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死にたいと言った君の傍を 私が離れてしまったから 君は 生きることを諦めたのでしょうか。

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拝啓2年前の私へ もう、どうでもいいと思っていますね。 何も信じられないと。 何度終わらせようとしても 最後の1歩が踏み出せなかった。 ここまでよく頑張って来ましたね。 一人でこんなになるまでよく耐えて来ましたね。 誰にも分かって貰えませんでしたね。 誰にも気づいて貰えませんでしたね。 誰にも話せませんでしたね。 誰も信用出来ませんよね。 辛いですね。 だけどね あなたがどれほど辛くて どれだけ我慢して、 頑張っているか、私には分かる気がする。 誰にも見えない、言えない心を 何度も何度も傷つけて、 何度も何度も殺しましたね。 あといくつ心は残っていますか。 もうそれで最後ですか。 それを殺したら終わりですか。 もう、いいんですか。 頑張ったんですね。 私が考える以上に あなたは苦しんでいるようですね。 生に対する 苦しさと辛さと寂しさと些細な期待と諦めと、 死に対する 恐怖と葛藤と迷いと嫌悪と申し訳なさを あなたは持っているんですね。 今なお、その重圧に耐えているんですね。 頑張ってますね。偉いですね。 もう少し、もう少しだけ、頑張ってくれますか。 私には大した力がないので、 時空を超えてあなたを抱きしめる なんてことはできませんが 伝えたい。 伝わってほしい。 あなたが頑張っているのは、決して 無駄じゃない。 そんなになるまで頑張ったあなたに、 幸せが待っていないはずがない。 綺麗事だと思うでしょう。 だけど、絶対、絶対 あなたは価値ある人間だ。 だから私はあなたに 生きて欲しい。

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久しぶり

7月26日、今日花火大会に来た。 去年も、君と来た場所。 「は、花火大会……行きませんか…。」 急にそんな風に言われてびっくりしたよ。 なんの前触れもなくみんなで話してたら急に。 君の友達もフリーズしてた。 その後の盛り上がりは凄かった。 恥ずかしかったなぁ。 だけど、 君から誘ってくれて嬉しかったよ。 花火はくぎ付けになっちゃうくらい綺麗でさ、 周りを邪魔しないように小さな声で 「綺麗だね」 って言ったらさ、俯いて私より小さな声で 「夏希の方が綺麗だよ」 って、 あんまりキザなこと言うから笑っちゃった。 君、暗闇でもわかっちゃうくらい 赤くなってたね。 去年、ここへは一緒に電車で来たね。 私は今年一人で高速バスに乗ってここに来たよ。 花火大会に一緒に行った時にはもう、 引越しは決まってたんだ。 言えなかった。 ほんとに、お別れになっちゃいそうだと思ったから。 早く…言えば良かったな。 先生から引越しのことを聞いた時、君はどんな顔してたの? 私、見れなかったよ。 悲しくて、泣きそうだった。 友達と離れるのもすごく寂しかったけど、 君と離れることの方が辛かった。 それから引越し当日まで、君とは話せなかった。 お互いを避けてたよね。 最後の日、家まで来てくれて嬉しかった。 一緒に散歩したね。 なんにもなかったみたいに接してくれてありがとね。 「俺たち、もう別れたんだよな。」 「そうだね。」 「俺、夏希のことずっと本当に好きだったんだ。」 「うん。」 「だから、先生から話された日、 すごいショックだった。 引越しももちろんだけど、それ以上に …夏希が、話してくれなかったこと。」 「…」 「なんでって、思った。腹も立った。」 「ごめん。」 「だけど、俺頑張って考えたんだ。 最後に、何話そうって。」 「花火大会、行きませんか。」 耳を疑った。 同じ言葉をまた聞けるとは思わなかった。 「来年、高校生になったらまたあの川まで来れる? もしその時、彼氏がいたら来なくていい。 俺も、彼女ができてたら行かない。 …一緒に花火大会に来てくれますか。」 「……いいの?」 「俺から誘ってんの。」 「分かった。」 「うん。じゃあ、もう帰ろっか。」 「元気でな。」 「理玖もね。…またね。」 「うん、また。」 「おまたせ。久しぶり。」 「久しぶり。早くつきすぎちゃった。」 「そっか。」 「行こ、去年と同じ場所で見たい。」 同じ場所で、次は私が言う。 あの日、君が言ってくれたように私も。 『私と、付き合ってくれますか。』

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久しぶり

返答

交差点にいる『地域を見守る会』のおじさんに 「こんにちは」 と挨拶をした。 下校中だと分かったのか 「さようなら」 と返された。 「さようなら」の言葉の悲しさを感じた。 いつもありがとうおじさん。

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100年生きたって、200年生きたって、 出会えないひとの方が遥かに多い そんな中で 貴方に逢えた ただそれだけの事が 私にとって たまらなく どうしようもなく 嬉しいのです。

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もっと 見て欲しかったし 分かろうとして欲しかったし、 でも、もうずっと叶うことがないのなら 時折触れる雪のような温かさに縋るより こうした方がきっといい。

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墓の前

君は忘れて欲しいのかもしれないけど、 私は絶対忘れないからね。 君と一緒にいた事、笑いあった事、楽しかった事 君が苦しそうにしていた事、離れていった事、笑わなくなった事、 学校に、来なくなった事。 君が、生きていたこと。

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墓の前

クモリ

自信なんて無かったけど どう思われるかなって すごく、怖かったけど 君のこと、優しいって知ってたから ありがとう あの日君に 好きだと言えて 本当に良かった。

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クモリ

『』

一緒に頑張って、 頑張って頑張って頑張って、 頑張って走った先に何も無かったら 「なんにもなかったね。」 って笑ってくれますか。 どこかで見たうろ覚えの言葉です。

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ハードル

みんなが頑張って飛び越えてきたハードルを くぐり抜けてきたような私はもう何も、出来なくなっていた。

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ハードル