薫
4 件の小説嫌い
私はこの世の全てが嫌い。 これといった理由は特にない。 でも嫌いなのだ。 学校が嫌い 子供が嫌い 大人が嫌い 家族が嫌い 人間が嫌い こんなゲシュタルト崩壊するほどの”嫌い”の中に私は生きている。 でも、何より自分が嫌い。 鏡に写る自分、写真の中にいる自分、 (もっと鼻が高かったら) (もっと目が大きかったら) そう思ったことは数え切れない 挙句の果てには部活の先輩に顔のことで悪口を言われる。 こんな世界なんて壊れてしまえばいい
私の夢
ある日の夢の中で、私は友人二人をピストルで撃ち殺そうとしていた。 普通ならおかしいだろうが、夢の中なのでもちろん最初は全く違和感を持たなかった。 何も理由が無いという訳ではなく、誰かに命令されていたような感じだった。 多分、AirPodsみたいな物で命令を受けていたのだと思う。 撃ち殺そうとしていたのは女子一人と男子一人。よく覚えていないが結構仲の良い子だったと思う。 朧気だが、男子の方は習い事か部活が同じ子だった。 女子の方は親友とも言えるほど仲の良い子で、習い事が同じ子だった気がする。 混乱で頭がぐちゃぐちゃになっていた私に友達が、 「しょうがないよ」 と言った。 私は友達が何を言っているのかが理解できなかった。 (撃ち殺されそうなのにしょうがない?) さらに頭が混乱してきた私にAirPodsから声がして 「早く殺らないとお前を殺る」 と声がした。 私は泣きながら 「ごめん、ごめん、ごめんね、」 と言い引き金を引いた。 すると二人は泣いているように、困ったように笑った。 次の瞬間、視界が真っ赤になり花が咲いた。 (返り血だ) その時だけ頭の回転が早かった。感触が嫌に生々しかった。 友達を自分の手で殺してしまったという混乱、焦り、悲しみで頭が真っ白になり私は過呼吸になり倒れて夢から覚めた。 夢から覚めても気持ち悪い感触が拭えなくて、しばらく手をずっと見つめていた。
やってしまった
人が恋に落ちるのは突然で、 意味のわからない人だったり、時だったり、いつの間にか好きになっていたりする。 私もその例に漏れず、いつの間にか彼を好きになっていた。理由なんてわからない。 剣道部で接点は多かったものの、私は最初その人のことが嫌いだった。 いつもスカしている顔、人を小馬鹿にしているような話し方、なのに運動神経や頭が無駄にいいところに腹が立つ。 好きになってからもそれは変わらなかった。 部活の時、些細なことで言い合いや、煽り合いをしていた。 突然だが剣道は試合の時に声を出すのは皆さんご存知だろうか。しかも女子は高い声を出さなければいけないのだ。 私は元々地声が低い方で、高い声を出すと声が枯れてしまう。 それを治すために、研究して高い声を出す練習をしていた。これがとても大変で未だ完璧に出来ない。 練習中、苦戦しながら声を出していたら彼が煽ってきたのだ。 私の中で何かがプツンと切れた。周りの目もはばからず、大声で 「お前はいいよな!声出てないくせに先生に何も言われなくて」 「人の気も知らないで好き勝手言いやがって」 「お前に私の気持ちなんてわかんねぇよ」 と言ってしまった。 今思えばちょっとからかわれただけなのにだいぶひどかったと思う。 私は泣きたくなった。 軽い気持ちで言われた言葉に対してムキになってしまった。 ましてや好きな人だ、嫌われたくないという思いが頭を駆け巡った。 やってしまったという顔で彼を見た。 そしたら彼は 「ごめん」 と言って困ったように笑っていたのだ。 その笑った顔に救われた反面、自分が汚く、黒く思えた。
剣道で始まって、剣道で終わる私の片思い。
好きになるなんて最初は思ってもなかった。 いつもおちゃらけてる不真面目な先輩兼友達。 でも、その日は突然だった。私が大会で負けて泣いている時、 「これから何万回って勝つんだから、 一敗くらいで落ち込むなよ!」 そう言って私の頭を撫でて励ましてくれた。 その瞬間、時が止まった気がした。 私は生まれて初めての恋をしてしまったのだ。 ”叶わない恋” 正直最初は認めたくなかった。 (なんでよりによってこいつに) と思った。 でも徐々に惹き込まれて行った。 その人は中三、私は中一。 もう卒業してしまう。 ケジメをつけるためには告白するしかない。 でもどうしても勇気が出ない。 その結果私はLINEで告白をした。 結果は予想通り 「No」 でも、私は泣かない。 わかっていたし、何よりケジメをつけるためだ。 付き合って欲しくて言った訳では無い。 次の恋をするために、私は前を向く。