mirina《きょんくま部》🐼💖
4 件の小説春夏秋冬
この街には冬しかこず、一年中雪が降り積もる。 夜になると街灯の灯りが雪を照らす。 「一回でいいから…冬以外の季節を見たいな〜…」 呟きながら歩く女性。 女性の名前はマリナと言う。生まれてから一度もこの街を出たことがない。
夢の中のカクレンボ
第一章 古風な建物が建ち並ぶ 優希を担いだ案内人の森田が静かに地面に着地した。 「着きました」 「夢の中とは思えないな…」 「優希様の夢の中ですが、建物と鬼は私達が想像で作り上げていますので。それでは失礼します」 「あっ!ちょっ…消えたんだけど」 森田もマリナ同様暗闇に消えていった。 「これからどうするかな…」 立ち上がり砂埃を祓った後、一歩ずつ前に進んだ。 進む中悲鳴声や必死に逃げる声が響き渡る。 (俺の夢の中なのに色んな奴がいるんだな…) そんな考えをしていると、遠くから走ってくる人影見えた。 「優希じゃんか!久しぶり!」 「礼生!久しぶり!何で俺の夢の中に?」 「説明は後でするから俺に着いてきて」 「分かった」 礼生の後ろを優希が追いかけ、レストランらしき建物に入り身を潜めた。 「はぁ…はぁ…此処まで来れば大丈夫かな」 「なぁ…説明してくれない。礼生が俺の夢の中にいる理由を」 「そうだな…でも一つだけ言っておくな…此処は優希の夢の中じゃない…」 「えっ?………」 衝撃の一言に驚きを隠せずにいる。 それもそのはずだ。マリナからは自分の夢の中だと伝えられているから。 「意味が分からないんだけど?!」 「案内人からは優希の夢って言われたんだろ?それは真っ赤な嘘!」 「じゃあ誰の夢の中なんだ?!」 「俺も詳しくは知らないんだよな…宏規に聞いたから…」 「宏規ってあの宏規?」 「あぁ…」 宏規は優希や礼生の幼馴染であり、大学も一緒に通っている。 「宏規もいるなら聞きに行こうよ」 「それはできない!…今は…」 「何でだよ!」 「今宏規がいる場所は「そこまでですよ〜」っつ…⁈」 二人の背後には再びマリナが満面の笑みで立っていた。 「礼生様はお喋りがすぎますね。それにカクレンボをちゃんとやっていますか?」 「やっているよ…」 「なるほど…なら礼生様には特別ルールを設けますね」 「特別ルール?」 マリナが携帯を出すと何処かにかけ話し始める。 すると森田ともう一人の案内人男性が姿を現す。 「今日はよく呼ばれますね」 「嫌なら来なければいいと思うよ」 「………」 二人が喧嘩する中、もう一人の案内人はただ立ち尽くしているだけで話す様子は見られず。 (木元さんだけ呼べば良かった…) 「今失礼なこと思ってませんか?」 「いいえ、それよりルールブックは持って来てくれましたか?」 「マリナさん…こちらがルールブックになります…」 「ありがとうございます!」 ルールブックを手に取り特別ルールを読み上げた。 「特別ルールとして、鬼に見つかったり捕まれば…
夢の中のカクレンボ
皆さん初めまして!案内人のマリナです。 いきなりですが、皆さんはカクレンボをしたことありますか? 勿論ありますよね!でもただのカクレンボじゃありません…夢の中でします… 「夢の中でカクレンボ?」って思う方もいるでしょう! ではまず始めにルール説明を…と言いたいところですが、まずは夢の中にご案内致します。 夢の中に行ってらっしゃ〜い! 序章 夢の中… 「此処は…どこだ?」 「優希様の夢の中ですよ❕」 「うわ!」 優希は驚き後ろを振り向くと、案内人のマリナが満面の笑みで立っていた。 「そんなに驚かなくても…」 驚かれたことにショックを受ける。 だが直ぐ満面の笑みに戻りカクレンボのルール説明を始めだした。 「じゃあカクレンボの説明を…」 「ちょっと待って下さい‼︎」 「いかが致しました?」 「何でカクレンボの説明をするんですか?!それに此処は俺の夢の中ですよね⁈」 「そうですが!それが何か?」 マリナは鞄から小さな鏡を取り出し、鏡の中を優希に見せた。 すると何人かが鬼から逃げている様子が映っている。 「???」 「この中はカクレンボで鬼に見つかってしまい、さらに心臓も見つけ出せなかった者達になります」 「鬼を心臓を見つけ出す?」 「ではカクレンボのルール説明をしますね」 鏡の中は逃げる映像から、カクレンボの簡単なルールに変わっていった。 「ルールは簡単です。カクレンボをしながら鬼の心臓を見つけ出します。ただし鬼捕まったり、鬼の心臓が見つからない場合は…」 「場合は?」 「見つけ出すまで夢から出られません!」 「えっ…?」 「説明を聞くより、実際にやった方が早いですね」 “”パンパン“”と手を叩くと、男性の案内人が優希の目の前に現れ担いだ。 「森田さん!よろしくお願いしますね♪」 「分かりました」 案内人の森田は優希を担いだまま何処か行ってしまったようだ。 「カクレンボ楽しんで下さいね…」 その一言を残し暗闇に消えた。
心のビー玉
この世界の人間達は生まれた時から、心に小さなビー玉がある。 ビー玉が奪われたり、壊れれば死ぬ!! そんな中2人の男がビルの屋上で、タバコを吸いながら話していた。 「優希はうまくいってるのかよ?」 「いきなり何の話?」 「あゆみの心のビー玉狙ってるんだろ」 「そのことね…一応うまくはいってる…」