Ame

4 件の小説
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Ame

たくさん小説を読むことが好きです。 自分でも小説を書いてみたいなと思いつつ、なかなか言葉を綴れません。

「来年は一緒に桜を見よう」 そう言った日から、毎年あなたと桜を見るようになった。 今ではもうすっかり歳をとって、この場所へ来るのも一苦労だ。 それでも必ずこの場所で桜を見る。 小高い丘の上に、ぽつんと1本だけ生えた桜の木。 何十年、何百年、たくさんの人の逢瀬を見守ってきた。 今年もまた、愛し合う2人を見守る桜。 とても美しい…。 「あなたは相変わらず泣き虫だね」 「あなたはあの日から変わらないね」 あぁ、どうか桜よ散らないで。 この逢瀬が永遠(とわ)に続くように−−−。

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桜

お出かけ

数日ぶりに家を出た。 時刻は午後5時半。 相変わらず冬の外気は冷たい。 マフラーに鼻まで埋める。 あったかい。 外は薄暗く、道行く人はまばらだが、車は多い。 駅までの道を足早に進む。 寒い。 暖房が効きまくっている待合室で暖まろう。 駅に着くと、待合室は人がいっぱいだった。 それに電車の時間も近い。 このまま電車に乗ろうと思い切符を買う。 自販機で温かい飲み物も買おう。 これで準備万端だ。 さて、これからどこへ行こうか。 目的地のないお出かけは、始まったばかり。

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お出かけ

水と光と私 (夢)

目を覚ますと水の中にいた。 どうしてとか、息が出来ているとか、そんな事を考えるよりも先に、目に映る光景に見惚れた。 水の中に差し込む陽の光が、何にも遮られることなく真っ直ぐ伸びている。 そしてその光は私を優しく照らし、暖かな温もりを持って包み込む。 穏やかに、緩やかに、私は水底に向かって沈んでいく。 まるでオーロラのようになびく陽の光を見つめながら、どこまでも、どこまでも−−−−−。

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水と光と私   (夢)

キンと冷えた闇が、私の世界を支配する。 真っ暗な部屋の中、私は布団に入りスマホを見る。 最近始めた2つのチャットアプリは、どちらも通知はない。 寂しい夜に話し相手が欲しくて始めたのだが、自分から他人に話しかけられない私。 受け身な私のトーク画面には、『まだ話し相手がいないよ』と表示されている。 あぁ、今日も寂しい夜が続くのか…。 眠れない夜を、朝日が登り切るまで耐える。

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夜