晴夏

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晴夏

晴夏って書いてせいかって読みます。 夏好きです。(暑いのは嫌い…) たまに投稿します。よろしくお願いします!

最初で最後の片想い

(この話はノンフィクションです。少し気持ち悪いと思ったら途中でやめてもらっても構いません。) 中学校の入学式の日。 俺は人生で初めて恋をした。 隣に座っていたあの子。目が大きくて、髪の毛がツヤツヤで。そんなあの子に恋をした。 俺が隣に座ろうとした時。あの子はメガネ越しに少し緊張しているような、悲しい瞳をしていた。そして、目が合った。 完全に一目惚れだった。 儚げな空気に包まれてた。 あまりその感情は覚えていないが、とにかく緊張したのは覚えている。 でも、あの顔を忘れられなくて、気づいた時には思わず話しかけてしまっていた。 「友達にならない?」と。 あの子はにっこり笑って、「おっけー」と答えてくれた。嬉しくてたまらなかった。 でも、最初は名前も何もわからなかった。 生徒全員の名を読み上げる場があった。そこであの子の名前を知った。 「さやか」というそうだ。 さやかは出席番号が隣で、席も前と後ろだった。 いつも一緒だった。 教室移動も、昼食の時間も全部一緒。放課後は一緒に遊んだし、ゲームをして遊んだこともあった。 俺が小学校の時の闇に囚われていた時も、さやかの光でとかしてくれた。 俺が死にたい、と呟いた時は、必死に励ましてくれた。 何気ないことでも、さやかは俺にとってとても大事な人だった。…いつのまにか、恋愛感情を抱いていた。 同性愛なんてしたくもない、と思っていたはずなのに。 さやかと一緒にお出かけしたことも合った。 海を見に行ったり、ご飯を食べに行ったり、お揃いのものを買って一緒につけたり。 いつもさやかと一緒だった。 生まれも性格もなにもかもが違えど、これまでにないほど仲良くしてもらっていた。 それが、いつの間にか片想いに発展していったらしい。 この時は、まだ。 まだ、言い合いになって離れていくなんて思っていなかったと思う。 合唱コンクールの話し合いの時。 ピアノが得意だったさやかは伴奏者に立候補して、無事に当選していた。 ただ、そこから2週間後。 合唱コンクール実行委員の俺と、同じクラスの安岡というのと、さやかで一緒に帰ることになって、さやかのことを待っている時だった。 安岡が、こんな一言を放った。 「さやかってさ、正直伴奏向いてないと思うんだよね」と。 俺は正直言っている意味がわからなかった。 「だってさ?楽譜読めないのによくやろうと思ったよね。ピアノと歌声って一体感が必要だし、さやかにはできないんじゃないかな?」 俺は否定したかった。でも安岡の圧がとても強かった。 「ね?あんたもそう思わない?」と言わんばかりの目をしている。 俺はしょうがなく、「あぁ…、うん、」と答えてしまった。 その時、ちょうどさやかがきた。 さやかは失望したような顔で俺に言った。 「…そんなやつだとは、思わなかった」 俺は咄嗟に否定した。 「え、あ、ちがう、っこれは、安岡が…っ!」 安岡は、俺を見て一言、「ひど、あんた、そういうやつだったんだ。かわいそうだよさやかが」と矢を放った。 吹っかけてきたのは安岡なのに、なんで俺が?と言いたかったが、とても言えそうにはなかった。 安岡はクラスの中でも地位が高かった。こいつに文句を言うと、何をされるかわからない。そのうちに、さやかは泣き出してしまった。 「ごめん、もう、あんたと友達でいられないよ…」 俺は咄嗟に言い返した。 「なんで、俺のせいじゃないのに…っ」 さやかは泣きながら反論してきた。 「あんたのせいだよ。期待して損した。今度こそ優しくしてくれる人に会えたと思ったのに…っ!」 といいながら走り出してしまった。 「っ、待って!!!」 そう言っても、さやかは戻ってこなかった。 俺は安岡のことを強く責めた。 「安岡、お前のせいだよ…っ!お前のせいでさやかが…!!!!」 でも安岡はびくともせず、俺に一言一言問いかけてくる。 「でも、同情したのは、あんた。さやかを泣かせたのも、あんた。あんたが同情しなかったら私のせいだったけど、あんたが同情したから、さやかはあんたのせいだと思い込んだ。 ね?どっちが悪いの?同情したあんたと、話を投げた私」 その言葉は、深く、心に残るような感触だった。 それ以来、安岡とはあまり話さなかった。 そして、あの後、さやかと関わる事は一度もなかった。 今でも許してもらえていない。 片想いのまま、気づいてくれることはなかった。 さやかのことが忘れられなくて。まだ好きで。 でも許してもらえないのはわかってる。 でも、もし、許してくれるのであれば。 もう一度、「友達にならない?」 もう一度、友達から始めよう。 次はちゃんと気づいてもらいたいんだ。

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最初で最後の片想い

透き通った明かり

透き通った明かり。透明。 それはバカみたいに僕の心をも透かして、勝手に去っていく。 夏の空は好きだった。ラムネの空き瓶を空に透かしたら、どこからか、カランっ、といい音がして、気持ちが軽くなった。 海の波はいつもより穏やかで、僕を歓迎するように、静かに風を吹かせていた。 その海風にあたりながら僕は今日も息を吸った。

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透き通った明かり

死んでもいいわ

頑張らないと。 頑張らないと何も始まらない。 なのに、自分って馬鹿なんだろうね。何もわからなくて、何もかもを否定して。 他の人にも否定されて。 12/21 そんな今日だった。 祖父の通夜の後、1人で自転車で帰った。 外は暗くて、田舎だったから街灯も少なく、俺はバランスを崩して田んぼにおちた。 起き上がらなきゃ行けないのに。 真っ黒だった制服が茶色く染まってしまっている。 このままじゃ、だめだ。起き上がらなきゃ、帰らな、 …あ。「だめだ、これ」 駄目だ、駄目だ、駄目だ、駄目だ駄目だ駄目だだめだ、だめだだめだだめだだめだだめだ、ダメダメダメダメダメダメだめだめだめだめだめだめだめだめだめ…だめ、だ。 此処は?俺が生きている意味は?息をしている意味は?どこかに安全な場所はある? …っあるわけないでしょっ! 「この世の中は不条理、あなただけでもちゃんとして、どこでも生きていけるように、そんなのは馬鹿げてるやめなさい、…は?なに、これ。は?」 …っざけんなよっ!っんだよこれ! 声にならない苦しみを唱えた。うぅ、とかあぁとか。たまに、ぅあ、とか。 凍える。寒い。早く帰らないと。でも、帰りたくない、 いっそのこと此処…で。

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死んでもいいわ

もりのれもねーど

ある森の中。 その森の中にポツンとひとつの喫茶店。 その喫茶店のメニューは、日替わりれもねーど。 日によって味が変わるらしいれもねーど。 僕はそれを頼んでみた。 5分くらいして、れもねーどがとどいた。 ワイングラスのようなグラスにレモンの断面が綺麗に写っている写真のようなレモンの盛り付け方をしていた。 氷がふたつ。浮かんでいて、れもねーどのなかで炭酸がしゅわしゅわと音を立てている。 そして時々氷がピキッと割れるような音が聞こえたりする。 店主が置いたコルクのコースターにれもねーどを乗せて写真をとる。 ぱしゃ 木漏れ日が、綺麗な日光の色をしていた。 そのれもねーどの味は、人の気持ちによって変わるらしい。 今飲んだれもねーどは少し酸っぱくて、少し甘かった。 これはどういう感情なんだ?

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もりのれもねーど