雨星

5 件の小説

雨星

どこかの誰かに届くように

王様

僕は王様だ。 だから何をやっても許される。 家出をしたり 学校も無断欠席したり 家を燃やしたり 盗みをしたり 法律も無視できる。 なんでこんなことできるかって? それはね 「僕が孤独の王様だからだよ」

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偽善者

ある日駅から飛び出て自殺しようとしている女子高生がいた。 それに気づいた僕は彼女を必死で止めた。 なんとか阻止することができた。 しかし、次に彼女から出た言葉に驚いた。 「なんでとめたの?!」 「あなた何様のつもり?!私はもう生きる理由がなくてただ苦しいだけの人生から解放されるために自殺しようとしてたの!」 「なんで邪魔をしたの?」 「ようやく覚悟決まって死のうとしたのに……」 「そもそも私のことをよく知らない人間が勝手なことしないでよ!」 「善人のつもりですか?」 「いいことしたなって思った?」 「私からしたらあなたは悪人だよ!」 「この偽善者が!もうどっかいって!」 僕はしばらく放心状態だった。 ただ彼女の言ってることは正しいのかもしれないと思った。 確かに生きる理由もなくただ苦しいだけの人生なんて嫌だろう。助けたってこの先、人生が楽しくなるわけではない。これから楽しくなったり生きる理由が見つかる保証はどこにもない。だから助けてもその苦しみからは助けたことにはなってなくて。彼女にとっては生き地獄なんだろう。 周りから見たら僕は善人に見えるだろう。 だけど彼女からしたらチャンスを奪った悪人に見えるんだろう。 死は救済と言うが本当にそうなんだろうか? 僕は足りない頭で彼女のことを思い考え続けた……

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終電

友と電車に乗って旅をした。 長い長いとても楽しい旅だった。 あんなことやこんなことをしたなと、 電車の中で思い出に浸る。 思い出すのは大切な思い出ばかり。 思い出に浸っていると終電だった。 周りには誰もいなくなっていた。 僕は笑って降りた。 人生の終電駅に

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ねぇ

「ねぇ、おはよう」 「ねぇ、昨日は君が好きな映画をに行ってね」 「ねぇ、結構面白かったよ」 「ねぇ、今度は君も一緒に行こうよ」 「ねぇ、また行ける日にさ、君と行きたいんだ」 「ねぇ、返事待ってるね」 「ねぇ、早めに返事ちょうだいね」 「ねぇ、お土産買ってきたから後で食べてね」 「ねぇ、そろそろ時間だし帰るね」 「……………」 「ねぇ、さよならぐらい言ってくれてもいいんじゃないかな?」 「ねぇ、さっきから返事してくれないけど聞いてるのかな?」 「ねぇ、あとどれぐらいこんなことを繰り返さないといけないの?」 「ねぇ……そろそろ起きてよ……」 「……………帰るね」 君が、突然事故に遭って意識不明の状態で入院してから一年が経っていた。 医者に聞いてもいつ目覚めるかどうかはまだわからないらしい だけどあまりにも君が起きないから死んでしまいそうで怖くて…… ねぇ、いつまで寝てるの? 早く起きてね。 心配かけないでよね。 君がいないとどうしようもない僕を1人にしないでよね…… ねぇ、僕が世界で一番愛した人…… 眠っている君に今日も僕は話しかける。

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頑張れ

「頑張れ」この言葉が、嫌いだ。 頑張ってる奴はもう頑張っているのに 頑張ってる奴の気持ちも知らないで ただただ放つ言葉になんの意味かある? 言ってる側は何もしていないのに 一方的に責任を投げつけて 確かに「頑張れ」って言葉は必要かもしれない。 だかやってもいない、経験もしたことが ないものが言うのは違うだろう。 本当に頑張らないといけないのは 「頑張れ」と言っている方じゃないか?

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