雨と霖
3 件の小説空を…
どこまでも続く空 とても広くとても遠く けれど近くに感じられる 暖かい日差しの元 私は空を飛んでいる 人間いつまでも空にいることが出来るわけではない 人には出来ない事を私はやっている 何も出来なかった、 役立たずだったこの人生 唯一の誇りと言えようこの成果 どこまでも空を飛ぶ 空を飛ぶ 空を… いつしか体の重みも消えてって 私は空の一部になるの 空になったら沢山の人に気がついてもらえる、見てもらえる 苦手な人には雨模様 好きな人には晴れ模様 そうね…春は桜の花吹雪が良いかしら そう妄想しながら空を飛ぶ どこかで鈍いような音がしたような… それでも良いの 私は既に空の一部
大嫌い
自分のことがきらい 何も出来ないところが嫌い 全てが嫌い、みんな嫌い でもね、一人だけ私の頑張りを知っていて1番励ましてくれる。 一緒に泣いてくれる、悔しがってくれる いつも泣かないでって涙を必死に止めようとしてくれる 号泣したい時は泣く事を許してくれる 嫌いで、喧嘩したくなる時もあるけれど 自分は1番の見方だね
心の心
「今日のゲームはすばらしかった!」 父に褒められたのはいつだろう それからいつも練習に励んだ。 もう一度あの喜ぶ顔が見たかった 家で、学校で、公園で、何度もボールを打ち続けた けれど歳が上がるにつれて褒められるなんてなくなった。 いつしかお前がいれば勝つのは当然だと父もメンバーも思うようになっていた 高校3年へ上がる頃にはその思い出が僕の原動力になっていた 勝ちたいと努力するメンバーと思い出に縋る僕。 練習時間に差はないがプレースタイルに差が出てきた。 そんな時新しく一年に強力な新人が入ってきた。 「お前は個人で勝とうとしてるだろ」 その一言で僕はチームから除外された。 新しく入った彼の方がチームワークがよく僕がいる時と比べて格段にチームは強くなっていた。 父からはもう何も言われなくなった 声もかけられなくなった 期待外れでごめんなさい… 元チームメイトからも声はかけられなくなった 目線が痛くて僕は学校へ行かなくなった 部屋にひたすらに引きこもった とても寂しかった 心の穴はいつまで経っても埋まらない でも僕は間違ってない だから寂しいなんて認めない ある日フシギな夢をみた 目の前にうさぎがいて話しかけてきた 「ねぇ、あんたさびしいのでしょう?」 「ちがう!」 「そう…あなたが消えればあなたは辛くなくなるけれど… あなたが寂しいと言うのならいつでも変わってあげる」 「五月蝿い…僕は間違ってない」 「間違っているのと寂しいは全く別物の話だわ? ねぇ一度変わってしまいなさいよ楽になれるわ」 心に宿る気高き獣も一度虚しさを覚えた為に兎にのまれ消えていく 「さようなら…今までの僕」 うさぎの手を握った途端ぼくの意識は暗闇へと投げ出された そして二度と帰ってくることはなかった ぼくの本当の心はどこにあるのだろう 今もただひたすらに彷徨っているあの獣 二度と帰ってこないでよ あなたが心にいるだけで僕は辛いから