ....れ?」 不意に立ち上がろうとしたせいか足を踏み外し縁石に思いっきり頭をぶつけて倒れ込んでも、誰も知らない。気にしない。見ていない。 自分が倒れ込んで居る事は分かるが体が上手く動かない、ケータイに手を伸ばし119を押すだけなのに、それさえ出来ない。 「きゅ...しゃ.....だ...れか、た....す....」 極度な熱中症に陥っており視界も呂律も回らない、人は誰もいないし自分も動けない。 ケータイを手に持つことは出来たが少しずつ自分の血液によって赤色となっていく光景を見ながらだんだんと意識を手放して言った。 (あぁ...最後くらい1人カラオケすれば良かったな...) そんなどうでもいいことを思いながら。 私は、歌が好きだ。 ボカロもアニソンもj-popも、最近ではVTub○rなどが作ったオリジナル曲なども聞いている。 色んな人の声が好きで色んな人の感情の乗った歌声に魅了されてきた、最近ではアニメの“パ○ピ孔明“というのを見てその影響で1人でクラブに行き酔いつぶれ次の日に会社に遅刻し、ゴミカスのように怒られた事もある。 ピアノ、ギターや歌に限らず演奏も好きだ、さすがに1人で歌を作ったりなどは出来ないし仕方も分からないが、人が作った曲を自分なりにアレンジして歌う事が好きだった。 いわゆる歌い手である。 YouT○beなどで“歌ってみた”配信を行いみんなに評価されて共感してくれる瞬間がたまらなく嬉しくまたさらに歌が、音楽が、すきになった。 たまに来るアンチコメなどにも目を通し意味がわからないことを言う人達などもいるがアンチの中にも“確かにな““そうした方がいいな“”悪かったな“と思うこともある。 そういう所や悪いところには素直に謝ったり感謝を述べたり直したりする。 だからなのか歌が上手いのかは分からないが日に日にその配信を見る人は増えていき、所謂大手と呼ばれるまでになった。 それほどまでに歌に一途だった。 だからだろうか 昔読んだライトノベルみたいな展開で、目の前にいる神様に「歌姫なりたい!!!」と開口一番叫んだのは。 目の前の女神?様はキョトンとしていらっしゃるが私は目をキラキラさせていた。 “あのー、えっと、無理です” 物凄く申し訳なさそうな声が直接脳内に響いた瞬間の私はまさにムン○の叫びのような顔になっていただろう、実際はどうだか分からないが目の前の女神?様は物凄く申し訳なさそうな顔がもっと引き攣った顔になっていたので、さぞ酷い顔になっていたに違いない。 だが私はポジティブだ(自称) 顔を元のキリッとした(してない)可愛い(言うほど可愛くない)顔に戻し、今に至ることを聞くことにした。 聞こうと決めた瞬間また頭に女神?様の声が聞こえてきた、曰く女神様は神様で、やはり私は死んだらしく、そして異世界に行くことになるらしい。 「能力というか特別なチートスキルとかはやっぱり貰えるんですよね!?」 “はい、それは与えるつもりです。先程のように歌姫という存在自体を改変しない限りは大丈夫です。それはそうと、その、元の世界になにか未練や伝える事など何も無かったですか?異世界に渡る前ならばある程度の融通は聞きますが....?” 未練...はあるっちゃあるがほとんどがYouT○beに関してだ。伝えることは会社は無いが、これも歌い手活動して着いてきてくれたフォロワーくらいかな? 「未練は無いと思うのですが最後に、YouT○beを取りたいなーって....出来たりしますか....?」 少し上目遣いを使いモジモジ手を交差させながら女神様に頼んでみたが...無理っぽいなー....だってもう死んでるしなー....無理だよな.... “いいですよ、フォロワーの皆様に最後のAvelの配信を届けましょう” パチンと指を鳴らした音がきこえたかと思うと、凄く豪華なステージと動画を撮る為に必要な機材などがそこにあったかのように現れた。 私が“なんでいいの?そもそもなんでユーザーネームしってんの?というか準備はやっ!?“ と思っているうちに準備はすんで、女神様はでっかいカメラを見ながらこちらに手を振っている。 “さあ!Avelさん!はやくはやく!始まりますよっ!うわっー!生だ!!生配信キターーー♪♪♪” そして察した… (あぁ....この女神様、多分フォロワーだ...しかも熱狂的な....)と… 女神様が可愛くぴょんぴょん跳ねながら待っているので私も駆け足て舞台に上がる、途端証明がつき、カメラが回り出した。 「え、あー、ども、Avelでーす....えーと、なんで動画を回したかと言うと、ちょっと私の事情でもう配信出来なくなっちゃったので、急でみんなには物凄く申し訳ないんだけどこれが最後の配信になります....最後に1曲だけ歌いますね...?」 目の前にはみんなのコメントが高速で流れていく、驚いたものや悲しんでるものやめないでーとさけんでいるものまで数千、数万を超えるコメントが1分もしない内に流れて行った。 そのコメントの嵐のなかただ1人私は立ちスポットライトを浴びている、これだ、そう、この瞬間こそが私が生きていた中で一番の幸福だ、みんなが私の歌を聴いてくれている、みんなが悲しんでそれでも尚私の歌を聞き逃すまいと集まってくれている。 その瞬間時が止まった。 いや、止まったように感じた。 誰がじゃなく、何がでもなく、全ての音が消え、コメントも止まり。 その瞬間Avelの雰囲気が変わったのが皆には分かったのだ、あぁ始まるぞと、“歌姫”の最後の歌が始まるぞと..... その瞬間はさながらオーケストラの演奏が始まる前のような、空気が震えるような。 皆にもあるだろう?本当に集中したときには、待ち望んだものが始まる前は、全ての音が消えるのだ、周りの雑音も自分を呼ぶ声さえましてやほかのことを考える余裕すら無くなるのだ。 仕事中に聞いてる者もいるだろう、学校に行ってこっそり聞いている学生やゲームなどをしている途中に配信の通知が来て聞きに来てくれた人もいるだろう。 そして自分の心の臓の音すらも聞こえなくなる時、始まるのだ。 世界の歌姫の歌が Avelの歌が フォロワー1000万超の誰でも知ってる憧れの人の歌が 以降歴史に唯一名前が刻まれた人の最後の歌が 始まった。 それは今まで作ろうとも思わなかったAvelの最初で最後の歌、作詞作曲Avel(この時の作曲は女神)、歌Avel全てAvelの作った歌。 どこからともなくAvelしか知らないはずの前奏が流れその歌は始まった。 最初こそ私は驚いたが次の瞬間にはこれで歌えるという安心に変わり口を開き、歌を紡いだ。 それはとても穏やかな口調で、皆の心に響き渡った、とても滑らかな心の隙間にスルッと入り込むような序章、そして皆が安心して目をつぶった次の瞬間、それは激しいバラードに包まれ訴えかけるような歌に変わった、苦しい時も悲しい時も私が居るから...ただそれだけの文章だがその瞬間聞いていたみんなは心を鷲掴みにされそれ以外のことが考えられなくなるほど。 その時世界各地で交通事故や作業事故が起きたがそれは誰のせいでもないだろう。 なぜなら目の前にいる女神さえも虜にする歌声、そして曲。女神に涙を流させる程の、幾億年感じたことのなかった感動という感情を呼び起こさせるほどなのだから。 歌の内容はとてもシンプルなはずだった、それはAvelの人生の一変を歌にした2分もかからないとても簡単な歌。 それでもみんなには伝わったのだ、とても頑張った、挫けそうになったこともあった、それでも今みんなに聞いてもらえて、ここまで好きになって貰えるのはみんなのお陰。 ありがとう。 内容はただそれだけの歌のはずだ、それなのに皆は心を奪われ、涙を流し、心を、心臓を震わせて感動していた。 Avelは歌姫になりたいと言ったが女神はもう分かっていた。 Avelは、もう、神をも魅了する歌姫であると。それを変えることは出来たとしても私には出来ないと.... そして演奏が終わり時が戻った。 コメントの嵐がまた始まったが皆のコメントは1つしか無かった。 “ありがとう“ それだけだった。 生配信も終わり一息ついたあと “......さて、では異世界に行くにあたっての説明を” 「いや、待って、色々ツッコミたいんだけど、なんで知ってるの?私が作った歌も私自身も!見てたの?見てたよね??なに私は存じ上げません、ニコってしてんの?さすがに無理があるよね??ねえ!??」 全てなかったことにしようとした女神の目論見は始まる前に打ち砕かれたのであった。 転生する世界は正式名称はないらしく、転生する場所の名前はラムール王国と言う、そこに記憶は残ったまま何でも入るカバンと数週間分の食料とチートスキルを貰った。 チートスキルはこちらで選べるわけでもなく女神が勝手に渡してきた、しかもそのスキルの説明すらない。 向こうでのお楽しみらしい... そして私はあまり説明のないまま光に包まれ異世界へ降り立ったのだった。