酔夜
夜明け前、頭の中に香の煙が広がって
うすくむんむん、心地よい眠気がする。
街でただ光るのは青白い電灯だけで、
東の空は、ほんの少し桃色に染まりはじめているが、
それでもまだ、暗くて自由な夜の匂いが漂っていた。
夜は、通俗の娯楽を忘れさせるほど魅力的だ。
人がいない道に、法律やマナーなんて存在し得なくて、
寝転がって動物の真似をしても、誰も何も言わない。
虚飾も、美醜も、善悪も、優劣さえ消え入る、
のみならず永遠であって、どこまでも深く影を落とす夜。
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カテゴリー: その他
投稿日時: 2025/10/2 6:46
後川
書きたいときに書くので、1,2ヶ月に2本程度しか書けません。フォローしてくださる方、ありがとうございます