はるきち
172 件の小説はるきち
いいねやコメント失礼しますm(_ _)m 心身健康な時だと出来るのですが、最近読める時と読めない時の差が激しくて…_(:3 」∠)_ こんなやつですが、よろしくお願いいたします
私とももこと水虫と
今日は図書館に行きました。 エッセイコーナーで、さくらももこさんの「もものかんづめ」をふと見かけたので、久しぶりに読んでみました。 第一話の「奇跡の水虫治療」という話を読み始めると、そうだこういう話だったなぁと懐かしくもあり、自分の水虫にまつわる体験も思い出してきました。 さくらももこさんは十代にして水虫になってしまい、自分でなんとか試行錯誤をし治療をしていた内容でした。 そこで、水虫というものはなんだか恥ずかしいのだな、盲腸、いぼ痔にもなりたくないなぁと、何も知らなかった子どもの頃そう思いました。 そう思っていた私も水虫になったことがあるのです。 それは自衛隊に入って間もない頃。 四月に入隊して一ヶ月経った頃でしょうか。 ふと自分の足を見てみると、足の指の皮膚が所々めくれているのです。 痒みはありません。痛みもありません。 ただ、ふやけて皮膚がぼろぼろとしています。 私はどうしてだか分かりませんでした。 駆け足や訓練でずっと足を酷使していたから皮膚が擦れたのだろうか、と考えました。 水虫……? というのも頭に浮かびましたが、痒みもないですし、今のところ薄皮が少しむけただけだったので、その考えはすぐさま消しました。 とりあえず様子見しよう。 そんなわけで、しばらく気にせず基本教練や体力錬成などに精を出す自衛隊生活を送っていました。 ……が、やはり浴場などで裸足になるとやはり足が気になります。 全く良くなる気配がありません。 それどころか、皮膚がめくれているゾーンが広がっています。 痒みはやはりありません。 しかし爪もなんだか変な色をしています。 私は現実を受け入れました。 これはもう水虫です。 爪水虫です。 私は水虫になってしまった自分を受け入れました。 ショックでした。 水虫は中年のおじさんがなるものだというイメージが、自分の中であったのです。 私の父も水虫になっていた記憶があります。 うら若き女子が水虫だなんて……。 だから自分が水虫になったという事実を受け入れるのに少し時間を要したのです。 水虫を受け入れた私はテレビCMでよく目にしていた薬を外出の日に早速手に入れました。 水虫の薬を買うのはすでに抵抗はありませんでした。 それよりも一刻も早く水虫を退治するのが優先でしたから。 私は風呂上がりに毎晩塗りました。 すると、一ヶ月も経ったころ水虫が治ってきたではないですか。 すげぇ! すげぇぞ!〇テナ〇ック!! 市販薬だと思って、さほど期待もしていなかったのに! ありがとう!〇テナ〇ック!! ありがとう! 〇テナ〇ックを開発してくれた人! ありがとう! 竹中直人! こうして私は水虫に悩まされることから解放されました。 そして、水虫になった原因なのですが、どうやら浴場のバスマットが怪しいのです…… 一日何百人と踏まれるバスマット。 それも毎日、走ったり訓練をして汗をかいた足たちが通ります。 毎日、清掃時間に干しますが、それだけでは菌が取り除かれる訳がありません。 増殖した菌だらけのペラッペラのバスマット。 私はバスマットを避けて通るようにしました。 気をつけるようにしてからは、水虫になることもなくなりました。 なったとしても、心強い味方も出来ましたしね! もう私は無敵です! そんな無敵の私でしたが、もうひとつなりたくない病、いぼ痔に悩まされるのはまた別の話で! それではみなさまごきげんよう!
さくらももこになれなくて
言わずと知れた国民的主人公、ちびまる子ちゃん。 めんどくさがりで、くだらないことをして、文句を言ったりするけど、たまに良いこともしたり。 そんなありのままをさらけ出して生きるまるちゃんは、共感するところも多く、それを書いたさくらももこさんにも親近感が湧いた。 子どもの頃、祖母の付き添いで入った美容室に「もものかんづめ」、「たいのおかしら」といったさくらももこさんのエッセイ本が置いてあった。 暇つぶしでなんとなく手にして読んだ。 さくらももこさんらしい可愛らしい表紙で、内容も小学生でも頭に入りやすかった。 もうどんな内容かほとんど覚えていない色々あった話のなか、今でも覚えているのが「メルヘン翁」という話。 内容はタイトルとはほど遠く、ちびまる子ちゃんの孫に甘々なおじいちゃんをイメージしていた私は衝撃を受けた。 子どもながらに、これは亡くなった身内に対して酷い仕打ちではないのか……? と子どもながら、ももこ先生にちょっと引いた。 あのちびまる子ちゃんに出てくるおじいちゃんは、ももこ先生の理想のおじいちゃんとして描かれていたそう。 現実のももこさんのおじいちゃんは漫画やアニメみたいに可愛がってくれなかったと。 それにしてもだ。この仕打ち。 大人になってから、そこまでされるということはお祖父さんの方にも原因があるのだろうと考えられるが、何も知らない子どもの頃はただただショックだった。 そんなショックもあったが、やっぱり毎週ちびまる子ちゃんを観ていたし、大野くんと杉山くんの映画では涙を流した。 最近では、原作コミックスを一巻から改めて読んだ。 すごい。 初期のちびまる子ちゃんはキレてるぜ。キレッキレだ。 何も飾らず、その時の様子が描かれている。 生き物を飼うが、逃がす。死なせてしまう。 友達と気まずくなる。悪口も言う。 ひどいシーンなのに笑ってしまう。 米を含みながら読んでいたら、本当に噴飯するだろうシーンがゴロゴロ。 不謹慎なのに可笑しい。 だからこそ、母の日の話、南の島での別れ、ヒデじぃの戦争の話、牛乳石鹸の話など純粋に感動するのだと思う。 巻が進むにつれ、心なしかキレがなくなってきたなと思うと同時に初期の絵柄が好きだなと思った。 コジコジはアニメも好きだったが、シュールすぎてついていけない時もあった。 そんな才能溢れるさくらももこさんを「現代の清少納言」と才能を発掘した当時の学校の先生はすごい。 私もそうなりたかった。 ひそかに憧れていた。 だけど私はなれなかった。 ぐうたらで面倒くさがりで努力をしていないからだ。 さくらももこさんは描き続けた。漫画も描いた。エッセイも描いた。たくさん描き続けた。 なのに自分はどうだ。 小さな世界でダラダラ気が向いた時だけ書いている。 それで何ができ上がろうか。 大先生と比べるのもはなはだしい。 身の程知らずもいいところだ。 穴があったら…… ……いや、穴をまず自分で掘れ! まず穴があるのを前提に生きるな。 受身根性を捨てろ。 今やSNSで自由に呟ける時代。誰もが発信者。 そんな中で才能やセンスがある人がゴロゴロいることを知った。 あぁ羨ましい。 あぁ妬ましい。 バズるってどんな気持ちだ。 いいねが千単位、万単位もらえる時ってどうなるんだ。 スマホは爆発しないのか? あぁ止まらない通知音というものを聞いてみたい。 だけど炎上はしたくない。 だから今日も私はビビりながら小さな世界のすみっこでワーワーつぶやくのだ。
あまり怖くない実話
今から20年くらい前のことです。 当時、私は20歳そこらの新米自衛官でした。 何処にも怪談話は転がっているもので、自衛官時代にも ちらほらそういった話を耳にすることもありました。 最初の新隊員教育で住んでいた隊舎には、 お札が貼ってある居室があるだの、 霊感がある同期が深夜のトイレで見ただのという話を聞きました。 霊感ナシの自分は他人事として耳にしては怖がるくらいでした。 そんな私が新隊員教育も終わり、部隊配属されて半年経ったある日のことです。 その日は、二十四時間勤務から解放された平日の朝。 皆は出勤しており、常に人がいる賑やかな生活隊舎は静かでした。 居室は四人部屋でいつも誰かしら一緒に居るので、少し一人時間を満喫した後、お風呂セットを持って汗を流そうと浴場に向かいました。 浴場は隊舎の一番端。 電気が付いているのに、いつもどことなく暗い雰囲気でした。 この時も午前なのに日当たりが悪いのか、暗かったです。 私は勤務明けで眠たいのかハイなのかよく分からない感情でいつも通りに脱衣所で服を脱ぎ、浴場の扉を開きました。 シーンとしている中、ヒタヒタと自分の足音が響きます。 私は風呂椅子をシャワー台の前に置いて座りました。 広い浴場で私一人なので、何をするにも浴場内に音が響きます。 シャワーを出し頭を洗っていると、ふと背後から人の気配を感じました。 泡がついたまま、薄目で振り返りましたが、特に何もありませんでした。 その後、シャンプーを流し、ぽけーっと身体を洗っていると、ゾワッとする感覚が一瞬したので反射で脱衣所のあるドアの方に振り向きました。 見ると、浴場のドアのすりガラスに人影があるように見えました。 なんだ。誰か来たのか。 他の部隊の人かな。 夜勤明けかな。 先輩だったらすぐに挨拶しなきゃ。 先輩と二人きりは気まずいなーー…… 怖い先輩だったら嫌だなーー…… 当時、一番下っぱのペーペーだったので、そんなことを思いながら身体を洗っていました。 それから洗い終わってシャワーを流し、風呂椅子を元の場所に戻してから、浴場を出ました。 この後どうしようかーー、疲れているけど寝るのには惜しいな、何しようかな……。なんて考えながら、着替えを終え脱衣所を出ました。 私はすっかり人影のことを忘れてしまっていました。 それから過ごしていたある日のことです。 隊舎内で、先輩や同期と話していると、 一人の先輩が、 「私、生活隊舎いやなんよねー。当直つきたくないのよ」 と言いました。 その先輩は既婚者で、駐屯地の外の家を借りて住んでいました。 先輩は霊感があるらしく、当直で生活隊舎に泊まると夜にうなされたり金縛りにあったりすると。 えー、こわーい! などと皆が口にする中で、今まで何にも感じたことないな〜と私は思っていました。 が! そこで私は思い出しました。 ……あれ? そういえば、前にひとりで浴場にいた時に見た人影って…………。 私はそこでやっと気付きました。 あれってそういうことだったのか……! 言われてみれば浴場って暗くてあんまり長居したくないって思ってたかも…… と同時に幽霊の恐怖よりも自分の鈍さに恐ろしくなりました。 今更気づくって……遅すぎだろ! しかし、自分の鈍さに救われたことも思い、鈍くて良かったかも……と一人胸を撫でおろしていました。 それから、存在に気づいてあげられなかった霊らしき存在になんだか申し訳なく思いました。 そんな体験を誰かに言おうかと思いましたが、そこまで大した事でもないのでやめました。 怖がらせてもいやだし、自分の勘違いかもしれないですしね。 ということで、そんなに怖くもない体験をした私ですが、背筋がゾクっとした話はここからです。 前にも書きましたが、営内生活は基本プライベートがほぼありません。 居室は基本三人から四人部屋。 移動は団体で。 新米は特に団体行動が基本で、個人で駐屯地内もむやみにウロウロできません。 一人になれる時といったら、トイレの個室内くらい。 そんな感じで生活していたので、当直室に一人で一晩過ごせるのは良い息抜きでした。 電話をするのも、人がいない場所を探すところから始まるのですが、当直室は気にせず電話し放題! 当直室のベッドの上で気兼ねせず電話をすることがなんと贅沢か! 非常階段の隅っこで人目を気にしながら小声で話すことも、誰かが来たらすぐに「お疲れ様です!」と挨拶をしなければならないストレスもいらない! もちろん当直という仕事なので色々する事もありましたが、少し窮屈に感じる生活の中たまにつける当直は嬉しいことでした。 ということで、当直室に一人きりになったので、仕事もひと段落した午後九時半。 私は友だちと電話をしていました。 たわいもない世間話で楽しく盛り上がっていたところ、相手からこんなことを言われました。 「ねぇ、他に誰かいるの?」 私は不思議に思い、ううん誰もいないよ? と答えました。 そうなの? 後ろから女の人の笑い声がしたよ。 私はビクッとして、思わず部屋を見回しました。 何もないし、テレビもつけていない。 当直室前の廊下も人が通った気配もない。 「ちょっとやめてよー! こわいじゃん!」 「えー、でも聞こえたんだよー!」 こんな風にうふふふって! やーめーてーー!!! 自分には聞こえません。 ……が、怖い! 電話どころではなくなったのですぐにその後電話を切りました。 ああぁーー せっかくのおひとり様タイムが! 何かいるかもしれない部屋に一人!! 怖い!! もうみんなのいる居室で寝たい!泣 そんな気持ちの中、一晩当直室で一人過ごしました。 ところが結局、金縛りなど怖い思いもすることなく、普段通りに寝ることができました。 霊感がないからなのか、図太いからなのか。はたまた超がつく鈍感だからなのか。 その後も、その当直室で何度も寝ましたが、なんにも起きませんでした。 思い出して怖い気持ちはありましたが。 電話はまた笑い声が聞こえたら嫌なので絶対しませんでした。 という体験談でした。 他にも、演習場内での切ってはいけない近づくことすらタブーの木の話、駐屯地で近づいてはいけない薄暗い場所のこと、など色々曰く付きの話を聞いたことがあります。 余談の余談ですか、浅田次郎先生の「歩兵の本領」という自衛隊にまつわる短編集の中にも少し不思議な話などあります。 もしご興味ありましたら。
ちいかわの映画を観に行った……よ!
完全なるネタバレです。 感想を吐き出したくなったので、思ったことを書きます。 まず入場特典のチャームが手に入るかドキドキ。 予約開始日からネットから映画館のサイトに入れなくなったので予約取れるまで不安だった。 そしたら意外と席も余裕があってチャームも無事に手に入って一安心。 子ども3人連れて行ったので、私含め計4個お迎え。 ハチワレ、くりまんじゅう、ラッコ先生、シーサーげっと。 ホクホクワクワクで上映開始。 序盤のハチワレの「くつずれ」を聴いてすでにもうなんか泣く。あの歌声は癒やし。 からの、チラシのうたい文句が不穏。 子どもたち、好条件は怪しいと思え。教訓。 うさぎのラップで子どもたち笑う。 ・映画館だと音が大きくてセイレーンがとにかくなんか怖い。畏怖。 可愛くて歌声も綺麗だったけど、なんか底知れない怖さがある。 本能で深く関わったら危ないという感じがあった。 かわいさとおそろしさが共存してる。 終盤のカレー食べたけど効かなかった時は絶望した! ・島二郎すき!!!!チャームなんでないの!!! 推せる!!! 帰りにショップで島二郎エプロン買おうか悩んでしまったよ!!! ・推しのくりまんじゅうとシーサーコンビ今回何もしてねぇぇぇ!! ただただバカンス楽しんでる! 活躍したの味見くらい!! だがそれも良い!!! ・もひとつ推しのモモンガさんの活躍よ!! 自由さがカッコよすぎる… 古本屋さん戸惑ってんじゃんか笑 あと伏線すげぇって思った。 アメがそう活かされるとは…… ・ヒトハとフタバは好きになれなかった。 島人がどんどん犠牲になっているのに最後の最後まで自分たちのことしか考えてないところが無理だった。 セイレーンにおしおきされてもいいと思ってしまった。 ・ネットでちょこちょこ「単三」、「赤魚」、「イヤミス」などのワードが流れてきていた意味を知る。 もう赤魚食べられない…… ・「今日の日はさようなら」はやっぱりトラウマ曲!! エヴァとダブルダメージ!!! ・セイレーンの無邪気さには同族嫌悪というか、我が身の振り方に気をつけたいと思った。 無自覚に誰かを傷つけてしまっていること。 なのに、気づかず被害者意識で誰かを憎んだり恨んだりしてしまうこと。 鈍感は罪である事を提起させられたように感じた。 ・観終わったら、カツカレーが食べたくなった。(カレー単体ではなくカツのせで!!) 楽しかったし、色々考えさせられることも多く、観に行けて本当に良かった。 子どもから大人まで楽しめるちいかわって本当にすごい!とますます感じました。 現在、Apple Musicでひたすら映画の音楽流してる夏休みです。
あのラジオ体操をもう一度
私が小学生の頃の思い出です。 山の中にある限界集落に住んでいましたので、小学生がいる家は自分と友だち姉妹がいる二軒だけでした。 なので、ラジオ体操は、お互いの家を一日交代で行き来していました。 毎朝、六時に起きて着替えだけ済ませ、ラジオ体操カードを首にぶら下げ自転車に乗り、友だちの家に向かいます。妹も同じように。 家に着くと、庭で友だち姉妹がラジカセを置いて待っていました。 ラジオ体操の歌が流れている。 友だち姉妹と、私と、妹と。 ラジカセの前に等間隔に一列に並ぶ。 明るいメロディと男の人の威勢の良い掛け声。 体操が始まると、私たちはメロディに合わせて体を動かす。 すると、友だちのおじいちゃんが家の中から出てきた。 おじいちゃんはラジカセの横に立ち、前にいる私たちの動きを真似て体を動かし出した。 私たちが腕をまわす。 おじいちゃんもワンテンポ遅れて腕をまわす。…まわってる? どこかおじいちゃんの動きがおかしい。 うろ覚えだから動きが分からないのは当然だが、どこかチグハグでラジオ体操ではない動きをする。 何かがちがう。 腕の曲げ伸ばしも、上体そらしも、私たちの知っている動き方ではない。 腕の向き? 膝の曲げ伸ばしの角度? 可動域の狭さ? 少し遅れる動きだから?? とにかくどこかヘンなのだ。 しかし、本人はいたって真面目にしている。 顔はすごく真剣だ。 だからこそ余計に可笑しさが込み上げてくる。 遂にその真剣な表情とコミカルな動きに堪え切れず噴き出してしまった。 「おじいちゃんなにやってるのー!」と友だち姉妹も言いつつ、みんな笑いながら体操を続けた。 おじいちゃんはその反応が嬉しかったらしく、ますます変わった動きをし始める。 メロディももはや無視し、好き勝手に腕や足を動かし、「ハッ!」、「ほいっ!」などオリジナルの掛け声まで付けダンスのように舞い始めた。 私はもはや体操どころではない。 友だちの家にはちょこちょこ遊びに行っているが、こんな動きのおじいは見たことがない。 いつも口数少なくて、細長い木の棒を杖にして歩く、ちょっとあごがしゃくれただけのおじいさんかと思っていたのに。 こんな動きが出来るなんて反則だよ……! 私は体操もそっちのけで、膝をつき、腹筋がけいれんし涙を流しながら呼吸困難になる手前まで笑い転げた。 それではみなさんごきげんようー! チャンチャンチャララ♪♪〜〜〜 体操が終わり、次のコーナーに移っても私はまだ体を折り曲げてヒーヒー言っていた。 おじいちゃんはラジオ体操も終わり私たちが笑い転げる様子に満足したのか、静かに家の中に戻っていった。 私はようやく笑いの波が消え、立ち上がり友だちからカードに印鑑を押してもらった。 それから自転車にまたがり、自分の家に妹と帰った。 そして、次の日。今度はラジオ体操は自分の家で。友だち姉妹が来て一緒にした。 その次の日は、また友だち姉妹の家。 私は期待していた。 今日もおじいちゃん体操してくれるかな…! しかし、今書きながら思い出しているが、二回目はしてくれたかどうか記憶が定かではない。 とにかく初見のインパクトが強すぎて。 もうどんな動きか詳しい内容を忘れてしまい、自分の文章でその面白さが伝えられないことが悔しくて……! 三十年経った今でも、ふと思い出せた夏の思い出でした。
捨てる神あれば
こんばんは! 毎日すごく暑いですね。 いま話題になっているジャンプ転売で品薄状態ってあるじゃないですか。 私も被害を受けた方でして。 私ね、少年でもなんでもないけど毎週買って読んでたんですよ。 子どもの頃はボーボボとかブリーチとかこち亀など読んで育って。 結婚してからもずっとジャンプ購入係で。 家族みんなで回し読みしてたんです。 そして最近、待ちに待ったHUNTER×HUNTERの連載再開! 月曜日の楽しみが増えましたね! ウキウキですよ。 よく内容理解してないけど。 でも面白いんよ。 その楽しみがですよ。 私利私欲のためだけに行動した輩たちに、今週奪われてしまったわけですよ。 毎週、午後に仕事帰りにコンビニ寄って買うけど、今回は予約殺到とかニュースを目にして、朝イチ行こうと考えました。 しかし、いつものコンビニに朝行くとすでにない。 それなら、少し遠くの本屋さんなら大丈夫だろう 開店5分後に到着。 オッケーオッケー。 これで確実に手に入りますわ。 いざ雑誌コーナーへ。 ……ん……? ない……? 「予約済み分の入荷で売り切れの為、店頭販売はございません」 な ん だ と ジャンプはいつから予約しなければ買えなくなったのか!! 雑誌は予約できないと勝手に思い込んでたから自分が悪い… マジかぁ〜〜〜〜………… 先週からヤバイヤバイとは聞いていましたが、ここまでとは。 どうしようか…… もっと遠くのショッピングモール内の大きい本屋さんなら確実に手に入るだろうか…… どうせここらへんのコンビニ巡ってもないだろうし…… 月曜日の9時だぞ⁉︎ いつものコンビニなら木曜日でもジャンプいるぞ⁉︎ も〜〜〜〜っっっ、マジで転売ヤー許すまじ…… 私はただ読みたいだけなのに…… HUNTER×HUNTERと最終回のアオのハコが読みたいのに…… 毎週 応募券集めてたのになー…… なんか探し回るのもなー…… 今週は諦めるか…… 仕方ない。帰ろう…… ……………。 ……………………。 そうだ!!! 田舎の父にお願いしよう! あの辺なら余裕であるでしょ! すぐさま父にメールすると快諾してくれた。 これで一冊獲得。 ひと安心😮💨 メルカリを開くと、すでにカードが出品されてる…… 買ってる人もいるし! 本誌のみも売ってる。 はらたつぜぇ〜〜〜〜 絶 対 メルカリでは買わねぇ!! と思っていたら父から電話。 町内のコンビニ巡ったけど、どこもなかったと。 なんだって〜〜〜〜〜!?!? 田舎だと思って舐めてたぞ! まだ月曜日のお昼ですけど!? でも本屋に行ったらまだ4冊あったから一冊買ったって。 良かった〜〜〜〜!!!! 出かけついでで大丈夫と言ったのに、探し回ってくれて感謝🥲 ハゲハゲ書いててごめんネ(「父ヤスシ、71歳」より) また実家帰った時にもらうね。無理に送らなくていいよと返事して電話を切った。 すぐには読めないけど、これで確実に手に入ることに安堵。 ……と思ったら、次の日。 職場の方から付録のカードを渡されて。 その職場の方も自分よりも長いジャンプ購読者。 たまにうちの子のために付録のシールとかくださったり。 その方も今週買えたのかな⁇と思っていたら…… 「えっ!? 買えたんですか⁉︎ 私探したけど買えなかったんです!!」 「スーパーの雑誌コーナーにふつーに置いてあったよ〜 やっぱこれレアなのね〜笑 なんか話題になってるらしいね〜」 マジか!! 自分も割とよく利用するスーパーにあるとは! 有り難くそのカードをいただきました。 ちなみに、その日の帰りにスーパーに寄ってみたらジャンプはありませんでした。そりゃそうだよな。 その後。職場の人から、「読み終わって資源ごみ出すだけだからいる?」 との連絡が。 あああああありがとうございます………!!!!😭😭😭 本当はすぐにでも読みたかったの!!! 実家に帰るのはお盆くらいかなーとか思ってたからめちゃくちゃ嬉しい!!! 明日受け取れるの楽しみ…………!!!!! 大感謝!!!! という日常話でした。 サムネはクレヨンにハマっていた時に描いてたやつです。 今もうクレヨン画飽きてしまいました。 飽き性………
侵入思考
思えば子供の頃からだったんだと思います。 今、手に持っているガラスのコップを落としたらどうなるんだろうとか。 小学校の校庭の隅にあるウサギ小屋の扉を開けたまんまにしたらどうなるのかとか。 高校生の頃は、授業中に三階の教室の窓から飛び降りたらどうなるんだろうとか。 流れの速い川を橋の上から覗き込んでいる時、今飛び込んだらどうなるのだろうとか。 その先の答えなんて分かりきったことなのに、何故かそんな仮定が頭の中で生まれては消えていった。 もちろんどれもしたことがないけれど、そもそもこんな思考が生まれる自分におぞましさを感じていた。 赤ちゃんを抱っこしている時に手を離してしまったら… 運転中、急カーブをスピード落とさずに突っ込んだら… 前に歩いている人のバッグをひったくったら… 日常のあらゆる場面でこんな考えが出ては消え、こんなことを考える自分が怖くなった。 ハンドルを握ったら、運転に集中しようと意識をした。 でも、目の前を走るバイクを見ながら、今バイクの運転手は後ろの車が急に追突してくるかもとか夢にも思ってないんだろうな… こんな事を運転手が考えてるなんて全く思ってないんだろうな… なんて事を考えてしまう思考をどうにかしたかった。 誰にも言えなかった。 自分は人間の姿をした化け物のようだと思った。 善良で人畜無害のフリをした偽善者だと思っていた。 共感なんてしてもらえないと思っていた。 しかし、最近ふとSNSで流れてきた投稿で私は救われました。 自分が考えているようなことを投稿している人がいた。 「もしこうなったら…という恐ろしいイメージが浮かんでしまう」と。 そして、その思考の名前もそこで知りました。 それは、「侵入思考」というもので、「自分の意志とは関係なく不快な思考や不安のイメージが頭の中に浮かんでしまう」ということだと。 良かった……。 自分だけじゃなかった。 あまりにひどかったら、強迫性障害の可能性もあるらしい。 ストレスがかかっていたり、うつ病やADHDなどの人が症状が強く現れるとか。 なるほど。確かに自分はグレーゾーンだしなぁ。 と、分かったところで、変わらず侵入思考は出現するのですが。 それでも、この思考で自分を責めなくていいという免罪符を手に入れることができて少し気も楽になりました。 もし同じようなことを考えて悩んでおられる方がおられて、少しでも気持ちが楽になることができたら幸いです。 日常の思っていたことを吐き出せる場を作ってくださった企画に参加させてくださり、ありがとうございました。 また、お読みくださり、ありがとうございました。
世界の隅っこで糸を紡ぐ
今日も君は造った笑顔で愛想を振りまいてる。 流行りの曲に合わせて、周りに合わせて。 僕はそんな君を教室の隅で盗み見る 本当の君はそんなんじゃないだろう? 君が好きなのはカーペンターズだろ 僕は知ってるんだ。 小さい頃に通っていた同じピアノ教室。 おばあちゃん先生と、少しおんぼろのピアノ。 プレハブ小屋みたいな狭い部屋に棚いっぱいの楽譜とメトロノーム。 少し古くさいけど落ち着く匂いもすきだった。 ピアノ教室はもうなくなっちゃったけど、今でも思い出す。 君との接点はたった数年のそれしかなかったけど。 君の笑い声と小さな手からこぼれるドレミはまだ僕の中に鮮やかに残ってる。 そんな僕の思いは他所に、君は筋書き通りに大人に向かっている。 おそろいのペンケース、無難な制服の着こなし、周りに合わせて頷く君。 僕は知ってるんだ。 君が無理して笑ってることも。 本当は趣味じゃないキャラクターのポーチも。 友だちと口ずさむTikTokの曲よりも好きな曲があることも。 僕だけが知ってるんだ。 君が好きなのは「青春の輝き」なんだろ。 英語の授業で歌わされた曲を、 皆は恥ずかしかって小さな声で歌うフリする曲を、 本当は君は気に入っているんだろう。 少し湿気を帯びた風でカーテンが揺れる放課後。 外から野球部の掛け声と吹奏楽部の練習音が遠く聞こえている。 僕はなんとなく一人で居たくて窓際の席に突っ伏していた。 すると、特徴のある君の足音がパタパタと近づく音がした。 机にうつ伏せて一人でいた僕に気づかず、教室に入ってきた君。 小さな声だけど何かを口ずさんでいるのが耳に入った。 机の中から忘れ物を探しつつ口ずさんでいた声は、伸びやかで自由だった。 西日が差し込む校舎に君の声が響く。 授業で雑音のように聞こえた青春の輝きとはまるで違う。 ただ口ずさんでいただけなのに本当に輝いているように思えた。 突っ伏してるのに耳に入ってくる音で明るさを感じた。 時間が止まればいいって思うのはまさにこんな時なんだ。 たった数秒。 ふと、カシャカシャと机の中を混ぜる音が止まると同時に声が消えた。 彼女の動きが止まる。 こちらを見る視線が机に突っ伏していた組んだ腕越しに刺さった。彼女の緊張が伝わる。 君は驚いて息を呑んだようだったけど、動きがない僕を確認すると安堵のひと息をついてパタパタと教室を去っていった。 彼女が居なくなった教室でゆっくりと顔を上げる。 深呼吸を一回すると、ぼくのするべき事が決まった。 そうだ。 やっぱり君はこの箱に収まってちゃいけないんだ。 あの柔らかな歌声。 身体に染み込んでくる高音のロングトーン。 少しズレたメロディもまた魅力的で。 あの声を隠しておくなんてそんな勿体無いことできるだろうか! 流行りの曲じゃ君の魅力は引き出せない! どうにかして君を連れ出さなきゃ。 僕だけは知ってる本当の君を掬い出さなきゃ……! でもどうすればいい。 どうすれば君をここから解放できる? 僕に出来ることは…… …………そうだ! * * * "ヒバリちゃんの歌声やっぱり良い!!“ "おじさんだけど、13歳でこの曲歌ってくれるの嬉しい!“ "曲とフンイキ合ってる!“ "少しカタコトっぽいところも良いんだよね“ ……やっと一万回再生まできた。 やっぱり君は流行りの歌より好きな歌を歌えばいいんだよ。 ほら、画面の向こうで待ってる人がこんなにいる。 あの時、君に吐いた嘘がここまで大きくなるなんてーー 寝たふりをしていた次の日、僕は人気のない場所に君を呼んだ。 「君が歌っていたのを録音してたから動画に上げてもいいか」 驚く彼女に有無を言わさず畳み掛ける。 録音をそのまま流されたいか、それとも僕に協力してくれるか。 僕は動画を作って上げてるんだ。だから、君の歌声を上げさせてほしい。 もちろん顔も出さないし、身バレもしないように絶対する。趣味の範囲内だから、再生回数も数十回だし、フォロワーも数人なんだ。 協力してくれないかな……? お願い……。 君が押しに弱いことも知ってた。 承認欲求も人並みにあることも。 録音なんて嘘。 でも君の声が聴きたいのは本当。 あの日聴いた歌声が本当に綺麗だったから。 だから君の素晴らしさをもっと皆に伝えるんだ。 僕が一番最初に見つけたんだ。 僕は君に歌って欲しい曲を探して、君に練習してもらった。 カーペンターズ、ABBA、ボブ・ディラン、サイモン&ガーファンクル…… 君の歌声に合ってる、古い年代でどこかで聞いた事があるような有名な曲をピックアップした。 すると、懐かしいのコメントや古すぎて逆に新鮮味を感じるようで徐々に固定ファンもつき出した。 どうやら今の時代にこんな古い歌を十代の女の子が歌うことに価値が付くらしい。 いいねの数も安定して、フォロワーも5,000人を超えた。 ここまで来たらもう後戻りはできない。 彼女はもっと飛べるはず。 見てて。 君が輝ける場所も見つけられた。 誰にも文句を言わせない。 アンチも僕が消してあげる。 これからも僕は君の為に走り続けるよーーーー スピッツ 『スパイダー』 蛇足ならぬ蛇文です。 ただ思っていることを書き散らします。 スピッツが好きです。 スピッツの歌詞はすごいです。 「優しかった時の心取り戻せ 嘘つきと呼ばれていいから」 群青の歌詞なのですが、ずっとこれ疑問なんです。 なんで優しかった時に戻るのに、嘘つきと呼ばれる可能性があるんだろう? それってどういう状況なんだろう?? と考えるのですが、わからないまま20年以上経ってます。 ちなみに群青のPVがとても可愛くて好きなんです。 アンガールズのお二人がウサギの格好で踊ったりして。 もうとにかく世界観が好き。 「バスの揺れ方で人生の意味が解かった日曜日」 とかこのフレーズもすごい。 なんかこういうのを実際に体感した時に、ああこういう事かとすごく腑に落ちた瞬間が自分にもあって。 そして最近、スピッツの良さが世界にもバレてしまったようで。SNSでまた話題になったり、CMで流れていたり。 他にも好きなアーティストや曲はあったのですが、企画を見て、これ書きたいなと膨らませました。 投稿するまでめっちゃ時間かかったー😂 物語調の曲だとストーリーは書きやすいですが(トイレの神様とかアンマーとか)、自分の想像でシチュエーションや登場人物を描いて文字に起こしたいなと思って。 更に、その曲を知らなくても、物語として展開どうなるの?と興味を持ってもらって、面白いと思ってもらえるように意識して書きました。 やっぱり一から考えるのって頭使う! 久しぶりに力を入れて書きました! 考えるの楽しかったです! もっと上手く書けたら良かったけど、これが今の自分の精一杯……🫠 おばちゃん動画とか見ないし、ネット事情とか分からなくて調べてこれですわ汗 バズるって何回からなの? ネット界隈よく分からんすわ😂 ツッコミ所やおかしいところなどありましたらご指摘ご指導ぜひよろしくお願いいたします🙇♀️ とりあえず、主人公(楓くんて名付けよう)の、若さで突っ走る純情さと視野の狭さと行動力のおそろしさ、少しの狂気さを感じとっていただけましたら、嬉しいです! 素敵な企画に参加させていただきありがとうございました! そして、最後までお読みくださり、ありがとうございました!!
いつも心に○○を
私は怒るのが苦手だ。 叱るのも難しい。 誰かに注意をするのも、反対意見を口にするのも、すごく勇気が必要。 思い悩んでは勝手に気力をすり減らして力尽きて、 結局相手には伝えず、消化不良になってしまうのもしばしば… かと思いきや、勇気を出して相手に伝えても、 言った後に脳内一人反省会が繰り広げられ、結局神経をすり減らして勝手に疲れている。 自分は悪くないことでも自分が謝ってしまう。 多分私は、ぶつかりおじさんに遭遇した時でも反射的に自分から「すみません」と言ってしまうだろう。 そして、じわじわボディーブローのように後から後から「なんでこっちが謝らなければならないんだろう」、「なんでこっちが負い目を感じなければならないのだ」と怒りと後悔と自分の対応力の無さからの情けなさなどの感情がむくむく沸いてくるのだ。 これを私は「思い出し怒り」と呼んでいる。 最近SNSで、「心の中に武将を住まわすと良い」という投稿を目にした。 特に己の意見をしっかりぶつけられるようなキッパリハッキリ言える堂々とした武将がいい。 ぶつかりおじさんに出会った時。理不尽な言い方をされた時。 そんな時に自分がその武将だったら、どんな風に返すか。 想像して、強い態度で挑むのだ。 これはいいかもしれない。 いつも自分の意見をハッキリ言えず、他人の意見につい乗っかってしまう。 他人と違う意見を言えない、まさに典型的なノーと言えない日本人の自分にぴったりだ。 ……しかし、私は歴史に疎い。 戦国武将は尚更だ。 好きな偉人はキュリー夫人とサリバン先生だ。 こんな居心地悪い住居では戦国武将は住んでくれない。 そして、自分の解像度が低すぎて、参考にできない。 戦国武将は諦めよう。他の方に住んでもらうようにしよう。 他の身近な参考になる人……。 ・自分の意見を物怖じせず、はっきり伝えられる人 ・感情の浮き沈みや人によって意見や態度を変えない人 ・いつでもにこやかな人 ・他人のために動けて、意見を言える人 こんな感じで解像度も高い人……… そうだ!!! 天海祐希さんだ!!!! 上品で、いつも素敵で、宝塚時代にいじめをなくしたと噂される、私が目標にするのはこの人だ!!! 女王の教室も緊取も大好きだし、お人柄も大好きだ!!! 私は天海祐希さんに住んでいただくことにした。 こんな時、天海祐希さんだったら、どう伝えるだろうか。 納得いかない時、天海祐希さんだったら、どう対応されるだろうか。 私の心にはいつも天海祐希さんがいた。 たまにマツケンサンバもいた。 気分が落ち込んだ時には松平健さんがマツケンサンバを踊ってくれた。 でも天海祐希さんは居るだけだった。 しかも肝心な時には留守にしていた。 パニクると頭が真っ白になる悪いクセ。 大切な時には天海祐希さんもマツケンサンバも誰もいない。 真っ白で静かな世界。 天海祐希さんは私の中で、微笑みながら花火を観てビールを飲んでいるだけだった。 天海祐希さんに対する知識が足りなすぎたのだ。 結局、私が天海祐希さんを目指すのはお門違いなのかもしれない。 だって本当は、舘ひろしさんみたいなダンディーになりたいもん。 高田純次さんみたいなテキトー面白おじさんになりたいもん。 ホリケンもいいな。 結局、まだ私の中には入居者がいない。 これからも探していくのだ。 あなたなら、誰を心に住ませますか?
父ヤスシ、71歳
私の父はハゲている。 私が物心ついた頃からすでにハゲていた。 だから、父の日の絵を描くのに困った記憶がある。 小学校低学年の頃、父の日の似顔絵を描く時、家族の思い出の絵日記を書く時。 当時、絵を描くのが好きでよくチラシの裏などに落書きをしていたが、ハゲを描くことはない。 たいていキラキラしたプリンセスや男の子はサラサラヘアーのイケメンだ。 なので、髪を描かないという、いや描けないという選択肢は当時の私には高難易度のミッションであった。 いくら目をキラキラにしても、服をオシャレに描いても、頭はどう描けば正解なのか導き出せない。 私は小さな頭で考えた。 そして、導き出した答えが、頭頂部に少し黒を書き足した。 不正解ではない。横にはまだ芝生が生い茂っている。 よーく見たら、頭頂部にも すこーし残っている。 だから、悪くはない。 これが当時の私の限界だった。 そして、その出来上がった絵を帰って父に見せた。 父は母と見合って何か私にほめ言葉を送ってくれたと思う。 出来栄え云々は言わず、描いて贈ってくれた事に感謝をしてくれた。 そんなハゲハゲ言うてる私ですが、お父さんの遺伝なのか加齢のせいなのか、最近私もハゲに悩まされるようになりました。 お父さん、昔の写真を見て、軽口で「ハゲてるー」なんて言ってごめんなさい。 今なら貴方の怒った意味が解ります。 ハゲを嗤う者は、ハゲに泣く。 過ちを後悔しても、髪は元に戻りません。 日々、浴室の排水口に溜まった黒い塊を見ながら、絶望してます。 そう考えるのもストレスとなり、髪に良くないと思いつつ、3日に一度溜まるので、さらにストレスです。 お父さん、糖尿病なのに夜中にお菓子を食べるのはやめてください。 お父さん、生命保険の加入を押し付けるのはやめてください。 貴方と私では必要な保険が違います。 満口入れば安心じゃと言いますが、保険料バカ高じゃないですか。 いざという時どのくらい賄えるというのですか。 払っているより多くもらえるなんて思えないのですが。 あなた、保険の回しもんですか。 お父さん、糖尿病の薬は用法要領をきちんと守って飲んでください。 なんで、栄養カプセルとかサプリメントなど通販のものを買い漁るのですか。 R-1をどれほど信用しているのですか。 テレビの言うことよりお医者様の言うことを聴いてください。 しかも飲まずに期限過ぎるし。 せめて飲めよ。 お父さん、この前急にメールが来るから何事かと思いきや、 「パンフェスティバルのシールが一点足りないから送ってくれないか」 って。 締切間近だったから速達で送りました。 同じ県には住んでいるので、その日の夕方に出して、次の日の午前中には届きました。 間に合って良かったです。 けれどお皿のために菓子パン買うのはぶっちゃけ控えてほしい。 三枚もお皿集めて。 お父さん、もっと糖尿病患者としての自覚を持ってください。 お父さん、お父さん、お父さん………。 今年の父の日は低糖質の美味しそうなお菓子を贈ります。 どうかくれぐれも " 健 康 " で長生きしてください。