如月 響
4 件の小説two 〜親友との日々の物語〜
第一章 〜強くない心〜 僕は知っている。彼女の心には彼しか見えていないことを。 僕は知っていた。二人が会っていた事も…。 新調した服がそれを物語っている。 僕に会う時は、オシャレなどそこまでしない彼女が、彼に会う時だけ……。オシャレをしているのだ。 三年前から…きっと好きだったはずだ。 僕は何を浮かれてた?彼女に気がないのなんて…自分が分かってたじゃないか。 心は張り裂けそうだった。だって、彼奴と再会した以上…彼奴のところへ行くに決まってるし。 何を脅えていた?僕は何で彼女を好きになったんだ?? 愛って何?? 二人が両想いでは無いこの状況をどうすればいいんだろうか。
me and you〜僕と君とのLovestory〜
第一章 五月の初め 五月の初めに付き合い出した俺ら。 俺は「髙橋 漣」。今年で「二十八歳」になる。 彼女は「宮崎 美瑠玖」珍しい三文字の名前の子である。 俺と彼女は一年付き合っている。 1月は友達になった日。記念日が増える度に、胸が苦しい時もあったが、幸せだった。 いつからだろう。俺達の世界が変わったのは……。 俺は君しか見てなかったのに。君は誰を見ていたのだろう。
未完成な子どもたち
俺の名前は…いや、教えなくてもいいか(笑) 俺は、「反社会性パーソナリティ障がい」 昔は「反社会性人格障がい」って言われてた病気だ。 要するに…「空気が読めないというか、やってはいけない事の区別がつかない病気」 ちゃんとした病名なのに、なんか辛い。 俺もなりたくてなったんじゃないのに。 俺はこの病気に悩まされていた。 人を痛めつけるのが快感になっていった。 まだ高校生なのに。 最初は猫の解体から始まり、色々なのに手を出していった。 と言っても、自死で幕を閉じるのだが。 僕の過去の話をしてみようと思う。
勿忘草〜ワスレナグサ〜
〜プロローグ〜 貴方を忘れて…他の人を好きになればいいのに なんで私は貴方のことが好きなの? 忘れたいの。こんなに心を抉られるとは。 私から貴方のことを忘れるなんて出来るのかな……? 最初の彼との出会いは、小学からの付き合いであった。 第一章 好きなところ 優しいところが好きだった。 あなたの髪の匂いが好きだった。 あなたの寝顔も愛おしかった。 全部好きだった。 だからこそ、無視されたのが辛かった。 私は声を掛けたのに…。 何で?そんなに嫌い? その後に思い知らされるのです。 彼が、どうして無視をしていたのかを。 私は分からなかった。 彼が本音を隠していたことを。 第二章 好きだから、選んだ道 君には分からないよね?きっと僕の気持ちは…… 小学校から高校まで一緒だった彼女。 彼女の名は「中村 百合」という。 普通にスタイルもいいし、性格はいいし、大好きだった。 忘れたいくらいになるくらい好きだった。 僕は、高校時代の時に「突発性難聴」という診断を受けた。 この難聴の場合は「治療」が早いと治る病気なのだが……僕の場合は、「ただの体調不良だから寝れば治るよ。きっと」 と浅はかな考えだったのと、「家族に言えなかった」ことが重なり、結果「突発性難聴」から「感音性難聴」になったのであった。 聴力は補聴器を付けても聞こえず…… 外を歩く時だけ付けていた。 本当は、付けたくないのだが、付けないよりはましだから付けていた。 聞こえは、普通の人の声が全く聞こえないよりは、少し聞こえるかなという程度。 聞こえが悪くなったのは、「高校二年の時」 「大学」に入ってから全く聞こえなくなった。 普段は「筆談」と少しだけ「手話」も使える。 手話で話せればいいなと思っている。 今は勉強している。 簡単な手話なら可能である。 「筆談」は面倒では無いが、何となく「中途失聴者」になった僕は受け入れられなかった。 「聴者」の人とは結局違うのだ。 僕らみたいな「中途失聴者」の気持ちなんて……。 知り合わなければ、どんなに楽だったろう…。 なんて思いながら、大学生になりました。 第三章 本当の気持ち 私は「百合」。 最初の彼の話は置いておいて、今私は彼氏がいる。 無理やり忘れたくて、「彼氏」と付き合ってる。 彼にはまだ「最初の彼が好き」だということは告げていない。 本音など言えるわけない。 突然彼から「振られた」くらいしか言ってなくて……。 別れを告げられた時は泣いたなぁ。 泣き崩れながら、彼は去って行った……。 声を絞り出しながら…。 時々詰まってるような言い方……。 あれがもしかして変化だった? ようやく答え合わせができた。 何で気づかなかったの……。 ごめん、私ばかりわがままだったよね? 遅いよね。今更好きになっても。貴方はきっと他の子が出来たはず。 私に彼が出来たように……。 ねぇ、貴方は今……幸せですか? 貴方の幸せは私の幸せです。 今更なんでかな。 涙が溢れてくる…。 第四章 涙の理由 僕の話に戻ります。 僕は今…好きな人はいません。 でも、信頼出来る友達は出来たよ。 ずっとお前を想ってた。 だから、誰も作らなかった。 彼女とか居ても絶対傷つける。 なら要らないかなって。 声は出せるが、最近は全然出していない……。 彼女にまた会ったら声……出せるかな? 「中途失聴者」の人は声は出せるらしい。 家族ともまともに話せてないと思う。 耳のことで苦労をかけたから、苦労は掛けたくないという一心で、一人暮らしを始めたのだ。 僕には弟と妹が一人ずついる。 2人とは「口話」と「手話」どちらもする。 「口話」とは「ろう者」や「中途失聴者」の人が「口を通じて話をする」事を言う。 声は出るので、出そうと思えば出せる。 出すと、聞こえると勘違いされるので極力話してないのだ。 筆談以外には……スマホのメモ機能を使い話すこともある。 機械化が進んでるので、「電子メモ」を使ったりとかもしてる。 大学生になると聞こえが邪魔をし、中々講義も進まない始末。 中々進まないが、親友の助けもあり、何とか頑張っている。 声が聞けないのは辛い。なんでこんなに辛いのだろうか。 パソコンテイクしてもらうくらいまででは無いので、中々線引きがしずらいのが現実。 頑張ってはいるものの、キツい。 着いていくのに必死だった。 あの頃は。 今は君にもいい人がいますか? 俺はまだ君の事好きなんだ。 傷つけるの分かってて一緒になんて居れるわけない。 もう守れないと思っていた。 あの頃は。ずっと自分の惨めさに何も出来なかった。 ただ逃げたかっただけかもしれないけど。 第五章 元彼が……。 私の話に戻ります。 彼を見つけたのは、大学を卒業して、「3年後」でした。 私は彼を見つけたのですが……走って逃げてくばかりの彼。 何でと思っていました。彼が声を忘れるわけないと。 彼は私の声に何も反応していなかったのが分かりました。 無視とも違うのが辛い。 彼は逃げました。二回目に会った時は、「手話」で話してるのが見えました。 耳がやはり聴こえてなかったみたいで……。 最初会った時は、無視だと思ってたの に 彼と話したいと思い、連絡先を元親友の「稔」に聞いてみました。 彼も知らないらしい。 ということは知ってる人少ないの? 誰に聞けばいいかも分からず時は過ぎました。 結局彼とはあの日以来会えてません。 彼はどこで何をしているのか分からぬまま、二十八歳を迎えました。 第五話 君の隣は……誰? 僕はとある仕事をしている。と言っても事務なのだが。 取引先が丁度「鶴城製作所」だった。 小さい会社で、新人の事務の子がこちらに向かってくるらしい。 誰だろうかと思い、ドキドキしながら待っていた。 来た女の人は……「元彼女」でした。 びっくりした僕は二度見してしまった。 彼女も同様だ。動揺止まらない僕らは気まずかった。 取り敢えず、スマホに文字を打ち、会話を始めることにした。 「元気?」 「うん。元気。そっちは?」 「まぁまぁかな」 「そっか。仕事は?」 「事務かな。」 「同じ職ということは……社長が言ってた先輩って。元カレ。」 「書くな。まぁそうなるね」 「そうなるか(笑)久しぶりにご飯行かない?」 「いいよ」 こうして元彼女とご飯へ行くことに。 第六章 思わぬ再会 久しぶりに胸が高鳴った。 と同時に複雑な気持ちではあった。 何故なら長い間会ってないからだ。 何を話したらいいか迷っていると、頼んだ品が運ばれてきた。 頭を下げて、いただきますという思いで頂いた。 美味しそうなパスタが届いた。 向こうは、「ジェノベーゼ」、僕は「ミートソースパスタ」を頼んだ。 美味しそうに頬張る所は相変わらず変わってなかった。 変わってないところはあるのだと実感した。 僕だけは、色々変わってしまった。 彼女は楽しんでいるのだろうか。 今という瞬間を大切にしてるのだろうか。 もう新しい彼氏はいるのだろうか。 複雑な気持ちのまま会計になった。 第七章 すれ違う心 過去の話に戻ります。 別れたのは高校三年生の時です。 でも、耳は聞こえてたと思ってました。 本人からは 「実は……高校二年生の時は隠してた。気のせいだろうって。聞こえが悪くなったのは大学一年からだった。その時は補聴器で聞こえてた。全く聞こえなくなったのはぶっちゃけ覚えていないんだ」 と、スマホのメモ機能で話していた。 私の親友の「美琴」は「手話講師」をしていることを思い出した。 「手話学んだら……きっと彼と話せるかもしれない。」と思ったが、そんな安易な考えは辞めた。 相手を傷つけては意味が無いから……。 どうしたらいい?私はどうしたら良かった……? 私も彼氏がいる。 簡単に踏み込んではいけないと思っていたが。 私には正解が分からなかった。 第八章 彼女には……彼が 僕の話に戻ります。 彼女に彼氏がいるのは……知っていた。 たまたま「女友達」と手話べりしていたら……会ったのだ。しかも手を繋いでいて、目のやり場に困った。 僕は友達だったのだが、勘違いはされていただろうが。 まぁ、別に僕は何も構わないと思った。 取り敢えず、仲睦まじい所を見るとは思わなかったので、複雑な心境だった。 第九章 私の思い 私は、今彼が居ます。名前は「奏」 別れるつもりでしたが、向こうも忙しく中々言えずに居た。 やっぱり彼が好きって言うことが思った。 自分勝手なのは、分かってたけど…好きなんだ。 彼はどうなのかは分からないけど。 なんで私って自分勝手なのかな。 前付き合ってた時もそうでした。 私の意見ではなく…彼の意見だけで動いていた私。 今回も私の都合だけど。ちゃんと別れよう。 そしてまた、よりを戻したい。 私は……何故迷っているのだろうか。 第九章 お互いの迷い 何を迷ってるのだろうか。 僕は大丈夫とか……いつもそうやって逃げてきた……。 恥ずかしいなと思う。 もう素直になろう……。彼女がまだ好きな事を……。 相手がいるかもしれない。それなのに何で浮かれてる……。 なんでだろうか? 僕の未来はまだ分からない。この頃はそう思っていました。 第十章 愛した証を捨てる覚悟 私は最近彼と別れました。 何故かは、なんとなく分かるかなって思うので言いません。 愛がなかった。彼にはというところかな。 中々忘れる事が出来なかった…なのに何故彼を好きと言えたのか。 私はダメな人だな……。 彼は本当に好きでした。 愛してました。 私が言っても気づいてくれないかな。 こうして私の恋は終わりを迎えたのだった。