燦夏
3 件の小説混淆
教科書を開いて 誰かのセリフに線を引く 終わりのない作業 色を変え 形を変える 誰が誰だか見当もつかない 何度も何度も線をなぞる 赤色のような 青色のような 薄明に降る汚い花火 滴る流虹に気づかぬままに
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陥穽
暗澹の海に擬餌の門灯が滲み出す 出来損ないの光が目を灼きつけ より深く 光のない場所へ 空虚な瞳がまた沈む 降り注ぐマリンスノー 煌めくサンキャッチャー 揺らぐオーロラ ギンリョクソウは見向きもしない 抗うことも出来ずに 針はまた進む その音だけが微かに響き渡る
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夏暁
かち かち かち 静かなうるさい壁掛け時計 飛び込む小さな豆電球 窓から流れ込む風に抱かれ 離さないでと布団を掴む ああ 逃げられた 布団が宙を舞っている 手を伸ばしてももう届かない 伝う雫が朝曦に溶ける
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