虹色の空. 1

虹色の空. 1
髪が、まつ毛がまゆ毛が、皮膚が透き通るような白色で。白色の角膜と空色の虹彩と薄い灰色の瞳孔でできた瞳を持つ青年がいた。 歳は今年で16だか17だか。 彼は親に見捨てられ、村人たちには忌み嫌われていたため、生まれた時から親も兄弟も友達もいたことがなかった。 そんな彼を育ててくれていたお婆も、先日亡くなった。 誰も訪れることのない山の上の小屋に1人ひっそり暮らす彼は今日もその白い髪を風に靡かせながら、混じり気のない白い瞳に、見える世界をそのまま映す。 彼はとっくに感情を失っていた。何かを見て何かを思ったり、誰かに会って何かを思ったり。とうの昔に忘れたそうな。 唯一心を開き、人間らしくいられた相手であるお婆も、もうこの世にはいない。
 羽生.
羽生.
ハニュウと読まれがちですがハブです。 前のアカウントに入れなくなったのでもう新しく作りました。 名前も変えてるので、前のアカウント名は伏せておきます。 同性愛を扱う小説が多々あると思います。 よろしくお願いします