ひるみや
2 件の小説あなたは敵?
銃口を悪に向けた。 私が正義だ。 だから悪の戯言など聞くつもりなんてなかったはずだった。 「機械みたいだ」 『は?』 「まるで正義を執行する機械のようだ」 悪が、笑った気がした。 何を言っているのだろうか? この世界から悪はあってはならないのになぜ 「もし立場が違ったら友達だったのかな」だと? なぜか、悪を何度も撃ったのに、全て受け止めた。 【あいつ】の方が人望があったんだろうな、そう思う。 だから意識を失うときに、本当に子供じみた願いをしてしまった。 ーー友達に、なりたかった。 「この世界はーーになれなかったやつが全て奪われるんだ。」 そんな声が聞こえた気がした。 雨が、降った。
りんね
この世界には百通りの行き道がある。 茨の道、錆び付いたドアの後に平らな道。 何度だって生まれ変わり、前を向く。 ある異世界に、笑わない女の子がいた。 腰までの金髪にフリルがたくさんついた髪飾り。 無表情でただ選ばれた王座に座っている。 まるで人形のようだった。 『なぜ笑わないの?』 妹にそう問われると 『つまらないわ。何もかも』 そう答える。 つまらない世界、つまらない自分。 どうなってもいいと思っていた。 少女の妹はいつも笑顔だった。 少女と似た容姿をしているが、笑顔でいるから愛された。 妹の笑顔がある日なくなった。 妹の笑顔がなくなった時、誰かの笑顔がなくなった。 その時少女は励ますために、初めて、笑った。 少女は写し鏡の前で髪を切った。 まるで妹になったようだった。 『今日もいい日になるわ🎶』 陽だまりのように笑うショートカット少女の隣に、妹のような陰が落ちた。 少女は人形屋の前に立ちガラスに手を当てみつめる。 『まるで、私みたい』 そうぽつりと呟いた後、去っていった。 全て持っていくから、待っていてね。