箱の中の美しい蝶々、雨と夢

箱の中の美しい蝶々、雨と夢
 わたしのすべてを知りたがるきみへ。どうしても伝えておきたいことがあります。  いまはむかし。一千年前に生きた青い蝶々をおさめた、これもまた古い小さな箱を、わたしが持っていることを。  この箱の由来については秘密にしておきますね。  いまは黙ってわたしのする話に耳を傾けて欲しいのです。 ■  箱のなかの夜では、まだ一千年前の蝶々が生きていて、青く輝く鱗粉を散らしながら、柔らかく閃いています。
ミュウ
幻想的で美しいもの、儚い夢のようなもの、幽霊みたいに漠然としたものが好きです。