わさび

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わさび

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おはよう

朝光が差し込んで、あなたの顔が横にある。 素晴らしいことでした。 愛おしい毎日でした。 あなたの匂いが私の鼻腔をすーっと通り抜けて なんとも言えない幸せな気持ちでした。 あなたの柔らかい頬が幸せの象徴でした。 あなたの寝顔は天使のように可愛くて 目覚めの第一声は大体機嫌が悪くて でも何も言わず私に抱きつくあなたがとても愛おしかったのです。いつもは冷たいあなたが、たまに涙を流し、甘えた表情と声でキスをねだってくることがとても愛おしかったのです。 酒は弱いくせに見栄を張って飲むあなたは、いつも頬を赤くして私の横で眠るめんどくさい女だったのですが、とろんとした顔がたまらなく愛おしかったのです。 何を考えているかもわからず、難しい女でしたが私が馬鹿なせいか、とても愛おしく可愛かったのです。 嫌いになりたくてもなれないような 私史上、最高で最悪な女でした。 別れる最後の日、ご飯に行っても あなたは見栄を張って奢りました。 女の子が奢るなんて、どこで見栄を張っているのかわからないですが、そんなところもまた可愛いと思ってしまうバカの戯言です。 あなたが幸せに生きてればそれでいいのです。 朝目覚めておはようという相手がいなくなったことぐらい、あなたは平気なのだと思います。 私は毎日アラームの音が警報のようにうるさく鳴り響く部屋で起床します。 天使の囁きがないものですから、 毎日毎日心はすり減るばかりですが。 次会えたときは、おはようとだけ言ってください。 アラーム音に、したいので。

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3ヶ月

あなたと出逢ったのは2年前だった。 でもあなたと恋人という関係でいられたのはたったの三ヶ月だった。 気が合うし、一緒に居ると自然に笑みが溢れていたし、悲しい時は私の心の傷をぺろっと舐めて癒してくれた。 どうしようもないとき、光をくれていたのはいつもあなただった。 でも3ヶ月間だけ、あなたと居るのはしんどかった。 恋人という関係がついてしまうと人間は、何でもかんでも相手を思い通りに動かせると思ってしまうのだと思う。 彼は私に、“他の男と話さないで” “もっと連絡して” “もっと行動を変えてよ” 覚えているのはこれくらいだけど、きっともっとあなたに制約されていたよ それを愛だと呼ぶ世界もあって、 私はわからなかった。私がこの制約を鬱陶しがるのは私がおかしいからなのかと思って苦しかった。 何かあるたびに「僕はこんなに我慢して君の為に変わってるのに」その言葉を浴びせられた。 彼は変わった。いい意味でも悪い意味でも。 私は無邪気に笑い合える関係性が好きだった。 あなたが何かに真剣に取り組む姿がかっこよかった。でも今のあなたは人生の中心は私で、笑い合うこともなかったの。 私は変わらない。変われない。変わってくれない。 そう言われるたびに自己嫌悪に陥る。 そして気づいたの。彼といちゃダメだってね。 彼といた日々はとても綺麗で愛おしかった。 初めて人と唇を重ねたし、体温で溶け合うことのエロティックな瞬間も、初めてのことばっかりで胸がずっとうるさかった。 そんな日々も長くは続かなかったけど。 彼は私を愛してるから、変わってほしいというし間反対にいる私とあなたの価値観をどうにかして合わせようとした。 私は違う価値観は、違うまま尊重すればいいと主張した。 それが彼にとっては、逃げとして映ったのでしょうね。 「全然向き合ってくれないよね。ずっと逃げてばっかり。もう無理。別れよう」 悲しかったよ。辛かったよ。 あなたと居られなくなることも、あなたといたこの2年と数ヶ月の日々が無くなってしまうような感覚がしたのも。 でもそれより、やっとこの自己嫌悪の種がなくなると思うと私の首は勝手に縦に振られてた。 彼から振ったくせにそのあとも連絡がきた。 なんて酷い人なんだろう。 あなたの気持ちが落ち着けば、私の愛に気づき もう一度と言うけど 私のあなたにすり減らされた心は、どれほどあなたを今でも思っていても、もうあんな感情になることへのトラウマに悩まされている。 でも、あなたには幸せになってほしい。 あなたがこの3ヶ月間でくれた幸せは計り知れない。 寒いと言ったら暖めてくれて 涙を流せば涙をふき強く抱きしめてくれて 悲しいことがあれば「大丈夫だよ」と優しい声で私を包んでくれた。 ねえあなたはどうだったの? 喧嘩ばっかりで私との思い出は汚いものになってるのかな 私もきっと彼に期待してたの。 彼がいつかわかってくれるって わかってくれるということは、彼を変えさせようとしていたことにもなる。 私もあなたも期待しすぎて疲れたのね 大丈夫。私よりいい人はいるしあなたよりいい人もいるのよ。 今は忘れられなくても、日常で出逢う全ての人の優しさを細かく見ていくと、人々の素敵さに気付かされるの。 愛していた。愛されていた。 その記憶だけで充分な気がする。 あなたと愛し合えた日々、たったの3ヶ月。 いや、長い3ヶ月でした。

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電池

「あー電池切れ…また電池買ってこないと」 そう言って機械人形はぽいっと投げられた。 機械人形、というか、この世界は全部電池のようなもので、私たち機械は電池がなくなれば使われなくなる。 ましてや機械人形なんてものは…。 こんなモノに金を使おうと思ってくれる人間は少ない。 大体子供のためだ。 「まなちゃん、今日はなにをする?」 『きょーはね!お医者さんごっこするのお』 「いいね!わたしは何役をすればいいかな?」 『お人形のあいちゃんはー、うーん、そうだ!患者さん!それで私がおいしゃさんになるの!』 小さい子供は無邪気でかわいいし 電池なんていう存在なんかも知らずに私たちを同じ生物のように扱ってくれる。 でもね、私には命があって その命ももう切れかけ。 あなたがまた私の背中を開けて 私に二つの電池を差し込んで またスイッチを押して……… たった少しの作業なんだよ? でもね、人はそれを嫌がる。 “電池を買いに行くのが面倒くさい”からね 『あれえ?あいちゃんうごかなくなった!私、手術しっぱいしちゃったのかなあ?ごめんね、あいちゃん』 そう言って私をおもちゃ箱の奥にしまって ゾウのぬいぐるみとキリンのぬいぐるみ。 いいなあ 彼女たちには命の制限がないんだもん。 私には制限があって、 その制限の上限に達するとあなたと話したくてもあなたの手術を成功させたくても何もしてあげられなくなるんだよ。 でもゾウやキリンは あの子の無邪気な手に、純粋な手に握られて いつまでもいつまでも眩しい笑顔の前で遊んでもらえるんだろうなあ かなしい、とっても。 『こら、お人形さんの電池きれてたらママに言うってお約束でしょ?』 そう言って私を手に取る。 ごめんねママ。動かないんだ昔のようには。 私をずっと前から遊んでくれてたママ。 いや、今はまなちゃんのお母さん…って言うべきなのかな、 わたしはずっと前からあなたの子供で あなたは電池が切れても私をずっと大切にしてくれて。。 『電池あるからすぐママにいうんだよ?まな、お人形さんとお話しできなくなっちゃいやでしょ?』 『えーでも、ゾウさんとキリンさんでいいー』 『そんなこと言わないの…』 お母さんはそう言いながら私の背中を開けて 電池を二つはめ込む 『考えてみて…もし、もしね。まなが死んじゃった時、みんなもうあなたのことなんて忘れて新しい命にすぐに目を向けたらどう思う?』 『やだ!!まなのことおぼえててほしい…』 『でしょ?それとおんなじ。お人形さんも、まなのこと大好きでずっとまなのこと忘れないの。だからまなも忘れちゃだめ』 そうして私のスイッチを押す。 『わたしもずっと、忘れたくないから。だから何年経ってもこのおもちゃ箱にいれてるんだ。』 懐かしいあなたの瞳。まなちゃんよりもよく見たあなたの顔。 『私はあい!今日は何するひとみちゃん!』 久しぶりに呼んだあなた、いや、ひとみちゃん…じゃなくて まなちゃんお母さんの名前。

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交差点

あの交差点で、 もう一度だけ私の横を通ってくれないかな 5年前のあの日、私とあなたの赤い糸が切れた日に戻って、ね。 この交差点はいつも人でウジャウジャしてて 人の顔なんて全ておんなじに見えるし 性別だって見極めてる暇もないくらいに人で溢れかえってる。 だけど、あなただけはいつもはっきり見えた。 好きな人ってどうしてこんなにも煌びやかなオーラを放っているのか不思議で仕方ない。 でもここに歩いてる全ての人が 誰かの愛する人であって、 いろんなオーラを纏ってるんだよね。 いつもこの交差点を7時57分にとおると あなたにあえる。 仕事のカバンを持って焦って走る。 人にぶつかりそうになって、ぶつかって 軽く頭を下げながらはしるあなたにね。 私はずーっとみてた。 わたしはあなたようにカバンは持っていなかったし、焦っても走ってもなかったよ 手には何ももっていなくて 私が持っていたのはあなたが私のことを見てくれる欲求。 それだけだった でもあなたはI年ぐらいたったら 仲良さそうに同じ服を着て、同じカバンを持った女の人とあるいてて そのときのわたしは、 私の身からは負のオーラが溢れ出ていたんじゃないかなってそうおもってるんだ、へへ でも、あなたはとたんに姿を表さなくなって ゆっくり焦らずぼーっと歩いてる女の人だけを見かけるようになった。 私は困ったわ。 ここにくる意味が無くなったものね。 だから家に閉じこもった。 ずーっと、あなたをかんがえながら。 なんであなたがあの交差点を通らなくなったか長い間かんがえていたよ。 あの運命の希望が本当に消えた、あなたに会えなくなった9月8日。 気づいた時。 そうか、ってちょっと嬉しくなっちゃった。 だからあの女の人は1人で歩いてたんだって 納得した。 あなた、ずっと私に気づいてたんだね。 見てくれてたんだね。 だから、今、わたしは目の前に警察で溢れかえっているわけか。 そこまでして警戒しなくてもよかったのに。 ストーカーだなんて思われてた? そんな汚い言葉の愛じゃないのに。 あなたをみてただけ…ただそれだけ。 でもいいわ。 ある意味であなたに人生の交差点 いいや、分岐点をもらってしまったのね  

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栗ご飯

秋、というのももう場違いな気がする11月。 栗ご飯の匂いが家中に漂って、鼻腔をくすぐられ食卓に目をやる。 栗ご飯が並べられていた。 「今日の晩御飯は栗ご飯だよ」 ばあちゃんの掛け声で席に座る。 俺はばあちゃんの作る栗ご飯が好きだ。 甘くて甘くて、小さい俺には最高だった。 ある日。 小学校の家族を自慢しようという発表会があった。 前の席の子が発表する。彰人くんだ。 「オレの自慢は、お母さんです!なぜなら、いつもローストビーフを作ってくれるし、ジュースも飲ませてくれる最高なお母さんだからです!」 いろんな家庭の親が拍手をする。 そして俺の番。 「僕の自慢は、おばあちゃんの栗ご飯です。なぜなら、とても甘くて僕好みだからです。たまに出てくるのも幸せ度が高まります、!」 なぜだか教室はシーンとした。 聞こえるのはかすかな笑い声だけだった。 そして先生がいう。 「あ、あのね大和くん。これはご両親の自慢でおばあちゃんのは、その家族なんだけど、えっとね、、」 家族の発表会、と言っているのに何と言うおかしなものだと、今は思う。 でもその時はみんなの笑い声に包まれて沢山の人からの目に耐えられなかった。 「…それでも僕は、おばあちゃんの栗ご飯がすきなんだっ…」 小さくつぶやいて、次の人の番になった。 これがトラウマで社会人の今でも、栗ご飯の話はできていない。 変わらず好きなままなんだけどなあ。 「大和くんは好きな食べものもかあるの?」 合コン相手の女の子にきかれる。 「まあ、そうだな、なんだろ…」 栗ご飯、栗ご飯、栗ご飯。 それしか思い浮かばなかった。 でもきっと笑われるんだろうなと、思ってしまった。 「とくに、ないかな…笑」 気持ちを隠した。 「え、そーなの?私、栗ご飯すきなんだ!」 目の前にいる女の子がそういう。 その時、俺は勝手に口が動いていた。 「そうなんだ!俺もすきだよ、そうだ。思い出したよ。本当に1番好きなのは栗ご飯だ。」 「奇遇だね、栗ご飯、おいしいよね。」 「本当に、ほんとに、おいしいよ…栗ご飯」 あの参観日の日から、ばあちゃんは栗ご飯を作らなかった。 俺のため、なんだろうな。 俺はいつもいつも、待ち遠しかった。 あの、鼻腔をくすぐる、あの匂い。 でも1番鮮明なのは、ばあちゃんの匂いだ。 「なあばあちゃん、また、作ってくれよ…」 冬に入りかけの季節。 ばあちゃん、そっちは寒いかな?

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栗ご飯

ありのままで

なにも思い浮かばない時は寝たらいいし やりたくて仕方がないって時は体の思うまま動いて仕舞えばいいし 辛くてなにも出来そうになくて、なにを言われても無理しんどいって時は泣いたらいいし休んだらいいし わがままだって分かってるけど自分の意思を通したい時は通してみるというチャレンジをしてみたらいいと思うし それがもし無理だったとしても、断られたということに悲しむ必要は全くなくて 違う選択肢を選んでくれたって思えばいいと 思うんだよね。

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ありのままで

あいす、溶。

暑さが肌をヒリヒリと焼いていく。 今年の夏は猛暑だ。 そして、君と再会した夏でもある。 「え、なんでここにっ、」 驚きで言葉がうまくでなかった。 持っていたアイスもするっと手から落ちた。 「お久しぶりです、せんぱいっ」 日傘をさしていた。 日陰の下でにこっとはにかむ顔は太陽のせいか眩しくて直視できなかった。 再会、というものは嬉しいことだ。 この子は中学時代の後輩、のどかという子。 「先輩、焼けましたね」 あまり変わってない気がしたけど 雰囲気が全体的に大人びていた。 話し方も、目の使い方も、声のトーンも。 「ああ、部活がんばってるからっ!」 まるで俺の方が後輩みたいだ。 何だか焦って声が裏返ったりして。 「ちょっと、時間あります?」 懐かしいこの言葉。 2年前の中3のとき。 のどかに俺は告白されたんだ。 『ーーー先輩、すきです!!』 勢いのまま俺に手を伸ばした。 でも俺はその手を握ってはやれなかった。 「懐かしいですね、よく一緒に帰ったりしてくれて」 「まあ、後輩だったからな」 「後輩、ですもんね」 その一言に沢山の意味が込められてた。 「先輩、コンビニ寄りましょ。アイス奢りますっ」 俺の手をぱっと掴んでコンビニに入る。 さりげなくこういう事をしてくると、ちょっと心が揺らぐ。 「んー!!アイスおいしっ」 口にアイスを運んだ瞬間、目を閉じて幸せそうな顔を浮かべた。 …かわいい。 無意識にそう思った。 「俺、この後また部活なんだよ。もう行かなきゃ」 「じゃあこのアイス食べ終わったら、!」 そうわがままを言われた。 仕方ない、かわいいから。 「そんなゆっくり食べてたら溶けるぞ?」 「溶けたらまた買って一緒に居られるでしょ?」

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あいす、溶。

表裏

明けない夜はないように、病まない雨もない。 でも果たしてそれは本当だろうか? 交通事故に遭った男性。 頭を強く損傷し、目に傷が入り目は見えなくなったそうだ。 義眼をつけて生活しているが彼にとっては毎日夜の世界が見えているんだろうな。 そしてその男性の横にいた可愛らしい女性。 男に人にぴったりとくっついてる。 微笑ましい姿だな。 でも彼女は毎日目が腫れている。 私の事を見つめたくても見つめられない彼氏が目の前にいて。 ごめんと悪くもない彼氏が謝る姿。 そして何もしてあげられない罪悪感に苛まれて毎日涙を流してる。 彼女の中では毎日雨が降っているんだ。 そして私が見ている子供の中には、毎日元気な子がいる。世間的にいえば障害者、脳の発達が遅れている子だ。 その子は何をされても笑っているし、みんなに気持ち悪いと避けられるが笑う。 でも何が障害なのだろうか? 笑うことは良いことなんじゃないだろうか? 彼の心はいつも晴れに見えて、もしかすると心の中は悲しみの豪雨や落雷かもしれない。 見えないものは、わからない。 目が見えない人は想像の世界で朝を作っているかもしれないし。 毎日泣いている彼女は、寝ている時だけは笑っているかも知れないし。 毎日笑っている君も、ほんとは苦しんでるのかも知れないし。 表面だけを見ないであげて。 明けない夜の裏側には、何かあるから。 毎日眠れない日々を送っている人。 朝が来るたび、憂鬱になるだろう。 そんな人にとっては明けない夜は、なんて素晴らしいものなんだろう。 ほら、ね。 人それぞれ感じ方が違うから。 違ってていいんだよ。

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暑い日のこと。

太陽が照りつける空の下で私は泣いた。 先輩の引退だ。 今日は最後の試合、総体だった。 3年生の先輩達はいつも通り楽しくやってた。 私も出る試合の本数が多かったから、何も思わず自分のベストなものを出せるように何も考えないようにしていた。 1レースが終わり、ほっと腰を下ろす。 このレジャーシートの上でみんな固まって過ごす時間を何回繰り返してきて、何回はやく試合が終われと願った事だろう。 今ではそんな気持ち、全くわかない。 「ひゃっあっ!」 先輩が私の頬にスポーツドリンクをあてる。 冷凍して固まっていたもの。 私はいつもこの飲みはじめの甘い部分だけ飲む。 「すきだろ、スポドリ」 「はい、めっちゃ好き」 「飲みたいとこだけ飲んでくれていいから」 そういってちょっと笑った。 先輩の顔、まぶしい。寂しい。大好き。 色んな感情が胸のうちから込み上げる。 喉元まで色んな感情が込み上げてきて、すぐさまトイレに駆け込んだ。 別に、不快な気持ちはなくならなかった。 レジャーシートの下、日陰ができてる。 私と先輩、並んで話す。 「先輩、おわかれしたくない。」 「、俺も」 「引退しても部活きてくれる、?」 「わかんない」 曖昧な関係も、引退したいものだ。 先輩達の最後の言葉。 太陽が沈みかけていたころ、お別れ期。 「つぎ、宮下からお別れの言葉だ」 そういって先輩は前に出てくる。 ちょっと深呼吸してから、こう言った。 「俺、後悔してます。みんなともっと関わらなかった事、今更言っても無駄です。分かってるけど、ほんとに悔しい、別れることが。悔い残らず引退できるよう、2年は頑張ってください」 それだけだった。 私の方ちらっとみて、戻って行った。 私、次は涙が込み上げてきた。 さっきみたいに引っ込めばよかったのに、飲んだスポドリも全部一緒に流れた。 帰りの電車、先輩と2人。 先輩は座る私の前にたって顔をじっと見る。 「ねえ、せんぱい」 「なに、」 終わらない関係だってわかる。 曖昧な関係だよ、ずっと、多分。 夏の日差しにやられて仕舞えばよかったのに。 先輩、負けなかった。 今回の敵、強かったのに。優勝したよね。 私は負けた、色々と。 「すきです」 電車の窓から夏の終わりの夕陽が差し込む。 先輩、さようなら。

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暑い日のこと。

甘くなったコーラ

暑さが厳しい。 そんな日も私は泳ぐ泳ぐ。 早くなるために。大会でいい記録を出すために。 顧問から言われてやってみれば、いいタイムが出た。プールから上がって息が荒ぶる。 でもはあはあ、と言いながらも全て喜びの音だ。 家に帰る。 ソファーへすぐに駆け込んで、スマホを手にとる。 親がバーガーセットを買ってきてくれた。 私の好きなテリヤキ。ありがたい。 コーラと一緒にバーガーが喉元を通れば、幸せしか感じない。 疲れ果てた体に最高の栄養分であった。 冷たいコーラはしゅわしゅわとしていて、脳にジーンと染み渡っている気がする。 そして私はまたソファーに横になる。 何だか、うとうとしてきた。 そのまま、私は眠りに落ちる。 そして起きて机にコーラが置かれたまんま。 2時間ぐらい寝てしまっただろうか… コーラを飲めば氷が溶けていて甘い。 私は捨てた。 カーテンから漏れ出ている光を見ると、何だか懐かしい気持ちになれる気がする。 去年はああだった、こうだったと。 この感情こそが 初夏の始まりです。

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甘くなったコーラ