花鳥風月

花鳥風月
ひゅ〜、ぺたぺた ひゅー、ひやひや    、ぺたぺた     ひやひや 昔、おばあちゃんの家にお泊まりに行ったとき、慣れない環境だからか、いつもぐっすり眠れているような時間帯になっても眠れないままで、しょうがないから水を飲もうと隣で寝ている両親を起こさないようにして、そろりそろりと部屋を出た。水を飲んで部屋に戻ろうとしたとき、ちらりと人影が見えた。行きのときは死角になっていて見えなかったけれど、よく見てみると縁側におばあちゃんが薄い羽織物を着て座っていた。どうしたの、そう聞いてみるとこう返ってきた。 「嗚呼、月が綺麗ね」 暑い夏は通り過ぎ、立秋を迎えてから少し立ったからか、おばあちゃんのように羽織物がなければ少し肌寒かったけれど何となく傍にいたくて、暖はおばあちゃんの温もりでとればいいかと思った。けど夜風に当たっているからかちっとも暖かくならなくて
とこしぃ
とこしぃ
逃げ続ければいいってもんじゃない。