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朱

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朱

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部長、うっかり出社する

朝から泣きそうだ。 改札は目のまえで故障するし、自動ドアはひらかない。 ロビーでは、守衛にも無視されて、廊下でもフロアでも誰も道をゆずらない。 挙げくのはてにデスクには、菊が供えてある。 嫌われている自覚はあったけど、営業部一同からだとは思ってなかった。 立ちつくしていると、部内イチ気の利かない女と目が合った。 デスクの花を整えに立つふりで、彼女は手を合わせ、ちらと私をみた。 「…部長、あなたは、昨夜息をおひきとりです」

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部長、うっかり出社する

ひとりめの感染者

未来からきた脚本家。 女はそう名乗った。 次の大河の冒頭にあたる今日、人類を半減させる感染症の第一号として、僕が発症するらしい。 彼女は、そのウイルスと人類の初接触を取材にきたそうだけれども… いやでもさ。 未来にはあるわけでしょ、その怖いウイルスってのは? だったら、それって、いやもしかしてだけども、コレがその原因なんじゃないの?

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ひとりめの感染者