巡り
106 件の小説消えればいいのに
人の目ばかり気にして生きるようになったのはいつからだろう。 友達の顔色を伺う毎日。 母親の機嫌をとる毎日。 人の目ばかり気にする毎日。 それが一番平穏で平和な生き方だと思ってた。 それが正解だと思ってた。 というかそれが楽だった。 でも 「君、個性ないね」 「自分の意見ないわけ?あなたつまらない」 そう言われて初めて間違いだと知った。 どうすればいいんだ。 何が正解? どこから間違えた? 今までの頑張りは何だったの? 私は… 今更何処へ行けばいいの? 分かんない。 全部全部分かんないよ。 いっその事、間違いも正解も 楽しさも辛さも、 全部全部 「消えてなくなればいいのに」 でも もう一度、 叶うことなら はじめの一歩から 「やりなおしたい、」 そうしたら少しは、楽じゃないけど それでも、楽しい人生になってたのかな。 …今更こんな事をぼやいても無駄か あーあ、 やっぱり もう全部全部 “消えてなくなればいいのに“
可愛い自分と真逆な私
新しい服を買った。 いつもとは違う、リボンがふわっと揺れている可愛らしいワンピース。 本当は、リボンやフリルにレースとか可愛いが詰まったお洋服を来たかった。 初めて好きな服を身にまとった時、鏡に映る自分が自分じゃないみたいで、キラキラして見えた。 好きな服を着れた嬉しさを噛み締めていた時、お母さんがやって来た。 「それで外行こうとしてるの?恥ずかしいからやめなさい。みっともないわよ」 嗚呼、そうだった。 私は………僕は、 “着ちゃいけないんだった“ 「…ごめんなさいお母さん。すぐ着替えるよ」 お母さんは 「そうしてちょうだい」 と言いながら部屋を後にした。 お母さんが吐いた言葉が頭の中でずっとこだまして離れない。 ワンピースについているリボンをギュッと強く握りしめながら、鏡に映る自分をもう一度見る。 さっきまでの自分は可愛い自分は、もうどこにも映っていなかった。 「……あぁああああああっ」 自分の大嫌いな声、低くてかっこいい声が部屋中に響いた。 なんで、どうして、 僕は“可愛い“が好きなだけなのに…。 ただ“それだけ“なのに。 折角のワンピースが涙で台無しだ。 ふわっとしていたリボンも、強く握りしめたせいかしゅんとしおれてる様に見える。 私は、ワンピースを脱いで丁寧にクローゼットへしまった。 そして今日も、大嫌いなズボンに足を通した。 “可愛い自分と真逆な私”
名前をつけて
いじめられたあの日から二年の月日が経った。 私は変わった。 周りには沢山の明るくて可愛い友達。 私の事を一番に心配してくれる先生。 見た目も中身も全部変えた。 毎朝洗面台の鏡に映る自分と一時間以上見つめ合い、メイクをした。 ファンデーションに涙袋、ノーズシャドーにハイライト、マスカラ、チーク、リップも忘れずに。 髪の毛だって縮毛矯正をかけて、毎晩手入れを怠らなかった。 こんなのはお金と時間さえあればいくらでも変えられる。 けど、性格。 これだけは変えるのが心底大変だった。 無理矢理明るく振る舞い、大きな声で笑い、巫山戯たりもする。 かと言って周囲の空気には人一倍敏感になり、誰からも嫌われないよう細心の注意を払った。 困っている人がいたら必ず助けた。 頼み事は全部笑顔で引き受けた。 もちろん見返りなんて求めない。求めてはいけない。 人には優しく自分には厳しく。 まさにそんな感じだ。 そうしてやっと、やっと誰が見ても良い子の私になった。 いじめられてた頃の失敗作の私は面影もなく死んでいった。 なのに、なのに 「…なんで?」 なんでこんなに辛いの。 どうして涙が溢れるの。 なりたい私になれたじゃん。 憧れてた私になれたじゃないか。 心のどこかで誰かが囁く。 「君は本当にわたしなの?」 私は…わたしは、だれだっけ? なにが、したかったんだっけ、? 嗚呼、もう 本当のわたしは 失敗作のわたしは とっくの昔に死んだんだ。 じゃあわたしは…誰なのだろう。 今のわたしに…だれか “名前を…“
本当の自分で。
「先生ってさ、幸せが怖いと思う時ある、?」 急な私の質問に、先生は一瞬目を見開いてから、小さく微笑んだ。 窓の向こうに映るオレンジ色の夕日が、先生と私を優しく照らしている。 そんな中、私は先生に質問を投げ掛けた。 私の名前は日野夏乃空(ひのなのか) 平凡な県立高校に通う高校二年生。 私の取り柄はあほでぽんこつなことくらい。 成績は良くも悪くもない。 顔と身長も平凡。 運動は全くと言っていいほどできない。 本当にどこにでもいそうな女子高生だ。 そんな私にはずっと大きな悩みがある。 それは、幸せが怖いこと。本当の自分が分からないこと。 中学時代、私は簡単に言うといじめにあっていた。もちろん辛かったし怖かった。 けど、学校は毎日必ず行った。 親が休ませてはくれないタイプだったから。 当時の私は、どんどん根暗になっていき口数も明らかに減って言った。 「あ、自己中がまた学校来てる。」 皆が私を指さしてひそひそと笑っている。 毎日のように、刃物のような言葉が私の心を引き裂いた。 辛かった。 けどもうそれはただの過去にすぎない。 私は高校生になって、自分を変えた。 髪は高い位置でポニーテール。 メイクも先生にばれない程度に。 スカートも少し短く。 あとは性格。 明るくて、ポジティブで、ふざけてばっかいる ような女の子の “演技“をした。 これが意外と上手くいった。 自分でもびっくりするくらいそのキャラに馴染んで行った。 何よりも、この演技をしている時、初めて自分を好きになれたことが嬉しかった。 友達もどんどん増えて、一緒に笑ってくれる子が常にいて、楽しかった。 中学時代の自分が嘘みたいだ。 けどたまに、この幸せはいつか終わるんじゃないかと、不安が襲ってくる。 こんな私が、幸せになっていいのかと。 本当の自分を見せてすらいないのに、 …本当の自分ってなんだろう。 何が本当なんだっけ。 怖い、未来が怖い。 そう思うようになった。 だから、先生に聞いた。 私の担任の先生は優しいお母さんの様な先生で、生徒からも他の先生からも親しまれている。 私は先生が好きだ。 私が暗い顔をしていると、いつも気にかけてくれる。 私がふざけすぎると、ちゃんと叱ってくれる。 私が質問をしたら、必ず真剣に聞いてくれる。 だから、先生に質問をした。 先生は、幸せが怖いと思う時があるのかと。 先生はいつもの様に真剣に私の質問を聞いてくれた。 少しして、先生が口を開く。 「…夏乃空。先生といる時くらい、泣いたっていいんだよ」 先生は私の頭を、優しくゆっくり撫でた。 先生の表情を見ようとしたけど出来なかった。 私の視界は酷くぼやけて、大粒の涙が次から次へと溢れ出す。 私は、気づいた。 全部、本当の自分なんだと。 泣いてる自分も、ふざけてる自分も、笑ってる自分も 全部、全部 大好きだ。
夜がずっと
温かい紅茶に牛乳を注ぐ。 少しづつ混ざり合う紅茶と牛乳を眺めるこの時間が好き。 ひと息ついてから、紅茶の入った雪色のマグカップを持って自分の部屋へと足を運ぶ。 勉強机のライトをカチッとつけると、机の周りがふわっと淡いオレンジ色に包まれた。 机のライトで淡いオレンジ色に包まれた私の部屋が好き。 しばらくぼうっとしていると、私の後をついてきた黒猫のるるが、ぴょんっと軽い足取りで私の机に飛び乗った。 私が机のライトをつけると、るるは決まって私の机の上へと飛び乗りに来る。 きっとるるも、淡いオレンジ色が好きなんだと思う。 るるは私の机で寝そべって、目を閉じた。 そんなるるを優しく撫でる。 私はるるが好き。 ほんのり冷めた紅茶を一口飲んでから、窓に映った満月を眺めた。 満月は穴のあいていないバームクーヘンみたいで好き。 私は満月を眺める度思う。 夜がずっと続けばいいのにと。 好きなことに囲まれる夜が好き。 朝と昼は…嫌い。 学校にいかなくちゃいけないから。 紅茶が美味しく感じないから。 淡いオレンジが薄くなっちゃうから。 私は人と話すのが苦手。 気を使ったり、顔色を伺ったり、人間関係でもめたり、 色々面倒だから。 時計の秒針がカチっと朝へ近づいていく音がした。 私はいつの間にか飲み終えたマグカップを持ってリビングへ行ってから、洗面所で歯を磨く。 もう一度、自分の部屋に戻りベッドへぼふっと横たわる。 そして今日も、夜がずっと続きますようにと願いながら眠りについた。 その時、温かかったマグカップは雪のように冷えていた。 “夜がずっと“
独りにならない為に
独りは嫌いだ。 周りからの視線が痛いから。 自分が惨めに思えてくるから。 独りは…寂しいから。 小学生の頃から、ずっと独りが嫌いだった。 いや、嫌いというか怖かった。 私は人からの視線を常に気にするタイプで、休み時間や移動教室、放課後、要するに行動が自由にできる時、一人になりたくなかった。 クラスには、グループというものが出来ていて特に女子は縄張り意識が一段と強い。 だから常に友達の一番になれるように、一人にならないように、必死に頑張った。 それでも、何らかの理由で一人になることはある。 友達が学校を休んだとか、裏切られたとか、いつの間にかぼっちになったとか。 全部…経験してきた。 その度に、何をしたらいいのか、何で一人でいることがこんなにも恥ずかしいのか。 …何で悲しいのか、ずっと分からなかった。 友達がいる時は、当たり前のように休み時間にふざけたりお話したり、移動教室だって一緒に行く。 けど、友達が居なくなったら? 当たり前のようにふざけていた休み時間は? どうやって一人で過ごせばいいんだっけ。 あれ…今までどうやって生活してたんだろう。 ただ自分の席に一人で座って、ぼーっと黒板を眺める。 その時、やっと周りからの視線に気がついた。 "今日あの子一人じゃん" "可哀想" 皆の目を周りの目を見ただけで伝わってきた。 私への憐れみの言葉が。 その日からは独りがもっと嫌いになった。 もっと恐くなった。 もっともっともっと、自分が惨めに見えて “嫌いになった“ だから私は、惨めな自分を隠して 独りにならないように、笑う。 「行ってきます」 私は惨めな自分を涙と一緒に覆い隠して “独りにならない為“の笑顔を着飾り今日も学校へと歩き出す。 “独りにならない為に“
美しい世界で
生きることにただ疲れて、 あてもなく夜道をさまよっていた。 時刻は午前一時過ぎ。 当然だけど周りに人は誰も居ない。 聞こえる音は私の足音と冷たい夜風の音色だけ。 目的地も決めずにひたすらに足を動かした。 導かれる様に自然と足は動いて、 気づいた頃には無人駅に辿り着いていた。 そこには壊れかけた街頭と、廃れたベンチだけがあった。 なんとなくベンチに腰掛けて、夜風に耳をすまし目を閉じる。 今日はやけに風が冷たく感じ、涙が一粒頬に伝う。 少しすると、急に眩しさを感じて、私は自然と目を開けた。 右を見やると、どうしてか電車がこちらに向かって走っている。 私は驚いて目を見張った。 ぽっけからスマホを取り出し時間を確認する。 ホーム画面にはしっかり午前一時二十五分と表示された。 …こんな時間に電車は通るのだろうか? ついに電車が私の前まで来て、キーっと嫌な音をたてながら停車した。 どうしてか分からないけれど、私はこの電車に乗らないといけない気がする。 私は誘導されるかのように、案の定誰も居ない電車に乗車した。 私が電車の座席に座ると、停まっていた電車が再び動きだした。 後から恐怖心が来て、恐る恐る車掌さんの方を見た。 私はその瞬間目を見開いた。 なんと、この電車の車掌さんは 三毛猫だったのだ。 小さな肉球の着いた手でしっかりレバーを握っている。 私の頭は混乱していて、夢を見ているのだと理解した。 びっくりして放心状態になっていると、車内アナウンスが流れた。 「御乗車、誠に有難うございます。この電車の行き先は…ございません」 …え?もう訳が分からない。次から次へと非現実的な事が立て続けに起こりすぎている。 私はもう夢だと確信して、吹っ切れることにした。 三毛猫の可愛い車掌さんに話しかけるか迷っていると、再び車内アナウンスが流れた。 「こちらの電車は特別仕様となっております。電車の窓をご覧下さい」 そう言われた通り、電車の窓に顔を向けた。 そこには、菜の花が一面に広がり、背景にはジブリに出てくる様な青い空に入道雲が浮かんでいた。 まるで黄色い絨毯みたいで、この非現実的な景色に私は釘付けになった。 「この電車から見える景色は、貴方様に必要なことが映る仕組みになっております」 また車内アナウンスが流れ、私は首を傾げた。 私に、必要なこと? 一面に広がる菜の花、青い空、大きな入道雲。 これが私に必要なことと、どう関係しているのかさっぱり分からない。 永遠と続くこの景色を呆然と眺めていると、遠くの方に人影が見えた。 シルエット的に小さな女の子とその母親だろうか。 私はそう思った瞬間ドキリとした。 「…お母さん、?」 私の記憶にかかっていた靄が一気に晴れた気がした。 嗚呼、そうだ。思い出した。 どうして今まで忘れてしまっていたのだろう。 私のお母さんは、私がまだ五歳になったばかりの頃、病気で亡くなった。 私はまだ幼くて、お母さんが私を置いてどこかへ行ってしまったのだと思い、 お母さんを憎んでいた。 私が成長するにつれて、亡くなったという事は理解したけれど、 それでも私を置いて天国へ行ってしまったお母さんが許せなかった。 でも、違ったんだ。 お母さんは亡くなる前日に、私をこの菜の花が咲く場所へと連れ出し、はしゃぐ私に言った。 「彩菜、聞いて?お母さんね、彩菜の名前を決める時この場所に居たの」 幼い私は、どうして?と尋ねた。 「お母さんに辛い時期があった時、三毛猫の車掌さんが乗った電車でこの場所に来たことがあるの」 「その時に、この世界にこんなにも美しい景色がある事を知って、お母さんは救われた」 「だから、彩やかな空を背景に咲く菜の花の様な、美しい世界をめいいっぱい楽しめる、そんな子になって欲しいと思って彩菜の名前を決めたのよ」 私はお母さんにつけてもらった名前が好きだった。大好きだった。 「…お母さん、ありがとう」 お母さんが言ったような子になれるかは分からないけど、近づけるように頑張るよ。 そう心の中で思った瞬間目の前が真っ暗になり、ゆっくり目を開けると、無人駅のベンチに座っている自分がいた。 …やっぱりただの夢だったのだろうか。 けど脳裏にはさっき見た菜の花の景色がしっかりと焼き付いている。 私はしばらくの間呆然と夜空を見上げていた。 もう、夢なのか夢じゃないのか、なんてどうでもいい。 今はただ、お母さんに貰ったこの名前と一緒に美しい世界を生きていたい。 そう思った。 私はこの日の出来事をきっと、いや絶対 忘れない。 “美しい世界で“
適当人間
「ねぇ陽菜、最近ふざけすぎじゃない?」 友達の結衣から突然そう言われた。 「あ、えっと…ご、ごめん」 なぜ自分が怒られてるのか、なぜ謝らないといけないのか分からないまま、おどおど謝る私を見て結衣は言った。 「またふざけてるの?そんな風に謝られても、もっと腹立つだけなんだけど」 そう言って結衣は口を開かなくなった。 登校中だったためその場から逃げる事も出来ず、二人とも黙りこくったまま、ただ足を動かす。 私達の周りだけ雰囲気が明らかにぴりついている。 私は制服の袖をぎゅっと握りしめた。 額からは冷や汗が止まらない。 ふざけてるって、どういう事? ふざけちゃいけないの? どこからふざけてる判定になるの? 「…分からない」 頭の中に?のマークが次々と浮かび上がる。 ちらっと横を見ると、明らかに怒ってますよと言わんばかりの顔をした結衣がいる。 私は泣きそうになった。 大好きな友達にこんなにも怒られたのは初めてだったから。 怖かったから。 それでも涙を、朝の冷たい空気で必死に乾かした。 私は元からおちゃらけるタイプで、よく馬鹿なことをする。 結衣はそんな私を見て 「何やってんのよ」と一緒になって笑ってくれた。 それが楽しかった。 私は口を開き、結衣に尋ねる。 「ふざけてるって…何が?」 「らいん…最近返信遅すぎ。あと忘れ物も増えたし、約束したこともすぐ忘れる。」 「…適当に生きすぎじゃない?さすがに」 「……」 私は思った。 だからなに?と。 しょうがないじゃんか。 もう、人生がどうでもよく見えてしまうんだもん。 明るく元気を装っても、頭の中にはずっと死にたいと願う自分がいる。 だからもうこんな人生、適当に生きて適当に死ぬことにした。 「私の事…何も知らないくせに」 皆隠してる。 本当の自分を、素顔を。 だから私も隠した。 それの何がいけないの? 私はできるだけ笑顔を作り、結衣に言った。 「ごめんね、結衣」 そしてさよなら。 私は結衣と最後の会話を終えた。 その日の帰り道 私は電車の線路へ、"適当"に身を投げ捨てた。 “適当人間“
この感情に名前を
なんなんだ、この感じ。 辛くないのに、無性に泣きたくなる。 幸せなのに、辛いと思う自分がいる。 笑ってるのに、楽しいのに、 笑えてない気がする。 理由がわからなくて、ずっとずっともやもやしてて、気持ち悪い。 誰でもいいから、何でもいいから 「この感情に名前をつけてよ。」 じゃなきゃ、もう耐えられそうにない。
嘘つき
嘘つきまみれのこんな世界に居場所なんてどこにもない。 誰も私を見ていない。 見てくれない。 だから私も見たことない。 親友だと思ってたあの子も、私の人望しか見てなかった。 「…私は、皆のこと見てたよ。まっすぐ見てたんだけど、な」 私が見てたのは、“嘘つき“だったんだね。 家族も友達も先生も、みーんな 「…嘘つき」 誰も本当の私を見てくれないなら 誰も本当の自分を見せないなら 私も…見せてやんない。 皆騙されて、絶望してよ。 私が絶望した時と同じ様に。 親からは、大きな大きなプレッシャーと孤独を沢山貰った。 「勉強しなさい。きっと、いや絶対に、あなたの為になるから」 嘘つき。 私が寝る間も惜しんで勉強したって、 テストで良い点をとったって、 貴方は私の頬を、笑顔を、ぶったじゃないか。 「こんな成績じゃ意味がない、上位じゃなくて一位よ。一位以外は底辺と一緒なの」 そう言ったよね。 この時私はようやく気づいたよ。 貴方が私じゃなくて、自分の肩書きしか見てないことに。 心底うんざりした。 何が私のためになる、だ。 私じゃなくて貴方のため、の間違いだろ。 勉強なんか、もうしてやんない。 目指すのは底辺の中の底辺いや、最下位だ。 「誰のためでもない私のためだけの最下位をとってやる」 …もう、怒りも悲しみもなんの感情も湧いてこないや。 「私が、私じゃなくなったみたい」 そう思った。 この時から、私の人生の歯車はずれ落ち粉々に砕けていった。 嘘つきまみれの世界で生きてるんだ。 「人生こんなもん…だよね、」 “嘘つき“