ひぐらし
141 件の小説実感
夜に眠れないのは、ツラい。 (あくまでも、個人の感想です)
ハンディファン
ハンディファン、 暑さだけでなく、 悩みと嘆きも、吹き飛ばしてくれないかなぁ。
愛と殺意
分かってしまったよ。君が、俺以外の男と夜を過ごしたことを。 俺じゃ、満足できなかったのかい? いや、それとも、俺の君に対する愛情が重たくなったのかな? まぁ、いいさ。今回は許してあげるよ。 俺にも、君以外に、愛情を注いでいる人達がいるからね。 え?君だけにしろって? それはできないね。 だって、彼らは、俺を求めているからね。 ふっ。何を勘違いしているのだか。 僕が愛しているのは、たった一人だけ。 貴方との関係は、仕事の上でのことですよ。 他の人達も、そうですよ。 貴方は、偉くなり過ぎましたね。 だから、肝心な事が分からなくなってしまった。 仕方がないでしょう?こうなったのは。全部、貴方の責任ですよ。 ああ、聞こえていないか。 さっさと別れてくれればいいものを。 アリバイは、バッチリだ。 貴方は、敵の多い人だった。 みんなが、協力してくれた。 完全犯罪って、案外簡単だねぇ。 ちょっと、楽しくなっちゃったよ。 あとは、彼女との結婚だ。 今度の事、今までの事、全て知った上での結婚。 彼女は、優しい人だ。 大丈夫ですよ。 貴方は、土の下。 僕らは、結託した。 これから、みんな、本物の幸せを掴むんだ。 貴方のようなケダモノは、一生、眠っていろ。
愛と殺意
分かっていた。あの人は、駄目なんだって。 でも、求めた。私は、求め続けた。 だけど、もう、限界だった。 気が付けば、あの人は、死んでいた。 私の手には、包丁。あの人が愛用している物を、私は、この手に握っていた。 愛する息子からのプレゼント。そう、それで、 刺してやった。 快感でしかなかった。 私はね、母さん。ずっと、求めていた。 貴女の愛を。 「堕したかったのよ。あんたは」 と、母。私を前にして、言った。 「だって、長男を産んだんだから、もういいでしょ。でも、お父さんのお母さんが」 父の母、つまり、私の父方の祖母から、 「余裕があるなら、兄弟は多い方が良いって。馬鹿だったわ、私」 私を産んだ時から、自分よりも父の方に似ているせいか、私のことをお気に召さなかったようだ。 それでも、私は母に愛されたいと願い、今まで、顔色を伺いながら、小さくなって、生きてきた。 決定的な出来事があったわけではない。 ただ、そこに母がいて、包丁があった。 ただ、それだけのことだ。 埋めるのも、面倒。 自首をする。 一瞬、兄に負わせようと思ったけど、 それも面倒。 母親殺しの長女。母親殺しの妹。 それで良い。 完璧じゃない? ねぇ、母さん。
私の夏の風物詩
いつからだろう? 天気予報を見なくなったのは……。 多分、 年末には、再び見るようになる。 かもしれない。
我が家の夏の風物詩
湯沸かし器を使わずとも、お湯が出る。
花火大会
夜空に、花が舞う。 夜空に、花が散る。 美しさの極みは、夜空を見上げる、君の横顔。 長い睫毛。きらきらした瞳。 夏が本当に、本当に、どうしようもないくらいに、暑いのだが。 君の横顔を見つめることができているのだから、 まあ、良しとする。
傾向と対策
言われた事に対して、深読みしない。
鬼
母は、私のことが嫌いなのだろう。一つ歳上の兄には、決して見せない表情を、私には容赦なく見せつけてくる。 そう、それは、怒りや苛立ちの表情だ。 母が、兄を叱っているところなど、見たことがない。私においては、どんな些細な事であっても、睨みつけ、何度も何度も、同じような言葉を投げてくる。兄にはまったく見せたりはしない、あの、鬼のような形相で。 そのようなわけで、私は大学を卒業後すぐに家を出て、一人暮らしを始めた。 兄は、現在も両親と共に暮らしている。 しかし、この三人から度々、呼び出されていた。 やれ、病院、市役所、金融機関、ありとあらゆる事で、だ。いつぞやは、兄が旅行先で怪我をした際に、迎えに行くのと同時に、地元の病院へ連れて行ってほしいと頼まれた。仕事があるので断ったのだけど、 「どうせ、あんたの就職先なんて、大したことないでしょう?」 と言われてしまった。 結局、上司の勧めもあり、母の言われた通りにした。 用事を済ませ、帰ろうとしたら、父に呼び止められた。 「相談したいことがあるんだが……」 私は嫌な予感がした。 予感的中。父が話した事を、かいつまんで言うと、兄には結婚したい人がいるのだそうだ。まぁ、これはこれで、めでたいわけだが、母が反対しているらしい。先述した通り、兄は現在も両親と暮らしている。つまり、この話は流れたのだった。 母の存在が、ここまで偉大だったとは。 しかし、思うのだが、あの時、兄は自分の意志を曲げずに結婚していれば良かったのではと。今の両親と兄を見るにつけ、そう思う。どうやら、兄はネチネチとその幻に終わった結婚について、両親に文句を言っているらしい。 う〜ん、なんだかねぇ。私は私で、元々、結婚願望など、サラサラなかったので、独身生活を、かなり、楽しんでいる。 でも、時々、思い出してしまう。今はさすがに弱々しくなったけど、子供の頃の、私を叱っていた鬼のような表情を。
始まりと終わり
夏よ、 始まったばかりですまないのだが、 もう、終わってくれ。