詩季

5 件の小説
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詩季

ジャンルは特に決まっていませんが気が向いた時に思い浮かんだお話を書きますのでよろしくお願いします🙇‍♀️ 投稿後に再編することもあります🙏

 月見草の憂鬱

また眠れない…… 眠剤も飲んで、2時間は経ったのに ベッドの天井を見つめながら、くだらない事ばかり考え、より眠りから遠ざかる チッ…チッ…チッ…チッ…チッ…チッ… 時計の音が気になる…… 布団に包まりながら、時計に目をやると もう、夜中の3時……  (早く寝たい) 夢も見ないくらい、深い眠りに……… 何も考えず、ただひたすら、眠りたい 現実の嫌な事も忘れて………………………

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 月見草の憂鬱

  酷形恐怖症

   また鏡の前にいる 鏡に映る自分が醜くて嫌い 気持ち悪い 気持ち悪い 気持ち悪い 気持ち悪い 気持ち悪い………………… 綺麗になるためなら化粧も整形もやれる事はすべてやった だけど、満足できる顔にならない どうして?なんで? こんなに努力しても綺麗になれない 外を歩けば、人の目が気になる      笑ってる たくさんの目が私を見て笑ってる       クスクス…… 醜くいから?私が醜くくて、みんな笑ってる みないでみないでみないでみないでみないでみないでみないでみないでみないで      また鏡の前にいる      赤い口紅を塗る  彼が後ろから腕を回してこう言う     「エレナ、今日も綺麗」     「赤い口紅も似合うよ」     「ほんとに綺麗?」     「この口紅、似合う?」 「うん!すごく綺麗だし、赤い口紅も似合ってる」 彼は優しくそう言う……… でも、あれは本音じゃない………… 思ってない………………………………………… 嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘 ……………………うそつき…………………………      私、知ってるの 彼が最近、女の人と楽しそうに話してるの見たの………とても綺麗な女の人………… 私といる時よりも楽しそうだったわ 彼女も、私を見て「綺麗ですねって」お世辞を言うの いつか彼が私を捨ててあの女の人と………   (私が醜くいから捨てられる)           「ねぇ、私のこと好き?」    「いまさら?当たり前だろ」    「言葉でちゃんと言って」    「…エレナが好きだよ」    「少し間があったから嘘ね」 「なんでそーなるんだよ、改まって言うの恥ずかしかっただけだ」    「ほんとに?」        「ほんとだよ」 ………あの女の人と私、どっちが綺麗?    「エレナ……」 お昼来たあの女の人はエレナの新しい主治医だよ 今日は様子を見に来てくれたんだ エレナ、最近は病院行ってないだろ? 薬も飲んでないし………… 俺、心配なんだよエレナ………    また鏡の前にいる エレナはずっと鏡の前で独り言を呟く       醜くいと思い込んでる……… 君は綺麗なのに……醜くいと思い込んで 鏡の前でずっと鏡の自分に呟く

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  酷形恐怖症

necrophilia

私は幼少の頃から収集癖があった とりわけ、美しい生き物に魅了された 夏休みになると、母の田舎の山で大好きな昆虫採取に明け暮れた 昆虫の中でも私が夢中になって探したのは、蝶々 色鮮やかな羽をヒラヒラと舞う姿はとても美しく、時間を忘れるほど追いかけた やっと捕まえて虫籠に入れ家路に着くなり、籠の中で羽をヒラヒラと動かす色鮮やかな蝶を見ていると、私は何故だか幸せな気持ちでいっぱいだった だが、その幸せも永くは続かなかった…… あの美しかった鮮やかな羽がボロボロになり、見る姿は無惨だった…… だから、美しいまま永く保てる標本にした 生きていれば、いつか朽ち果ててしまうから、だから美しいままいられるよう眠らせる   永遠に変わらず美しいままいられる 月日は流れ、大人になった今も、相変わらず美しい物が好きだった 付き合っていた莉奈もまた、美しく、私を癒してくれる存在だ ずっと変わらずこのままいられたら…… どんなに幸せだろうか 私は考えた…莉奈もいつかあの蝶のように朽ち果ててしまう日が来るのではと……      ……怖い      ……見たくない    「莉奈を眠らせなきゃ……」 ずっと変わらず美しいまま一緒にいられるんだ      「幸せだね、莉奈」

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necrophilia

永遠の死

  どれだけ歩いただろう   歩いても歩いても先は見えてこない…… 一筋の光もなく、あるのは暗闇  (夢だ、これは夢なんだ) 目覚めれば、いつも寝ているベッド 俺は目を閉じ顔をおもいっきり叩いた     目を開けると同時に絶望した…… 目の前の光景は先程と変わらず漆黒の闇        「もう…歩けない…」     「このまま俺、死ぬのか?」       「誰か!誰かいないのかよ!」 俺は初めて、死を目の当たりし、絶望した……      “”その時だった“” 俺の首にチクッとした痛みと、背後に人の気配がある⁉︎ 確かめようとした時には、頭が朦朧として、俺はその場で気を失った……        「…さん、…さん」   「聞こえますか?」                  (誰…かが…呼んで…)     「佐伯さん、気分はいかがですか?」 まだ、ぼんやりとした頭で、状況が飲み込めない中、俺は病院のベッドにいた そこには、数人の医師と看護師もいた     (これは現実か?) さっきまで暗闇で独り、死にかけていたはずじゃなかったのか? 混乱している俺に医師がこう説明した…  「佐伯さん、今回の臨死体験の治験はこれで終了です。」 「臨死体験?治験…」   そうだ!俺は自分からこの実験を受けた 借金で首が回らなくなっていた俺は、知人の紹介で変わった治験があると聞かされ、500万という大金に飛びついたんだ やばいとわかっていたが、借金が返せるならと…   「マジで死んだかと思いましたよー」 「先生、これで終わりですよね!成功したんですよね!」 佐伯さん… 忘れてしまったんですか? え? この治験はまだ終わりじゃありませんよ これから1年は続けますよ 実験前にも説明したじゃありませんか ほらっ、この契約書にも佐伯さんご自身がサインしてますよ? そ、そんな… 1年間、この投薬で臨死体験して成功すれば、ちゃんと報酬は差し上げますから心配なさらず 死ななければいいんですからね      佐伯さん

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永遠の死

アイビーの花嫁

貴方が私から消えて2年経つ 去年まであんなに貴方の顔も声も鮮明だった 今じゃ顔がぼやけ、どんな声だったか? 頭の中から霧がかったようで遠くに感じる… 存在してた貴方は私の記憶からどんどん遠ざかり、いつか消えていくの?       ……夢 また貴方の夢をみたのね 薄れゆく記憶でも夢の中では貴方はずっと私の中に存在してる これからもずっと変わらず一緒よ    永遠に私の中で生き続けるの…

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アイビーの花嫁